158 Anotherday for "wolves"
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
hisetu 2015/05/22(Fri) 22時頃
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[判決は、どのように下されただろうか。 示された結果は、己への言われなき疑いを示すもので。
ひとつ溜め息をこぼしたサイラスは、ベネットの瞳に滲む憤りに気づきながらも、ただ黙って彼を見ていた。*]
(13) hisetu 2015/05/23(Sat) 06時頃
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[迎えた採決の時。 書かれた名前は自身のものと、メアリーのもの。 その中で多かったのは、自分の名前だった。
メアリーのものよりひとつ多いそれを記したのは、ベネットの傍らに立つと決めたクラリッサだろうか]
何でだろうな。 好きな娘の友達の方が、俺の中では疑いやすかったからじゃねぇの?
[自分が、友人だと思っていた者より。
疲労の滲む顔で、ほんの少し笑って。 大げさな溜め息>>43に答えた。]
(44) hisetu 2015/05/23(Sat) 21時半頃
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[己の命が絶たれるという採決と、それを下した中にいる、おおよそ味方であったと思われる、馴染みのある女性。 それは裏切りや背信とも詰れた筈なのに、疲労の色を滲ませる顔にサイラスはほんの少しの笑みを浮かべていた。
自分は喪ってしまったけれど。 ベネットの傍らには、傷を癒すかもしれないひとがいてくれるのが理解出来たから。
友人だと思う者に、そんな存在があるのが嬉しくて。 こんな時なのに、男は薄く笑っていた]
──……結果は決まったんだし、とっととやっちまえば?
言ったろ、疲れたって。早いとこしてくんねぇと、俺自分で適当に死ぬぜ。
ま、その方がお前さん方には都合がいいかもだけどなぁ。
[何かの糸が途切れて。 言い終えた途端、くぁと小さなあくびが洩れた。
ベネットを見る双眸がわずか、水気で揺れる。*]
(45) hisetu 2015/05/23(Sat) 22時頃
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[あくびで揺れた視界。 そこに飛び込んでくるのは、何故か歪んだベネットの表情>>46。 その表情が歪んだ理由を問う言葉は、飲み込むことにする。
互いに最後まで──……最期まで道が交わらないと、そんな結末が見えたのだから。 見えた結末が、またひとつ、男を臆病にさせて本心という言葉を封じさせた。
代わりについて出たのは──……]
ずるい、ね。 女たらして味方につけたほうが、よっぽどじゃねぇの?
[鼻を鳴らして出た、悪態]
(48) hisetu 2015/05/23(Sat) 23時半頃
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──さぁて、な? 気でも狂ったって、そういうことにしときゃいいんじゃねぇの。 そのほうが、お前さん『達』には都合いいだろ。
[本音は墓場に持っていく。 そう決めたから、>>47問われた表情の理由は最期まで封じ込み。 行き場のないベネットの感情を、掬おうとはしなかった]
……は、確かに。 どの面下げて会えばいいのか判らんが。
でも、せっかく逝くんだ。 自分から会わないでいる道を捨てるなんて、そんなこたぁしねぇよ。 普通に暮らしてる時より、諦め悪いな、俺。
[名前の出されない、犠牲者の一人。 彼女を殺した罪を背負わせながら、彼女に会えなくなると、甘い誘惑をベネットが言外にちらつかせてくる。
それには一瞬だけ泣きそうな顔をして、そうしてすぐに肩を竦めれば、装う悪態を引き戻した]
(49) hisetu 2015/05/23(Sat) 23時半頃
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[己の悪態に、笑うままベネットがクラリッサについて告げる>>50。
普通の友人であればこの瞬間、間違いなく惚気だなんだと揶揄に混じって、祝福の言葉やサイラス自身が覚えた安堵を伝えられただろう。
奪う者としての態度を崩さないベネットの繕われた笑みに、言葉を返さないと決めた代わりに一度だけ、悪態や皮肉めいた笑みとは違う微笑を向けてやる。
それはほんの一瞬で、すぐに悪態の笑みに戻るのだけど]
(69) hisetu 2015/05/24(Sun) 21時半頃
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心配なんてしてねぇよ。 ただの性格由来の、お節介なだけだ。 自惚れんな、阿呆たれ。
[まだ鼓動を続ける心臓が、ほんのひととき図星で跳ねた。
>>51拒絶された通りではあったが、それを悟られるのは己の感情を封じると決めた男には悔しく。
『共存』を『檻』として落とした言葉は、今この時初めて聞けた、ベネットの真実の欠片なのだろう。 同族を牙にかけた一匹の誇り高い獣の、真実の欠片。
それはやはりサイラスには理解出来ずにいたが、それでも友人であると思った男の真実として、あの世に向かうための餞を得たような気がした。
彼の真実を何も知れないよりは、うんとマシだったから]
(70) hisetu 2015/05/24(Sun) 21時半頃
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[それからふと、思い出したようにしてベネットの黒目を見つめ、男はぽつりと告げる]
手は、出来るだけ傷つけてくれるなよ?
