97 wicked ROSE 【ハジマリの五線譜】
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── やくそくのきのした ──
アスラン。 待たせてごめん。
[少年は"素直"にそう言って、>>55待ち合わせていた幼馴染の元へやってきた。 年の差はあれど、他人行儀な丁寧語などない。
礼儀を投げ出すタイプでない少年だったが、彼に対しては不思議とこうだった。]
……アスラン?
[不意に。]
(59) kokoara 2013/10/08(Tue) 22時頃
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……泣いてるの?
[幼馴染の頬に、こぼれたひとしずくがあった。]
ん。……なにか、あった?
[几帳面に折り畳まれた、清潔なハンカチを差し出す。 たとえば、]
怖い夢、とか。
[思わず言ったのは、この幼馴染が、唯一少年の"涙"を知るからだった。 家族にも隠しているそれを知られたのは偶然だったけれど、知られてもいい相手がいるというのは、随分と少年の心を軽くしていた。]
(60) kokoara 2013/10/08(Tue) 22時頃
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僕に話せないなら、無理には聞かないけど。
[話したくないことはある。 少年自身、受け継いだ"役目"に関して幼馴染に話したことはなかったし、話せないだろうとも思っている。
そっと影になる片手、指先を揺らせば、周囲を舞う柔らかな風が震えた。
木の葉をそよがす"風の唄"を奏でれば、少しは慰みになるだろうか。 誰にも言えないこの秘密が、すこしでも誰かのためになれば。]
(61) kokoara 2013/10/08(Tue) 22時頃
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── ちからとおもいで ──
[いつからこの能力を使えるようになったのか、少年は覚えていない。 気がついたら、としか言えなかった。
誰も使い方を知らない。 どころか、使っていることに気づけるものすら稀な能力。 "見る"ことだけができた祖父がそう呼んだから、この能力は 『駒鳥の囀り《ロビンズトゥイート》』と呼ばれている。
誰も教えてくれなかった。 誰も、]
…………
[だれも?]
(62) kokoara 2013/10/08(Tue) 23時頃
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── 20XX年/倫敦地下/???※ ──
[そこは霊廟にも似た広間だった。 >>0:309広間を囲うように立つ五つの天使像の中心に、 少年────── いや。
大英帝国響議会本部所属。 響議会議長にして、機関総長。
響界機関『コンデンススコア』の頂点に立つ、 グウェンドリンの末裔がそこにいた。]
[※正確な場所を表記すること能わず]
(63) kokoara 2013/10/08(Tue) 23時半頃
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[少年が手を下ろせば、周囲に高まっていた音《力》が静まっていく。
床に引きずるほどの、恐ろしく緻密な紋様の描かれた長衣の裾を軽く払って、少年は張り詰めていた息を吐いた。]
…… 終わり。 これで、暫くはもつよ。
[繊細な拵えの金冠を載せた頭は、疲れたからと振るわけにいかない。 難儀なものだと思いながら、少年は陣を出る。
控えていた機関の構成員たちに細かな装飾を預けながら、少年は近づいた人影に顔を上げた。]
(64) kokoara 2013/10/08(Tue) 23時半頃
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『アルト』。
御役目、ご苦労様?
