219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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── 回顧/ ──
[その日の道場は何時もと空気が違った。 只々竹刀を振り続ける姿と、それを遠巻きに見ながら潜められる声。 『…うわ、傷だらけじゃん。』 『師範補佐ってっても大学生なんだから休めばいいのに…。』 『でもやんちゃするような性格だっけ?』 『いじめられっ子助けようとしたらしいよ。』 『それであんなに寄り難い空気になる?』 実のところ当人に筒抜けだとは思っていないらしい。 素振りしていたその竹刀を上に上げた折に、まま一旦止まって、青年は一言だけ吐き出した。]
……修練中の私語は厳禁です、
[確かに、そう云って振り下ろした姿には、顔にも手にもガーゼや絆創膏が見受けられたが、本人は意にも介していなかった。]
(34) 2017/06/15(Thu) 18時頃
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[ ── 不器用だ、と。 そう評価したのは誰だったか。
行動に対しての責任感が強いものだから、 一回決めた遣り方を曲げるのに尋常ない力を消費するものだから、と。 最善手でなくとも、それが明確に悪い訳でもないから否定しづらいのだ、と。
─── そう、言ったのは誰だったか。
そういうところ“まで” て、と、 そう、言ったのは、 ──── ]*
(35) 2017/06/15(Thu) 18時頃
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── The 3rd day ──
[同じ事の繰り返しは、それが如何に非現実的であっても3日もすれば日常になるという。 嫌な記憶を思い出していたのに、この程度では冷や汗の1つもかかないらしい。]
…彌死に人らしい、 と、又ですか、今回は …──
[今や聞き慣れてしまった携帯のメールを、操作は相変わらず辿々しいまんま開いて見てみれば、非常に比喩の効いた文章に首を捻る。>>#0 次いで、真っ先に思い出したのは ── ]
…将棋?
…いえ、違いますね、 確かあれに老兵か否かという括りはなく…、 いや、ト金の事…? だとすると、対の王を届けるの意味が…。
[もう少し考えて出てきたのは最早王でもなんでもなく、ふるりと頭を振った。]
(48) 2017/06/15(Thu) 19時半頃
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[…と思った辺りで。 後ろから、 轟、一陣の風が吹いて振り返った先にあったのはよく見慣れた駅だ。
(先生の姿を探しても見当たらない、 2度目の事にため息を溢し、)
ふる、首を横に振って歩き始めた辺りで、駅からの客の足が、随分急いているのの混ざっている事にも気が付く。]
いつもなら、此処から大学、 …行くには時間が遅い、か?
[いつ見たって明るいもんだから、そろそろ時間感覚ってのがなくなりそうだ、と思った。 その、駆け足の童らの言葉は、凡そ聞こえたが。]
(嗚呼、あれの大会があったのか、)
[…勿論、青年でも知るところである。 友人とやった事もある、のだが、問題として言えば。]
(51) 2017/06/15(Thu) 20時頃
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[ ─── その、剣道の腕とは全くと、 反比例した力量という事くらいだ。
場所は浄瑠璃公園だと言うし、人の集まるところに情報は集まりやすいとも言うしで、是も非もなく向かう事にした。 だが然し、何処ぞのお嬢さんが随分と手荒な部下を播いたもんで、>>0 暫く道行くと見つけたのは熊1頭。 それが闇色の影を伸ばしてんだから、雑音って事は分かったし、無駄に戦うのも避けたかったから迂回する事にしようとしたが。
『…今、どの辺りにいるのだろう、』などと、 先日意識ごと絶たれた時にする筈だった返事の代わり、会えそうならと尋ねたのだ。>>2:577]*
…先生の場所に依っては、力業も考えておこう…。
(54) 2017/06/15(Thu) 20時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2017/06/15(Thu) 20時半頃
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[雑踏の中にいるよりは、雑踏の影を見ているような。 そこに、本来居てはならないだろう動物の姿を認めた。 そこから如何と身を振るか考えての事だったが、聞けば先生の居るのは地図上この道を行った先に向こうになる。>>71