逝く場所にいるかもしれねぇ、欲しいモン(>>52)に伸ばせなかったら御免だからな。
(71) hisetu 2015/05/24(Sun) 22時頃
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[蒼の双眸に映りこむのは、狩る者としての貌を見せるベネット>>-359]
……どこまで悪趣味なんだ。 理解できねぇなあ。
忘れろ。 少なくとも、俺の味は。
(74) hisetu 2015/05/24(Sun) 23時半頃
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ああ、くれてやらねぇよ。 俺の手は、彼女のだからな。
[視線が絡むのは、ベネットがいらないと言った己の手>>73。 悪態を返せばすぐに、ベネットの利き手が狙う獲物を指し示した。 そこは、今はまだ生きた鼓動を鳴らす心臓。
男は一度溜息をこぼし、そうして指し示された場所を捧げるように、服を脱ぎ捨てた。 上半身だけ晒せば、まだ奏でる心音を確かめるように、少しばかり薄い胸に片手で触れる。 マーゴの体温より低い己のそれと、どうしても感じる死への不安への不規則な音。
それらを確かめて、そうして手を離した]
(75) hisetu 2015/05/24(Sun) 23時半頃
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[それだけ言えたら、最期の時を待つように。
そうして、蒼の双眸を閉じるだろう。*]
(76) hisetu 2015/05/24(Sun) 23時半頃
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[それは友人の声だった>>78。 やんわりと穏やかで、男の日常の欠片を構成するひとつの存在であった声]
サービス精神旺盛、だろ? 判断はご自由に。
[愉しげな中に淋しげな音色が混ざるのを感じながら>>79、男はにっと唇の端を持ち上げてみせた]
(81) hisetu 2015/05/25(Mon) 00時半頃
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──……っ
[視界を閉じて、最期の時を待つ。 まだ音を立てる心臓を覆う胸に触れるベネットの手の感触>>80に、一瞬だけ息を詰めた。
さよならと告げる声に返そうとして口を開きかけ、それをやめて、男は唇を閉じた。
獣の爪が己の皮膚を切り裂く感触は、焼けるような痛みと共にそこから血を溢れさせる。
けれど与えられた言葉通り、感じた痛みは一瞬で。]
(82) hisetu 2015/05/25(Mon) 01時頃
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[ 愛した女を抱く身体を、自分の血で汚してくれるなと。
そんな最期のお節介は言葉にならずに、止まる呼吸とともに──……
*闇に呑みこまれたとか。*]
(83) hisetu 2015/05/25(Mon) 01時頃
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[ 死の痛みは一瞬。感謝の囁き>>-446は、男が聞いた最後の声。
ブラックアウトした意識の中で、確かに覚えたのは安堵だった。 記憶を探るのは、もはや魂となった己だろうか]
(89) hisetu 2015/05/25(Mon) 02時半頃
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( 忘れたのは? )
[手に触れていたぬくもり]
( 覚えているのは? )
[ 顔。 ]
[こちらの声に反応して、見えない目を合わせようとしてくれる愛らしい顔。
覚えている。 思い出せる。 ]
(90) hisetu 2015/05/25(Mon) 02時半頃
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[ 吐息を聞いた気がした。安堵から洩れる吐息を]
( 死んだのにか? )
[ 苦笑して。
それはもしかしたら、己の死を見つめ続けた愛しい少女に伝わったかもしれない、唇の動き]
声は──……
[ 記憶を探った時。
呼ぶ声が、響いた。 記憶が残る脳に。
まるで己の鼓膜を震わせるように>>85。]
(91) hisetu 2015/05/25(Mon) 02時半頃
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[ そうして、気づく。
両の頬に触れる感触>>-431が、いつの間にかあることに。 額にかかる髪を濡らす感触が、あることに>>84。]
(92) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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[ 男はその感触に誘われたように、ゆっくりと瞼を上げる。 ]
──……マーゴ?
