270 「 」に至る病
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[主からの伝聞や著作から感じる通り、 セイルズ・ウォルフォードは実に誠実な大人だった。 こんな人の元でなら、眷属も心穏やかに過ごせるだろうか。 ──それとも、身内にしか見せぬ顔があるのか。]
ありがとうございます 今は通販で何でも手に入るので つい無精してしまいますね
……おいしい
[歳の離れた友人、と、思っていただく分には構わない。 が、己が彼と同じ態度を取れるか自信はなく 迷う返答は、出されたケーキの感想に変えた。 甘いものは好ましい筈なのに、どこか砂を咬むようだが それは己の体調と気分による錯覚だと理解している。]
(163) 2019/10/10(Thu) 23時半頃
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[彼なりの緊張の解し方、だろうか。 鳥渡した揶揄にぱち、と睫毛を震わせ、 続く言葉に──思いがけぬ事実に瞠目した。]
そう…だったんですか、すみません てっきり御存命かと
[20年前なら、丁度、主が己を迎えた頃か。 それなら情報が更新されなかったのも頷ける。 ──続いて過る疑問を口にする前に。]
はい、僕が眷属となったのを契機に …本当の家族には捨てられました
生まれつき身体も弱かったので 遅かれ早かれ、結果は同じだったと思ってます
[ちら、と視線を落とす先は、互いの革靴。 当時のままを維持する己の体型に 皮肉なことにこの靴が一番、歩きやすかった。]
(164) 2019/10/10(Thu) 23時半頃
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[口止め料のように与えられた遺産の一部はそれなりの額で 受け取ることに躊躇はなかった。 お陰で多少、休診が増えても生活に変わりはない。
主の名が出た途端、カップを持つ指が跳ねて、 あやうく落としそうになるのを、なんとか押さえ。]
失礼しました え、っと……奥様と娘さんは…つまり、 どちらも眷属…ということでしょうか それとも産んですぐに……?
[踏み込み辛い話ではあるが、恐らくこういった話を 聞くのも、交換訪問の主旨のひとつだろう。 特に彼は、眷属を伴侶として迎え、"二人目"を得ている。
──彼のケースが己にも当てはまるかはさておき。]*
(165) 2019/10/10(Thu) 23時半頃
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[教授の口からゴシップへ流れる可能性は低いが 決して明かさぬという約束に例外はないだろう。 自らの出自については伏せ、教授の相槌に頚を振る。]
いえ、むしろ感謝しているくらいです あっさりと僕を諦めてくれたお陰で 今の主と家族になれたので
[当時は違う感情もあったかもしれないが、 既に記憶に遠く、実の父の訃報に痛む胸もない。 主の話題に触れた途端、表情が複雑に揺らぎ 彼の眷属についての遍歴は、神妙に聞き入った。]
(197) 2019/10/11(Fri) 01時頃
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死にそうな子を、ですか…… 僕の時もそうでした あの人は…主は、死ぬ手助けをしていた筈なのに 教授はどうしてその娘を助けたんですか? 目の前で死にそうな人がいたら 誰でも眷属にするわけじゃ、ないでしょう [意外なところに見つけた、双方の共通点。 主にはいくら訊ねても返って来なかった疑問だ。 教授はさて、どうだろう。
──主は、己以外の誰かに聞かれたら答えるだろうか。 答えを待つ間にも、思考はやはり"彼"へと向く。]
(200) 2019/10/11(Fri) 01時頃
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[切り分けられるパイに視線を向けつつも、 興味のある話、がとかく多すぎて既に気もそぞろだ。 学生時代の主についても知りたいが、 一番に喰いつくべきじゃないことは解っている。]
全部、気になります 僕はまだ眷属になって20年ほどで… 主以外のことをほどんと知らないので
ちなみに、教授はその…… どれくらいの頻度で娘さんの血を……?