『駅の方からだ。 浄瑠璃公園に行く人がちらちら居るから、 そっちに行ってみようと思ったのだ。』
こうなれば手立ては1つだ。 木刀の柄に手をかけ、刀身の方を持って引き抜こうとすれば、
─── 如何したって抜けなかった。
てっきり抜けるもの、と思っていたのだが、如何やらそうではなかったらしく。 (青年はその切欠が何であるかを今一つ解してはいない。) 当惑の表情を浮かべて目を瞬かせた。]
(89) 2017/06/15(Thu) 21時半頃
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[確かに抜けていた記憶もあり、それを振るった手の感覚も(あまり良い感慨ではないが、)覚えていると云うのに。]
(こ、此れは如何せよと…、)
[如何やっても抜けないのならば仕方がない。 再び暫くは木刀のままで振るう事を決めて、熊の居る道を力業で抜けようとした矢先。 その言葉に、目線を落とすと掌を開いた。>>73 確かに減っていく刻は90を元にしていたらしい値で。
『今回は、此れまでより難しいか、 此れまで以上に手間のかかるもの、
── と云う事なのだろうな、』
そう答えながら、既に色々置いていかれそうな青年はため息の一つを吐き出すと、 姿勢を変えて木刀を握り直し、 相手を見定めるように両の目を細めた。]
(93) 2017/06/15(Thu) 21時半頃
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──── …斬捨御免、押し通るッ!
(95) 2017/06/15(Thu) 21時半頃
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[同時に、地面を踏むと動き自体は鈍重な熊の首筋を勢いよく一閃した。 (但し何と云おうとも斬れない。)
…が、矢張り身体は丈夫なのだろう。 傷みを感じるからなのか動きは益々悪くなったが、表面上以外の何処かを負傷させたらしく。]
あ、…あー…… よし逃げよう。
[明らかに怒りを買ったと言ってもいい、そのままやってくるそれに気が付けば、流石に宜しくない事は分かったものだから。 た、地を蹴れば、スクランブル交差点の方へ駆けた。
暫くもしない内に、先生の玻璃には行くと口にした白が目に付くだろう。 ── 更に(大分距離はあるが)後ろから熊が付いてきていた。]*
いきなり悪いな、君! 兎角走ってくれ!
(100) 2017/06/15(Thu) 22時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2017/06/15(Thu) 22時頃
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── 回顧/ ──
[人の口に戸は立てられないが、先生と母様だけには見付かりたくなかった。 何時もは道場にいる間、男子にしては多少長い髪を上げているのだがそれすらままならず。 それでも、打ち稽古こそ参加せずとも只管素振りをしている姿に、周りは寄り難さを覚えたらしい。
( 心配などは、一切なく。 )
烏も夕焼けに帰ってしまった頃、 普段はそれ程感情を呈しない先生が、滅多に見ない程仰々しく世話を焼いてくるのに唖然としてから。>>40]
先、生、 ……、
[身体を震わすでも何か口にするでもないが、気が付けば顔に作った傷に水が滲みて、僅かに痛んだ。 けれども理由などは答えず、只々、「私が至らなかったのです」の一点張りだったが。]
(195) 2017/06/16(Fri) 01時半頃
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[…… 誰に言われたでもない。
母様とて、限度はあるが精一杯したい事をして生きるよう言っていた。 先生は世話を焼き、心配もすれば相談にも乗ってくれるが、だから何か思考を固めようとするでもなかった。>>41
─── ならば、血は争えない、と云う事か、 青年は確かにより善く狡く生きる事はできなくて、行きすぎた程の真っ直ぐだった。
疵が治れば噂も引っ込む。 だからといって、随分と頑固な子だと云う認識が消える訳ではなく。 師範はそれでも買っているのだ、青年が誰の置き土産か知っているから。
(── 本当、 そういうところ“まで”。 輝久に似て、融通が利かない。)
そう、思われる事は知っている。]
(196) 2017/06/16(Fri) 01時半頃
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[それでも青年は気付いている。 己の、他の道場の師範が。随分と齢を重ねたご老公が。 本当は、その姿に誰を見ているのかを。
