41 アンデッドスクール・リローデッド
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―生物学教室の前で―
バーレー、さんは、クロエさんをお守りしていた>>1:338、なんて。 本当に、勇敢な方です。 モップ……俺は原始的な戦いをしてしまっていますからね。 見習うべきかもしれませんが……打撃は、反動が厳しいですから。
[今は姿の見えないリンダとの会話を思い出しながら、男はぼそりと呟いた。 事実、踏み込み力のない男では、打った反動は車いす任せとなってしまう]
……なら、俺にも使えますけど。学内にはありませんしね。 口惜しいですが……当然。 いえ、そんな弱気な発言はやめましょう。 田原先生と同じように、俺だって「先生」なんですから。 この身体が――――少しもどかしいですけれど。
[そこでふと、教室にこもるリンダの様子が気になって>>340。 とはいえ、振り返る不正はしたくなく。 かわりに、こんなよしなしごとを、呟いた]
(5) 2011/12/03(Sat) 01時頃
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は、はは。実験、される側に回るなん、て、久しぶりですね……。
[男は、扉に背を向けたまま、遠い過去を思い出す。 それは、『実験』と呼ばれていいものなのかどうなのか。ただ、一つ言えること。白衣を着た男性に告げられた言葉]
あの時、は、ちょっと不快、に感じたものです、が。感染しているか否かが、本当、に、分かるのであれば。 これほど、助かるものはありませ、ん。
[何しろ男自身でさえ、感染後の経緯をじっくりと観察できたことがないのだから。 男の体に、おそらくウイルス、が、入り込んでいるのかどうかは明確には分からない。 ただ……]
……仮に、感染していたとした、ら。 俺は、どうすれ、ば……
[男はかすかに思案しながら、じっと、リンダの結果を待つ。 疲労しきった……いや、疲労しきっているはず、の腕の震えは…… まだ、止むことがない]
―生物学教室の前で・了―
(6) 2011/12/03(Sat) 01時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/03(Sat) 01時半頃
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―少し前のこと・生物学教室の前で―
俺は俺、です、か>>9。 ……そうです、ね。羨んで、も、即座に自分が変わるわけでは、ありません、し。 まして、変えようもない、もしく、は、変えるための労力を、別に活かした方が有益なことも……多いですからね。
[自分の年齢の半分にも満たない、教え子の言葉にゆっくりと微笑みを浮かべた。 生徒達に対し「子供だから」という偏見なんて、決して持ち合わせてはいない。 それでも、若いのに、と頭に付け加えたくなってしまうのは、男が年齢を重ねすぎてしまったせいなのかもしれない]
クロエさんは、ご自分をしっかりと、持たれているようにお見受け、します。
[この見識を、男は後ほどより強く、思い抱くことになる。 冷たく告げられた彼女の言葉を、扉越しに受け止めて>>4]
(36) 2011/12/03(Sat) 03時半頃
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―そして・生物学教室の前で―
[告げられた言葉に>>4、絶句した。 『感染している可能性がある』。その意味を受け入れることにどれだけの時間がかかったことだろう。 ありえない。そうならないよう、細心の注意を払っていた>>1:312はずだったのに。 扉には手を伸ばさない。生徒を怯えさせてはいけない。 それでも、耐えきれずに振り返ることだけは、どうか許して欲しい]
ク、クロエさん。ちょっと待って、ください! 俺は、見ての通り、健常です。 そ、その検査の精度は、本当に、確かなものなのです、か? ……いえ、『可能性』と仰る以上、確定ではない、の、ですよね。
[恐らく、『感染』は確定されたものではない。 男はそう察し、逡巡の末……あっ、と小さく言葉を漏らした。 思い返すのは、もう10年も前のこと。 「車いすの教師」に慣れた時分に、知り合いの医師から受けた進言。 あの時は、今とは逆。 ――――男は、『可能性』に夢を託していたのだった]
(37) 2011/12/03(Sat) 03時半頃
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―回想・10年前・病室―
ええ。大丈夫です。 同意書の方には、サインをさせていただきましたから。
[男はベッドに横たわりながら、医師の言葉に頷いた。 インフォームドコンセント……告知と同意に基づき執り行われたのは、新薬及び未承認医療技術に対する治験。 男の胸に宿るは淡い期待。 傷ついた胸椎に穿刺を行い、直接胸髄に新薬を投入することで、麻痺した下肢能力を回復させるという趣旨だったか。 その他、前例のない再生医療技術には、生物を専門に扱う男でさえ理解の困難な手法が用いられた。 そのやり方の全てに信頼を寄せていたわけではない。むしろ半信半疑ともとれる部分は多かったのだが。 もし、2本の足で立ち上がれたら。以前のように立ち振る舞うことができるようになったなら。 拘束される時間も、副作用による危険性も、そんな『可能性』に全てをかけて、なげうち、受け入れる意思はあったのだった]
(38) 2011/12/03(Sat) 03時半頃
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[結果を言うならば、それは惨憺たるものだった。 処置を終えた男は2週間に渡り、意識が混濁したまま高熱に魘されることとなる。 期待していた効果を得ることも叶わず。 その上……『副作用』と呼べる程度の負の遺産を、男の体に刻みつけることとなる]
では、俺の体は特定の検査では、陽性を示してしまうということですか? 例え俺自身に異常はなかったとしても……。
[それが告げられたのは、退院を迎えたその日のこと。 失敗した治験により変えられてしまった体質。 男は、不気味に思いながらもその事実を受け入れ、医師に問い返したのだった]
……分かりました。いえ、過ぎたことと言えるほど俺もできた人間ではありませんが。 そこについては、補償金の方でも、じっくりご相談させていただきます。 ただ、俺が懸念していることが1つあるんですが。
(39) 2011/12/03(Sat) 03時半頃
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検査で誤った陽性反応が出てしまった時、本当に陰性かどうかを判別する手段はあるんでしょうか。 いえ、病気の可能性を疑われても、それが俺の体質のせいなのか、それとも本当に陽性なのか、分からないようでは身に危険が及ぶ可能性があります。
[問いかけに対する意思の答えは、診療録の複写。 検査医にこれを渡すことにより、男の体質にあった検査に切り替えることができるよう。 そして、ごくごく小さなバイアル(ゴム栓により閉じられた小瓶)。 中には、毒性がないよう希釈されてこそいるものの、症状が起こる原因となった、体質を変異させる新薬が込められている]
