人狼議事


158 Anotherday for "wolves"

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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。

2015/05/17(Sun) 03時頃


【人】 逃亡者 メルヤ

― 深夜 → 早朝 ―

[そのよる。

  ふわふわ、

  浮きたつような、奇妙な夢をみた。]

[ 墨をそのまま、ひっくり返したそら。
  太陽も、月もない。

   星のひとかけらもない。
   真っ暗 そう、真っ暗。 ]

  [ 取り残された世界で。
    そ、っと、黒い狼が、
  (あの夜の、ねえさんだ。)

  付き添って
  アタシのてのひらに、あかい石を落とす。]

(2) 2015/05/17(Sun) 03時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[血よりも、紅蓮に揺らめき。
    焔のような色を湛えた、
   まっかな まっかな、石だった。]

  ( どこかでみたような、
   
   そうだ、 スティがつけてたような、)

  これ、どうしたの?

[問いかけても、返事はない。
 柄杓の耀かない空の下、狼は、儚げに首を振るう。
 それを、不思議そうに、みつめて。

   みつめて、 みつめていた、はずなのに。]

  [ぱちり。]

  [またたくと、漆黒の毛並みは姿を消して。]

(3) 2015/05/17(Sun) 03時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  [ ワタシは、不気味な黒の天球に、
     取り残されていた。    ]

   …… ねえさ、 

  … カイド、 ううん。

    …マルガレーテねえさん?

    … スティ?

[返事は、ない。
 奈落のような、ただただ不安にする底無しが。
 風の代わりに、どろり どろり、

   湿り気が、濡れ羽色を、撫ぜるだけ。]

    ( ひとりに、しないで )
    ( 違う、わたしたちは、 
    『ぼくは』、ひとり、じゃ )

(4) 2015/05/17(Sun) 03時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ


 「 …… なにを、寝惚けているの?

   『つめたくなった手を離した、
    ―――    あの日から』

   ずっと ひとりだったくせに、ねえ?  」
  
 [ アタシであって。 ぼくでない。
   記憶を閉じ込めていたはずの、
  『ワタシ』が、嘲笑うこえが、した。 ]

 [ 見開くひとみが。

  瞬かれ、 開いたとき。
  闇色は、窓から差し込む月に薄らいでいた。*]

(5) 2015/05/17(Sun) 03時半頃

逃亡者 メルヤは、メモを貼った。

2015/05/17(Sun) 03時半頃


【人】 逃亡者 メルヤ

 ― 診療所  ―

 …… 、 …… っは、
 ほんとに、夢見が悪いなあっ……!

[跳ねるように、目を醒ます。
 『一日ぶり』の目覚めだけれど、 
 彼女が猫の代わりにすごした時間は。

  いくつかの記憶の欠片に、
  空白の頁をつくりながらも、
  器の主がすごしたように
  書き換えられていた。 ]

 [ それを、微塵も疑わない。
         疑えない。 ]

(11) 2015/05/17(Sun) 04時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[自警団の同僚に、『変わってもらった』夜警。
 (‟彼女”が頼んだことも、
   また ‟彼”が頼んだように変わって、)

 だから、いつもよりもはやく。
 ……遠退いた現実の、(ルーおじさんの)
 ことばが辛うじて残るあたまで。

   また、酒を飲まずに、
   寝台に潜り込んだ(ことになっていた)。]

[ それが、幸か 不幸か。 ]

  [ どこか、まだ朝にははやい、
    仄暗い時間だっていうのに、
    風が。 空気が、騒がしいような。]

 …… ?

(12) 2015/05/17(Sun) 04時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[ ぺたり。

   寝るために脱いだ、裸足のまま。
   部屋を出る、

   ざわめきが、煩いのに。
  (夢のせいか、鼓動さえ、)
   ―― なのに、やけに静かだ。 ]

[ 月夜を吸い込んだ仄暗い青年の瞳は、
  猫に成り切れず、台の上の、
  ランタンを灯して、昏い部屋を彷徨う。 ]

  [ 背筋に奔る、嫌な予感。 ]
  [それを、大袈裟だって、
   いつもの皮肉で笑い飛ばして欲しかったんだ。]
  

  …… スティ、
          ――― スティ?

