266 冷たい校舎村7
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[ 息をしている。 ]
(221) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 目が開く。自発呼吸をしていることに気づく。 田所怜奈は、何故だかまだ動いていた。 ]
(223) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 頭の中に巡る記憶。 精神世界に取り込まれるという非現実的な設定。 ただ、夢だと片づけてしまうにはあまりにも現実的だ。
柔らかさを失っている布団の中で、 怜奈は呆然と天井を眺めていた。 身体を少し起こし、横を見れば 祭壇に薄がりで悪趣味に光る汰風流が鎮座している。 あれも、夢ではなかった。 ]
(224) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 三年間バイトして、 稼いだ金は学費や御布施に消えた。 大学受験費用に、と貯めていたものは、 銅だか鉛だかに金メッキが為された汰風流にと、 昨晩代わっていた。 嬉しそうに購入を報告する両親に、 なにも言葉を出せなかった。 これできっと幸せになれると、 心底信じ切っている口を塞いでしまいたかった。 ]
(226) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 幸せになんかなれるものか。 ]
(227) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 布団から抜け出して、寝ている両親を見下ろす。 まだ37歳だというのに老けて見えるのは、 彼らが自らを幸せだと思っていないせいだろうか。
金メッキに覆われた金属を頭に思い切り叩きつけたら、 血に塗れて。 金銭の悩みや、 幸せだとか不幸せだとかからも解放されるんだろう。 ]
(228) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 怜奈は金属の塊に手を伸ばして。 そして、触れる前に止めた。
彼らには縋るものが必要だった。 ただ、それだけで。 たった、それだけだ。 触れれば壊れてしまいそうな彼らの心が、 形を保てているのは汰風流のおかげだ。 それは否定しようのない事実である。 ]
(229) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 怜奈は息を吐いた。 弱った鳶を守ってやれるように、 成らねばいけない。
今の怜奈はただの非力な高校生だ。 時間を重ねていく過程で、 両親に現実へと向き合わせる必要がある。 いつかは、きっと醒まさせてみせる。 ]
(230) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 携帯に手を伸ばす。 薄暗い中で光る液晶はやけに眩しくて目を細める。
通知があったものに目を通した。 ]
そっか。
[ 文化祭で彩られた校舎の世界は、 拓海の精神世界だったようだ。 そっか、と怜奈はもう一度繰り返す。 ]
(231) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 暗闇に紛れる服装に着替えて、 音をたてぬように家を出た。
濃紺の世界に、疎らに灯る街灯に、 怜奈はまっすぐ前を向いて、 拓海がいるという病院へと歩き出した。 ]**
(232) aki_nano 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[ 田所怜奈は、鳶が産んだ鷹。 ]
(934) aki_nano 2019/06/23(Sun) 21時頃
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[ 卒業式を終え、 今日も朝から晩までバイトに明け暮れる。 多くのパンが選ばれ、買われていく。 その様を見守りながら、時間は過ぎていく。
夜の時間が憂鬱だった。 怜奈に接客業の笑みを説く客がやってくるからだ。 ]
いらっしゃいませ。
[ 扉が開いて、怜奈は定型句を口にした。 そして、客のつけまつげに縁取られた目を見て、 内心ため息をついてしまう。 最近、うまく笑えてない自覚がある。 ]
(935) aki_nano 2019/06/23(Sun) 21時頃
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[ 特待生になる自信はあった。 しかし、受験には金が要る。 そのために貯めていたものは、置物に代わってしまった。
例えそれを売ったとして、 同じ価値を見出してくれるものがどこに居ようか。 例えそれを販売先に突き返しても、 金はどうせ返ってこない。 例え返ってきたとしても、 多大な利子付きで返済を求められるに違いない。
そのうえ、 両親があれを手放すのは考えられない。 信仰の対象を簡単に手放すわけもない。 ]
(936) aki_nano 2019/06/23(Sun) 21時頃
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[ 短期間で金を作る方法は、 たった一つしか考えつかなかった。 ]
(937) aki_nano 2019/06/23(Sun) 21時頃
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[ 上手く、もう笑えない。 特に彼女たちの前では。 ]
計三点で、お会計は──……
[ 最近暗くない?何か悩んでる? 大学もう決まったんでしょー? 知ってる知ってる、特待生でしょ。 うちらとは住む世界がちがーう!
眩暈がした。 同じ世界に住んでいたわけじゃない。 もともとは別世界だ。 解り切ったことなのに、別世界だって。 心の底で同じ世界に墜ちたと思っていることは、 絶対に誰にも悟られたくない。 ]
(938) aki_nano 2019/06/23(Sun) 21時頃
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[ どうにか薄笑いを浮かべ、対応したようだった。 ほんの少し前の事なのに、思い出せない。 静かになった店内で怜奈は一人息を吐く。
ここで働くのもあと少し。 大学に入れば時給がいい仕事も見つかるだろう。 たまたま目の前に置いてあるてんとう虫のパンを見て、 またひとつ、息を吐いた。 ]**
(939) aki_nano 2019/06/23(Sun) 21時頃
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