……あぁ、そうですね。では、とりあえずそれはいただいておきましょう。 今の段階では、この体によって異常な結果が出るかどうか判明されていない検査の時も、そのサンプルがあれば医学的に分析して、結果の検証ができるでしょうから。 もっとも、そんなことができるのは、よっぽどの大病院に限られそうな気もしますけどね。
―回想・10年前・病室・了―
(40) 2011/12/03(Sat) 03時半頃
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―現在・生物学教室前―
クロエさん。俺に、は、そんな体質があるんです。
[男は、己の体に埋め込まれた宿命を、力なく語っていった]
もしかしたら、クロエさんがされた検査、も、そこに引っ掛かって、いるのかもしれません。 ……教壇の近くに、俺の荷物が、あるでしょう? そこに、カルテの写し、も、サンプルの瓶、も、置きっぱなしにしてあります。 確認、してください。
[リンダはどうしただろうか。どちらも確かに生物学教室の中にあるはず。 ただ、彼女が専門的な知識を要する診療録を、読み解くことができるかどうかは、分からない。 そして、仮に読み解け、仮にリンダの行った検査が引っ掛かるという旨が記載されていたとしても。 それはあくまで、『男の体質ため反応した可能性がある』ということが分かるにすぎない。 まして、一緒にある新薬入りのバイアルについては、生物学教室で行えるくらいの検査については、使い道があるとも思えない]
(41) 2011/12/03(Sat) 03時半頃
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[実際にウイルスに感染しているかどうかは、きっと誰にも分からない。 体質のせいかもしれない。本当に感染しているせいなのかもしれない。 だからこそ――――]
分かって、います。無理に、入ったりは、しま、せん。 扉は閉じたままで、結構です……。 です、が。ここを離れること、も、できません。
[扉に付けられた窓を静かな目で見据えながら、男はきっぱりと言い切った]
せめ、て。この場所、で。感染された方々が近づくことを、防がせていただきます。 俺はもう、嫌なんです。 俺の至らない行動のせいで、迂闊な行動の、せいで……誰かを救うことが、できなくなってしまうだ、なんて……。 クロエさん、と、バーレーさんの、ご無事な姿が見えた時、俺は本当に嬉しかった>>1:250。
[ぐっとまぶたが閉じた後、ふと、顔を背け車いすを反転させると。男は扉に背を向けた]
ですが、もし俺が感染していて、他の感染された方のような、変化が起きて、しまったら。理性を、失って、しまった、ら。 ……この背もたれにある、介助用レバーを掴んで、そのまま横に押し倒してください。 それだけで、俺はほとんど、無力化できるはずですから**。
(42) 2011/12/03(Sat) 03時半頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/03(Sat) 03時半頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/03(Sat) 16時頃
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―生物学教室の前で―
介助用レバー>>42……いえ、失礼しまし、た。 この、車いすの後ろから飛び出している。2本の棒……「手押しグリップ」です。 車いすごと、俺を倒してもらえれ、ば、俺はたぶん、這うことしかできません、か、ら。 理性を失ってしまっても、俺の足は動かない、はず……。 なら、も、もしかしたら……車いすの操作くらい、は、学習してしまうかもしれない……。
[背中を向けたままリンダに付け加えた。 そうだ。倒れてしまえば仮にこれまで見てきた死者たちのようになってしまったとしても、誰かを襲う力は極力削ぐことができるはず。 沈痛な思いで体を震わせる中で、ふと、誰かの視線>>48を感じた気がし、そちらに首を向けた。 そこにいたのは]
た、田原先生……。あぁ、よかっ、た。 よくぞ、ご無事で……。
(68) 2011/12/03(Sat) 16時半頃
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[田原はどうしただろうか。こちらに近寄ってきたとしても、その場に立ち尽くしていたとしても、どちらにしろ、男は彼に向けて開いた手をぐっと伸ばしたことだろう。 一時でもいい、静止を……少なくとも己に近づくことだけでも、避けるよう願いながら]
田原先生……俺には、近づかないようにしてくだ、さい……。 俺、は、感染している可能性が、あるそうです……。 クロエさんに、調べて、いただきました>>4。 あ……クロエさん、は、ご無事です。 生物学教室の中に、おります、から。 ですが、もし俺が感染していたら、いつ、変異を遂げてしまう、か……。
[そこまで口にし、男は、はっと、何かに気がついた。 そうだ。彼に己が感染しており、意思なき襲撃者となり果てるとしたら……それは、「いつ」のことなのか。 男は背中越しにリンダに向けて、再び問うた]
(69) 2011/12/03(Sat) 16時半頃
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クロエさん……ウイルスの潜伏期間が、どのくらいか把握されています、か? ある程度、でも、結構です。 もし、ご存じでしたら、教えていただきたいのです、が……。 俺が知っている、限り、それほど長くはないはず>>1:187、です。 その期間を境にすることで……「感染しているか否か」の、目安になるかもしれません、から。 感染していたら……俺、は、理性を失ってしまう、はず……。
[そうだ。その手があったと、男は一人合点する。 『見た目が正常でも、すでに変異してしまった存在がいる』>>1:221可能性が事実なら、おそらくこの悪夢を経験した多くのものが、知らない情報。 男も、もちろんそんなことは知らな……]
(70) 2011/12/03(Sat) 16時半頃
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[……知らない? いや、その断言は行うまい。男の体の震えは、いまだ、止んではいない。 その原因が、果たして疲労のためだけだったかどうか……。
ふと、何かの音が聞こえた気がし、男は天井で閉ざされた上階へと目を向けた 誰かの走る音が、聞こえた気がする。 狙いを定めるかのように、一直線に突き進み……やがて、ぶつかると同時に断末魔の声が付されたような気も……。 死者が、走ったのだろうか。まるで目標を捕捉して、襲撃をしたかのようにも。 中には異質な感染者もいるのだろうか? ……いや、そんなことは、ありえない。 きっと、男の空耳だったのだろう]
―生物学教室の前で・一時了―
