158 Anotherday for "wolves"
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─ 夜・宿屋 ─
ああ、またおいで。
[散会より少し早く席を立つ青年>>1:518に声を掛け。 すこし多めに置かれた代金に、苦笑の形で眉を下げた。
あの頃は、風のように訪れ来ていたあの頃なら、 彼の気が安らぐだろうかと預かって、別の形で密かに返すなどしたものだけれど]
待ってるよ。
[それでも今も、余分を返しても受け取らぬだろう。 だからやっぱり預かって、 また来たならば何かで余分に返してやろうと心に思う。 その繰り返し]
(29) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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ベネットは大丈夫かね。
[したたかに酔ったらしき青年には、茶など淹れ。 グレッグの水と休息で、少し酔いは収まったか。 些か覚束ぬ足取りの青年>>1:507を案じるように見送って]
……やれやれ。
ベネットがあれだけ酔っていたというのに、 お前さんときたらまだ飲むのかい。
[軽く呆れたように、残るドナルドへと笑う>>21 今日は最早、昨日と違う今日ではなく、 だから皆それぞれに、それぞれの遣り方で過ごしているのだ。 彼もまた]
(30) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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私も一杯、貰おうか。
[客が少なくなった店内で、漸く自分のジョッキを持ち出して。 付き合ってくれるならばドナルドに乾杯の仕草を見せる。 さてグレッグは、ささやかな宴に付き合ってくれるだろうか]
……。二人は、今の村が好きかね。
[酒を傾けながらぽつりと。 若者らに向け問いかけて]
(31) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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いい村だ。…いい、村だね。
[息を吐くようにして、最後確かめるように*呟いた*]
(32) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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─ 早朝・宿裏手 ─
[そうして夜の明けるよりまだ早く。 人も動物も未だ眠りについているであろう、薄明の時。 男の姿は、宿の裏手、動物たちの住む小屋にある。
手に捕らえたのは、闇にも白い鶏だ。 両手で羽交い絞めにした鶏を何もない小屋に引き込み、 地面に押さえ込むようにして鶏の首を押さえつけ]
──── ざくり
[首を斬り落とす]
(33) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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[首を失った鳥は、勢い良く羽ばたいた。 ばさばさと、何も分からぬようにして首なしの鶏がもがく。
血の匂いが小さな小屋に充満した。 男の手にも服にも、鉄錆臭い赤が飛び散る]
(34) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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[男は手際よく首なしの鳥を再び捕らえ、 足を括って小屋の中、血抜きの木に逆さまにぶら下げた。
宿屋の裏手には生き物たちが多い。 元は妻が好きで飼いはじめたもの、 無論ただ愛玩しているものもあるけど、 ここでは、時折こうして生き物を捌く。
宿屋の食事の評判が悪くないのは当然だ。 肉がこうして供給されているのだから。
宿の裏手には、生き物たちの数が多い。 それは変わらない景色のようで── こうして、少しずつ変化し続けている風景なのだ]
(35) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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[ぼた ぼた ぼた
赤い血が鶏の首から滴るのを、薄暗い中でじっと見つめた。 生きるために命を奪う。 こうして命を奪って、人も人狼も生きている。
───生きるため。
その必死さの、どこに違いがあるのだろうか…?]
(36) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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[ルパートは刃物を一度藁で拭い、立ち上がった。 あとで湯を沸かして、鶏の羽を毟らなければ。 けれど今日は、そのほかに大切な用事がある。
ぴしゃり、 ぱしゃん。
空が白々と明るくなりはじめる。 宿の片隅、井戸の傍ら。 赤い血を洗い流す音が、静かに*響いた*]
(37) 2015/05/13(Wed) 11時頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 11時半頃
宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 22時頃
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─ 回想 ─
『お前は私と母さんの大切な宝物だよ。』
[小さい頃から、娘にはそう言い聞かせてきた。 小さな、大切な大切な宝物。 キャサリンが居た頃は彼女と二人で、 そうしてやがては一人で娘の寝付けぬ夜に背を撫でながら。
いつものその言葉が口をついたのは、 だからとても自然なことだった。 少しでも娘を安堵させてやりたいと。 その心の奥底>>39にまで、気付くことなく]
(175) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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─ 早朝・宿の裏手で ─
メアリー?
