82 【薔薇村企画】 Contagio ―共鳴―
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……違う。 頼って、縋っているのは、私の方だ。
[寄りかかってきた、自分よりほんの少しだけ大きな身体を、握りしめていた両手から片手だけを離し、包み込むように緩く抱く。 触れる体温と、微かに感じる呼吸が、とても心地良かった。
あまりの心地良さに、塞き止めておこうと思った言葉が、するりと零れてしまった。]
ケヴィン。 おまえにとって、私は、ラーマで……そして、兄でしかないのかもしれないけれど…………
それでも、私は、愛しているよ。
(432) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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当たり前だ。 私は、おまえに使われることばかりを考えて、ラーマに……
…………。
[ついうっかり、口にしていた。 聞き返されれば、諦めたかのように大きな溜息をつき、身を引き離し、そのかわり真っ直ぐに視線を向けた。]
私にとって、おまえは、誰よりも優秀なライマーで、誰よりも愛おしい、自慢の弟だ。
けれど、もしおまえがライマーでなく……弟でも、なかったとしても……。 いや、違うな……そんなものは、どうでもいい。
(442) 2013/05/12(Sun) 01時半頃
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軽蔑されるかもしれないけれど。
私は、おまえのことを───……
(443) 2013/05/12(Sun) 02時頃
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[引かれてはいないか、不快に思われていないかと、その顔色を伺っていたが]
…………。
[ふっと、小さく息を吐き]
ラーマとか、ライマーとか。 ……兄弟だとか。
そんな枷、なくなってしまえばいいのにと思うほどには。
───愛しているよ。
(447) 2013/05/12(Sun) 02時頃
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[言い終えると、暫し諦念の表情で、ケヴィンのことを見つめていた。]
あー……。
[分かり易く、ケヴィンの顔が赤くなる。 そのあとに響く大声を聞けば、ああ怒らせてしまったかと。 力無い笑みを向けたまま、溜息をつき、肩を落とした。]
うん、すまない…… すまなかった……
[だからそんな、立ち上がって、睨み付けないでくれと。 今更ながらに困惑の表情で、少し泣きそうになって眉を下げるが]
…………。
ケヴィン?
(456) 2013/05/12(Sun) 02時半頃
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[今まで見たことがない、あまりの弟の動揺っぷりに、先程とはまた違う困惑が浮かぶ。]
あ、あれ……?
ケヴィン、あの、な……? 少し、落ち着け……?
[原因は自分にあるというのに。 こちらもまた、予想外すぎる弟の反応に動揺してしまい、抱えられた頭を撫でようと、手を伸ばしてみてしまったりもした。]
(458) 2013/05/12(Sun) 02時半頃
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[が、いきなり「馬鹿兄貴!」と罵りが飛んできて、ビクッとして腕を引っこめた。]
い、いや、それは……
[たしかに、こんなタイミングでうっかり口にしまったあたり、相当愚かな兄であることに間違いはないのだが]
おいっ、ケヴィ……っ! 待……っ!
[だが、先程の告白で、足はすっかり脱力してしまっていて、追い縋ろうにも、自由に動いてくれなかった。 テーブルに片手をついて立ち上がった時には、弟は、寝室の扉の向こうに消えていた。]
あー…………。
[頭を抱え、その場に蹲る。 今度は、こちらが赤くなる番のようだ。]
(461) 2013/05/12(Sun) 02時半頃
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[赤い顔で蹲ったまま、寝室の扉を見つめること暫し。 漸く、深呼吸をして立ち上がった。]
はーーー……ぁ。
はぁ。
[テーブルの上には、あの小瓶が置かれている。 手にとって、改めて見つめ……また、テーブルの上へと戻した。
それから、寝室の扉へと歩み寄り]
……ケヴィン。
[扉の鍵は、締められていないだろうか。 締められていたら、今夜はソファーで寝る羽目になるのかと思いつつ、ゆっくりとドアノブを回す。
どうやら、ソファーでの夜は回避できたようだ。]
(463) 2013/05/12(Sun) 02時半頃
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………。
[続いて聞こえてきた声は、やはりくぐもっていたが、聞き取ることができた。]
料理が下手なのはお互い様。 私は、おまえがいいんだ。 誰よりも強くて、優しくて……
けど……
(467) 2013/05/12(Sun) 03時頃
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─ 夜中 ─
[ひとつのベッドに身を寄せ合って眠るのは、どれくらい振りだろうか。 まだライマーもラーマも憧れでしかなかった幼少期には、いつだって、こうやって眠っていたのだろうけれど。]
……──、──スー……
…………
!?!