[まるで長いまどろみから覚めたように視界はぼやけていて。 でものその先にはおぼろげにだが、長い黒髪を垂らす少女の姿が見える。
忘れる前に止めた鼓動。 そのおかげで残る記憶の姿と、視界の中のおぼろな姿が重なり合う。
蒼の双眸をぱちりと見開いて、男は数度、瞬きをした]
(93) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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[そうすればようやく、己の視界ははっきりと目の前にある人の姿を映してくれた]
……マーゴ
[合わさっていた額を離し。 触れていた手に、頬ずりをしたのは一度。 そっと自分の手を伸ばし、両の頬にあった白いもみじを包み込む]
──っ、
[はっきりと見えたその姿が、またおぼろに滲んでしまう。 瞼を上げて彼女を映した蒼色の瞳が揺らぎ、目尻からぽたぽたと涙を溢れさせたから]
(94) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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[止まった筈の息が、堪える嗚咽のせいで苦しかった。 それでも、紡ぎたかったから。 堪え、声を出すために、唇を開いた]
──マーゴット……
[包み込んだ手に、縋る力を込めたのは一度。
震える涙声で愛しいひとの名前を紡いで、そうして彼女の手を離した]
(95) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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お前さんは、何も悪かねぇだろ。
[いつも彼女の手を握っていた己の片手。 血に染まることのなかったその手>>88で、自分の涙よりも先にマーゴの頬に伝う涙を拭う。
白い丸みを帯びた頬から、人差し指を上へと滑らせ。 そうして、今度は親指で彼女の目尻を拭ってやる]
悪いのは、俺だろ。 守れなくて、傍にいてやれなくて、ごめん。
[マーゴの最期となった夜のこと。 >>3:+3ねだられた添い寝を誤魔化すようにして、額に口づけて別れた。
彼女がねだったままにしていれば、もしかしたら結果は変わっていたかもしれないと。
喪失がくれる忘却の恐怖の中には、そんな後悔が混じっていた。 だから、懺悔をするのは己のほうだと。
涙で震える声で謝って。]
(96) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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[片手を、ふわりと波打つ黒髪が垂れる頭の後ろに添える。
あの夜のように一度、額に口づけ。]
これからは、一緒にいる。 ……いさせてくれ。
[魂が行くべき場所へと、導かれるその時までは]
(97) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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[臆病のままに、蓋をしていた感情。 その蓋を取り去り、身体から自由になった魂に任せるように吐き出した想い。
死と生で隔てられていた、そう長くはない間。 少女の中に根付いた罪のせいか、吐き出した想いは彼女の中を重く石のように蝕んでいく>>104。
それを知らない男は、マーゴがぎちりと下唇を噛み締めたことに気づいた時、わずかに蒼の瞳をまたたかせた]
(105) hisetu 2015/05/25(Mon) 22時頃
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[額と同じように届けようとした口づけは、拒絶の言葉>>-476に止まる。 振られたか? と思う間もなく、顔を寄せた少女の目尻からは花びらのように涙が溢れ出した。
それに目を瞠らせて、涙をまた拭ってやろうとしたのだが、それより先に髪に鼻をうずめるようにしたマーゴに逃げられてしまう]
……くすぐったい。
[そうして嗚咽に混じる繰り言と一緒に、耳朶が涙で濡らされる。 その感触に思わず静かに呟けば、彼女の華奢な腕が抱きついてきた。
続くのは、己の身体に抱きつく少女にとっては懺悔の言葉なのだろう。]
(106) hisetu 2015/05/25(Mon) 22時頃
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[なんにも傷ついていない。 そんな声に>>116、男はほっと安堵のままに胸を撫で下ろしていく。 それはきっと、マーゴにも伝わる動きだっただろう。
己の臆病さを吐露した背に、久し振りに感じる ぽん、 ぽん というリズム。]
……お前さんが俺を連れてってくれる狼なら、喜んで、だ。
喜んでその牙にくれてやるし 喜んで、その手を取るよ。
[背中を包み込んだマーゴの手の感触に目を細め。
自分の命を摘み取る猟犬にだってなれると言われれば、それには鼻を鳴らしながら、言葉通りの感情を滲ませる笑みを向けた]
(128) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時頃
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[嬉しいと言った己に、マーゴからは躊躇いめいた言葉が返る>>117。
やがて彼女の中で躊躇いよりも、サイラスが嬉しいと言ったことに天秤が傾き、『おぼえてて。』と言葉にしながら男がいることを確かめるように、きゅっと両腕に力が込められた。