(71) 2011/12/03(Sat) 17時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/03(Sat) 17時頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/03(Sat) 17時頃
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―回想・昼休み・中庭で―
猫さぁーん。 ふぅむ。今日はこっちにはいらっしゃらない>>0:406ようですか……。 あともう少しで、モフらせていただけるくらいの信頼を築けそうな気がしたのですが。
[昼休み。職員室で無骨な弁当を食す>>0:394前に、男はこの場所に訪れていた。 男にとって、動物をモフるということは、1人では困難を極める作業だ。 なにせ車いすの上からでは、たとえ油断をしてねころんでいたとしても、小さな生き物に触れることは叶わない。 欲望はある。モフりたい。されど生徒や同僚に、猫を抱くために力を貸してほしいと協力を仰ぐのもためらわれ。 ……つまるところ、猫が自発的に男の胸に飛び込んでもらう以外に手段はない。 それゆえ、時折こうしてこっそりと、猫との接触を試みていたのだ。 生物学教師が自発的に動物への接触を図る。それ自体は、おかしな構図ではないはずだから]
しかたがありません。今日は諦めて、お昼ご飯にしましょうか。
[男はそう口にしてから中庭を立ち去ろうとし……ふと、体を刺激する冷たいそよ風の感触に酔いしれた]
(72) 2011/12/03(Sat) 17時半頃
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気持ちがいいですね。この季節の風は。 肌を刺激すると言いますか、こうピリピリ来る感覚がたまりません。 あぁ……もう少しだけ……。
[この感触を、もっと全身で受け止めたい。 体中に、冷やりとした空気を浴びてみたい。男はそんな思いに駆られて、勢いよく白衣を脱ぐと、ばさりと乱雑に肩に背負った]
ふぅー。これこれ。この感じです。 まるで、心が洗われるような。 ……と、いつまでもこんな恰好しているわけにも、いきませんね。
[白衣を脱いだ己の姿は、傍目にも寒々しいものであっただろう。 周囲の生徒たちの目も気になる。 男はそそくさと白衣に袖を通すと、そのまま職員室へと向かっていったのだった。 ……もしかしたら、こんな些細な行動の中で、男は何かを失ってしまった>>0:395>>0:396のかもしれない。 仮にそうだとしていれば、その場に残されたものは――――>>1:273>>1:335]
―回想・昼休み・中庭で・了―
(73) 2011/12/03(Sat) 17時半頃
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―回想・いつかの授業で―
ウイルスなどの感染経路には、様々な形があります。 飛沫感染や空気感染。経口感染に血液感染。あぁ、母子感染もそうですよね。 多くは複数の感染経路を持ちますから、それぞれに適した予防法があります。
[これは、どこのクラスでの出来事だっただろうか。 男は普段と変わらずに、資料とともに授業を行っていた]
まぁ、それは置いておいて。 病原の侵入経路の違いによって、症状が異なるということは一般的にはあまりあり得ません。 症状については主にその方が持っている免疫機能>>0:401……あぁ、もしかしたら少し授業が前後してしまうかもしれませんが……が、関わってきます。 たとえば、同じ環境に置かれていた場合でも、人によってインフルエンザにかかる方と、かからない方がいらっしゃいますよね。 もしくは、かかりにくかったり、自覚症状が出てこなかったり……。
(76) 2011/12/03(Sat) 18時頃
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人によって、千差万別。これは何も、俺たち一人一人の見た目に限った事じゃ、ないんですよ。 体の中だって、同じです。 色んな体質>>1:329>>41の方がいます。 これは生物の、遺伝子レベルでの本質的な生存本能に起因しているのかもしれません。 みんながみんな同じような性質を帯びていたら、環境の変化が起きた際、絶滅の危機にさらされてしまいますからね。
[男は、己が好きな生命の神秘>>60に思いをはせながら、口元を緩めた]
そうならないように、俺たちは少しずつ異なっている。 それって、素敵なことだと思いませんか? みんな違ってみんないい、なんて標語みたいなことは言いませんし、違っているがために起こる争いや悲しみも多いですけれど……。 そんなマイナス面も含めて、全体で、生物規模で、「生き残る」という大きな目標を内包しているんだ、って考えると。
[まだ平和だったこの時は、思いもよらなかった。 いつか未来のどこかの時間に、こんな悲劇が待ち構えていようなどと]
―回想・いつかの授業で・了―
(77) 2011/12/03(Sat) 18時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/03(Sat) 18時半頃
ダンは、緊張した面持ちのまま、生物学教室に背を向けている**。
2011/12/03(Sat) 18時半頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/03(Sat) 22時半頃
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―生物学教室前―
えぇ。何とか、言ったところで、しょうか。 怪我、は、ありませんが……。
[田原の問いかけ>>82に答えつつも、表情は沈鬱のまま。 彼に中に芽生えた思考は、男のうかがい知れるものではない。 ベネットがこの場に合流したのは、いつのタイミングだったか>>92。 彼の姿を見れば喜びをあらわにしたことだろうが、今はリンダより告げられた言葉に着目したい。 男の言葉を受け、内部で何かしらの検討が行われたのだろう>>99>>101。 受けた第一声>>103には彼女の発想にぴんとこず、返すタイミングを失ってしまったのだが]
お父さんが>>105……。 そう、だったんですか。健常にも、関わらず……ウイルスを保有している可能性もある、と。 ……つまり、俺が感染しているか、どうか……は、傍目には判断つかないことだったんですね>>106>>107。
(145) 2011/12/03(Sat) 22時半頃
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[やがて、ベネットの行動を受けて>>111、開かれる扉の鍵>>109。 男は内部に入ることに躊躇いを持つ。 田原とリンダのやり取り>>113>>126に、敏感に反応し]
ええ。それが、救いです。仮に感染していた、と、しても。 本来な、ら、隔離するべきでしょう、が……俺も、一定の距離をみなさんと開けることで、助けとなれるかもしれません。 もっとも……疑いのある俺は、あまりみなさんと接触するのは、避けるべきかも、しれませんが。
[そして、躊躇いながらも生物学教室へと入る>>127と、残る3人からは少し距離を置いた場所で、動きを止めた。 この頃には、だいぶ呼吸も落ち着いてきたのだろう。告げる言葉も平静に戻り]