(13) 2015/05/17(Sun) 04時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  せんせー? …… おかしいなあ、

[そんな冗談っぽい呼び方をしても、
  返事も 気配も、一向にない。
  狗は、舌打つ。 ]

  …… どこいったんだ、夜中にさあ。
  急患でも、来たなら騒がしくって
  きっと寝ちゃあ居られなかっただろうし。
  …散歩でも行ってるのかい、あの医者は。

   ( …散歩なんて、こんな時に? )

  [――― 信じてる。
      信じてるはずなのに、 ]

  (あの死神を気取って、
   悪者になろうとしてるやつが、 

 犯人なわけ、…『悪魔』なわけが、ないだろ。)

(14) 2015/05/17(Sun) 04時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[ なんでだろうな。
    血の気のひくような、感覚がしたのは。]

  …… どーせ、すぐ戻ってくるでしょ。

 [心配なんかした、とか思われちゃあ。
  馬鹿にされそうだから、あほらし。と。
  一抹の不安を、奥底に隠す。

   それでも、
   醒めた頭と、寒気すら感じる肌では
   眠れもしない。

   酒は無いから、ホットミルクでも作ろう。
   そう、ぺたり、

   床を踏んだときだった。 ]

  [ ―――― バンバンッ、]
  [ 乱雑に戸が打ち鳴らされたのは。 ]

(15) 2015/05/17(Sun) 04時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

「教会で火事なんだ、
  人が足りないから消すの手伝ってくれ!

  それと、怪我人が出たときのために、
  先生を呼んでこいっていわれたんだけど、」

[戸を開ければ、覚えがある、
 昨日『代わり』を頼んだ明るいブラウンの青年。
 
 渋い顔を、当然浮かべかけて。
 こんな時でさえ、
 「スティは今居ないから、
  入れちがいにならないよう、
  帰ってきたら一緒にいくよ」

  と、狡くも、後回しにしかけて、
  ふ と。 出歩いているなら。 ]
    
 ( この狭い村だから、
   探されているなら見つかりそうだよね )

(17) 2015/05/17(Sun) 04時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[そんな 考えが。

 背筋の悪寒を、
 『別方向』に毛を逆立てかけさせたが、
  否。 まさか、 ね、 ]

  [ そう思うのに、なんで、息苦しいのだろう。 ]

 「なら、先生は俺が探しとくから!
   アルは先に教会に行ってくれよ!
   ひとりでも、猫の手でも借りたいくらいなんだ」

[――アタシが、その猫なんじゃなかろうな?

  普段なら、そんな冗談のひとつふたつ。
  余裕で飛ばしてくものだけれど、
  いまだけは、そんな言葉もでなかった。

  そうして、促されば あとはもう、
  一度部屋へ、ブーツに足を通し、 ]

(18) 2015/05/17(Sun) 04時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  [ 厚い、死神の衣のよな
    外套を闇に同化させながら、
    (神なんて信じる気もないのに)

  祈れるものがあれば。
   祈りたいよな気持ちになるのは。
   不思議なようで、薄情だと、そうおもう。]

  [ そして地を蹴り、駆ける最中、
     まだ東雲の夜明けにははやい ]
      夜から、朝へ。  ]

 [移り変わる天球は、
  夢と違い、いつもの群青をしていて。
  すこし、こころを軽くする、反面。

   ちょうど、雲間に隠れた死兆星が
   見えなかったことに、眉根を顰める。 ]

(19) 2015/05/17(Sun) 04時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

 ― → 教会/ →早朝 ―

[ ――― めらり めらり、
   紅蓮は、 紅炎は
   天に届き、全てを呑み込む。

   奥の方は手も付けられない程
   轟々 燃え上がっていた。 ]