[役割としてかけるべき言葉だが、この言葉を自分が彼にかけていると思うと、不思議な感覚だ。 この"世界"へ少年を誘った、始まりの少年。 笑い出したい衝動に襲われたのは何故だったのか、未だにわからない。 その手をとった結果がこの継承なわけだが、後悔はなかった。
感覚に合わせて自然語尾が上がり、首も傾けながら。]
そう、 耳貸して。
[彼には伝えなければならないことがあった。 総長が定期的に行う、英國全域の"調律指揮"の間に聞こえた音《瞬間》。]
(65) kokoara 2013/10/08(Tue) 23時半頃
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『 テノール 』が、目覚めるよ。
[待ち望んでいるだろう彼に、そう、囁きかけた。]
(66) kokoara 2013/10/08(Tue) 23時半頃
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[聞こえた音《訪れ》は、『テノール』だけにしては、 音が変わっていたけれど。
重なったもう一音域のことに気付くには、 総長としての少年は未だ未熟だった。]
(67) kokoara 2013/10/08(Tue) 23時半頃
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── 北天の庭 ──
[その庭を名づけたのが誰か、少年は知らない。 元々名もなかったらしいそこに少年が入り浸るようになって、ある日そう呼ばれているらしい事を知った。
寄宿舎学校にほど近い庭は、都会の空間を活かすと言えばいいのか、付近でも最も高い建物の屋上いっぱいに作られていた。]
……
[一時は女王の庭とも呼ばれていたらしいそこは、役目を継承してからある日、『アルト』に教えてもらった場所だ。 総長としての自分に疲れを感じたとき、学業が一段落したとき、なんとなく。 いろいろな理由から、少年は庭を訪れる。 倫敦市民に公開されているらしいが、ここを訪れる客は自分と『アルト』以外見たことがなかった。]
(68) kokoara 2013/10/09(Wed) 00時頃
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[無言のまま、定位置に向かう。 外が見える、蔦の多い空間には、色褪せながらも風情を感じるベンチが一つ置いてあった。
座れば時計塔を眺めることもできる、いつもの場所で空を見上げる。]
" "
[唇を開くが、音は出ない。 出していないから、当然だ。
呼ぶべき音を、少年は、知らない。]
(69) kokoara 2013/10/09(Wed) 00時頃
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[
さみしい。
あいたい。
さみしい。
あいたい。
さみしい。
]
(70) kokoara 2013/10/09(Wed) 00時頃
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[目を伏せる。 この響きを、書物では不協和音《ゴートリンゲン》と呼ぶらしい。 あまり良い物ではないらしいが、これを誰かに訴えたことはなかった。
感じていたのだ。 これはただの、自分の心の叫びなのだと。]
………… あいたい ……
[欲望とはよく言ったものだ。 口に出してしまえば、それはもう止まらない。
あいたい相手が誰なのか、未だ記憶さえないというのに。]
(71) kokoara 2013/10/09(Wed) 00時頃
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[どうすれば。
どこへいけば。
相手も手段も何もわからない。]
……
[ふらりと歩き出し、庭の終わりへと近づいていく。 ついには庭園の縁へ手をかけ、身を乗り出した。*]
(72) kokoara 2013/10/09(Wed) 00時頃
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[その名前を。 その声を。
"今度"は、聞き逃さないよう。]
(88) kokoara 2013/10/09(Wed) 12時半頃
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いま、
[触れていた空気を震わせた音に、少年は目を見開く。 取り付いた庭園の縁より見下ろした世界の断片にある、その姿。]
っ きみ、
…… まってて、すぐそこにいく!