── 近しい事は嬉しかった。 ── 喪って尚、意味なく誇らしく、 ── そこまで思われる事を尊敬した。
幼い頃、青年が望むと望まざるとに乗せられた装飾は、育つにつれて呪いとして枷に変わった。 障害となり天井となり重しとなり、けれどその先に青年はいないのだ。
只、それを負う事に、慣れてしまって。 己が己以外に成り得ないのだからそこにある影ではない自分を見てほしいと、愬える事を辞めてしまった。
( 咲くは緋色の椿華、 染まった白の色は戻れない。 )
諦める、事で、守ったつもりだった。]
(197) 2017/06/16(Fri) 01時半頃
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( 先生、先生、 私には父の名が重いのです。 秤に乗せられる事も、何も、 全てが、何もが、重くて、
私は ──── )
[決して口にされない心境を、誰が知ると云うのか。 分かっていても、それを口にできる程に強く振る舞える自信は、なかった。]*
(199) 2017/06/16(Fri) 01時半頃
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── 現在/ ──
[先生と空中に放られない会話をして、漸く人足が浄瑠璃公園に多く向いていた理由を知る。>>198
『嗚呼、…だからか。 随分子どもの多い事だと思っていた。
…否、今は情報もないから構わないが、』
『まあ、其方を優先しよう、』 そう返す青年の視線の先には、通路を行く二足歩行の捕獲者、──即ち、熊がいる。 普通に通れば先ず見付かる事は必至だ。
だから、あわよくば死んでくれて良し、 何なら気絶させて抜けようと思っていたのだが。
まさかそこまで真剣に追われると思わず。 …云わなかった此方も此方なのだろう。]
(213) 2017/06/16(Fri) 03時頃
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[そんな訳で、見事に追う者追われる者の構図を作り上げる行動を止める者の居る筈もなく。
『…難易度の割には。 延びた時間が短いと思って仕舞うのは、
……… 私だけなのだろうか、』
そんな事を返して、打ち込みにいったのが悪かった。 当然、そういう読心だとか。>>200 相手の状況を察するようなサイキックなんぞではない訳で。
(行くと云った時には、 こうなるとは想像もしていなかったとも!
… 尤も、原因は私が作ったのだが、)
序でに、 思った以上に熊の執念がすごかった、意外すぎる程に。 雑音の追跡力と執着心すごい、と素直に感心を覚える程には、な!]
(214) 2017/06/16(Fri) 03時半頃
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[見えた先生の姿を見て。 青年も表情を僅かに緩めたし、其れこそ、 ひら、振られたその藤色の袖に返すように手を挙げるくらいはしたかったが。>>203
状況はそうさせてくれるものではない。 後ろからは頭に血の上っているとでも表現できそうな程気の立っている黒くて大きい影が付いてきているのだから。
思う訳がないだろう、 蛙、狼、狐(、序でに海月)と見てきたが、まさか此処まで動物園とは。
青年は当然、それの存在さえ知らないが。 何処ぞのアニメのように、 平和にフレンズになってくれる訳でもなし。
そりゃあ此の熊から逃げる一択になるのも止むなしだろう。]
(215) 2017/06/16(Fri) 03時半頃
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[未だ僅かしか上がっていない息のまま声を張り上げれば。 先生は如何にも茫然と云うか、唖然と云うか、そんな様子に見えた。
(仮に、此れが若し逆でも。 青年だって同じような反応をしたと思う。)
何とも言い難い追い駆けっこのまま、逃げ切るつもりでは居るのだが。 からん、軽い下駄の音がしてみれば、先生が今から行こうとしている道の真ん中に居て、何をする気なのかと思ったのと、扇子の向いたは同時。>>211
普段諳んじる言葉は無かったが、現れたは度々よりも大きく思える太刀が5つ。 大華を咲かすように円を描けば、行き先は己より後方、]
、っ …済まない、助かる、
[と、踏んだ足を軸に半分程をその場で回って、 前だった後ろへ一歩を出せば、あの大きい影のひっくり返っているのが見えた。]
(216) 2017/06/16(Fri) 04時頃
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─── は、此れなら撒けそうだ、
今の内に見失うくらい離れたなら、 それだけで良いってのでもないのか?
