112 ――密猟区――
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[ただ誘って、誘われて。 それを楽しんでいた時期も、確かにあって。 それでいいと思っていたし、それでいようと思ってもいた。
一夜限りの夢を見て。 一夜限りに啜った蜜が。 喉の渇きさえ癒してくれれば。
何が変わった、何を変えた。 いいや、何も変わってはいない。 ただ、ホンの少しだけ。 錆びた歯車が、ずれただけ。]
(72) 2014/02/19(Wed) 03時頃
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[本当に欲しかったものは、なんだったろう。 あの日、あの夜、あの瞬間に。 本当に望んだものは、なんだったろう。
壊れてしまえばいいと思った。 何より、俺自身が。 消えてしまえばいいと思った。 何より、俺自身が。
本当に、そうだったろうか。 酒に酔って、煙草に逃げて、女に溺れて。 そうしてでも忘れたかった感情は。 本当に、そんなものだったろうか。
違うと言うことは、わかっている。 ただ、そういう事にしておけば。 弱い自分を認めずに済んだ。
心の奥で、小さな子供の声がする。]
(74) 2014/02/19(Wed) 05時頃
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[あの時自分はなんと言ったのだったか。 思い出すのは、まだ少し**]
(75) 2014/02/19(Wed) 05時頃
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[正常位だけじゃ誰も満足しないさ。 カクテルだって混ぜるんだ。
真面目な友人を馬鹿にして、酒場で笑っていた自分。 そんな事ないよと、否定していた友人。
彼女はそれで満足してんのかい。 そんな下品な問いに、友人は。 問題は相手だよと真面目な顔で答えた。 惚気てんじゃねぇよと、笑った。
じゃぁ正常位だけでいける相手を嫁さんにするわ。 そんな相手がいたらな。 ほんの、数年前の笑い話だ。]
(103) 2014/02/20(Thu) 04時頃
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[愛情というものから、逃げ続けている自分。 それは、今でも変わらない。
今でも、少し動けば大きく開く傷。 流れる血と、走る痛み。
医者のくせに手術もしないのかって? 俺は外科医じゃねぇんだよ。
でももし、笑い話に出てきたような。 そんな相手が、もしいたとしたら。
嫁さんとは言わなくても。 傷を治す治療くらいは、始めてもいいか。 そんな気が、少しだけしていた。]
(104) 2014/02/20(Thu) 04時半頃
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[口が滑った。 そう思った男は、煙草を咥える。 こうしておけば、聞き流すかもしれないし。 現実逃避だな、悪いくせだ。]
ふぅー…―――
[吐いた煙が、天井へ登っていく。 それをぼぅっと眺めて、思う。 一度だけ、たった一度だけ。 試してみても、いいかもしれない。 それでダメなら、その時さ。]
腹減った
[夕飯、ラーメンだったからなぁ。 何か、食うもんでもないだろうか**]
(106) 2014/02/20(Thu) 08時半頃
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マドカ、何か食うか 店の方…――― は、もう、締めたかね
食材借りて、何か作るか
[煙草を一本吸い終わると、男はそう呟いた。 誰よりも、何よりも、自分自身を信用していない。 頭が冷えれば、それで何でもよかった。 落ち着いて、いつもの自分に戻って。 それでもまだ…―――]
とりあえず、何か作ってくる 待ってるか? ついてくるか?
[そう声をかけて、一度外へ出よう。 店の方に行けば、タバサはまだいるのだろうか。 いなかったらいなかったで、勝手に厨房を借りよう。]
(115) 2014/02/20(Thu) 21時頃
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おーいタバサ、いるかー
[店の方に顔を出して、そう声をかけてみる。 彼女がいるなら、厨房を貸せと言うだろうし。 いなければ、厨房借りるというメモを残して勝手に使おう。 厨房が貸せないと言われたら、じゃ作ってとお願いする。]
…―――
[何故か手が伸びる、自分自身の唇。 やっぱり少し、口寂しい。]
(117) 2014/02/20(Thu) 21時半頃
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[普段なら、食材の調達に出歩く所だけれど。 あいにくの雪、外には出られそうにない。 といって、手の込んだものを作るわけにもいかないし。 自分で作る事になったら、炒飯でも作ろう。 料理は得意かって? 苦手じゃないよ、面倒だからしないけどな。]
…―――
[結局口寂しさに負けて、咥えた二本目の煙草。 そういや、最後に料理を作ったのっていつだったか。 妹と二人で暮らしていた頃は、作っていた気がする。 同じ場所で、同じ時間まで働くのに。 家事全般を任せるのは狡い、と妹に言われた。 そういうもんかと、料理は自分の担当になった。 毎日メニューを考えるのは、意外としんどい。 似たような物を作ると、またかと言われてしまうし。 嫌いな物を出すと、やだやだと駄々をこねるし。 家族だから、それでも許せるけれど。 恋人に手料理、なんて女はすごいと思う。]
(123) 2014/02/20(Thu) 22時頃
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[にぃちゃんの炒飯、醤油辛い。 妹がいつもそう言っていた。 じゃぁお前が作れ、と言ってやると。 やだ、と答えてまた食べ始める。
我侭な奴だ、今思えば。 子供の頃から、にいちゃんにいちゃん煩くて。 友達と遊びに行くときも、大抵ついて来たがった。 邪魔だと言うと、泣きやがるし。 連れて行ったら行ったで、遊びに混ざれなくて泣く。 それでも翌日には、またついてくると言い出すんだ。