 [どこかで見せられた、
  聖書に残る、ソドムの業火のように
  それでいて、魔女を燃やす火刑のように。]

 [思わず教会嫌いの狗でさえ、
  小気味いい、と思うことが出来ない。
  目が釘付けになり 息を呑む。

 ひとの罪を裁き。
 焦がす為に神が自ら放ったような
        傲慢な火柱にすら、見えた。 ]

(20) 2015/05/17(Sun) 05時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

 [ 薄らわらいとは無縁の、険しい顔をする。 ]

   …… こりゃ、凄まじいな

[ 外套の内側のポケットが、
  熱くなるような気がした。

  けれど、陽炎に揺ら 揺ら、
      焼け落ちる教会の前では
      気付くはずもない。 ]

[ 先に居た、人間の住民の目が痛かったけれど、

  慣れっこだと言わんばかりに逸らし。
  指揮を執る自警団の仲間にあわせて、
  消化してゆく。

  もっとも、凄まじい勢いで昇る火炎は
  井戸から水を汲んでぶちまけたところで、
  衰えをみせるわけもなく。 ]

(21) 2015/05/17(Sun) 05時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[早朝までかかって、かろうじて、
  入り口が焼け焦げながらも形を残す
  半焼で済んだ、けれど。

    ――― 奥まで、手は回らなかった。]

  [ は と、 息つく暇もなく。 ]

   ( …… そういえば、
   スティはちゃんと見つかったのかねえ、)
    
  [ はた と、気付いて、
    周囲を見渡して、自警団の連中に
    声を掛けようとするのと。

    『おい、死体があるぞ!』
 
     と、聞こえてくるのは、
   調子を併せたように、ピッタリだった。]

(22) 2015/05/17(Sun) 05時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

 …… 死体?

[怪訝な顔をして、
 肩を叩きかけた手を ひっこめる。
 ――― 蒼は、声に応じるよう
 骨組みだけを遺した空間を見ていた。

 膨れ上がる、
 背筋の『嫌悪』みたいな『悪寒』は。
 『見ちゃあいけない』と、囁きかけるよう。]

  ( …… なんでもない、
       ただ確認するだけだよ )

[それが、死体であること、でない。
 知ってるひとじゃあ。

  せめて、スティでないことを
  朝の空に薄らいで、ぼけた星に
  いつのまにか、願っていたのはなんでだろう。]

(23) 2015/05/17(Sun) 05時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

( 『アタシが死んだらね、
  あんたを、道連れにしてやるからな。』)

[そんなことを言った、
 あの日が、遠く 遠く、

  吼えた声は、いまでは
  すっかり飼い慣らされていたことに、
  冥府の猟犬も、情が湧いていたことに。


  狗は、見て見ぬフリをしてきていた。]

 [燃え尽きた、無惨な残骸。
  梁の倒れていないところを探して、
  燃え尽きた哀れな骨組みの合間、

   犬猫のよに 身軽に擦り抜け、]

(24) 2015/05/17(Sun) 05時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

 [かつり] [硬質を強く鳴らし。]
 [くだらない神とやらを祀っていた
       祭壇の方へ、のぼる。]

  [そこにあったのは、
   朽ちた棒きれに、胸を貫かれて
   炭化した 男女とも分からない黒焦げの塊。]

  [吐き気も、嫌悪もない。
  『死体』だけなら、幾らでもみている。
   近付けど 精々、顔を顰めていくくらい。]

    …… ――― 、

 ( これじゃあ、誰かわからないじゃないか )

 [不謹慎に、安堵が零れかけ、た。

 全焼する程の火事でいて、
 明確な形が残るわけがない。それは、そのはず、で、]

(25) 2015/05/17(Sun) 05時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  …… あ、

