人狼議事


267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】

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視点: 人


【人】 優等生 ヨリック



 陸地から海の深みには手が届かないように、
 光の射し込まない暗がりまで沈んだ意識は
 言葉のひとかけらすら反射出来ないまま>>72
 水飛沫のように硝子玉を撒き散らすばかりで、
 腕に描いてくれた、せんせいに似合わず不恰好な
 海の生き物はみんな“■”にかえってしまいました。

 

(112) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック



 僕もまた、彼らと共に
 おなじところへいこうとしていた筈です。
 海底の砂に埋もれるガラス瓶や泡のように
 せんせいが見つけることの出来ないものへと
 この身体は消えていくばかりだった……

     

(113) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック


 死ねば何もかもが消えて無になるのに、
 どうして生きていかなければいけないのか。
 降り積もっていく死を見つめ続けていくうち、
 悴んだこころは答えのない疑問に逃げていた。
     
 そうしていれば、僕はきっと穏やかに
 棺で眠ってサナトリウムから出られた筈でした。
 

(114) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック



 死にたくない、と思ったことはありません。
  この世界は死の方が溢れかえっていて、
  生は独り置き去りにされることと同義でした。

  だけど…死にたい、と思ったこともありません。
  いずれ誰しもに平等とおとずれるその現象を、
  僕たちは静かに待ち侘びるしかないとしても… 
 
 

(115) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック



 弾けた腕の…失って何も感じない筈の指先は
 もう随分とそのように扱われていない感触を>>70
 強く残し、意識の底まで連れてきてくれました。
 
 遠退くばかりで浮上しない意識は、
 言葉通り硝子玉に変わっていく僕の眼に
 眠るに早く、消えるにも記憶に新しい>>53
 せんせいの意地悪を映し出してくれました。
      ・・・
     

(116) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック


 だけど結局、眠ることは出来ませんでした。

 せんせいが誰かの手記を読んでいるあいだ>>62
 透けた腕で泳ぐイルカと骨身の魚を見つめながら
 暗い部屋で冷たい夜をひっそり過ごした僕は、
 寒くもないのに、怖くて少し震えていました。
 暖かくもないのに、■しさに慄えていました。

     …… 脆い身体が耐えられなくなるまで。
     

(117) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック







.

(118) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック


 ・・
 悪い夢よりはきっと、
 ファンタズマゴリアのようなものでしょう。
 眠りを取り上げるせんせいの声に>>72
 全身が罅割れていく身体は反応を示せずに、
 漸く少しだけ意識が回遊してきたのは、>>73
 冷たい■に雪の布団が敷き詰められた頃でした。

     

(119) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック



 僕の心臓は。
 青白く、弱々しく拍動するいのちの光は、
 いつも凛としているせんせいの顔を照らす
 太陽や月星のように一瞬でもあれたでしょうか?
     

 (  ……いいえ、
    眠らぬ夜を照らす月星は隠れてしまって
    朝を齎す太陽は■の中へは届かないから
    ランプがせいぜいだったところでしょう  )


 ────────  かちり、
 重い瞼を睫毛をふるわせて抉じ開けるだけでも
 硬質な音が鳴って、ぱらぱら頬を滑り落ちていく。

 

(120) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃

【人】 優等生 ヨリック



 口約束は書面の上に残りはしませんから、
 夢物語だって交わすことが出来る…と思います。

 指を絡ませあうわけでも、印を残すわけでもない
 いずれ空気に融けて消える雪にも似たそれを、
 僕はそうだと知りながらせんせいに言いました。

 

(155) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック



    “ 死ぬ  ”
 (  消えてしまうことを
    恐れるようになったきっかけにしては
    交わした言葉も体温も冷めていました。
     
    ───だけどこれまでの僕たちを思えば
    決して冷たい距離と言い切れないような
    ■かさ…に似たひと時ではありました  )

     

(156) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック



 透明なキャンバスになった僕の腕の中で、
  不恰好な海の生き物が泳ぎ始めるまでの
  柔い筆先が硬質な肌を滑る “ くすぐったさ ”
  あれに似たものがフワフワと心に残って、
  死への恐怖に変換されてしまったのでしょう。
 
  ……僕にはあの僅かなひと時が嬉しかった。 

 

(157) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック



 白い雪を花の代わりに敷き詰めて、
 箱舟に仕立てた冷たい棺で眠ったなら
 かえるばしょに行き着くでしょうか?

 このサナトリウムに来た鉄道と同じように、
 たった独りの冥府行に抱く■しさすら無い、

        ぼくのせんせい
 ──── ■■しい■■がみさまに看取られて
      忘却の河の一滴に消えるでしょうか。
     
     (  だけど今のせんせいは、…  )

     

(158) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック



 「 … ゆめなら、
   げんきなすがたもみせられますし
   どんなにふかいうみでも、きっといけます 」

     

(159) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック



 無くなるだけの患者の
 譫言のような願いを聞き入れてくれる人を、
 やさしい…というのだとボクは思うのですが
 せんせいに倣って揚げ足をとるには、>>-50
 重なった掌から融け割れる身体は心許なかった。
 
 僕自身は先生の前から消えて無くなっても、
 もっと他に “ 言い残す ” 言葉はある気がして
 青白い心臓以外空洞になった氷硝子の胴体が
 じわじわその穴を大きくするのを感じながら

 

(160) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック





 「  ありがとうございます、せんせい  」


      恐ろしいと思う気持ちごと、
      融けていくような■かさをくれることに
      自然と言葉が泡珠と結ばれました。
      
     

(161) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック



 夏の眠りを終えた時、
 おかえりなさいと掛けてくれた言葉に対して
 僕はそれを返すことが出来なかったことだけが
 どうにも、心の中に残ってなりませんでした。
 
 せめて明日、空が晴れるなら>>-51
 せんせいと眺めてから…といった繰り返しが
 生きたいという感情に繋がるのだとしたら、
 重くなるばかりの瞼の裏で漸くそう思えた。

 

(162) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃

【人】 優等生 ヨリック




 「     …………せんせい ?    」


 

(163) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時半頃

【人】 優等生 ヨリック


 永遠の眠りに誘われたのでしょうか?
 何も見えなくなった視界は瞳硝子が割れたのか
 瞼の重さに耐えきれずに閉じたのかわかりませんが
 僕はまた何も見ることが出来なくなりました。

 それでも、
 

(164) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時半頃

【人】 優等生 ヨリック



 青白い光を閉ざすように触れてくれる掌には、
 徐々に弱くなる拍動が感じられたでしょうか。
 拍動が止まれば青白い光も洩れださなくなって


 ぱしゃん…、と かたちも残さずに
 さいごは水と弾けてせんせいを濡らすでしょう。
 悪夢を払う方法を僕は知りませんけど、
 どうか、いつか僕が逢いにいく夢物語が
 せんせいにとっての悪夢でない事を祈ります。**
          ・・
  

(165) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時半頃

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