[生憎都会育ちは此方も同じ事。 雑音に何処までが当てはまるのかは知らないが、再度先生の方に向かって走り寄れば頷かれたのに返して通りを駆ける。 今は地図を確認して居ないからあやふやだが、行き先は下駄の導く方に合わせて走る事にしたならば。
じきに、トランジハウスが見えるのだろう。>>212 それが見えれば、「君の行きたいのはあれではないのか、」などと声をかける。 入る気ならば、一も二もなく先生に連れ添うつもりでいる。]**
(217) 2017/06/16(Fri) 04時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2017/06/16(Fri) 04時頃
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── 現在/To be hooked on ... ──
[『嗚呼全く。』と返すのが、先生にとって如何に映るかはさておき。 意識の海に放る言葉は状況報告を含まない。 目下は合流を先として動く事にした。
『…見付けるまで、の猶予か。 成る程、そういうものかもしれない。』
先生が呑気に返しているとは知らないまでも、青年だって此の時は至極穏やかに返していたのだ。>>259 そりゃあ、此れから打ち込みをするなんて思わせない程に。
気絶させられたならもっと平穏かつ安全に行けると思って、斬れないと分かっている木刀を振るった。 きっと先生にそう云われていたなら、>>262 時間は此れ程早くはなかった筈だが素直に迂回して、もっと平穏に合流できただろう。]
(274) 2017/06/16(Fri) 16時頃
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[…まあ、実際は。 打ち込んだばかりに執念染みて追いかけられている訳だが。 報告・連絡・相談は大切である。
そうして、嫌に目立つストーカー紛いの熊を引っ付けてきたと云うのにも関わらず。 冷静に対処している(と青年には映っている)先生に、普段なら感嘆を抱いただろうが。 見た目と巨躯の割には早いそれが再び起き上がって此方を追ってくるより前に、と地を踏みやって。 明らかに敵と看做されたであろう捕獲者の起き上がる前にと、今ばかりは兎角離れる事にした。]
自分よりでかいのには大人しいんだったか、 それは兎角、今の内に行ってしまおう。
まあ、そりゃあな。 それに、前向きの方が君は尚更走り易いだろうに。
[…などと、今に於いては無駄口以上の何にもならない事を返してから。 下駄で走らそうってのが間違ってたなと思うのは、ほんの僅かの間。]
(275) 2017/06/16(Fri) 16時半頃
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[前の藤衣の行くままに任せて行きついたは、先刻話題に上がったばかりの場所だった。>>263 それが目に入ったもんだから、 暗に行かないのかと述べれば、ふ、っと覗いて見えたのは好奇心のようなもの。
一も二もなく連れ添おうとしただけと云うのに、先生の表情が、ぱっと輝くような笑みを浮かべたものだから。 随分と童心に返っているように感じながらも陽気な店主に会えば、それを尋ねる機会ごと浮かべた不思議は浚われていった。]
…………、 ?
(がいりゅうおう、ってのは…)
[マブスラを付き合い以上にした事のない青年にとって、先生が随分楽しそうなのも、その口にしされている名も聞き覚えのあるものではない。>>256]
(276) 2017/06/16(Fri) 16時半頃
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[明らかに食い入るように見る先生の視線の先。 アンティーク・ゴールドの、眩すぎない輝きを見てから、再度先生を見遣った。>>266]
(宝石とかのが近そうだと思うのは、 …私が知らないから、なのだろうか、)
[鍵のかかった硝子箱の上から、ひたり、先生の細指が触れる辺り、恐らく何か非常に引っかかるものでもあったか、とくらいは分かるもので。 羨む童のような様子に、先生でもそう云う表情をするのか、と思った矢先 ── ]
………あ、 “対”…?