[カップから離れた指を落ち着かなく絡めて、離し じ、と、犬歯が生えているだろう唇を見遣る。 主もそうだが、氏もそうだと知らなければ ごく普通の壮年にしか見えない。]
(204) 2019/10/11(Fri) 01時頃
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[吸血鬼が眷属の血を吸うのは当たり前のことなのに 複雑な家族構成を訊ねるよりもどこか気まずいのは。
一体どんな顔で、どんな風に娘に牙を立てるのか 想像するのが何となく申し訳ないからで。
何故申し訳なく感じるかといえば、 どうしても重ねてしまうからだ──"彼"の、遣り方を。
さすがに実の親子のような関係なら、 あれおど激しく及ぶこともないだろうか。 それとも例外なく取り乱してしまうのだろうか。 この、穏和で落ち着いた紳士然とした男でさえ。]
(209) 2019/10/11(Fri) 01時頃
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[質問を投げてほどなく、 微妙に頬の色を染めて俯く様が 審査する側にどう見えるかなぞ、考える余裕はなく。
ああ、また。と、自己嫌悪に陥りながら 教授の話と、目の前に出されたケーキに意識を向ける。]**
(212) 2019/10/11(Fri) 01時頃
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[吸血鬼にもいろんなタイプがいて当然ながら すべての基準がひとりである故に、 ケーキを頬張る様を、物珍しそうに見遣る。 主に推しつけたら、吸血以上に嫌がりそうだと含み笑い。]
どうなるか解っててそうしたってことは… 先生には自信があったんですね
このまま死ぬより、幸せな時間をあげられるって
[救命による吸血に至る理由、根底にあった意志。 実際に、氏は小さな命を救い、娘として育てた。 彼女がどんな風に生きてきたかは、 飾られた写真にある笑顔が語っていた。]
(325) 2019/10/11(Fri) 21時半頃
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[穏やかな表情は、此方のケースを問われ途端に曇った。 紅茶を含み、もじ、と膝の上に組んで両手を弄んで。]
死なせたくない何か……は、単純に 僕が死ぬのを怖がったから 主は仕方なく助けてくれたんだと思います
患者で、友人だった時にはどれだけ 眷属を持てと勧めても頑なに拒んでいたのに
それだけ、僕が憐れだったのかな、……と
[いまだに明確な答えを貰っていない疑問。 自ら導いた解に項垂れる。 20年もの時を得ても消えぬ罪悪感。
彼に背負わせてしまった、眷属という名の重荷。 その癖、己は彼を責めている。ずっと。…ずっと。]
(326) 2019/10/11(Fri) 21時半頃
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[重く沈んだ空気は、その後。 唐突に響く笑気に上書きされた。 何か可笑しなことを聞いたかと、対面の表情に む、と眉を寄せるも、続く言葉に。]
本当に、娘さんを大事にされてるんですね [教授として培った知識と自らの経験で。 少しでも長く持たせようとしているだろう。 それは"ひとりめ"についてのケースからも明らかで。
感心するような一言は、妙に冷えて室内に響く。 理解はできるが納得していないと伝わるだろう露骨さ。]
(327) 2019/10/11(Fri) 21時半頃
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僕は…娘さんの不満がわかる気がします 眷属なのに血を吸って貰えないって ……想像するよりずっと、辛いことなんですよ
自分の価値を否定されてるみたいな
[実際に彼女がどう思っているかはわからない。>>156 ただ、己がそうだったと添えて続ける。] 僕の主も…ずっと、血を拒んできました 吸ってくれるのは病気になった時や 怪我をした時だけ で やっぱり、不本意な"契約"だったからか 教授が娘さんや奥さんににしたのと同じで 心配して、抑えているのかもしれませんが…
(328) 2019/10/11(Fri) 21時半頃
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……いざ、吸い始めたら…ちゃんと…けど……
[審査も兼ねているなら正しく話すべきだろうが さすがにどんな風に、とは言えず。
じわ、と火照る頬を鎮めるべく、冷えた紅茶を飲み干し。]
(329) 2019/10/11(Fri) 21時半頃
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[氏の話には驚きと、知らなかったことが詰まっていた。 著作や論文からだけでは読み解けぬ様々。 吸血鬼が眷属を持つ理由が吸血に限らぬこと。]
奥様も教授のようにしっかりされていて… 其処迄、管理していたのに やっぱり、だめだったんですか?