[井戸で血を洗い流す。 手を流しきるより早く、小さな足音>>47が聞こえてきた。 少し、しまったなという顔になる。
メアリーには、そしてかつてのグレッグにも出来るだけ こうした場は見せないように気遣ってきた。 未だ明けきらぬ早朝を作業に選ぶのは、その為だ。
もっとも甥はすっかり成長して、 今では代わりに捌いてくれることすらある程だけれど]
(176) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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おしっこが血になった……?
[慌てた様子の娘の話を聞いて、ああと頷く。 娘もそんな年頃になったかと思えば感慨深いが、 今それを言っても仕方あるまい]
(177) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[大丈夫だから、病気ではないと娘へと言い聞かせ。 こんな時に母親が居てくれればと、詮無いことをちらりと思う。
オーレリアかマーゴットかクラリッサか。 彼女らが居れば、もう少し上手くやれるだろうか。 花屋の娘に相談するかと、頭の片隅にちらりと置いて]
(179) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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おはよう、グレッグ。
[やがて甥が起き出して来る>>98 それへ挨拶を返して、背筋を伸ばした。 結局、この場で二人とも迎えることになってしまった。 やれやれ、これはどうやらもう少し早起きすべきだったか]
(180) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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─ 回想:昨夜・宿屋で ─
[───ホットミルクでも。
そう言ってしまったのは、つい、 教会で見た顔>>1:116が、かつての少年の姿を思わせた所為。 もう成人して後、いい年なのだ。 酒を勧めても別段、良かっただろう。 けれどホットミルクを勧めてしまったのは、 この目に甥が、どうしても昔の姿を映させるが為で]
そうかね。
[ただ。首を横に振られれば、それ以上を口にすることはなく>>66 残りのミルクを口にする甥っ子へと視線を注いで]
(181) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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うん?オーレリアが?
うん…、そうか。 そうだね、あんな話の後じゃ怖かっただろうからなあ。
[甥の言葉>>69に、うんともう一度頷いて。 苦笑に僅か、苦みを溶かした笑みを返した。 仕方ないのだ。同じく思う…寂しくも思う]
明日、彼女が来たら…いや。 少し休ませてあげた方がいいのかも知れないね。 良く働いてくれるから。
[考えるように口にして、またうんと頷き。 なんとはなしに、ジャムを見た。 恐らくは彼女の忘れ物だろう、花桃のジャムを]
(182) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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ああ、おやすみ。
[そうして甥を見送り>>70、ドナルドと少し酒を重ねて。 問いに返る応え>>124に、小さく笑った]
そうか──…そうさなあ。 考えることもないか、そうだなあ。
[自分とて、どれだけ真剣に考えてきたことか。 このような事態に陥るまで。村が不穏にざわめくまで。 人と人狼の共存する、稀なる村を当然として]
(183) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[その上の問いを重ねることは、しなかった。 物思いの淵に沈んだドナルドと、同じく静かに杯を重ねる。
その日の酒に、色はなかった。 ただ、酔わず頭の芯だけが冴え渡るかのような酒だった]
(184) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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─ 現在:宿屋 ─
[朝食を済ませ、娘のおねだり>>48に応じて 簡単な弁当をこしらえてやり。
マーゴットの、弾むような誘いの声と、 明るい娘の行ってきますを見送った。 傍らのグレッグの感慨>>100に少し笑う。
まったくだと同意を零して、食事の後を片付けた]
[仄かに血の匂いが取れずある。 人間の鼻には捉えきれなくとも、人狼の鼻には匂いほど。 もっとも大したことではないと慣れた調子で考えながら]
(186) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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教会の方が?…そうかね。
[ざわざわと、村の中の気配がおかしい。 玄関先に様子を見に行った甥が、不安げな視線を向けてくる。 それに、男は顔も上げずにそう応えた。 手は動かしたまま、今日の仕込みと出掛けの準備に]
様子を見てきてくれるかね。 私は、…墓に行かねばならんのでな。
[教会に行くつもりはない。 そう告げて、そのまま自分は花屋に向かうつもりだったのに]
(187) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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[慌しい音、そして声。 久しぶりに、聞き覚えある声>>165が自分の名を呼ぶ。 グレッグが駆け出して行く>>167
甥の呼び声>>172が、彼の声に重なった。 それに呼ばれて、男もまた、表へと向かう]
サイラス、 …… スティーブン。 それにラディスラヴァ…?