屋敷への、移動ですか。 車で……俺が保有者である可能性を考えると、狭い箱の中でご一緒するのは、危険が伴うかもしれませんね。 生き残っている皆さん>>116を、みすみす見過ごすことはできませんから、そちらに向かいたいとは思いますが……俺はみなさんの車と同乗することは、避けた方がいいかもしれません。
[そして、遠巻きに3人のやり取りに、耳を澄ませたのだった]
(146) 2011/12/03(Sat) 22時半頃
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[ベネットが命がけで調達してきたもの>>131に、男はすぐに手をつけようとはしなかった。 唯一食料の心配はあったが、仮にウイルスに感染していたらと考えると、手を伸ばすのも躊躇われたのだ。 いつか発症してしまう可能性がある己が持つよりも、より感染の確率の低い3人で分配してもらいたい。 が、その中の一つ。ライターが含まれていることを知ると]
あの……。
[それを得たい意図を誰かに伝え、受け取ろうとしたことだろう。 やがて、ベネットの口から聞かされた言葉に>>143]
その役目は、俺が担いましょう。 バーレーさんは、戻ったばかりです。……体力を、温存しておいた方がいいかと。 ラジカセ>>140と言えば、俺でもだいたいやることは分かりますからね。
(153) 2011/12/03(Sat) 23時頃
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[外を走る足音>>154。 様子を窺った後の田原の声>>154に、事態を察すると、迷いなく頷いた。 あの生き物はまるで目が見えているかのように、的確に生徒を追い掛けているように感じる]
な、い、犬!? まさか、嗅覚で……。 田原先生、了解しました。急ぎましょう。 クロエさん。バーレーさん。どうか、お気をつけて。 無事に……現地で、再会しましょう。
[ラジカセについてなど、男が考えている場合>>153ではない。 事態は一刻を争っているのだろう。 男は、しばしの休息により力の戻ってきた両腕をハンドリムを添え、生物学教室から飛び出していった]
(160) 2011/12/03(Sat) 23時頃
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―廊下―
[ベネットから受け取ったライター>>164をポケットにしまう。 礼を口にしながら受け取った際に、胸に宿るは小さな覚悟。 火力は足りないが――――いや、今はそれは考えまい]
フォローさん! テツさん! くっ……下の階に。
[しばしの歯噛み。田原>>172に向けて]
致し方ありません。俺はエレベーターを使います。 田原先生は、フォローさん達をそのまま追ってください。 あぁ、それと先生――――
(173) 2011/12/03(Sat) 23時半頃
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[言い終えると、田原もエレベーターを使用しようとはしない限り、男は別口からセシル達を追う道を選んだことだろう]
―廊下→エレベーター前へ―
(178) 2011/12/03(Sat) 23時半頃
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―エレベーター内―
[幸いなことに、エレベーターの電気系統は生きていたようだ。 じれる心のまま到着を待ち、開くと同時に飛び乗っていく。 閉ざされた扉が開く瞬間、微かな緊張はあったものの……不思議と恐れは感じなかった。 ともあれ、田原はきっと正確にセシル達を追ってくれる。 しばらく隣席で共に励んだ仲だ。彼の見せた表情>>186が初めて見た類のものであれ、男には揺るぐことのない決意のようなものを感じることができたのだから。 仮にそれが、誤った認識であったとしても]
田原先生は、フォローさんとテツさんを追っていけます。 ですが、俺は……こんなやり方でしか確認できない。
[エレベーターのランプは、階下の全てが点灯していた。 これ以外に、方法はない。全ての階で、一度状況を確認するしか、男にはセシル達の居場所は、分からない。 それが、開扉の音が鳴る以上、我が身に危険が及ぶことは必須であったとしても]
(198) 2011/12/04(Sun) 00時頃
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―エレベーター内―
[そうだ。我が身に危険が及ぶ>>198。 開いた先に感染者がいれば、音に反応し一直線に向かってくるはず。 にも拘らず、彼らを恐れる気持ちが湧いてこないのは、一体なぜ。 もしかしたら、リンダから感染の可能性を告知され、すでに覚悟が固まってしまっていたせいなのかもしれない。 もしくは――――]
……車で移動するにも関わらず、俺は同乗はできません>>146。 ワゴンのキーも、失ってしまいましたし……移動の手段が、ありませんからね。 達観してしまったのかもしれません。 いえ、例え車がなかったとしても、俺はこの体で屋敷まで切り抜けていくつもりではありますが。
[学内にいる感染者には、外部の人間も混ざっていた。 それを踏まえるならば、街もまた、死人の群に覆われているに違いない。 車いすでその中を掻い潜っていく。そんなこと]
(206) 2011/12/04(Sun) 00時頃
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やってやりますよ。 教師が諦めたら、生徒が困るじゃないですか。
[不敵に笑うと同時に、エレベーターが停止した。 到着を告げる音とともに、開く扉。 さて、その先には一体何が、待ち構えていることだろうか]
(208) 2011/12/04(Sun) 00時頃
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―エレベーター前―
[扉が開くと同時に侵入を図った死者の頭部を、胸の内で粉砕した。 素通りはできない。各階、1つ1つを確認していかなければ。 エレベーターの扉に体を挟み、到着階の様子を窺おうとした時に、その放送>>211は聞こえてきた]
……? この声は……。 あぁ、いえ、音がわれているのか、誰かまでは分かりませんね。 よかった。俺達以外にも、無事な人がいるなんて。 仰る言葉を聞く限り、俺のワゴンのキーを持っていらっしゃるようですね。 同乗はできないかもしれませんが、車の場所を教えることくらいは、できるでしょう。
[ガンガンと響く雑音を耳にしながら、それでも得心いかずに首をかしげる]
それにしても……俺を呼び捨てにする方が、学内にいらっしゃったでしょうか。 ……新鮮ですね。
[そう言って、フロアに首を出し、状況を確認に入ったのだった]
(223) 2011/12/04(Sun) 00時半頃
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フォローさん! テツさん! いらっしゃいますか!?