──…眷属の最期、って どうなるんでしょう
[気づけばすっかりと寛ぎ、 いつになく饒舌となっていた。 主と違い、何を訊ねても答えが返ってくるのと
氏に対しては、何の気負いもないからだろう。 好かれようと嫌われようと、どう思われようと構わない。]
(330) 2019/10/11(Fri) 21時半頃
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[20年の間に育て損ねた社交性と"他人"への気遣いは 当人にとってどのような思い出か察しながらも 好奇心に抗えず、率直に知りたがる。 勿論、黙されれば追求は其処で止まるが。]
僕は……偶に自分が怖くなるんです 主の傍にいたい、役に立ちたい …それは友人だった頃から少しも変わらないし 今でも大事に思っているのに……
憎らしく、想う瞬間もあって
[ぎゅ、と。絡めた両手を強く握り込む。 微かな震えを押さえるように。]
(331) 2019/10/11(Fri) 22時頃
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このまま、傍にいてもいいのか ──…"症状"が悪化する前に 離れた方がいいんじゃないかと
主にとっても…… その方がいいのかも、と
[ぐ、と唇を咬み締める。 脳裏を巡るのは、前日までの"彼"の態度。 今頃こうして、他の眷属と仲良く戯れているのかと
想像するだけで──胸が灼け焦げそうで、 言葉とは裏腹に、今すぐ帰りたい気持ちに駆られ。]
(333) 2019/10/11(Fri) 22時頃
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なんて、教授に言われても困りますよね すみません。 紅茶、もう一杯いただけますか
[取り繕うような一言も、既に手遅れかもしれない。 精一杯の作り笑顔を向けて。]
逆に教授は、そういう心配を することはないんですか?
奥様と違い、娘さんなら、──…
[いつかは巣立ちや別離の時が訪れるのでは。 問いかけの最後を濁したのは、教授を按じてのことでない。 そんなの有り得ぬだろう、と、自らに重ねて思ったから。]*
(335) 2019/10/11(Fri) 22時頃
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[本人は謙遜してみせたが、確かに耳にした。 氏の、吸血鬼としての不遜。>>232 このまま死ぬよりは、別の病を患ってでも 生きた方がましだろうと。
あるいはやり直したかったのかもしれない。>>231 そう感じるのは、一人目の末路を知った後。]
……我慢、していたんですね 教授だけでなく奥様も
[彼女を生き長らえさせるためとはいえ、 始めこそ貧血しそうなくらいに求めてくれた夫が 徐々に吸血の頻度が下がれば、どう思うか。>>236
写真立てに並ぶ聡明な美人に一瞥を向ける。 出会ったことすらない彼女に心から共感を覚えるのは 既に己は、その手段を使っているから。]
(413) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[──同時に、思い知る。 この身体に流れる血の穢れの濃さを。 氏がまだ、彼女の死を吹っ切れていないこと。
唯一無二の、すべてを捧げた夫の腕の中で、 彼女がどれだけ幸せに逝ったか理解していない。]
教授にとっては辛い思い出、でしょうが 僕には解ります。奥様の気持ちが
[死んだ瞬間より、今の方が余程 未練を抱えているかも、とは流石に口にせず。]
(414) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[代わりに口にするのもまた、 これまで抱え続けてきた鬱憤。 本来、ぶつけるべき人物はここにいないのに。] でも、あなたたちは信じないでしょう 僕らの気持ちを、情をどれだけ訴えても そうやって全部、血が生むものだと片付けてしまう 信じてくれないから、… 血を捧げることでしか実感できないんです
必要とされてると……傍に、いてもいいって
[この瞬間も、脳裏にリフレインする。 重苦しい溜息。煩わしそうな視線。 いつかの夜に聞いた、断絶の台詞。>>0:276
何も言ってくれないから、信じてくれないから こっちは身体に聞くしかない。 理性の届かぬ本能に訴えかけることの何が悪いのか。]
(422) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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……ごめんなさい、これは八つ当たりです 僕らと言ったけど娘さんの本音は解らないし
教授は眷属想いの、立派な吸血鬼だと思います
[愚痴だと自嘲し、何を言っても受け止めてくれる 氏の態度に甘え過ぎたと、銀糸を垂れ 誰に対しての文句かは言わずもがなだろう、 続くフォローに、眉を下げた。>>380>>382
元より、彼の評価を下げたくなくてここへ来たのに。 厄介な眷属を抱えているなんて、 想われたくなかったのに。]