[何の夢を見ている時だったろう。 いきなり、腹に手刀をくらわされ、やや跳ねるようにして、ばちりと目を開いた。]
ケヴィ、ッ……!
[何事かと僅かだけ身を起こし、ぱちぱちと何度も瞬いて、弟を見る。]
(506) 2013/05/12(Sun) 13時頃
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[突然のことに怒ることも忘れ、いつもより若干容赦のない手刀をくらわされた腹を押さえたまま、呆然と、無表情なケヴィンを見つめていたが>>490]
え、あ、あぁ……
[大丈夫だと頷きかけ]
え?
[こんな時間に、と、少し驚いたようにすぐ顔を上げる。]
(514) 2013/05/12(Sun) 13時半頃
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どこへ?
[こんな真夜中、迂闊に出歩けば、魔物が現れないとも限らない。 それとも逆に、それらを退治しに行くのだろうかとも思ったが>>491]
草原……あぁ……。
[脳裏に思い浮かべるのは、柔らかな風が緑の草を揺らす、自宅近くの草原。]
私をうまくなど……そんなこと……
[手にしてくれるものが居なくなれば、ラーマとしての存在価値はなくなるかもしれない。 でも今は、ケヴィンと共に在れるのならば、それだけでいい。 ラーマがこんなことを思ってしまってはダメだろうと、僅かだけ自嘲を浮かべた。]
………。 唱わせてくれるか? おまえの手で。
[微笑みとともに差し出された手を、こちらも微笑みを浮かべ、取る。 身を起こすと同時に離されてしまった手に、少しだけ、寂しさを感じもしたけれど。]
(518) 2013/05/12(Sun) 13時半頃
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─ 草原 ─
分かっている。
[念の為と付け加えられた言葉には、そう返すが、口元は嬉しさを形で示す。
死期を悟ったあの時。 弟には、「もう一度唱いたい」と言いはしたが。 その時は、本当は、歌などどうでもいいと思っていた。 ただ、弟と離れたくない。 その思いばかりだった。
唱いたくないわけではなかったけれど、それよりも、ずっとずっと、強く。 半年足らずで戻ってきたのも、弟が、他のラーマに気取られる前にと思ったから。]
───いい、夜風だ。
[草原に吹く夜の風は、ほんの少しだけひんやりしていた。 けれど、微かな熱を帯びたままの頬には、それがとても気持ちよかった。]
(529) 2013/05/12(Sun) 15時頃
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[差し出された弟の手を、笑みとともに、両手で包み込むようにして握る。]
風を 鋼に
アメノマの 加護を───
[すぅと目を細め、地面を軽く蹴って身を浮かせる。 その体躯からは想像つかぬほど、ふわりと浮かび上がった身は、見る間に鋼へと姿を変える。
柄にグレーの革が巻かれた、大ぶりな戦斧は、おそらくは並のライマーでは……いや、どんなに扱いに長けたライマーであったとしても、扱いきることは難しいだろう。 何故なら、そうあることを自身が望んだから。 ケヴィン以外のライマーに身を委ねるつもりなど、つゆほどにも考えていなかったから。]
(531) 2013/05/12(Sun) 15時頃
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[斧腹に深く彫り刻まれた装飾は、風を奏でるためのもの。
大きく振るえば、低い音を響かせる。 素早く振るえば、高く、澄んだ音を奏でる。
一度は諦めた、風の音。 それを、もう一度感じさせせてくれた弟に、感謝と、秘めた想いを込めて、今までは唱っていた。
けれどもう、想いを隠す必要などない。]
─── ───……♪
……───♪
[奏でられる風歌は雄々しく、そして優しく。 おそらくは、今まで聴いたことがないほどに、歓びに満ちた歌声で。]
(540) 2013/05/12(Sun) 15時半頃
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『 ───♪
慈しみ深き 御手に委ね
この身も心も 日々の糧も
共に生くる 愛する者も
与えられし すべてを 心から
心の底より 深く 強く 』
[風を受け、愛する者の熱を柄に……両手に感じながら、斧は唱う。 今まで奏でた、どんな風より美しく。
できることなら、このままずっと、歌い続けていたかった。]