[男の怒声がフロアに響く。感染者達がいるのなら、反応させてしまうかもしれないが……今は、そんなことを気にかけている場合ではない。 2人は、いない。 しかし、この場所で何か反応はあっただろうか? 仮に生存者がいたならば、男は生き残った者達が来るまで脱出し、屋敷へと向かおうとしている事実を告げるだろう。 そして、相手が拒否をしないのであれば、エレベーターの内にも招き入れたはず。 もっとも……自分が「感染者の可能性がある」旨は、経緯を加えて伝えてから、のはずではあっただろうが。 その上で乗ってくるのならば、せめて自分の背後に立ち、いつでも『弱点』>>68をつけるよう、注意を加えたはずだ]
2人はいらっしゃいませんね……。次へ向かいましょう。
[こうして男は、1階1階で停止しながら、やがては駐車場へ続く階へと、辿りついたことだろう]
(229) 2011/12/04(Sun) 00時半頃
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―エレベーターから出て駐車場へ―
……テツさん。申し訳ありません。俺は、また出遅れてしまいました。
[男は、どこかで見た光景を思い出し、瞑目する。 そこには、頭部を砕かれたテツの体>>151が、横たわっていたはずだ。 潰された頭部は、感染者の仕業とは思えない。 仮にテツが感染したといえ、この短期間で症状がでるとは考え難い。ならば]
フォローさん、ですね。金属バットを持っていらっしゃいました。 おそらく、テツさんが負傷し、せめて死者と化す前に、とのご判断のことでしょう。
[セシル・フォローという生徒のことを、男はそこまで詳しく知っている訳ではないだろう。 彼の心中がいかほどだったか、男は察するに難いと感じる]
思いきった、決断をされましたね。お2人双方、さぞかしお辛かったことでしょう……。
[その思いは、セシルの抱いていたものとは異なっていたかもしれないが。 ……感染の可能性を保持したまま、生死を己と対比し申し訳ない気持ちに陥りながら。 男は亡きテツの冥福を祈り。駐車場へと向かって行った]
(234) 2011/12/04(Sun) 01時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 01時頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 01時頃
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―駐車場―
……ここで待っていれば、あの放送をした方はいらっしゃるはず。
[男は、多数の車が失われた駐車場で待つ。 この状況を見れば、ベネットや田原が言っていた面々は、うまく脱出でしきれたことだろう。 同行者はいただろうか。 ともあれ、やがて人気ないこの場で聞こえる足音>>240]
サンテックスさん……
[小声で告げられた声。よっぽど怖い思いをしていたのだろう。 泣きそうにひび割れたその言葉を受け止め、彼を慰めてやりたかった。 できることなら、そうしたかった。 けれど、かわりに出てきた言葉は]
(249) 2011/12/04(Sun) 01時半頃
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あ、あぁ……すみません。 いえ、ご無事で何よりでした。あ、はは……。 猫さんも、ご一緒で>>227。よかった……本当に。
[唐突に告げてしまった怒声を詫びながら、まずは伝えなければならないことを告げる]
俺に、下手に近寄らないようにしてください。 ……感染している可能性が、あるそうです。 ええ。もし仮にそうだとしたら、いつ自我を失ってしまうか分かりませんし、いえ、中には意識を保持したまま、変異を遂げてしまう場合もあるそうですから。
[リンダから告げられた言葉を、その後も簡易に説明した後に]
ですが、よかった。ご無事な方がまだいらっしゃって。 他に生存されている方々は、もう脱出された模様です。サンテックスさんも、ここから脱出してください。 ……すみません。きっとお辛い状況でしたので、お会いした早々にぺらぺらと。
[口ごもりながら、昼過ぎにちょっとした交流を持った彼に告げた]
(250) 2011/12/04(Sun) 01時半頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 01時半頃
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―駐車場―
え、いや……その……。
[彼1人に告げた怒声。「かわりに出てきた言葉」>>249を受けた、コーネリアの反応>>255に戸惑いを抱く。 ひどく、困惑しているように感じる。己の告げてしまった不用意な言葉によって。 続くコーネリアの言葉、おそらく、男にしか聞きとれなかっただろうセリフを受け抱いたのは、なぜか寂しさ]
違います! あ、あぁ……すみません。
[そして後に、詫びの言葉>>250を告げることになるのだが……。 男は、己にしか感じとれなかっただろう彼の声に、何か根強い因果のようなものを感じていたのかもしれない。 この狂気に満ちた1日だけに、起因するものではない何か、を]
(267) 2011/12/04(Sun) 02時半頃
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……すみません>>260。本音は俺も感染しているかどうか、仮にしているのなら、どうして感染してしまったのかは分からないんですが。 もしそうだとしたら、サンテックスさんにも感染させてしまう可能性はありますし。
[これが血液などを媒介とした感染による症状である、その可能性にも触れながら、説明する。そして脱出の経路にとして、「屋敷」に向かっていることを告げた]
いわゆる『幽霊屋敷』と呼ばれている場所です。あそこなら人も少ないでしょうし、同時に感染者の方も少ないだろう、とのご判断だとは思うんですが。 少なくとも、ここにいるよりは、いくぶん安全ではないかと思いますよ。 俺も……そうですね。そこに向かいたい、とは思っています。
(270) 2011/12/04(Sun) 02時半頃
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あ……っ。あの放送は、サンテックスさんがなされたものだったんですか。
[一時驚きの表情の後、ようやく口元が緩まった。微笑みを携え優しく告げる。 遠い昔に感じる、平和だった学園内で。生徒を称える、一人の教師のように]
勇敢ですね。ご立派ですよ。 俺も、その放送は聞かせていただきました。他の方にもしっかり告げられて。 「ヤチグサ」の車は、あの白いワゴン車ですよ。
[苦笑と共に、自身の車を指さした]
ま、ですが、他にも動かせそうな車がないか、探してみましょう。
[そう言いながら見渡せば、ドアの開いている車>>222を見つけ出したことだろうか。 遠目にも、キーはちゃんと刺さっている。先行した誰かが、きっと用意してくれたのだろう。 「ありましたね」の言葉と共に、先に向かってメンバーへの感謝を心に浮かべながら、ほっと気を緩めて肩をすくめた]
それと……「ヤチグサ」は、俺の名前です。 ヤチグサ・ダン。
(271) 2011/12/04(Sun) 02時半頃
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―駐車場―
俺の感染の可能性については、クロエさん……あぁ、今は屋敷に向かっているはずの女子生徒なんですが、彼女に検査をしてもらったからです。 クロエさんは、優秀な教え子でしてね。 ただ、俺の場合は体質的な問題もあって、実際に感染しているかどうかまでは判別しきれなかったようですが。
[コーネリアの疑問>>284に答え、続く幽霊の話題にはにこやかにあいづちを打っていたものの、何かを予見する言葉を受けて、一瞬男の顔も強張った。 その場では返す言葉もなしに、自分から話題を切り替える>>271]
見た目は普通のワゴン車ですが、ブレーキ・アクセルのペダルがないんですよ。 俺が運転するための車ですからね。かわりに、ハンドルの脇のレバーで操作を行っているんです。 ま、俺に似て、タフさはウリではあるんですが。
[呼び捨てについて詫びを入れてくる姿>>285男は苦笑を送ったのだった]
(297) 2011/12/04(Sun) 03時頃
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[それから、幾分か時間が経過した頃だろうか。男は時間を確かめてから、ぼそりと呟いた]
そろそろ……ですね。
