140 Erwachen〜lost wing of Jade〜
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[銃を構えたまま、色鮮やかな能力の発現を見ている。 嗚呼、こんなにも、m/s(Misticia per Second)は上昇しているのに。]
"おかしい"な。 いい加減気づくと良い。キミがどんなに望んだところで、一般人の中に混じって暮らすことなど、出来ない。
[《観測者》は傷口に塩を塗りこむように嗤う。>>102]
甘やかして欲しいか? 異常《error》として生まれてカワイソウだと、抱きしめて欲しいか? ならば、その役割を私に求めないでくれ。 歴史書《イストワール》ならともかく、私には向いていない。
(105) 2014/11/15(Sat) 22時頃
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[礼見の叫びに彼は笑みを濃くするのだ。 狂えし「観測者」は嗤い続ける。生徒に内在する「狂い」を更に広げようと。]
喧嘩?莫迦を言うな。 これは《教育的指導》だ。
――――Farewell.... I REject!
[唱えられた「呪数」に乗せて、彼の目の前に展開されるのは炎のヴェール。 無数の氷塊とて炎の壁は超えられまい。 そして炎のヴェールは、礼見すら飲み込もうとその腕を伸ばす。]
(120) 2014/11/15(Sat) 23時頃
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調教か。 ……悪くない響きだな!!
[余裕ぶって、至極愉しそうに嗤う。 クラスの生徒達の前では見せぬ顔を見せて。 次の攻撃のために拳銃を片手に用意した、その時だった。]
…!? っっ、 ………ぐっっ!!!
[礼見のやけくそとも言える接近。 異能の観測に集中していたから、拳で殴ってくる可能性を低く見積もっていた。 咄嗟にとった防御態勢は当然、不完全で]
(137) 2014/11/16(Sun) 00時頃
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[ ―――――ガ ンッッ!!]
[風圧をまともに喰らった身体は吹っ飛び、民家の塀に背中から激突した。 身体の強度自体は生身とそう変わらない。「観測者」は深く咳き込んで、]
かっ…、 は………! わ、たしに…… 血を吐かせたな……!
[血液混じりの痰を地面に吐き捨てる。 口の端拭い、礼見を睨みつけた。]
(138) 2014/11/16(Sun) 00時頃
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― 学園近く ―
[礼見の煽り文句に反応しようとも、身体が鉛のように重い。 このままでは。と思ったところで、生徒は笑い声>>206とともに去って行く]
くっ………。かはっ、、 [深く咳き込みながら、助かった。と一時安堵した。
考えれば、体力を消耗するのも当然だった。 ソラに大穴を開ける大儀式を行い、出会った者共に呪言を放ち続けてきたのだから。 立ったまま壁にめり込んだ形で目を閉じる。]
(212) 2014/11/16(Sun) 21時半頃
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[意識が飛んだのは時間にして3分程度か。 次に目を開いた時には、動ける程度には回復完了して。]
――――「ソラ」。
[彼は見上げる。罅割れた空……次元穴《ワームホール》は、確かに彼が開けたものよりも小さくなっていて]
……行くか。
[壁から離れ、白衣に着いたホコリを払う。 再び路上を駆け出した。]
(213) 2014/11/16(Sun) 21時半頃
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― 光翼高校北校舎裏 ―
[そうして、錆びついた焼却炉>>0:90の前に彼はやってきた。 地下の世界は《組織》のテリトリー。《機関》の人間がやすやすと入ることが出来る場所ではない。 焼却炉に手をかざし、彼は唱える。]
OhrPisElkNn, ………"SeerEhikSiA'MarkIssur"!!
(216) 2014/11/16(Sun) 21時半頃
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[ ――――――ドォォォォォオオオオオン!!!]