(548) 2013/05/12(Sun) 16時頃
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───。
[やがて歌が終わる。 戦斧の先、足が地に着けられたのを感じれば、また緩やかに、人の姿へと変わる。]
………ん。
ケヴィン、ありがとう。
[両手はまだ、弟の手を強く握ったままで。 満ち足りた笑みを向け……]
……ありがとう……
[凭れるように、身を寄せる。]
(549) 2013/05/12(Sun) 16時頃
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……それは褒めているのか、貶しているのか、どっちだ。
[ケヴィンの肩口に顔を埋めたまま、苦笑を漏らす。]
(554) 2013/05/12(Sun) 16時半頃
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私も、忘れない。 もしもう二度と、唱うことができなくなっても。
───忘れない。
[そう、耳元で囁いてから、唇を寄せる。
傍から見れば、満天の星の下で厳つい男二人が抱き合っているという、目と正気を疑いたくなるような光景かもしれない。 けれど、いま耳に届くのは、夜風が草木を揺らす小さなざわめきと、耳触りの良いケヴィンの声と、心臓の音ばかり。]
(556) 2013/05/12(Sun) 16時半頃
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[ここまでのキスは、触れるだけのものばかりだったけれど。 長い口付けの途中、僅かだけ、躊躇いがちに舌を伸ばした。
唇がやがて離されれば、名残惜しげに吐息を漏らして。]
……。 ん、戻ろうか。
黒玉病が防げても、風邪をひいてしまったら洒落にならない。
[迫り来る不治の病。 ひとりでは、きっと向き合うことなどできなかった。 けれど今なら、真正面からしっかりと向き合える。]
………そんなこと、当たり前だ。
[抱き寄せられれば、仄かな熱と、汗の匂いを感じた。 身を離されても、腕は、しっかり掴まえたまま。 振り払われたりしない限り、家まで、身を寄せて歩くつもりで。]
(562) 2013/05/12(Sun) 17時頃
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─ 自宅 ─
[家に着くと、軽い空腹感と、そういえば夕食をとらずに眠ってしまっていたことを思い出した。]
何か、軽く食べられるものを用意しておくから、ケヴィンは汗を落としてくるといいよ。
[パンは、作りたてがまだ残っている。 スープもまだ沢山あるから、温めればすぐ食べられる。 ついでなので、鹿肉も、たっぷりの香草とワインと一緒に、別の鍋で火にかけておいた。]
おまたせ。
[温まったスープを皿に盛ると、ケヴィンと、自分の前にひとつずつ置く。 テーブルの上には相変わらずあの薬瓶が置かれていたが、今はそれが視界に入っても、大して気にはならなかった。]
(564) 2013/05/12(Sun) 17時半頃
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[そして食後。 片付けを終えたテーブルの上に、ふたつの薬瓶だけが並ぶ。]
……見つめていたところでどうにもならないし。
飲もうか。
[そう言って、片方の瓶に手を伸ばし、蓋を取る。 においを嗅いでみたが、今までに嗅いだことのないにおいで、どう表現すべきかと顔を顰めた。]
………… ケヴィン、飲ませてあげようか?
[瓶を傾け、薬を口に含む前。 弟をちらりとだけ見て、笑い、冗談とも本気ともつかぬ言葉をかけたろう。
さて結局、どうやって飲んだのかはさておいて───]
(565) 2013/05/12(Sun) 17時半頃
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ホレーショーは、飲んだ薬の効果は1(0..100)x1
2013/05/12(Sun) 17時半頃
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…………。
[錬金術師から渡された薬は、お世辞にも、飲みやすいとは言えなかった。 無言のままひといきに飲むと、息つく間もなくグラスの水を一気に飲んだ。 それでも、まだ口の中がひどく不味かった。
そして、弟はといえば……]
……だいじょぶ、か……?