[その、突然に現に還ったかのような様子の後。>>268 耳元で囁くように向けられた言葉に返すのも、すっかりテレパシーなんぞ考えなかったものだから、「一理あるか」なんて呟いて返した。 確かに此れなら届ける事も可能だろうとも思ったから。]
(277) 2017/06/16(Fri) 17時頃
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[非売品と言われたものが必要となれば、恥を偲んででも頼むしかないか、 …と思うより先、既に頼んでいる先生が身を引き以って乞うのに申し訳ない気にもなったが。>>269
(青年自身に興がなくとも、 ミッションとなれば全く別の話であって。
── 多少、先生の“我”のありそうなのは、 見なかった事にしておこうと思う。)
そこで悩むような様子を見せた店主の指す先に勝手に倣うように遣った視線の先には、よく見覚えのある青があり、>>#10]
……………、 はあ、
(つまり私たちの集めていたのは、 この遊戯のバッジだった、と?)
(278) 2017/06/16(Fri) 17時頃
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[先生以上に、状況を咀嚼できていない青年は、困惑さえほんの僅かにしか乗っていない声を溢した。]
…否、私は知らないから。 君が知らないのなら分からんものだ。
[レアグレードだとか、 そもそも、“然しもの僕でも”とは如何な意味だとか、>>270 聞きたい事は山積みになっていくのだが。
(勿論、青年が彼の人を「先生」と、 そう呼称するのは此れに関わりない。
── 嗚呼、念の為に置いておくが。)
そんな先生の黒歴史が抹消された後の生では、当然、その意味を知る筈もなく。 只、手にあるものを見始める辺りは、「嗚呼、替えるつもりなのだな、」と察し。]
……まあ、確かに軽いものではないよな、
(281) 2017/06/16(Fri) 17時半頃
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[甚く、子どもが親に強請るのが憚られて伺うような様子で此方を見るのに、>>272 扨、先生は随分歳上の筈なのだが、寧ろずっと下のような変な錯覚さえ覚える。
それに、できる限り顕にならないよう、驚いたのを表情の奥に引っ込めなどしながら。 思わず、ふるふると肩が震えそうになるのを必死に耐えていたが、とうとう我慢できずに吹き出した。]
………っふ、ははっ、 折角“非売品”を貰えるのだから。
…貰っておいで。
[袂の下から、別れている内に貰ったバッジの1つを手に転がすと。 先生が3つを既に乗っけていた手に、乗せるよう積んだ。 そのまま、先生が店主と交換している様子を微笑ましく見詰めながら、意外な一面だった、と思った。]
(290) 2017/06/16(Fri) 17時半頃
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[そうなれば、後は“対”とやらのバッジを探さなければならない。 交換されただろうアンティーク・ゴールドは託しておいて、漸く笑みを噛み殺すと緩んでいた表情を引き締めた。]
…となれば、先の行き先は公園かな、
[そうは言ったが、交差点の辺りに放ってきた熊との再会は避けたく。 非がなければ北上するよう北に足を向け。 先生に考えのあるようなら従っただろう。
…但し、公園周りの鮫は知らぬ存ぜぬだ。 既に、それらの気を惹いていた少年がそこを離れてしまったのなら、邂逅は免れないだろうが。]**
(291) 2017/06/16(Fri) 18時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2017/06/16(Fri) 18時頃
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[ (先生が、景色や見世物や装飾やら、 そう云ったものを綺麗とか美しいとか、 謂う事のある折自体は知っているが。 そう何かに、好奇の目を向けるような。 そんな記憶のなかったものだから。
……父にはしていたのかもしれない、 その中に確かに見えた“知らない顔”を、 己でも、覗けるような気がしたのだ。
── そこにある、罪科の感慨に蓋をして。)
その蒐集癖なんぞは知らないで、>>310 只、その興の惹かれているらしい様子ばかりで誘いをかけたのだ。 省かれた説明は、そもそもされる可能性のあった事さえ知らないままに消える事になる訳だが、 …元から余り知らない青年は、理由を答えられてもそこまで理解できないのだろう。]
(507) 2017/06/17(Sat) 01時半頃
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[その金色のバッジとしての価値などは知らずとも、ようく見るプラチナゴールドやらに比べりゃあ綺麗だな、とくらいは思うのだ。
歳不相応(実のところ同い年くらいなのだから、趣味であったなら相応だろうか、)の様子を呈する先生が、現に還る如くにくれた言葉に疑問符を浮かべていれば、 要約のように語られるのは“対の王” ─── 妃の事であり。>>311