何するにしても、俺の真似をしたがって。 中学も、高校も、同じところに行くと言い張る。 自分のレベルに合わせろと言っても、聞かずに。 結局入学して、落ちこぼれてたな。]
…―――
(125) 2014/02/20(Thu) 22時半頃
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[仲がいいね、なんて友人たちは言ったけれど。 なんの事はない、俺が屈んで、妹が背伸びして。 それで、釣り合いが取れてただけだ。]
はーらーへったー
[いつもいつも、後ろを追っかけてきて。 たまに振り向いてやらないと、迷子になって。 結局探し出して、手をひいて歩く。 ずっとそんなもんだったはずなのに。]
なにかーくわせろー
[最後の最後だけ、俺を追い越して。 また、迷子になりやがった。]
(126) 2014/02/20(Thu) 22時半頃
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[俺の言うことなんて、何一つ聞きやしない。 さっさと嫁に行けと言っても、彼氏を連れてきた事もなく。 好き嫌いするなと怒っても、結局ピーマンは食べなかった。]
よし
[一人にしないでくれと、泣いた夜も。 結局、目を覚まさなかった。]
部屋で食うか
[好きか嫌いかと聞かれたら。 俺は嫌いだと言うだろう。 愛していたかと聞かれたら。 俺は勿論と言うだろう。]
(130) 2014/02/20(Thu) 23時頃
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[そんなもんなんだろう。 魂に刻まれた絆というやつだ。
傍目に見て、どんなダメな奴だって。 傍目に見て、どんな欠点があったって。
それを失った後の悲しみも。 それを失う事への恐怖も。 あいつを知らない人生を思えば、如何程の物だろう。 今だからわかる、俺は幸せだったのだと。]
ふぅー
[煙草を消して、炒飯片手に部屋に戻ろう。 そろそろ、逃げる事はやめにして。 もう一度だけ、真面目に考えてみよう。 離したくない手は、どこにあるのか。]
(131) 2014/02/20(Thu) 23時頃
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ん?
[部屋に戻ろうと思った所で>>132 マドカが出てきた。]
なんだ、お前さんも出てきたのか
(133) 2014/02/20(Thu) 23時頃
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おう、ゲットだ
[上目遣いを、真顔で受けきる。>>135 おっさんにはそんな攻撃、き、きかないんだからな。 あ、あげないぞ、俺の夜食なんだから!]
お前も食うか?
[いかん、負けてしまったか。 修行が足りないな。]
(136) 2014/02/20(Thu) 23時頃
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なんだ、俺が料理をしたらおかしいか?
[タバサがいないんだから、まぁ、仕方ないよね。 たまにはこういうのもいいさ。]
せっかくだ、カウンターで食うか? 部屋でもいいが、食器返すのが面倒だし
[部屋でも問題ないが、なんとなく。]
(139) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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おっと…――――
[かけてくる女性>>138を軽やかに回避した。 炒飯ぶちまけなくて、助かった。 隅の席に座る様子に、首をかしげて。]
どうした、お前さんも腹空かしたのか?
[そんな的はずれな質問を投げた。]
(140) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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[小走りに部屋に戻る>>142様子を尻目に。 カウンターに、炒飯を置いた。 家なら、もう少し手の込んだものも作れるが。 人の店で、食材をできる限り使わずだと、ね。]
妹がまだ生きてた頃は、俺が食事当番だったんだよ 今は、一人で作ると逆に高くつくし 外食ばっかりになっちまったけどな
[戻ってきた娘に、そう答えて。]
(143) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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邪魔?
[何が邪魔なのか、よくわからなかった。>>145 頭を下げる様子に、首をかしげる。]
邪魔されたくなきゃ、部屋に篭ってるよ 飯食いに来てるんだから、邪魔もなにもないさ
[声が上ずっている気がする。 何か、びっくりする事でもあったのだろうか。 とりあえず、炒飯をもうひと皿作った。]
食え、食えば落ち着く
(147) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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ああ、面倒だな 食うだけなのに、食器や調理器具洗わないとだし それなら、外で食った方が早くて楽で安い
[携帯からする、シャッター音>>148 何を操作しているんだろう? 最近流行りの、SNSとかそういうのだろうか。 まぁ、難しい事は気にしないでおこう。]
はーら減った
[何にもまして、空腹である。]
(149) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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はい、頂きます
[自分もカウンターに腰掛けて。 娘の声に>>150少し遅れて手をあわせる。
もぐもぐ。もぐもぐ。。
うん、男の味。 意訳すると、味付けが濃い。]
御飯が食べたくなる御飯
[ぽつりと呟いて、それでももぐもぐ。]
(152) 2014/02/21(Fri) 00時半頃
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[いいのかしら、って>>151言われた。 そりゃ、出した以上は食ってもらうぞ。 味は濃いがなっ!]
