15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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(なんて、そんなこと、思ってた頃なんて…。)
(もう遠すぎる過去……。)
[ふと、唐突にそんなことを思った。]
(2) 2010/07/17(Sat) 22時頃
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――どうしたの?シィラ
(3) 2010/07/17(Sat) 22時頃
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ヨーランダは、奇妙な鳴き声をあげたシィラを撫でている。**
2010/07/18(Sun) 04時半頃
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― 泉の傍 ―
[珍しく、シィラが興奮しているようにも見えた。]
そういえば、こんなにひとが集まったのはどれくらい振りか。 だから?
(117) 2010/07/18(Sun) 08時頃
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― ヨナの昔話 ― [その時代に似つかわしくなく魔女と呼ばれた女がいた。その女の家にある日たくさんの人が訪れて、その身を引っ張っていった朝。
こわごわと一人隠れた場所から這い出した少女は、荒らされた家を見て、外に飛び出す。]
――……おかあさん……。
[だけど、おかあさんは帰ってこず……。 変わりに現れたのは、シィラ………。]
――……あなたは?だぁれ?
[小さな小さな少女に巨大な紅い眼を持つ異形。 それは恐ろしい光景に見えたことだろう。
そして、周りの人間が騒ぎだし、魔女の娘だ殺せ、と騒ぎ出した時、
シィラはヨナを背に乗せ、ラメトリーから去っていった。]
(118) 2010/07/18(Sun) 08時頃
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――…ねぇ、シィラ、あの黒い黒い大きなのはなぁに。
[その背中で地上を見下ろした時、 ラメトリーの街を黒い影が覆っていくのが見えた。 だけど、シィラは少し鳴いただけで、
ヨナはそれから、シィラと空の旅を幾日かする。
そして戻って来た時、
ラメトリーはひとがいない場所になっていた。**]
(119) 2010/07/18(Sun) 08時頃
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― 泉の傍 ―
>>124 [現れたのは、長い銀髪を持つ女性。 自分もそうなのだけど、彼女のもののほうが華やかに見える。
ここの…の問いに、頷いた。そして…]
――…あなたは、だぁれ?
[いつもの問い。 シィラの尻尾を撫でる手は止めて…。]
(135) 2010/07/18(Sun) 18時頃
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>>140
――…マーガレット、水筒を探す? 水筒……。
マーガレット、水筒なんか持たなくても、 ここにいれば、いつでも水は飲めるのに…。
[歩き出す後姿に話しかける。]
(141) 2010/07/18(Sun) 18時半頃
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>>142
――……そう
[マーゴの答えに頷く。 だけど、その真意を違うように受け取った。
いずれ、彼女もどこかにまた行ってしまうのだと…。]
――…気をつけて……。
[その後姿を見送る。]
(145) 2010/07/18(Sun) 19時頃
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ヨーランダは、その後ろで、シィラが紅いを点滅させたのを知らない。
2010/07/18(Sun) 19時頃
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>>146
コリーン…… 水なら、ここに……。 水を探しにきたのなら、ここに。
[そう念を押したのは、水を探しにきたわけではない人物もいると知ったから…。]
――…にしても、あなたは元気そう。 そう見えるだけ?
(149) 2010/07/18(Sun) 20時頃
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>>154
――…歌うだけ…そう。 誰のために歌うとか、そういうのはないの?
[歌うために歌う。 それは純粋のようで、
でも、それだけで歌は歌えるものなのだろうかとも…。]
(158) 2010/07/18(Sun) 21時頃
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ヨーランダは、コリーンが水を飲む様子を見ている。
2010/07/18(Sun) 21時頃
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>>159
――…一人…… コリーンは一人でも大丈夫なの?
[好き、とそれだけで歌えるということを考える。 それはどれだけ彼女が自分に真摯なのかということかもしれず。]
(160) 2010/07/18(Sun) 21時半頃
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ヨーランダは、シィラがまた小さく鳴くのを聴く。
2010/07/18(Sun) 22時頃
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>>162 一人じゃないと?何?
[揺れる髪に、眼を見開く…。]
コリーンは一人でないと、それとも、駄目
なの?
(164) 2010/07/18(Sun) 22時頃
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ああ、疲れているのなら。 この城の好きな部屋で休むといいの。
[疲れて息をつく様子に、それをつけたしつつ…。シィラが鳴けば振り返り、その身を撫でる。]
(165) 2010/07/18(Sun) 22時頃
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>>166 ――…そう
[そして、笑むコリーンの顔をまたまっすぐみた。]
ええ、好きに休んでください。 水浴びは、瓶なら、そこに……。
[泉の傍にいくつか並ぶ瓶を指差す。]
ああそう、 歌
それは何の歌ですか?