[果たして、この場に辿りついた者は、他にいたのだろうか。 ともあれ、いつまでも留まることは危険が付きまとう。 これ以上校内の生存者を捜しにいくリスクと、先行した者達に見に降りかかる危険のリスク。 待ち続けることと2つの危険を計りにかけて、やがて男はその場にいる者に問いかけた]
車の運転は、できますか? もしできるようでしたら、キーの刺さっているあの車を使ってください。 できないようでしたら……。
[男は暫時の迷いを見せ、大きく息を吸い込んでから、決意を込めて吐き出した]
(298) 2011/12/04(Sun) 03時頃
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「ヤチグサ」に、乗り込んでください。……俺が、運転を行いましょう。 ただ、俺はお伝えした通りの状態です。万が一ということもあります。 その場合は、最後まで行きつけない可能性もありますが……せめて途中で危ういと感じたその時は、同乗者に直接的な危害は加わらないよう、俺自身で「処理」します。
[先ほどのコーネリアの沈黙>>284より、考えていたことだった。 その場合、男の覚悟は、固まっている。 ただし……動かなくなってしまった車の中に取り残されてしまうであろう同乗者は、苦しい境遇に置かれてしまうかもしれないが。 ともあれ、この場にいる者達が選択をしたならば、男はコーネリアにキーをねだり、自分のワゴン車に乗り込もうとすることだろう。 そしてそのまま、先行く者達が集うだろう、目的の屋敷を目指したはずだ]
ああ、そうそう。サンテックスさん。 「ヤチグサ」については、あまりお気になさらないでください。 俺的には新鮮で……けっこう面白かったですから**。
―駐車場・了―
(299) 2011/12/04(Sun) 03時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 03時半頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 14時半頃
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―幽霊屋敷に到着し―
[はたして、ここに行きつく過程でどのようなことが起こっていたのか。 それは、スーパーに寄り物資を調達し、この場に到着した>>336、その流れに間違いない。 ただ、その中で行われたやり取り・詳細については後ほど語ることとしよう。 無事にこの場にたどり着けた。今はそれだけで十分だ]
ええ。サンテックスさんがご尽力していただいた>>336おかげです。
[コーネリアの言葉>>340にそう受け答えしつつも、「屋敷の中」の発言を耳にし、男の表情に一瞬暗い影が走る。 男は運転席に座ったまま。彼は後部座席にいたはず>>309だから、ミラーを確認されない限りは、その顔つきは見られなかったとは思う。 すぐに気持ちを取り直し、男は快活に応対した]
ええ。もちろん。もっとも、感染していない保障はないので、ある程度はみなさんと距離を置きたいとは考えていますが。
(357) 2011/12/04(Sun) 15時半頃
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……おや?
[視線の先には、セシルとレティーシャの姿が。よかった。2人とも無事だったのだ。 車外へ飛び出そうとするコーネリアに向け、男は彼に呼びかけた]
俺も、後で追いかけます。 ですが、こうして表にお2人がいるということは、屋敷内の安全はある程度確保されているんじゃないかと思います。 だったら、見張り代わりに表に誰か人を置いておくのも重要でしょう。 俺はしばらく「ヤチグサ」に残って様子を見ましょう。 コーネリアさんは、積み込んだ荷物を持って、先にみなさんと合流してください。 なぁに、大丈夫。屋敷には誰も近づけさせません。 「ヤチグサ」はタフですから。いざとなったらクラクションでも鳴らしながら、感染された方々を遠くへと誘導することにします。
[そう言って、彼を見送ったのだった。 そこからは遠巻きに、彼らのやり取りを見つめていたことだろう]
(358) 2011/12/04(Sun) 15時半頃
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[もっとも、バリアフリー整備が施されているとはとても思えないこの屋敷。 屋敷に入るだけでも、男には介助が必要となってしまうはず。 入ることにも、出ることにも。 男は、そのことは当然承知していたが……その上でこの場に残ることを選んだ理由は、単純に動ける体制を確保しようとしたかったから、だったのだろうか]
無事な生徒の姿を3人も――――いえ、クロエさんも、バーレーさんも、きっとご無事なはず。 ここまでこれて、よかった。
[コーネリア達の様子>>351を見ながら、万感の思いが言の葉に漏れる。 頭の中に浮かぶのは、彼とともに駆け抜けてきた道筋、その記憶、なのだろうか]
―幽霊屋敷に到着し・了―
(359) 2011/12/04(Sun) 15時半頃
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ダンは、瞼を下して、これまでの道筋を思い浮かべている……。
2011/12/04(Sun) 16時頃
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―回想・駐車場にて・発進前―
……怪物、ですか。
[コーネリアの返し>308には、ややぎこちない笑みを繕うことになってしまったかもしれない。 『怪物』。その表現には、たびたび違和を抱いていた>>255。 確かに、その通り。化け物だ。……1人1人が、各々の物語歩んできたはずの。 この世に産み落とされてから、『怪物』に至るまでのヒストリー]
ええ。決して負けません。 こんな体ではありますが、腕っ節には自信がありますから。
[決して負けない。その意思はある。彼らを止めるというならば、この剛腕をいくらでも血で朱に染める覚悟もあった。 ただ、同時に拭いきれない懸念もいくつか。 たとえやむを得ない事情があり、取り返せないものであれ、そんな重い物語を保持した人の残滓を数多打ち砕いてきた男は、日常へと戻ることが叶うのだろうか。 この場を切り抜け、生き抜くことができたとしても]
(363) 2011/12/04(Sun) 16時半頃
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[男が車いすとなった理由。 それは、かつて生徒たちから訊ねられたことがあったとしても、『交通事故』以上のことは口にすることはなかったはずだ。 不注意のためダンプにはねられた。頑強な男の体でも、無機的な衝撃には耐えられなかった。だから、みなさんも車には気をつけましょう。 本気と冗談の入り混じった回答に、嘘は微塵も込められていない。 ただ……一部の真実を伏せたままにする。 そんな誤魔化し方も、当然ある]
とはいえ、接触せずに済むのなら、それに越したことはないですけどね。 サンテックスさんと違って、俺はそんなに若くないですから。 無茶すると、何かと後々に響くんですよ。
[コーネリアに向けておどけた調子で肩をすくめる。 暗に、大丈夫だ、と虚勢を張って。 そうだ。あの事故の後だって、乗り越え今までの日常を築いてこれたではないか。 今はただ、するべきことを行うのみ。 腕に刻みこまれた死者達の、途絶えた歴史の重みとともに]
―回想・駐車場にて・発進前・了―
(364) 2011/12/04(Sun) 16時半頃
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―回想・駐車場にて・発進の時―
[コーネリアから受け取った汚れたキー>>309を用いて、運転席を作動させる。 両手の筋力で運転席へと移乗し、折りたたんだ車いすを後部座席へと仕舞いこむ>>0:209]
すみません。いちいち時間がかかってしまって。
[他の生き残った生存者と合流することは叶わなかった。 コーネリアが運転できない以上、男が屋敷への道を切り開くしかない。 もっとも、「荷物運び」の言葉については、気を遣わせてしまったのではないかと申し訳なさも抱いてしまった]
そうですね。できる限りの物資は調達しておいた方がいいでしょうから。 せめて、食料だけでも。途中で寄り道していくことにしましょう。
[「猫さんが暴れないように、気をつけてくださいね」と短く注意を促した。 犬に感染するのなら、猫にだって――――いや確定したわけではないが、仮にそうならば感染させてしまう可能性もある。 十年以上、いや、在学期間を含めればさらに長期か。一度振り返り、かつての平穏だった学園の光景を、凄惨と化した場に重ね。 吐息とともに振り払うと、車を発進させたのだった]