[響いた爆音は、地の脈を通して地下世界中を伝わったか。それでも構わない。どのみち正面突破するつもりであるのだから。
こわれて開いた焼却炉の扉から、中へ足を踏み入れていく。]
(219) 2014/11/16(Sun) 21時半頃
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― 光翼町、地下世界 ―
[「翡翠の右翼」と「翡翠の左翼」―――その昔、初代宝珠魔導士《ジュリエスナイト》たちが築いたという対の楔《Wings of Jade》。 その「左翼」は《ソラ》の彼方に。>>117 その「右翼」は《チ》の底に。>>118
《ソラ》へと上った「左翼」は楽園樹《ヘブン・ツリィ》の葉となり、 《チ》へと下った「右翼」は、大地樹《アース・ツリィ》の根となった。]
(225) 2014/11/16(Sun) 21時半頃
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[千年前の《大戦》の折奪われたとされる「翡翠の右翼」は>>0:14、実際は密やかに元の場所に戻されていた。 すなわち―――《チ》の底に。>>118
その事実が「歴史書」にすら綴られないようにと、手を貸したのは、「観測者」自身だ。
なぜ、そんなことをしたのか? 理由はひとつ。
「翡翠の右翼」は、千年前の時点で壊れかけていた。 二度と誰にも触れられないように。 「嫉妬をし、狂いやすい」繊細なソレが、完全に壊れてしまわないように。そして、「翡翠の左翼」を揺るがさないように。]
(237) 2014/11/16(Sun) 22時頃
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[――しかし。 やがて大地樹《アース・ツリィ》の存在は忘れ去られ。 ひとびとは大樹を切り倒し、 その木が在った場所に高く高く、天まで伸びる塔を建てた。
かくして完全に癒やされぬまま、「右翼」は覚醒めて。 すべてを取り戻していない「右翼」のチカラでは、地の脈を保つには不完全であった。 故に、地の脈には「邪」が棲み。>>1:27
天空樹《スカイ・ツリィ》と呼ばれるしろがねの塔。 かつて「対の楔」が築いた均衡が壊れた理由は多々あれど、そのひとつにこの塔の存在があったことは、推測すること容易であった――――。]
(240) 2014/11/16(Sun) 22時頃
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― 天空樹《スカイ・ツリィ》 地下334階 ―
[ぽっかりと空いた大空洞、その中央に鎮座する翡翠。 「翡翠の右翼」はけなげにも抵抗していた。 自らを黒く染めようとする狂気に。]
………もう、頑張らなくても良い。
[彼は翡翠へと語りかける。 後ろから来ている追跡者の気配には気づいていたが、コツコツと足音鳴らして、翡翠への距離を縮めている。]
(244) 2014/11/16(Sun) 22時頃
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[彼は、たおやかな指先を
中心に浮かぶ「翡翠の右翼」へと伸ばす。
指は、ほとんど狂いかけの「翡翠」に触れて。
ゆっくりと引き寄せる。]
(255) 2014/11/16(Sun) 22時半頃
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[――――"とぷん"。]
(257) 2014/11/16(Sun) 22時半頃
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[その胸の奥深くへと、「翡翠」を取り込んだ。]
(258) 2014/11/16(Sun) 22時半頃
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[艶然と振り返る。 そこに彼を追いかけてきた姿を認めた。>>245]
嗚呼…… 宝珠魔導士《ジュリエスナイト》
[薄い平らな胸板は男性のもの。 そこに、ぎらりと昏い緑に輝く「翡翠《Jade》」がある。]
(260) 2014/11/16(Sun) 22時半頃
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[間に合ったのかと問われれば、間に合いはした。>>259 彼の胸元で輝く翡翠は未だ、狂気に染まりきってはおらず。しかし「観測者」の狂気に触れ、急速に濁りを深めているのが宝珠魔導士にはわかるだろう。]
…………。
[詠唱とともに、細い鎖が伸びてくる。 彼はゆったりとした動きで腕を伸ばし、その鎖に自ら絡め取られた。]
(262) 2014/11/16(Sun) 22時半頃
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貴様はいつも、そのような顔をするな。 ジョアキス……「初代」によく似ている。 あいつは人間の顔をしていたが、な。