そんでも、全部なんざ分かりはしなかった。 が、今回のミッションに関わりのある可能性は低くなさそうだな、とだけは整理がついたから。]
(510) 2017/06/17(Sat) 01時半頃
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[そんな事に時間を割かせたのを、多少申し訳なくなりながら。 非売品と宣う店主に如何したものか、と一考するまでもなく。
(身を引きながら、それでも頼むよな、 そこに“我”の滲んでいたように感じたのは、 確信なんぞでは、決してなかったものだ。
── 故に言葉にされず、黙される。)
そうして、口にされるのは何の感情を抱けば良いのかさえも分からない、という感慨そのものを吐き出すような息の音1つだった。]
…死神は全員、 熱狂的なマブスラ好きなのか、 だから集めた数の多い順、なのだろうか。
[※そうではありません]
[苦笑いを浮かべた後、小さい割には重い青の1つを触るのを見遣って。>>312]
(513) 2017/06/17(Sat) 02時頃
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[そこに、先生を欺く後ろめたさをひた隠しながら、口を開いたものだから。 その言葉は重さを再確認させるばかりのものであったと思う。
先生が、如何に興を惹かれたにせよ、 それの重い事を知っているから青年を伺っているのだろう事は、容易に想像がついた。 それでも、己の中で先生の憶測が、ミッションに関わっているらしいと推測していた上に、そんな顔をするものだから。>>315
(確かに軽くはないが。 此れは、後々も集められるものだ。
ならば、その1つっきりの非売品とやらを、 貰いに行くのが悪いばかりでもないだろう?)
だから、袂から、もう1つの青を乗せた。]
(518) 2017/06/17(Sat) 02時頃
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勿論、 それを如何とすかは、君が決めれば良いさ。
[乗っけた青が、厭のない音を立てる。 青年がそれを隠した代わりのように、驚いたような眼差しを寄せる真ん丸の黒玻璃を見遣っては、>>317 強請られた事を嫌がるでもなく、只、その様子に吹き出したものだ。 それのせいで、先生だって我に返ったのだろう、みるみる顔中に紅が奔る。]
良いさ、未だ時間はあるのだから。
[傾げられた首の意味も、感じた不可思議なども知らないまま。 只、罰の悪そうに頬を掻く姿に、ふ、緩んだままの口角が弧を描けば、その背を押すようにして、]
そりゃあ、お互い様だろう? 一蓮托生、何せ私は君に委ねていると云ったしな。
[礼に返すのは、いつかに云った言葉だ。>>1:318]
(529) 2017/06/17(Sat) 02時半頃
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[その言葉を口にして、笑いかける瞳に返しながら、>>318
(酷い、罪悪の味を嚥下しながら、)
押した背の、その足が地を踏む度にならす軽き音を聞いていた。 それも、云われた通りのものを差し出して交換した、あの耀きが先生の手に収まって。 欲しいものを貰った子どものように光に透かしたりする姿を見れば、又精を出さないとな、と思う気持ちに掻き消える。
(只、忘れてしまうだけで、 此の心は確かに疵を負っているのだが。)
浄瑠璃公園で試合が行われているってのは知っていたから、行ってみないかと提案すれば、返ってくるのは是。]
そうだな、人の居なければ情報も何もない。 その“対”を見つけなけりゃいけないのは、 未だ、変わっていないようだしな。
[そう返す横で、扇子を開いた意図を知らないままに。>>321 先刻の独占欲なんぞも、云われりゃ困り顔にもなったろうが、口にされないなら表情を締めるのに必死だったものだから。]
(535) 2017/06/17(Sat) 03時頃
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[丁寧にも帯の中に巻き込むのを、 笑うでもなく見咎めるでもなく。
行き先を述べる言葉に頷いた。>>323
なお、周りの子どもが何ぞ何ぞと云う言葉には流石に苦笑した。>>#18 大人買い以前に大人であるし、お殿様だとかって柄でもないのだから、と。]*
(541) 2017/06/17(Sat) 03時半頃
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── →浄瑠璃公園 ──
[自然、熊の居たのを避けようとすれば、まま北上になるのは或る意味当然の事で。 幸いにも雑音に遭う事なく、そのままに公園まで行けるかと思っていた。 …時期が青年にもあった。 もう行き先が目の前だという頃になって、混凝土を海に見立てたよう泳ぐ姿の3つ。>>353
「流石に鮫が珍味だとか高級食材であっても、此れは食わねえよなあ、」と、所詮根本は全くおんなじらしい雑音に思う事ではなかったが。 死神ってのは色々出すのが好きなんだなあ、とは思う訳であった。
相手が多勢となると、途端頼りっぱなしになるのは良くないと思っちゃあいるのだが。 そんでも、適材適所ってのも言う訳で。]
因幡の兎なら、身包み剥がされるだろうよ。 気持は分からないでもないけどな…!