―回想・駐車場にて・発進の時・了―
(365) 2011/12/04(Sun) 17時頃
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―回想・「ヤチグサ車」の中・スーパーへの道筋―
[男はただ、車を前に進めていく。 感染者達に道を塞がれていても、ただ、ひたすらに前進する。 頑強な白いワゴンは彼らの障壁をものともせず、無情に屍を吹き飛ばし、踏み潰す。 衝撃は、振動は、その度に内部に伝わり、白いボディは男と違わず、朱の色へと染まっていく]
……………………。
[できれば、こんな乱雑な手段はとりたくなかった。せめて、『確実な安眠』に至る手をとってやりたかった。 しかし、それは叶わない。今は、コーネリアを無事に現場へと送り届ける。 それが、最優先なのだから]
……高橋ラルフ虎太郎さんですね。 申し訳ないのですが、昨夜以来、お会いしておりません。
[聞かれた問い>>336の答えると、返ってくるのは短い返事。高橋の姿を思い浮かべ、「お友達だったのですか?」と問い返したが、返答があったかどうかは分からない。 多くの命が失われた。安否を願い相手は、その数だけコーネリアにもあるはずだ。 本当に、多数の犠牲が払われたのだ。前方に感染者――――ここまで逃げ出し襲われたのだろうか、学園の女生徒の名残を見つけ、奥歯をぐっと噛みしめた]
(367) 2011/12/04(Sun) 17時半頃
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……ドライブは、お好きですか。
[話題を切り替え、呟いたのは、そんな何気ないセリフ。 意図的に、この凄惨な状況から意識を遠ざけてもらいたかった]
俺は、けっこう好きでしてね。と言っても、あまり遠出はしないんですが。 この街を巡るのが、日課のように……。
[言いながらも、やはりあまりよい話題ではなかったかもしれないと眉を顰める。 話題にしてしまったこの街自体が、今は見る影もないものと化してしまっているのだから]
す、すみません。いえ、ご両親が車をお持ちでしたら、されることもあるかもと思ったもので。
[楽しい思い出があれば、それを思い出して……などと願い口にしたものの、いつもの「余計なことを付け加える癖」が発揮されてしまっただけだたのかもしれない。 女生徒の感染者の脇を、通り抜ける。ひどく、惨憺たるありさまだ。 まるで群れた感染者達に寄ってたかって食い破られてしまったかのような……。 生徒の名前と顔はしっかり覚えている男でも、彼女が誰であるのかは、結局判別がつかなかった]
―回想・「ヤチグサ車」の中・スーパーへの道筋・了―
(368) 2011/12/04(Sun) 17時半頃
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―回想・スーパーで―
それでは……行きましょうか。サンテックスさんもあまり無理をせず。 危険だと思ったら、すぐに車に戻っておいてください。
[車の中で、作戦は練っていた。 コーネリアが感染者達の気を引いている隙に、音を立てずに通常のスピードで動ける男>>1:1が商品を集め、車に積み込みそのまま脱出を図る>>336。 コーネリアに遅れ、運転席から車いすに移乗した男は、スーパーの中へと進んでいった]
……栄養バランスに気を使いたいところですが、青果の類は危険かもしれませんね。 むき出しのままでは、ウイルスが付着している可能性もあるかもしれませんから。
[スーパーの中のまた、生ける死者が多数見受けられていた。 とはいえ、コーネリアのおかげで外へと注意が向けられている彼らは、脅威とは足りえなかった。 時間がない。無駄な戦いは避け、手の届く範囲、棚の下の方にあった、パック詰めのバランス栄養食をメインに集めていく。 日持ちの関係で迷ってしまったものの、プリンやシュークリームの類も加えておいた。 僅かであれ、一時であれ、生き残った者たちに心の安らぎになればと思い]
(370) 2011/12/04(Sun) 18時頃
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……あれは?
[酒類のコーナーで男が手にしたのは、アルコール分99%のリキュール]
田原先生とのお約束>>0:136。いつか、いっぱいやりたいものですね。
[男はその数本を籠に入れ……ふと、1本だけ取り分けると、すっ、と、車いすと背の間に隠した。 そのままレジへと一度向かう。 そして、クレジットカードを取り出しその場に残すと、車いすを手繰りながら「ヤチグサ車」へと戻って行った。]
強盗、ではありませんよ。 ……ちゃんと、支払いはしてきましたから。 おかげで、俺は素寒貧になってしまいましたけどね。
[車内でそう告げれば、コーネリアの歪んだ口元も、違った形を帯びてくれたのかもしれない]
―回想・スーパーで―
(371) 2011/12/04(Sun) 18時頃
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―回想・「ヤチグサ車」の中・幽霊屋敷への道筋―
[赤色を帯びた白いワゴンは、再び走り出す。ふと見えるのは鉄の防壁>>356。 男は静かな視線でそちらを見やる。 いつの間にやら出現していた、おそらく、囲いは、よっぽどの道具や手段を用いらなくては、乗り越えることは叶わないだろう。 男の愛したこの街は、世間から隔絶されてしまったのだろうか。 それは、「見捨てられた」可能性も否めないのだが]
無事な世界が、あるということですね。 あの、壁の向こう側に。 それならば――――この街は、必ず生き返ります。 希望を持ちましょう。助けが来るまで生き延びれば、必ず再生させることができるはず。
[あえて失ったものには触れず、前への希望をコーネリアに告げる。 こうして旅路を終え屋敷へと到着したならば、男は生徒たちの無事を確認し、コーネリアを見送ったことだろう>>358>>359。 ようやく辿り着いた安寧と思えるこの場所で、何が起こるかはまだ、分からない**]
―回想・「ヤチグサ車」の中・幽霊屋敷への道筋―
(374) 2011/12/04(Sun) 18時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 18時頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 18時頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 22時頃
ダンは、目を閉ざしたまま、深く深く、息を吐く。
2011/12/04(Sun) 22時頃
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―幽霊屋敷・「ヤチグサ車」の中で―
[コーネリアが去った後>>387、男は瞑目し、深く思い吐息をついた。 彼とのやり取りは、その後ほんの少しだけ続いていたのであるが、それはまた後述することにしよう。 男は心から安堵していた。間に合った。その一言に、思いは集約されている。 ……おそらく、コーネリアは気づいてはいなかっただろう。 背後にいる彼に向けて、男が全霊を込めて耐え続けていた衝動に]
…………来ましたね。
[まぶたを閉ざしたまま、男は一つの予感を察知し、ぼそりと小さく呟いた それは、直観に近い、されど確信。 まるで他者と精神が触れあったかのような、ざらつく共鳴。 体の奥。細胞レベルで行われたシンパシーが、無数の襲来に警鐘を鳴らす]
(401) 2011/12/04(Sun) 22時頃
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[はたして、他に同じ感覚に触れ得たものはいただろうか。 その疑問は、深化することは止めておこう。
いつ、到来するのかは、まだ、分からない。 けれど、気づくものは気づくはずだ。 目を凝らし、耳を澄ませば、その強大なる存在に。 街に溢れる感染者達が、ただ、一所を目指して歩む。 人も、動物も、違いなく。死の足音を携えて。
まるで、何かに呼応するかのように……『この屋敷』に集いだす。
……やがて、男は一つの決意を携え、ハンドルを強く握りしめることだろう]
―幽霊屋敷・「ヤチグサ車」の中で・了―
(402) 2011/12/04(Sun) 22時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 22時頃
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―回想・「ヤチグサ車」の中で―
……え? お、俺の家族、ですか?