[医師の腕の中、意識を失った様子の娘に目を見開く。 どうしたんだと、向けた視線は娘を抱いた男へと。 ひとまずベッドにとの言葉には、黙ってひとつ頷いた]
(190) 2015/05/13(Wed) 23時頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/13(Wed) 23時頃
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……………、…。 …一人じゃ、無理だろう。
[部屋の場所だけ。と、言葉が聞こえた>>189 いかに娘一人とて、抱いたまま階段を登り、 扉を開いてどう寝かしつけられるというのか。
かつての愛称を呼ばぬまま久しぶりに名を呼んだ男へ向け、 低く息を吐くようにして言葉を紡ぎ]
……。私も行こう。
[手を貸そうと申し出た]
(195) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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[彼といると、ひどく息が苦しくなる錯覚がある。 手の先が冷える。言葉が喉の奥につかえる]
─── いや。
[忙しいだろうと、そんな気遣い>>197にはごく短く返した。 墓参りに行くつもりだったと、口にすることもなく]
(201) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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……………、…
[部屋に向かうまで、足音だけが響いた。 何か言おうかと思う。 けれど何を口にしたものだか、言葉が出てこないのだ。 彼へ顔を向けることもしない。 ただ、床とラディスラヴァの様子に目を向けるばかりで]
教会で?…何故、
[ただ。部屋で事情>>199を聞けば、やはり短い問いが落ちる。 相変わらず顔は彼へ向けないまま、それでも出て行けと追い出すことも、またないようで]
(203) 2015/05/13(Wed) 23時半頃
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[傍から見れば滑稽な有様だろう。 そんなことを、冷えた頭の片隅にぼんやりと思う。 いい年した男二人が押し黙り、何を口にしていいかも分からないのだ。
ラディスラヴァの世話には、頷き返し。 状況を教える彼の言葉に、男は微かに口元を引き締めた。 その他に表情が動くことはない。 驚きも怒りも、その顔に浮かぶことはない]
そうか。
[音にして返したのは、ただこれだけ。 女性とは誰だろうと、一瞬の疑問は過ぎるけれども]
(223) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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過ち……、か。
[ぽつりと落ちるのは別の言葉で]
過ちだと君も思うか。
…──── スティーヴ。
[そうして、かつての呼び名を低く呼んだ]
(224) 2015/05/14(Thu) 00時頃
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……、いや。
[ふ。と、息を吐くようにして視線を逸らした。 窓の外を見た。 そうしていると、そこに横たわっているのが誰だか、 ───今がいつだか、わからなくなる]
ただ、思うことがあってね。 キャシーは何故死んだんだろう。
人が病を治すのに、人は人の食べ物を摂るだろう。 ならば我々はどうだろう。 君は…、……知っていたんじゃあないのか。
[そうして、医師へと視線を戻す。 琥珀色に、鳶の双眸をひたりと据えて]
(250) 2015/05/14(Thu) 00時半頃
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──── 人を食わせれば、キャサリンは死ななかった。
(251) 2015/05/14(Thu) 00時半頃
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……、…なんて。
[ひたと見据えたのは、光る双眸。 ふわりと己の纏う血の香りを意識する。 あああ、やはり少し──洗い足りなかったか。
やがて視線をふいと逸らせば、眼光は幻のように消え常のよう。 遠く、苦い過去を見つめる目の色はやはり遠く]
… 今となっては、もう、分かりりゃしないが。
[どちらでも良い。と、口にする音も力なく]
(252) 2015/05/14(Thu) 00時半頃
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…さて。私はもう、行かなくては。 今日はこれから、墓参りでね。
[どう思うかと。 返された問いに応じるではなく、立ち上がって]
教会は掃除が必要なんだろう? 片付けなければ、仕方ないだろうからね。
[任せたといわんばかり言い放つ。 自ら行く気はないと言外に告げ、琥珀へちらと視線を流した]
(255) 2015/05/14(Thu) 00時半頃
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