[触れようか、触れまいか。
 すこし、逡巡したけれど

 燻る、肉の焦げた嫌なにおいに、
 ひんまがりそうな嗅覚の嫌な鼻。
 こんなところ、あまり居て気分のいいものじゃあない。
 
 『触らないで、さっさと去ろう。』
   …… そう決めかけて、
   焦げた、その身に、触れてしまって、]

  [こつり、]
  [そのはずみで、遺体からなにかが落ちる。]

[ それは。

  硝子がどろり融け、フレームも原型を留めない。
  けれど、確かに『眼鏡』だと、わかるもの。]

(26) 2015/05/17(Sun) 05時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

   ―――  !!

[ 拾う、

  狗が良く知る、眼鏡の人物はふたり。
  そして、煤に紛れて、黒いけれど。

  この、色と。
  曲がって、再度、冷えて固まった形。
  大凡の、原型を推測すれば。 ]

    [ 安堵しかけた、吐息を飲みこんだ。]

  …… そんな、ね、

  まさか、本当にアタシより、
  … っ、ぼくより、なんてっ …!!

 (許さない。 そんなの、許さない、)

(27) 2015/05/17(Sun) 06時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[縋るように見た、遺髪は。
 煤けて、焦げていたけれど。

  ――― 一部、昏い金が、
      仄暗い朝日に 煌めく。]

  ……っははァ、… 冗談、きついよ、

  そうだ、腕の、
    あの、石 ―― …。

[昨日の、記憶が途切れた空き頁は。
 ‟彼女”は、託された石のことを、
       遺していかなかった。

 それは、『本人に聞けばいい』と。
 言う意味合いを籠めて、のもの。

   …… けれど、
   今はただ、マイナスにしか、ならなかった。]

(28) 2015/05/17(Sun) 06時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[遺体の腕をまくっても、
 回りを見ても。

 スティがつけていた、
 (そう、つけていたはずの)
 柘榴石は見当たらずに
  まあるい、銀の塊がひとつだけ。

 『誰かが持っていった』なあんて。
 そんな可能性も、考えもしないで、
 『これがスティじゃない』理由を探そうとした。]

 …なあんだ、 人騒がせだなあ。
  やっぱり、 違うじゃあ 、 ―― …

         [ こんっ ]

(30) 2015/05/17(Sun) 06時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[項の冷や汗を感じながら、無理矢理、わらって。
 元々おかしかったのが、更に、おかしくなりそうだ。

  さっさと、スティを探そう。
  ついた膝をあげようとした時、だった。
  渇いた音が、焦げた絨毯に吸い込まれたのは。
 …… マントから零れ落ちて、
  
    数度 跳ねて、ころがる。
    炎を閉じ込めたような、柘榴石。]

  …… 、 

   ( …… なんで、
      今、ポケットから、 )

   あ、 …… っ、 …、ふふっ、

  [ 思考は、
    ホワイトアウトしかけて、 ]

(32) 2015/05/17(Sun) 06時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  あっ、ははははははははははははっ!!!
    ――― やだ、やだなあ!!!

 [三日月が、
  すべてを、塗り変えるよう、
  ぐい と、 持ち上がり、

  他の連中なんて、しらない。
  狂ったわらいが、静寂の朝に、響きわたる。 ]

 [狂喜すら宿す蒼が見開き、
  焦燥と、どろり、自らにすら向く疑念。

  (噫、なにかも放り投げてしまいたい)

 『自分すらも信じられない』記憶に
  空白の頁に縋り求めながら、
  脆い焼死体を揺さぶって、揺さぶって。

 … まるで、『眠ったひと』を起こすように。]

(33) 2015/05/17(Sun) 06時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  なんって、趣味の悪いいやがらせ!
  あんたらしいよ、スティ!!