[衝動のまま叫び、降りようかと背後の木々を振り返り、こんな僅かな距離さえ煩わしくて顔を歪める。]
(89) kokoara 2013/10/09(Wed) 12時半頃
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[思い出せ。
"僕"には、翼があったじゃないか。]
(90) kokoara 2013/10/09(Wed) 12時半頃
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[目の奥に、小さく火花が散る。 触れられなかった壁をひとつ、破ったような。 瞬間、少年の背中には白く未熟な翼が現れ。]
[これだけでは、たりない]
(91) kokoara 2013/10/09(Wed) 13時頃
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[それを奏でたのは喉ではない。 音が言葉が、白金に輝く文字になり、雛の翼を護るように並び浮かんだ。
少年の靴が、庭園の縁を蹴る。]
[鳥は、天から飛んだ。**]
(92) kokoara 2013/10/09(Wed) 13時頃
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[ 翼はためかせ 地へ降り立つ ]
(117) kokoara 2013/10/09(Wed) 21時半頃
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["今度は"、無事に降り立った。
というには、]
う わ、ぶ
[直前で、緊張が切れる。 ふっと翼がゆらぎ、少年がべちゃっと転がった。]
(118) kokoara 2013/10/09(Wed) 21時半頃
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[うう、と呻きながら顔をあげ、見えた顔は、 知らないはずだけれど、どこかで知っているような、少年と
仔犬。]
あ…… え、 と。 ………… はじめまして。
[背中の羽は、幻のように溶けて消えた。 座り込んだ少年は言うに困って、それだけ口にした。]
(119) kokoara 2013/10/09(Wed) 21時半頃
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[幼げな顔立ち。 初めて見る顔、だけれど。]
… …… あ りがと、
[差し伸べられた手に、手を重ねる。 触れたぬくもりに、
ぽろりと、
涙が零れた。]
(121) kokoara 2013/10/09(Wed) 23時頃
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あ…… なん、で
[立ち上がりはしたものの、濡れた感覚に気付く。 顔を伏せて隠し、慌てて手を引っ込めた。]
ごめん、なんでも ないんだ。 っと…… お 大きい荷物、だね。 旅行?
[話をそらそうと、視線をあちこちへ逃した。]
……
[それもやがて、"見覚えのある"顔へ戻ってしまうのだが。]
(122) kokoara 2013/10/09(Wed) 23時頃
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いたく は、ない。 大丈夫、……
[急ぎ首を振る。 聞こえた名前に、はっと目を見開いて、瞬き。 唇だけで "それ"を、復唱する。]
か れん、って。 そのこの、名前?
新しい学校って、その制服は、……僕のと、おなじ……?
[動揺を隠しているのは、成功しているんだろうか。 見間違いでなければ、と制服を見て、なるべく落ち着いた声で尋ねてみる。]
(124) kokoara 2013/10/09(Wed) 23時半頃
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[同じ学校だというなら、それなりに規律の厳しいあの学校は、ペットを許可していない。 確かに、と眉を下げて、]
……同室の子と口裏を合わせるか…… 一人部屋なら、なんとか隠してる子もいるらしいけど。
[一人部屋は高学年になってからだ。 ロバート自身は、"役目"の都合から一人部屋を与えられているが。]
………… あずかる、ってのも、その子は…… ……あんまり、だよね。
[調律指揮のおかげか、"初対面"の動物に特別嫌われる性質ではないが、誰にでも好かれるというわけでもない。 伺うように少年を見る。]
(125) kokoara 2013/10/09(Wed) 23時半頃
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とり あえず、部屋割がどうなってるかだけでも、見に行ってみたら。
[案内しようか、と寄宿舎学校の方を指さした。]
(126) kokoara 2013/10/09(Wed) 23時半頃
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おなじ 名前、なんだ……
[すとんと心に落ちる名前。 絶対、忘れない。"今度こそ。"
差し出された手を見て、瞬きにしては少しだけ長く目を閉じてから、"彼"を見る。 意志の強そうな仔犬と一緒に現れた、"どこか見覚えのある"少年。
フルネームに、綺麗な名前だね、と呟いて。]
(129) kokoara 2013/10/10(Thu) 00時半頃
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僕は…… ロバート。
ロバート・グウェンドリン。
[名乗りは、家名でなく自分の名前から。 少年の記憶に彼はいない。 彼の記憶にもきっと、少年はいない。 悔いることでも嘆くことでもなく、出会いを喜ぶ思いが胸を締め付ける。]
手を重ね、緩く握り]
(130) kokoara 2013/10/10(Thu) 01時頃
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[重なる面影。 けれどこれから紡ぐのは、北天と南天の続きではない。 心のなかで騒ぎ続けた声に、心のなかで別れを告げる。]
よろしく。 歌漣。
[ここからは、新しい変奏曲へ。 人同士で始まる未来の旋律を思い、少年はとても珍しく、
心からの微笑みを浮かべた。**]
(131) kokoara 2013/10/10(Thu) 01時頃
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