(423) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[みるみると自己中毒に陥る悪癖へ、 優しい一言が降ってきて、顔を上げる。 我ながら情けない表情を曝している気がした。
あれだけ文句と不満をぶちまけて、尚 心は既に、白亜の建物に向かっている。 彼が淹れる苦くて不味い珈琲の味を恋しがりながら お代わりの紅茶をゆっくりと胃に収めて。]
お守り、ですか…? 100年後のことは、想像がつきませんが……
僕の生きる指針は、20年前から変わりません
[暫し考えた後、答えは黙して、ただ、頷いた。 それがお守りとなるか否かは 叶えられる相手次第であるから。]
(426) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[他にももっと、例えば学生時代の彼のことや 奥様との馴れ初めも聞きたかったが 気づけば随分と時間が経っていた。 ──平然と座っているのも限界に近い。]
貴重なお話をありがとうございました また、お会いできる日を楽しみにしています
[審査の結果も、"次"の機会の有無もさておき。 この瞬間の素直な感想と共、別れの握手は此方から。]*
(427) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[400年も時を経た吸血鬼教授から見れば たかだが20年しか眷属なぞ、赤子に等しかろうに。
真摯に意見を受け止めてくれたことを やや重くなる口と表情に感じて "彼" が、氏を敬う気持ちが分かった気がした。
直後には、己の未熟さを憂い だから本音を明かしてくれないのだろうと気が沈む。]
(445) 2019/10/12(Sat) 02時半頃
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[それでもなんとか、笑って別れを告げられた。 良い眷属だと褒められたから。 これで、彼との約束も果たされるだろう、と。]
お土産もありがとうございます 教授もミルフィさんと、お幸せに
……どうか、彼女と奥さんを混同しないであげて
[最後の最後まで差し出口が過ぎたが、 心からの願いだった。 自分の代わりがいると、誰かの代わりだというのは 眷属にとって酷で辛いことだと思うから。]
(447) 2019/10/12(Sat) 03時頃
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[もし、自分がそうなったとしたら───… 想像するだけで内側から灼けつきそうであるし、 可能性ですら耐えられる気がしない。]
(448) 2019/10/12(Sat) 03時頃
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[ともあれ、問題なく審査を終えられたことに安堵して お辞儀を重ねて邸を後にするだろう。
教授が下した診断がやや見誤っていても仕方ない。>>443 氏には知りようのないことだから。 普通の会話が成立したのは、冷静さを保てたのはなぜか。
己が唯一、理性を失い感情を制御できず 顔色を伺い、思うことをうまく吐露できない相手は この世にたったひとりだけ。]
(449) 2019/10/12(Sat) 03時頃
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[一刻も早く帰りたいのに 長らく引き篭もり、また元より虚弱な痩躯は 思うように足が進まず、息を切らす。 教授との時間は充実したものではあったが その分、反動も大きかった。
駅のベンチに腰をつき、時計台を見遣る。 うちに来ている筈の眷属はもう帰っただろうか。 小さな子どもが連れてきた、小さな子。 もっとも、うちひとりは保護者で、吸血鬼で 有名な菓子会社の社長と知って驚いたっけ。>>1:365
屈託ない笑顔に圧倒されながら、 嗚呼、自分がもし吸血鬼だったのなら 問題なく跡を継がせてもらえたのかもと考えて。]
(458) 2019/10/12(Sat) 03時半頃
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[そうならなかった、己の運命に感謝したのを覚えている。]
(462) 2019/10/12(Sat) 03時半頃
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[──駅前の交差点を行き交う車を眺める。 もし、教授の言う通り己との別離が 彼に何かしの影響を及ぼすことがあるとしたら。
このまま帰らないのも一興だろうか。 なぞと、できもしないことを想像しては嗤って 軋む身体に鞭打ち、ベンチから立ちあがった。
仮令そうだとしても この眼でそれを拝めなければ意味がない。]**
(465) 2019/10/12(Sat) 04時頃
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