[そうは云いながらも、扇子の動くのが見えて。]
(544) 2017/06/17(Sat) 03時半頃
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[できあがった12の短刀を狙い定めて、 食らわんと混凝土から飛び出したその機に、狙い定められた刃雨が降りゃあ、ひら、振り下ろされる扇子。
(その折、先生の蹌踉めいたらしいのは。 抱えている、その虚脱感には気が付かず。)
入ってしまおうというのに頷いて、その前のめりに湧かせた僅かな違和は気付けないまま。>>364 好むと好まざるとに関わらず。 それを呑む格好になる鮫を愁傷だなあと見遣りながら、道を作ってくれたのだからとそそくさ公園に入った。
流石、大会の会場にされているだけあって熱気も人気も尋常ない。 というのに、殆どは己のようなのには関わりのない生者であるのが、とても不思議な感覚だった。]*
(548) 2017/06/17(Sat) 03時半頃
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── 浄瑠璃公園 ──
[鮫の足留め、とは又妙な言い方だとは思うが事実なればそれ以上の言い方は見付からず。 「まあた、助けて貰ってばかりだな」なんて感謝を込めて言ってから、尋常ならず人の多さに多少気の遠くなるような思いも浮かべながら、その困ったような言葉に同意も思い浮かべながら、口を開く。>>407]
…老兵、と言うからには相応、 それなりの齢だとは思うのだが。
[「何なら、他の参加者が居ないか探してみるってのは如何か、」 そう言ったのは、他の者に聞けば老兵が何処の者であるかくらいは分かるだろうと思っての事だ。 先生がそんな折に、ひょい、といった軽さで持ち上げたそれに呼応するよう、上空から羽搏きの音が増えた、気がした。>>398
それを見仰いで、如何しようかと思った辺りで。 「嗚呼、行ってらっしゃい…?」と送り出したが、その相手くらいは見ておくべきだったと、分かっていりゃあ後悔したとも。]*
(549) 2017/06/17(Sat) 04時頃
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[特に何をしていたなどはなく。 やってきた雑音が如何にもメダルに興を惹かれているらしい事に気付いて、木刀で翼の付け根辺りを叩き落としたりしていたくらいで。
ふ、 気付けば、掌の文字が消えていた。>>#23
それでも、盛り上がりの熱気は増すとも減らない公園内に、ほう、疲弊の息を吐き落としたのは、何方かと云えば周りの空気に圧されたようなものだった。]
…すごいな、 この人の多さと活気が続く辺り、本当に人気らしい。
[そんな事を呟いたりしていた。]
(554) 2017/06/17(Sat) 04時半頃
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[嗚呼、でも。
若しも先生が他の人に、貰ったバッジを分けていた事を告げる事のあったなら。 ふ、と息の抜けるような笑いを溢してから、]
構うまいよ、君の決めた事だろう? ならば、私はそれを尊重するさ。
[…などと、いつか云われた言葉によく似たそれを返しただろうが。]**
(555) 2017/06/17(Sat) 04時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2017/06/17(Sat) 04時半頃
1
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