お残しはゆるしまへんで
[もぐもぐ、水頂戴。]
で、びっくりする事ってなんだね 相談事なら聞いてやるぞ、おっさんが
(153) 2014/02/21(Fri) 00時半頃
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ラーメンライスだろ、問題ないじゃないか
[それとは違います、間違いなく。>>154 でもまぁ、差し出された水はありがたく頂こう。]
男の料理、ってのはこういうもんだ 何故か味が濃くなる、全体的に 調味料の分量を計らないのが原因だ
[もぐもぐ。]
まずけりゃ食わなくてもいいぞ
(155) 2014/02/21(Fri) 00時半頃
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じゃ、今度はお前さんが作ってくれ
[もぐもぐ、もぐもぐ。 そういえば、こいつ料理とかできるんだっけか。 なんにも知らないな、こいつの事。]
いや、ちゃんと作れば食えるもんになるさ ささっと作ったから、こうなるだけだ
[味付けは濃い癖に、味噌は白味噌派だしな。]
(158) 2014/02/21(Fri) 01時頃
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おう、食え食え [お、この女の子は平気で食べている。>>157 なかなかやるな、うん。 まぁ、食えないレベルではないしな。]
まぁ、歳はいいが 少なくとも、この店の先輩は先輩だ
[もぐもぐ、ごっくん。]
言いにくい事なら、無理に聞かんがな 何かあれば、アドバイスくらいはしてやるぞ
(160) 2014/02/21(Fri) 01時頃
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俺が神経質に見えていたか?
[娘にそう声をかけると、食べ終わった皿を前に押して。>>161 でも、料理を振舞ってくれるという言葉には期待しよう。 味はどうでもいいが、食べてみたいものだ。 女性の手料理、というものは。]
なんでだ? 男は胃袋でつかめ、とよく言うぞ 惚れた男の一人でも、いなかったのか
(162) 2014/02/21(Fri) 01時頃
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[片付けが始まると、それを眺めている。>>163 本来は自分がやるべきなのだろうけれど。 こうやって眺めているのが、何故か落ち着くからいいのだ。]
女の手料理は武器だぞ
[ちらりと、女性の方を眺める娘。 その視線が目に入れば、少し頬があがった。 何故か、と言われるとわからないが。]
もったいない 男に見る目がないのか、お前さんにその気がないのか
[どっちか、と言われると。 前者ではない気が、少しだけした。]
お、じゃぁ何処で手料理食わせてくれんだ? お前さんの家には、あげたくないんだろう
(165) 2014/02/21(Fri) 01時半頃
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ん?
[彼女が首をかしげるのにあわせて、自分も首をかしげ。 それでも、自分はいい、と言われると悪い気はしない。 自分の家に呼ぶのも、問題はなかったけれど。 せっかくだ、行くことにしよう。]
そうか、なら行こう
[カウンターに戻る彼女に、そう言って。 自分が何を喜んでいるのだか、わからないけれど。 ちょっとだけ、可愛いやつめ、と思ったから。 なんとなく悔しくて、煙草に火をつけた。]
よく考えれば、顔は結構あわせてたし 付き合いが短い、ってわけでもないのに お前さんの事、なーんにも知らないな、俺
(167) 2014/02/21(Fri) 02時頃
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ま、そういう奴も少なくないさ 特に、こんな場所ではな
[別段、珍しい事ではない。 表の顔と、裏の顔がある。 そんなの、ここでは当たり前の事。 表の顔には触れず、夜を楽しむ場所なのだから。]
まぁ、俺は少し知りたいがね お前さんの事
[嫌なとこも、汚い所も。 全部ひっくるめて、相手なのだから。 いい所ばかり見えてる間は、きっと。 それは、ただの妄想でしかないような気がするんだ。]
(169) 2014/02/21(Fri) 02時半頃
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人聞きの悪い事言うな 俺がいつ、エッチじゃないと言った
[そこじゃない気がするが、まぁいい。 ぽつりぽつりと溢れる声に。 頷きながら、天井を見上げる。
吐いた煙が、高く登って。 壁にあたって、砕けて消えた。]
…―――
[少しずつ、少しずつ。 歩いていければいいと思う。 繋いだ手が、このまま離れないのなら。]
(174) 2014/02/21(Fri) 03時半頃
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