212 冷たい校舎村(突)
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[ちよちゃんの眼前のわたしの笑顔は、 まばたきすれば消えちゃう幻なんかじゃない。>>72
確証が持てなくって、という言葉には、 内心そっか、と思いつつすまなそうに眉を下げたけれど。 そうだね。たとえば進学した高校の名前とかそういうの、 何から何まですみずみと記してたわけじゃないし。
なんだか必死そうな声で、 わたしが、わたし自身を指してどうしようもない、って言ったのを否定してくれるちよちゃん。>>72
ちよちゃんが頼ってくれたこと、本当に嬉しかった。 でも本当は、と言いかけて、 結局、俯いてしまう、臆病なわたし]
(153) Akatsuki-sm 2017/03/21(Tue) 16時頃
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[目の前で、知るのが怖い、って伝えてたはずなのに。 あの校舎(せかい)のことを、って目的語を省いていたとはいえ、 逃げようと、してたんだよ。
それに。 ちよちゃんは、わたしとあお姉との間に何があったのか知らないからそう言えるんだよ、って、 思うのもまた、容易かった。
―――だけど、なら。 そのことを知ってもなお、ちよちゃん、あなたは、 わたしのことを頼りにしてくれるのでしょうか。
わたしのことを、しんゆう だって、 思ってくれるのでしょうか]
(154) Akatsuki-sm 2017/03/21(Tue) 16時頃
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[今はそう問いかけることのないまま ちょっとどもった声でお礼を言うちよちゃんに、>>73 うん、うん、って二度うなずいてみせた。
見ることができたのはほがらかな笑みじゃなかった。 ずっと黙ってたことをやっと言えたから、だろうか、 口元が不格好にあがるのが見えて。 でも、―――よかった、ってわたしは思った]
(155) Akatsuki-sm 2017/03/21(Tue) 16時頃
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……もちろんだよ。
夏休みに入ってからずっと手紙、送ってなくてごめんね。 また、お手紙出せるように頑張るから。
[今度は、……わたしも、 隠してた家の事情とかそういうの、話せるのかな。
答えはすぐには出ない、けど。 繋いだままの手をぶんぶんと上下に振って、 ちよちゃんと文通できるのは嬉しい、って示すことにした*]
(156) Akatsuki-sm 2017/03/21(Tue) 16時頃
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― 帰還の光景 ―
[コンビニから戻ってきてたささらちゃんから受け取ったのは新製品のマロン味の飴だった。>>5:+69 中々悪くない味だったので、 ささらちゃんやちよちゃんにも一個すすめておいた。
もうロビーをうろうろ歩き回ったりはしなかったけれど、 時折、落ち着かない様子で視線を彷徨わせたりしていると、 やがて、ロビーに駆け込んでくる三人の姿が見えた。 はるちゃんと那由多くんと古辺くん。 三人とも、風にあおられたのか髪の毛はぐちゃぐちゃで、 古辺くんなんか、2年足らずというごく短いクラスメートとしての付き合いの中で、 見たことないってくらい疲れた様子だし、>>85
ともあれ、ホストに招かれた子達、みんな帰ってこれたらしい。 おかえり、みんな。わたしは手を振った]
(157) Akatsuki-sm 2017/03/21(Tue) 17時頃
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…………。
[ホストたるりーくんはどうすることにしたんだろう。 帰ることにしたのか、あの校舎(せかい)に残ることにしたのか。 訊こうにも訊けず、口を開けたり閉じたりしていたけれど。 やがて、那由多くんが、続いてはるちゃんが、>>88>>121 りーくんは帰ってくるってことを教えてくれた]
帰ってくるって……、
[誰にともなくそう言って。 ほっと一息ついた顔で辺りを見回したんだけど。 やっぱり手術中、のランプが消えたのが一番ほっとした瞬間だった]
(175) Akatsuki-sm 2017/03/22(Wed) 01時頃
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……! 大丈夫?