 [ 信じたくないよ。
     信じられないよ。

   ねえ。 違うよねえ。
   問い掛けながら、なんでぼくは、
     『これ』がスティだって。

   …… 認めてしまってるんだろう? ]

 …… 起きてよ。

   なあっ、馬鹿だって笑い飛ばせよ!!
   こんな冗談、いらない。 …ねえっ、

(34) 2015/05/17(Sun) 06時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[ 蒼は、彷徨う。

  どこかに、隠れてるんじゃあないかって。
  驚かせるために、わざわざ、なんて。

     ――― あるはずないのに、

  捉えられたのは、
  あるべき場所に無く、おちてもいない十字架。
  吸血鬼を仕留めるような杭は、きっと。

     …… 十字架で、
     そんな芸当が出来るのは、
     『人狼』くらいの、ものだってこと。]

  [ぽたり 、  ぽたり 、 ]

  [ 落ちる雫は、

    時間は、 もどらない。 ]

(35) 2015/05/17(Sun) 06時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  … あんたが、死神につれられちゃあ、
    …… 意味、ないだろ。

   泡吹かせようとする前に、
   ぼくをっ、 …置いていきやがってっ…、

[ 頬を、あたたかいものをつたって、
   こんな感情を味わうのは、

   ああ。 『置いてかれた』痛みを感じるのは。
   (二回目なのに、) 初めてかもしれない。

  黒焦げの肩を、ぐ、と掴みながら、
  落ちた、まっかなガーネットを拾う。 
  きらきら、 昏い色をして耀いていた。 ]

(36) 2015/05/17(Sun) 06時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

  …… 殺してやる。

  ――― 絶対に、見つけてだして、
      犯人も、同じ目にあわせてやるっ……!!

[ それと、おなじように。

  天使の蒼は、
   冥府へ誘う、死天使の色に、堕ちてゆく。
   いつの間にか、気を遣ってか。

  自警団の連中も 近隣のひとも、  
  居なくなった世界で、
  
 しばらく、誰かが来るまで、身動ぎもせず。
  静かに 閑に、 嗚咽をあげていた。 **]

(37) 2015/05/17(Sun) 06時半頃

逃亡者 メルヤは、メモを貼った。

2015/05/17(Sun) 06時半頃


逃亡者 メルヤは、メモを貼った。

2015/05/17(Sun) 07時頃


逃亡者 メルヤは、メモを貼った。

2015/05/17(Sun) 18時頃


【人】 逃亡者 メルヤ

― 教会 ― 

[滴るものが、枯れたとき。
 瓦礫を踏みならす音が、した。>>47
 重く、ぎこちない動作で首が回る。
 肩に手を当てる存在は、また珍しい。]
 
 …… ジョー、
  …… っふふ、随分冷静だなあ
  こういうことにも、慣れたかい?

[いつもの、猫目が皮肉交じりに、わらう。
 頬を伝う雫の、乾ききった一筋を拭いながら。

 仄暗い狗のひとみは、
 殺気にも近い澱みを抱え 蒼を濁らせる。
 カチリ カチリ、 時計が逆向きに回転するよに
 戻らぬ針を 記憶だけを、書き換えようとする。]

 …… 。

(60) 2015/05/17(Sun) 18時半頃

【人】 逃亡者 メルヤ

 そうだなあ、『スティなら』、
 鞭打ってやるくらいで丁度いいけど ――― 、

 ( ぼくが『死神』の役目を、
  審判を下すより(そのつもりも無かった癖に)
  逝くなんて、 …… 逃げるなんて、 )

  …… 『別のひと』だもの、ねえ?

[こころのなか。
 『元』の、『個』があった時の一人称に、
 鏡写しに語られるものでない 『ぼく』に。
 ちいさな黒犬のような存在に、戻りながら。]

[確に在る金色に、上目を遣い、問いかける。
 それはさも、‟そうであること”を望むように。
 頼むから、否定してくれ。そう、追い縋る。

 焼けた遺体から手を離し、掌の残る灰を、
 払おうともしないまま。 ]

(61) 2015/05/17(Sun) 18時半頃

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