[恋の歌なのか、景色を焦がれたものなのか、それとも、もう、悲しい歌なのか。]
また用があれば、気軽にどうぞ。
[そして、コリーンの様子をそのまま見ている。*]
(167) 2010/07/18(Sun) 22時半頃
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聴く人が決める…歌。 そう、それは、不思議な歌……。
[コリーンがホリーに手を振るのも見つめた。 そう、半分異形になった少女はそこに立ち尽くしていたか。]
――……あなたは、どっち?
[そのホリーを向くと、そう問う。 人間なのか、異形なのか。]
答えなくてもいい。 どちらでも、今がそこまで苦しくないのなら…。
[そして、ついっと空を見た。]
――…日が暮れる。 微かな光が消えていくわ。
夜はもう、とても寒いから……。
(170) 2010/07/18(Sun) 23時頃
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気をつけて……。
[それは、いろんなものにたいしての助言。 ホリーの傍に来て。そう耳元で囁いてから……。]
――……シィラ……
[シィラを呼ぶ。シィラはやってくると、その背にヨナを乗せようとしゃがむ。]
(171) 2010/07/18(Sun) 23時頃
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― 泉から空へ ―
[そして、シィラの鳴き声に、手を広げる。 シィラは紅い眼を近づけて、それから、ヨナをその身体に乗せた。]
――……どこに行くの?
[高く飛び立つ……その空……
暮れてきていた。]
(182) 2010/07/18(Sun) 23時半頃
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ヨーランダは、奇数.見張り塔へ 偶数.城下町民家周辺へ 1
2010/07/18(Sun) 23時半頃
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― 見張り塔へ ―
[空に舞い上がる、エンジェルシィラとヨナの姿を見たものがいるなら、それはどう映っただろうか。]
シィラ……今、音がした。 何かを撃つ音……。
[そうシィラに告げると、シィラはその音の方向へ眸を向ける。 落ちない速度で、じわりじわりと眼下の風景が変わっていく……。 ついに見えてきたのは見張り塔。
その塔の下部が黒くにごっているように見えた。]
(183) 2010/07/18(Sun) 23時半頃
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>>150>>174
[そして、そのフィリップが覗いているスコープに、 シィラの紅い眼が映りこむはずだ。]
――……ああ、ここは……フィリップの……。
[シィラは塔の上、フィルの見る窓に近づいていく。]
(184) 2010/07/19(Mon) 00時頃
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― 見張り塔 ―
>>188 [そして、見張り塔にシィラが貼りついたと同時に、その身体を伝って見張り塔に入っていく。]
フィル……いきなりごめんなさい。 ここには、ひさしぶりにきた。 あなた、ここにいるのね。
[高いところにいたせいか、少し上ずった声で、突然の来訪を詫びる。]
(192) 2010/07/19(Mon) 00時頃
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>>194 [手を差し出されると、少し戸惑ったけど、高いほうがくらくらして手を伸ばして助けてもらう。]
――…シィラが鳴くから、 なんで鳴くのかと思って……。
そしたら、撃つ音がしたから、来たの。
[そして、見回し、銃を見つける。]
異形を撃っているのね。
(198) 2010/07/19(Mon) 00時半頃
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>>203
――……気にしなくてよいの。
[異形を撃っている。そして、シィラを見やったフィルにそう言った。]
危害を加える異形から身を護るのは当然のこと。 でも、 今撃ち始めたわけではない?
[小さな部屋、ここにフィルは一人でいることがわかる。]
そう、訊きたかったの。 ――…水の傍なら、城に来ればよいのに、
なぜ、あなたはここにいるの?
[青色の眸が彼を見つめる。]
(205) 2010/07/19(Mon) 00時半頃
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>>207
[座りやすいように、柔らかい布をくれるフィルに、ぺこ、と頭を下げる。 そして、塔に棲む理由を聞きながら、またこくりと頷いた。]
そう、そんなに、喉、悪いの。 ――……
[青色の眸はその首元を見つめる。]
ねぇ、フィルはどんなところから来たの。 もうずいぶん前に来たのに、
あまり、話したこと、ない、から。
[ベネットの影響だろうか。もっと話がしてみたいと、そんな感じで。]
(209) 2010/07/19(Mon) 01時頃
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>>214
[そして、フィルの街の崩壊の話を聞く。 何より、護りたかったという言葉に、目を伏せた。]
――……そう、ベネットにも。
[その言葉に、ベネットの姿を思い出す。 ああ、彼は大丈夫だろうか。 同時に、ラルフの笑みも思い出した。]
それは、悲しいこと。 護りたい街が滅ぶ、 悲しいことだわ。
[そして、話を聞きたい、にはこくんと頷いて…]
――…どんな話をすればいい? 何を聞きたい?