[はるちゃんが尻餅をつくのが見えて近寄る。>>121
すぐに手を引っ張って立たせた方がいいかな、とは思ったけど。 ダッシュでやってきたせいなんだろう、 髪の毛ぼさぼさなのが気になってしかたがない。
これからすぐにりーくんに会いに行くにしろそうでないにしろ、 見た目は整ってた方がいいよね]
おかえり、……それにお疲れさま、かな。
[しゃがみこんで高さを合わせるとはるちゃんの頭をよしよしと撫でた。 文化祭でお化け屋敷から出てきた後、>>2:274 えぐえぐと泣いてた彼女を慰めた時のように**]
(176) Akatsuki-sm 2017/03/22(Wed) 01時頃
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[うん、莉緒ちゃんだよー。>>204
などと、明るく暢気そうな口ぶりで言うことも、 ましてや選挙演説ばりに自分の名前を連呼することもなく、 おかえりとお疲れを言った後は黙ってはるちゃんをよしよしと撫でていた。
ここにいるのは喉から血を流して横たわるマネキンじゃない。 触れる手はあったかいし、 顔はのっぺりとはしてなくて二つの目がしっかりと見守るような眼差しを投げているし、 病院の中だから、って、 コートといっしょに椅子の上に置いてあるあおいマフラーも、 真っ赤な血で汚れてはいない]
(241) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 00時半頃
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[ああ、そういえば、莉緒ちゃんと呼んでもらえるのは文化祭の時以来だ。 お化け屋敷をめぐったことで呼び方が変わったの、 距離が縮まったみたいに感じられて嬉しかった。
だからって今また距離が離れたわけではない……と思う。 むかしを思い出しているのだろうか。わたしのように]
(242) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 00時半頃
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[わたしが、慰めてるって顔をしていられた時間はそう長くなかった。 これからのことを色々話しながら、>>205 ぽろりと、目尻から透明なしずくを零すはるちゃんを目の当たりにしているうちに、>>206 わたしの目の奥も熱くなってきた。凍った何かが融けだすように]
うん、……うん、できる、よ。 パンケーキやお鍋だけじゃなくてチョコバナナだっておまけにつけてあげる。
ヒーローになれなくたって、 みんながいてくれるだけでいいんだよ、って、思う、だから……、
(243) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 00時半頃
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[そう言いながらわたしはもう、 ぽろぽろと涙をこぼしている。
こんなにはりつめてたのかって自分でもびっくりするくらい。
だけど。 はるちゃんが一度俯かせていた顔を上げた時には、>>206 不格好に涙を拭って小さく笑うことができていた。
聞こえた「ただいま」にもう一度「おかえり」って返して。 しゃがみこんだままのはるちゃんを気が済むまで撫でてから、 そろそろ行けそう? って声をかけておいた*]
(244) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 00時半頃
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[あの校舎(せかい)では怖いこともあった。 わたしを形作る一部を目の当たりにもした。殺されもした。
あの時どうするのが正解だったかなんて、 きっと、ずっと分からない。
わたし達のこれからも、たぶん、 そういう正解の分からない問いの連続で、だけど、 全部に完璧に応えられるヒーローにわたしはなれる気がしない。 ……むしろ、そんな完璧なヒーローなんていないんじゃないかな。 わたしが子供の頃に好きだったヒーローも、 けっこう迷うことはあった、気がするし。
……なんて思うわけですよ*]
(245) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 00時半頃
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― 病院/帰還の光景 ―
……うん。
[今度はいつも通りに呼んでくれた。>>289 それだけで何だか胸がいっぱいになって、 どういたしまして、なんて言葉がすぐに出てこなくなって、 泣き明かしたって分かる顔のまま頷いた。
流れる涙は血の味にも似てしょっぱい。 そのイメージを振り払うように甘い物のことを思い浮かべる。 二人でお揃いだった文化祭のチョコバナナとか]
はるちゃんだって。
[軽口じみた言葉に思わずそっぽを向いて言い返すことができるようになったから、 うん、もう、大丈夫]
(296) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 23時頃
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[はるちゃんは本当に綺麗に笑える人だと思う。>>290
だけど、お兄さんのことで抱えているものがあったみたい。 わたしと同じだ、って口に出せなかったけど、 それがいいよ、って何度も頷いた。
「みんなの存在がきっと私を私たらしめてくれた」 そういう結論に至ったのもおんなじだから、わたしは精一杯応援しよう。 だから、]
(297) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 23時頃
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…もちろん、いいよ。 後でちよちゃんやささらちゃん、つばさちゃんも呼んでみんなで撮ろう。
どうせならりーくんの病室にも押しかけちゃおうよ。
[見舞いに来てる他の面々も巻き込む気ですよもちろん。>>291
これからのことを思い浮かべながら。 目は赤いままだったけれど、きらきらした笑みを浮かべるんだ*]
(298) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 23時頃
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― 宛名のある手紙 ―
[かくして、冷たい校舎の凍った時が動き出すとともに、 わたしは、――否、わたし達は日常に帰ってきた。
年の瀬は慌ただしく過ぎていったけれど、 参考書を広げて机に向かう合間に、 便箋を広げてわたしは手紙を書いた]
(337) Akatsuki-sm 2017/03/23(Thu) 23時半頃
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― outro/宛名のない手紙 ―
[卒業式は終わった。 車椅子で参加していた子もいたけれど、 きっと欠けはなく。みんなで卒業証書を受け取って。
卒業旅行も終わってしばらくした頃に、わたしは家を出る。 進学先は家から遠いからね。 これで晴れて一人暮らしというわけ。
当初、あお姉を放ってやりたいことをやれるところに行くのにためらいはあったけれど、 まあ、色々あって踏ん切りがついてね。
そうして家を出る日。
わたしはあお姉の部屋の前に手紙を置いていった]
(369) Akatsuki-sm 2017/03/24(Fri) 00時頃
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拝啓 あお姉へ
挨拶がこんな形になってしまうのをお許しください。
結局あの喧嘩以来あまり顔を合わせてはいませんが、 お気持ちは変わりませんか。 わたしの気持ちは変わりません。 妹として身勝手な姉だよねえって思うことしきりです。
“おねーちゃん”の気持ちというのは結局わたしにはわかりません。 おねーちゃんだから、って窮屈な思いをしてきた気持ち、 なんとなく推し量ることはできますが。
ただ言えるのは、わたしのあお姉はあお姉ひとりしかいないってことだけ。
(370) Akatsuki-sm 2017/03/24(Fri) 00時頃
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そんな妹からただひとつお願いです。 傷だらけでもなんでもいいので、 どうか“生きて”ください。
去年の末に級友が飛び降りて死ぬところでした。 あんな思いをするのはもう、一度だけで十分だよ。 ……っていう、大変身勝手なお願いですが。
(371) Akatsuki-sm 2017/03/24(Fri) 00時頃
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やっと飛び出せる広い世界の下で、また会えるのをひそかに待っています。
じゃあ、またね。
*莉緒より*
(372) Akatsuki-sm 2017/03/24(Fri) 00時頃
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