[何かを言いたげな、困ったような顔。>>266 ジェレミアスの相方である「運命者」、現在の宝珠魔導士の基礎を築いた「初代宝珠魔導士」を懐かしむ。]
私の目的、か………。 世界を破壊すること。 そして、その先にある場所に辿り着くこと。
私は新たなる世界が観たい。
(277) 2014/11/16(Sun) 23時頃
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神? はっ……!まさか。
[男の言葉を彼は嗤う。>>281]
不変の三位一体《エヴァラスティン・トライアド》を超え。 ヒトの営みを超え。 新たなる世界を導くのは、私達の大切な宝物《プレシャス・ミーム》。
「観測」はヒトの営みに続いていく。 私の身など、なにも望まない。 なにも。
[《観測》も《解析》の行程も吹き飛ばし、この世の全てを、全ての局面を、全ての角度から内包し、引き出し、使役するそのチカラ>>1:215 それは幾度と無く封印と封印の崩壊を繰り返し、大災害《ディザスター》を繰り返した世界における、唯一の。 たったひとつの、彼が待ち望んできた、希望。]
(288) 2014/11/16(Sun) 23時頃
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私は止まらない。 貴様がどんなに心を砕いても、最早止まることはない。
故に……そのような顔をするな、豚。
――――虫唾が走る。
(289) 2014/11/16(Sun) 23時頃
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――― 詠唱 ――――
(290) 2014/11/16(Sun) 23時頃
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――― 来たれや、闇黒の世界 ――――
――― 死と嘆きを対価に ――――
(291) 2014/11/16(Sun) 23時半頃
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――― 世界《SevalEtamKignA'Ih》―――― ――― 再製《SevalA'IhrSiEtamIhm》 ――――
(293) 2014/11/16(Sun) 23時半頃
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―――っ、 永久となれ………!!!
[自らの内部にあるありったけ呪数を込めて、叫ぶ。]
(296) 2014/11/16(Sun) 23時半頃
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[彼が観測してきた世界に満ち溢れる、呪。それは彼が持つすべての生命力とも同義。 注ぎ込まれた翡翠は、彼の命を対価に、狂気に染まりきったすべてのチカラを放つ。]
[ ……………ドォォォォォォォォォォ……… ン!!!!!!]
(298) 2014/11/16(Sun) 23時半頃
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[ただちに防御策を講じなければ、その負のチカラの爆発は宝珠魔導士をも飲み込むだろう。 それは地を揺らし、世界を揺らす。*]
(299) 2014/11/16(Sun) 23時半頃
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[《等しくアイ《観測・記録・解析》せよ》と定められた存在だ。>>27 彼の存在は、生命よりはシステムに近い。最もヒトに近く、しかしヒトではないゆえに、「死」を畏れたことなど一度もなかった。 しかし、彼の「生」を望んでいる者がいる>>312]
……――――――莫迦め。
[大きな大きな爆発の後、 地に崩れ落ちながら、ふっと嗤う。]
(318) 2014/11/17(Mon) 00時頃
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[《莫迦め。その魔術では、生命持たぬ私は救えんよ。》 その一言を口にするチカラは、もう残っていない。
その代わりに、]
(321) 2014/11/17(Mon) 00時頃
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新しい世界を、導いてくれ…… きっと、宝珠魔導士《ジュリエスナイト》の……チカラが、必要………
ごめんな。
ありが、 ……――――。
(322) 2014/11/17(Mon) 00時頃
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[かくして消え失せていた「楔」は惨禍に染まり、 地の脈には次元穴《ワームホール》が開く。
世界の破壊のはじまりは、もっとも分かりやすく示された。
―――――天空樹《スカイ・ツリィ》の、倒壊である。**]
(331) 2014/11/17(Mon) 00時頃
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