(219) 2010/07/19(Mon) 01時半頃
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>>222
私の話…。 いい話じゃない。 嫌われるかもしれない。
[そう前置きをする。]
私は、魔女の娘といわれて育ちました。 そして、魔女の娘として、いろんなところで慰みものにされました。 ううん、慰み者といっても、そこまで痛いことや、酷い仕打ちを受けたわけではないの。ただ、少し、異常じゃないかと思われることだけ。
(234) 2010/07/19(Mon) 02時頃
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[それでも、生娘ではないと少し付け加えて]
どう思ったかはわからない。 ただ、みんなかわいそうに思えた。
いい話ではないでしょう。
[暮れた。]
(235) 2010/07/19(Mon) 02時頃
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ヨーランダは、それはつまり、娼婦めいたものであったこと、伝わっただろうか。
2010/07/19(Mon) 02時頃
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――…水は……。
生きていくのに必要でしょう?
[そう、付け加えるように…理由を述べる。]
(237) 2010/07/19(Mon) 02時頃
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ヨーランダは、またシィラが鳴いた。
2010/07/19(Mon) 02時頃
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>>240
うん 淋しい人ばかりが、来ていたから……。
[塔の壊れた窓を見る。闇……。]
――…
(241) 2010/07/19(Mon) 02時頃
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>>242
――……でも、一人で生きていても どうなんだろうって思ったから。
[闇をしばらくみつめてから…。]
フィルも、ひとりじめ、してた?
(245) 2010/07/19(Mon) 02時半頃
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>>247
そう………
じゃあ、よかった。
[水を独り占めしようとするものがいれば、 なぜか、その者はいなくなっていった。
誰がどうしたか、は、知らない。 (もしかすると、シィラが何かしたかも、ということには目を背けていた)]
(250) 2010/07/19(Mon) 02時半頃
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>>249 [フィルの手がそっと頬に伸びてきた。 とくに避けることもない。
ただ、やっぱり青色の目はその顔を見る。]
――……私は、 それでも、生きているから……。
大丈夫。 悲しかったこともちゃんと覚えて、生きている。
ここで、死んでいく人をちゃんと、みていくの。
(253) 2010/07/19(Mon) 02時半頃
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ヨーランダは、フィリップの目をそれでもみている。
2010/07/19(Mon) 03時半頃
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>>254
[頬と頭に触れてくる手。 それに一度だけ瞬きして…。]
――……そうね。 死ぬとは………。
[だけど、そう言われて気がつく。 ああそうだ。
私は、ここからいなくなることとと死を同じに考えていたかもしれない。]
(258) 2010/07/19(Mon) 03時半頃
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――……
[ふと、心にすうっと何かが通り抜けた。 でも、なんだかはよくわからない。
ただ、昔はもっと震えている場所があった。 心に。
それを、思い出しそうで、 いや、もう、思い出しても仕方ないようで…。ただ、たたずむ。**]
(260) 2010/07/19(Mon) 03時半頃
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>>277 不安…… 不安ではない。
もう過ぎ去ってしまった…淡い……期待。
[それは、ここが滅ぶ前に、 戯れにかもしれないけど、届いた手紙>>0
遠くに行ってしまった彼は、 私のことなど、何も本当は知らなかった。 だから、 こんな世界になって、きっと彼も死んでしまって……。 こんな世界になってしまったのに、 私はほっとしている。
まだ、愛するとか、愛さないとか、そんな段階にも踏んでなかった手紙。 でも、心は、温かくなって、そして、同時に、怖くなって……そして、
有耶無耶になった。]
(278) 2010/07/19(Mon) 12時半頃
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[そして、また口開く。]
――…もう会えない人は、死んでしまった。 私はそう、考える。
でないと、私は、
――……あ
[私は何だろう。 死んでしまったら、もう、それでおしまい、と 言い切れるのか。
また悩んで、そして、俯いた。]
(279) 2010/07/19(Mon) 12時半頃
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[きっと、ここに長くいて、
たくさんの人が死んでいくのを見すぎた。]
――…なんでもないの、ごめんなさい。
[俯いたまま、ぽつり]
(280) 2010/07/19(Mon) 12時半頃
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ね
――…ここに来る人は、
みんな、生きて、会いたい人がいるからだと、思っているの。 でも、私は、ここが故郷で、
ここは、もう、私以外は滅んでしまった。
私は、何のためにあるのかな……。
[そして、つい、そんなことまで訊いて……。 その先の自分の欲望に、少しだけ気がついたけど……。]