それを受け入れながら、そうしてマーゴの涙を拭って>>-491。]
(129) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時頃
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[愛の言葉を贈った人の指が、下がった眉に伸びてくる>>-515。 癖のある前髪を避ける動きの好きにさせれば、あわらになった額に柔らかな唇が寄せられる。
その唇から落ちてきた言葉を耳から脳、そうして己の全身に染み込ませているうちに、気づけば蒼の瞳がじわりと滲み始めていた。
飽いたと思ったし、枯れたとも思っていたけれど──……。
喜びの涙なら、悪くはないだろうか。
ゆっくりと頬を伝う雫に、そんなことを思った]
──ああ、こっちこそ。
こんな時に泣いちまう、情けない野郎だが。 傍にいてくれ。
[その姿が傍らにあると気づいて告げた言葉を、もう一度。 悪くないと思いながらも、ほんの少しばかり頬に涙を伝わせる己の不恰好さに苦笑と後悔をするのは、後でもいい。]
(130) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時頃
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[そう決めて、くしゅりと丸まった真っ黒い瞳を見返して。 引き寄せる力に身を預けながらも、自らもマーゴの背を抱く力を、愛しさのままに強くして。
重なる影と同じように、愛しい人と唇を重ねた]
(131) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時半頃
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─ 暫しの後 ─
[そうして死してからの睦み合う時を過ごし、ふと男はマーゴの身体をやんわりと離した。
背に触れていた手を、生きていた時と変わらずにマーゴの手へと滑らせ、握る。 せっかくだからと、指と指との間に己のそれを絡めながら。
変わらない手の位置、変わった繋ぎ方。
その照れくささのままに、もう片方の手で、薄く涙が滲んでいた己の目許を擦った]
必要のなくなった手ではあるかもだが、お前さんが行きたいとこなら、一緒に行くぜ。
どこに行きたい?
[日常を取り戻した錯覚は、一瞬だけ。
己の目には、ベネットがシーツに包む己の身体が見えたから>>98。
それでも変わらずに、マーゴに首を傾げてみせた。*]
(132) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時半頃
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[そうして。 己の肉体が運ばれていく様に視線をやったことに気づいたらしい。 傍らのマーゴの仕種に苦笑し、彼女の目が本来の機能を取り戻していたのを、男はここでようやく確信した。 >>155腕の中にうずめ、こちらを見上げるマーゴに気づけば、ほんの少しだけ力のない笑みを]
……大丈夫だよ。 不思議な感じだが、まぁ。 お前さんのを見た時よりは、──よっぽどいい。
[笑みを作るよりも先に、頬に小さく口づけられ。 その感触に、ようやく微かに笑い返すことが出来た。 気を引こうとしたそれは、まさに成功というところで。
仕返しとばかりに、男もその白い頬にひとつ、キスを返した]
(184) hisetu 2015/05/26(Tue) 22時頃
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ん、どうした? マーゴ。
[返せば、ふと腕の中のマーゴが挙動不審になる>>156。 白かった頬に赤みが差して、視線がちたぱたと忙しなく彷徨う。
ふと、男は自分の死ぬ前の行動に思い至る。 腕の中からマーゴが逃げ出したのは、それとほぼ同時]
ああ、悪い、悪い。
せっかく見えてんのに、こんなの晒してさ。
[腕から離れ、肩を強張らせて向けられる背中に苦笑を向けた。 そんな謝罪をしながらも、あんなふうに赤くなってしまう反応の微笑ましさを味わえた喜びなんか持ってしまうもので。
馬鹿につける薬と、死者につける薬はないな。 なんて、薬屋だからこそ理解出来る呆れと一緒に衣服を抱えた。
それを纏う前。 もういいぞなんて言いながら赤い顔を覗き込みたかったのは、内緒の話。*]
(185) hisetu 2015/05/26(Tue) 22時頃
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─ マーゴの手を繋いでから ─
[こちらの照れくささは、どうやら悟られたらしい。 ひとつだけ洩れた、堪えきれないといった笑い>>157にそんなことを思う。
訊ねたリクエストに応えるマーゴが、もう一度と握り返す手。 それに頷くのは、彼女の手があることへの確認と、リクエストへの応。
重い音を立てる扉を二人で開いて、外へと向かう。 生きていた時に感じた、村に生きる人狼としての暗い未来から解放されて見た景色は、暫く目にすることを避けるようにしていた夕暮れの色。
それを見ることを避けていたのは、もしかしたら血の色を思い出させる色が空に広がって、心が潰されるなんて錯覚しそうだったからかもしれない。
いや、上を見る余裕なんてのがなかっただけだろうけど]
ああ、綺麗だな。 あかい空は、──綺麗だったんだな。
[マーゴが上げる感嘆>>158に、男は静かに頷いた]
(193) hisetu 2015/05/26(Tue) 23時半頃