[今にも吐き出してしまいそうな様子の弟を、口元を手で覆ったままで見る。]
(634) 2013/05/12(Sun) 21時半頃
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そうは見えないけど……。
[弱々しく親指を立てる弟を、じっと見て]
……それより。
[その手を、包み込むように握る。]
それより、何か変わったところは? 私は、何ともないみたいだけれど。
[錬金術師は、副作用があるかもしれないと言っていたけれど、まだ自分にはそれらしい兆候は現れていなかった。 そうすぐに現れるものではないかもしれないので、まだ油断はできないけれど。]
(639) 2013/05/12(Sun) 22時頃
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そう、ならば良かった。
[薬の不味さはともかくとして、ケヴィンにも、まだ変わったところはないようで、ホッと安堵の溜息を落とした。 ソファーへ移動しようとしていることに気付けば、隣に掛けようかと、自分も立ち上がったのだが]
……ケヴィン?
[額を押さえる弟の姿に動きが止まる。 まだ薬の味が残っているのか、ただの立ち眩みか。 そうなら良いと思いながら、背に手を当てて、表情を覗き見ようと顔を寄せた。]
(647) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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ぼんやり……?
[不安げな表情を浮かべ、ソファーに座りこむケヴィンの頬や額に触れる。 熱はないだろうか、先程の疲れがまだ残っているのだろうか、窺うように。]
ケヴィン、ここよりもベッドで横になった方が良くないかな。 あまり眠くないかもしれないけど、その方が……
[大丈夫だと言われても、どうしても不安が拭えない。]
(653) 2013/05/12(Sun) 22時半頃
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……。
[やはり様子がおかしい。 表情に滲む不安は、濃いものになる。]
……ケヴィン。
[薄い反応。 瞳を、じっと覗き込み]
ケヴィン!
駄目だ。 私が支えて歩くから。 だから、ちゃんとベッドで横になった方がいい。
[沸き上がる不安の為か、少し強引に、その肩を掴み立たせようとした。]
(663) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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駄目だ。 さ、行こうか。
[聞き分けてくれたというよりは、無抵抗のような感じはしたが、それでも安堵の笑みを浮かべ、立ち上がる弟の身体を支える。]
ゆっくりで、いいから。
[4年前、自分が弟にしてもらっていたように、ゆっくり弟のペースに合わせて歩く。 顔色は悪くないか、辛そうではないかと、ちらちらと横顔を覗き見ながら。]
(674) 2013/05/12(Sun) 23時頃
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酒?
[あの薬に、そんなものは入っていたろうか。 思い返してみたが、ひどく不味い味しか記憶になかった。]
あぁ……睡眠剤の類が、入っていたのかもしれないね。 眠いなら、寝るといい。
[自分が以前飲んでいた薬に、よくその類が入っていたことを思い出す。 それならばきっと、一眠りすれば落ち着くはずだ。 自分はラーマだし、もしかしたら以前の薬である程度の免疫か耐性のようなものが付いてしまい、あまり眠くならないだけなのだろうと。 この時はまだ、少しばかり楽観視していたかもしれない。]
私も、傍にいるから……。
[弟がベッドに横たわると、その傍らに腰掛け、短い髪を何度も撫でる。]
(681) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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……いるよ。 おまえが目覚めるまで……目覚めても。
[前髪をそっと撫で上げて。 緩く開かれた瞼に、軽く、唇を触れさせて]
いつでも、傍にいる。
[やがて弟の瞼が閉じれば、もういちど愛おしげに髪を撫で、少し狭いかと思いながらも、隣に横たわる。 いつもの弟の雰囲気とは、どことなく違うものを感じ、胸の奥がざわめいた。 けれどきっと、目覚める頃には、いつもの弟に戻っているだろうと。
そう信じ、願うように。 緩く、弟の身体に腕を回し、目を閉じた。 眠りにおちるまでには、少し時間を要したが。]
(692) 2013/05/12(Sun) 23時半頃
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