(284) 2010/07/19(Mon) 13時頃
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[そして、そう訊いたあと、やっぱり、俯いた。]
――……なんだか、今夜は、私、おかしいみたい。 きっと、たくさんたくさん、人に会えて……。
本当は吃驚してるのかも。
[まるで他人ごとのように。 それから、窓の外を見る。
真っ暗な真っ暗な世界……。
城にだけ、誰かが灯せたのなら、薄明かりが見えるだろう。**]
(285) 2010/07/19(Mon) 13時半頃
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― 見張り塔 ―
[城ではなく、焼蛍虫の光の乱舞がはじまるのを見止めると、息を飲んだ。
同時に、また、シィラが鳴く。
その鳴き声は、まるで、そう、
仲間を呼んでいるように…。]
――…焼蛍虫は久しぶり……この塔に、来ないといいのだけど…。
[もし、焼蛍虫の大群がこの塔を囲めば、ここは、死の塔となるだろう。 美しく輝く大きな蝋燭になって……。]
そのときは、ちゃんと逃げるよね。
(336) 2010/07/19(Mon) 18時半頃
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――……。
[頭を撫でてくれるフィルを見つめる。 そう、なんだかたくさんの生きている、そして、優しい人に今日は会いすぎたせいか。
心が不安に、揺れる。]
(337) 2010/07/19(Mon) 18時半頃
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ヨーランダは、マーゴは水筒が見つかっただろうか。
2010/07/19(Mon) 18時半頃
ヨーランダは、コリーンの唄が耳奥に残る。
2010/07/19(Mon) 18時半頃
ヨーランダは、セシルの妹のことを考えて、うなだれる。
2010/07/19(Mon) 18時半頃
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>>338
――…先に?
フィルも、じゃあ、あとで城にくる?
[シィラの声を気にしながら……。]
(339) 2010/07/19(Mon) 20時頃
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>>344
うん、待ってる…。
[その意図など気がつかず、暗闇へ窓から身を出す。 同時にシィラがその羽根を瞬かせた。]
――…シィラ、
何が、聴こえるの?
[またその背に…。]
(345) 2010/07/19(Mon) 20時半頃
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ヨーランダは、見張り塔からシィラに乗って空へ*
2010/07/19(Mon) 20時半頃
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― 上空 ―
[また、シィラが鳴く。 それは、…ひとと、そのあいだ、そこに蠢くものに反応しているように思えた。
聴こえてくる、声。
いや、それは、声、なのか?]
(361) 2010/07/19(Mon) 22時頃
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ヨーランダは、上空から、……とある人物を探すけれど、闇の中、見つかるわけはなくて……。
2010/07/19(Mon) 22時頃
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[降り立ったのは、<<ラルフ>>の近く……。]
(362) 2010/07/19(Mon) 22時頃
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― ラルフの近く ―
[そして、降り立つのは、ラルフの近く…。 シィラはぺちゃりとその触手を降ろした。]
――……ラルフ?
[薄く浮かび上がったシルエット、 その左手が長く、闇の中、遠くからの焼蛍虫の微かな光を受け取っていた。]
ここはどこ?
[シィラから降り立ち、ラルフと思われる人物に話しかける。]
(364) 2010/07/19(Mon) 22時半頃
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|
――……違うの?ラルフじゃない?
[闇の中の人物に話しかける。]
(388) 2010/07/19(Mon) 23時半頃
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>>390
[闇から返ってくる声、それはラルフのもので安心する。]
ええ、大丈夫。 裏口?城の裏口なのね。
[すると、ぼんやりシィラの眼が紅く光った。 その光に赤いラルフの姿が浮かぶ。
その身が血で汚れていることまでは気がつかない。]
今夜は焼蛍虫が出ているの。 だから、もう、出歩かないほうがいい。
[ラルフの姿を確認すると、シィラはぶわり、とまた舞い上がる。]
――…シィラ、今夜もどこかにいくの。
[返事はしないけれど、シィラは浮かんで、どこかへと去っていく……。]
(393) 2010/07/19(Mon) 23時半頃
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ヨーランダは、地上に降り立って、少し、バランスを崩し、座り込む。
2010/07/20(Tue) 00時頃
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>>399
[どこかよそよそしい感じをラルフより受け取る。 避けるような仕草をされると、なお、青色の眸はその姿をよく見ようとする。]
うん、もう狩りには行かないで
――…どうしたの? [シィラを見つめるラルフ…そのコートに大きな黒い染みを見つけて……。
コートに手を伸ばす。]
(401) 2010/07/20(Tue) 00時頃
|
ヨーランダは、シィラはもう見えない。
2010/07/20(Tue) 00時頃
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