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嫌いとか言われたら、潰された筈の心臓が変に騒ぎそうだ。
[見上げていた空から、こちらを振り向いたマーゴが笑う>>159。 それに眉を寄せて、少しばかりの不機嫌を滲ませて言って。 次に男が吐き出したのは、溜息]
俺なんかより、お前さんのがうんと綺麗だぜ。 惚れた欲目だけどな。
[腕を引き寄せた、黒い髪と黒い瞳の悪魔を装う少女に、溜息と同時にこぼしてやる。
夕焼けの空のおかげで、どうせ自分の頬なんて既に赤いだろうから。 だから素面で言ったように見えるだろうと、そう願って]
夕焼けの光り浴びた黒髪だって、うんと綺麗だよ。
[空の赤を受けて艶めいた、波打つ髪と。 楽しげに笑う少女に、眩しそうに目を細めて]
(194) hisetu 2015/05/26(Tue) 23時半頃
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[手を握った少女がくるりと回れば、紳士としてはいささかぎこちない仕種で、そのターンをきちんとエスコートした。
騎士なんて村の人々の中で言われていた男には、そのぎこちなさこそが似合うだろう。 騎士の手なんてものは、姫の手を取り、ダンスの相手を務めるように出来てはいないのだから。
そう出来ていない手でも。 伸ばしたいと願ったから。
だからきちんと握り。 指を絡め。
楽しげな少女の声に誘われるまま、影を失った二人は歩いていくだろう。
悪魔を装う少女の、楽しげな笑い声の赴くままに。]
(195) hisetu 2015/05/26(Tue) 23時半頃
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─ とある薬屋の帰還 ─
[村にいるひとおおかみ達が過ちを正すため、疑心にまみれて殺し合ったことを、薬屋を営む中年の男は知らない。
ただ、村へと帰る道の途中。 見知った常連の、ひとおおかみの娘の姿を見た気がした。 その連れは、薬を託したが許婚を死なせた本屋の誇り高き人狼な気がして、ダン・ラウシェンバーグはひとつ、重い溜息をこぼした。
どこか幸せそうに見えたのが、気のせいでなければいいと。
そんな願いを、村に続く道の中溶かしてゆく]
(211) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
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[そうして男が村へと戻れば、共存をしていた人狼達が全て姿を消したことを知る。
友人だった学者 先ほど見た気がした花屋の娘 無力になった力を貸した本屋の長兄 時折配達に来てくれる、宿屋の本当ではないけど確かに息子だと呼べる青年 美味い料理を振舞ってくれた宿屋の主 その娘だった天真爛漫な風の精 薬に関しては、本業の薬屋よりも村人には信頼されていた医者 その家に住まう、猫みたいな黒い狗 本当に黒い獣を連れた、男の息子の友人 赤い髪の鴉と呼ばれたひとおおかみは、時折夜中に店である自宅の扉を叩き そんな彼と幼馴染みだったと記憶している、いつしか声を聞かなくなったラズベリー色のスカートをたなびかせた娘も。]
(212) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
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[引っ越してきて以来、明るい声を聞かせてくれた隣の盲目の少女
その彼女の明るさに手を引かれたように、口数が増えていき、妙なお節介気質まで備わった、息子として迎えたひとおおかみ。
それらを束ねる銀糸の髪を垂らす族長も。
村に住まうひとおおかみは
あの世に逝ったり、姿を晦ましたりして、だれ一匹も姿を消していた]
(213) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
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[ 薬屋の男は、息子も眠る墓へと膝を折り、そこに眠るひとおおかみ達へと祈りを捧げていた。
そうして、気づく。
眠る墓の中、今も村にいる気がする、死した者達の魂の色の数は、なんと『白い色』が多いことかと。]
──嗚呼、そうか。 前に留まってた村での騒動なんてなけりゃ、俺の目も役に立てたかね。
息子も死なせずに、済んだだろうかな。
[ 死した者の魂の色が視える、人間の薬屋は。
人狼である息子の墓の前で、騒動の結末を一人知り。
臆病な息子とそっくりな姿で、涙したという。*]
(214) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
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[薬屋の男は、時折隣の家を眺めていた。
喪失を抱えながらも、家主のいない家を見つめていると、不思議と心が、ほんの少しばかり軽くなる気がしていた。
その理由は、なんとなく理解しているが]
たまぁに、夢枕にでも出てきてくれりゃあいいのになぁ。
[臆病な所のある息子が、隣の家に住む少女に心を傾けていたのを知っているから。
もし己が感じる気配が、死した魂達の幸福であれば。
男が知る、彼の大切な者の物語の結末は、結構救いのある*物語だ。*]
(241) hisetu 2015/05/27(Wed) 03時頃
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