[それはドライブの話題に移り、少し経った時分だろうか。 逆に振られた「家族」の話題>>388に、男は躊躇いの声をあげた。 特に、後ろ暗いことがあるわけではない。不意に訊ねられたこと、それ自体に、少々の戸惑いを抱いただけだ]
いえ……俺は、一人身ですから。 両親は健在ですが、住んでいるのは、ここから遠い地元です。 だから……。
[続いて呟かれた言葉。男にしかうかがい知れない台詞に、正面を向いたまま笑顔を繕う]
そんなこと、気にしなくっていいんです。 身軽な俺は、せめてサンテックスさんが無事にご家族にお会いできるよう、尽力するだけですよ。 ご家族の皆様も、サンテックスさんの無事をお祈りしているはずですから。
―回想・「ヤチグサ車」の中で・了―
(413) 2011/12/04(Sun) 22時半頃
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―回想・幽霊屋敷について後―
[車に残る旨>>358を告げた後、返ってきた言葉>>387には、直接的な答えを行うことができなかった。 男はただ、コーネリアに柔らかな笑顔を向けている。 小さな「約束」をした、あの時のように>>1:49。 彼の問いかけへの答えのかわりに、男はポケットから折り畳まれたままの紙>>1:59>>1:60を、差し出した]
これを、お渡ししておきます。ほら、お昼にお話ししたじゃありませんか。 白血球の、ラフ。 ……ただし、まだ見たりしないでくださいよ。お渡しするのは、あくまでサンテックスさんがサボったりなさらないよう、プレッシャーをかけるためです。 『後でお互いに見比べて』って、約束した通りですから。 俺は、サンテックスさんがお描きになった絵を見てみたい。 これが、お答えになるでしょうか?
[まるで、平和な時分の延長のように、いたって笑顔で答えたものの、果たして、コーネリアが受け取ってくれたかどうかは、分からない。 はたして、どれだけの幸運が起こったことだろう。 あれだけの激闘にも関わらず、白血球が記された紙片は、血の染み一つも残されてはいなかった]
―回想・幽霊屋敷について後・了
(415) 2011/12/04(Sun) 22時半頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/04(Sun) 22時半頃
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―そして現在・幽霊屋敷にて―
…………来ましたね>>401。
[男はまぶたをようやく開き、じっと遠くを見据えていた。 視界には、この屋敷を目指して歩む死軍の姿>>406。 ばらばらと、されど少しずつ数を増し、躊躇い少なくこちらに突き進んでくる。 日の落ちかけた暗がりの中、視覚を持たない集団が]
バーレーさん、適切なご判断です>>419。 ……あなたは、やはり勇気ある方だ。 ですが、あの数に太刀打ちするには、時間が必要、ですよね。
[車いすの男では、ワゴンを降り、門を閉ざすには時間がかかりすぎる。 男は覚悟を携えて、そのまま「ヤチグサ車」を発進させた。 鉄門が閉ざされる前に前進させ、死人の群へと向かってゆく]
(426) 2011/12/04(Sun) 23時頃
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―屋敷から少し離れ―
[門を出れば>>426、ワゴンを前進させながら、クラクションを立て続けに鳴らし続ける。 襲いくる死者達を、屋敷から少しでも遠ざけようと]
無駄ですよ。俺も、愛車も、タフさだけは折り紙つきですから。
[例え死者に囲まれようとも、「ヤチグサ車」に大きな損傷はない>>367。 問題ない。コーネリアは悲痛な色を見せていた>>425が、男は決して自ら死に行こうとしているわけではない。 この車なら、やり切れる。男の体では無事に屋敷に戻るのは困難を極めるかもしれないが、集う群を何とかできれば、戻る隙くらいはできるはずだ。 そうだ。決して死に行こうとしているわけではない。 たった1つ。男が懸念し続けてきた不安が、この身に降りかからない限りは]
戻ります。必ず。
[クラクション音は、果たしてどこまで屋敷から引き離し、ワゴンへと引きつけることができるだろうか。 不思議な吸引力で集った、この者達を]
(432) 2011/12/04(Sun) 23時頃
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―屋敷から離れつつ・「ヤチグサ車」の中で―
ぐぅ……ぬぅ……。
[ワゴンの中で、男は苦悶の表情を浮かべる。 車に損傷はない。外部にいる死者達の危害も、男にまでは及ばない。 仮に多少の損害があったとしても……男の頑強な肉体は、揺らがない。 しかし、それはあくまで外的な力に対してのもの。 今、男に襲いかかっている苦痛……否、拒絶すべき感覚は、内部から湧き上がるもの]
ま、まだっ!!
[恐らく、傍から見ても理解の得難い苦悩。 肉体の感覚が遠ざかり、まるで、自分が自分でなくなっていくような……]
負けま、せんよ……。
[これまで肉体の内で抗い続けてきた、取り変わろうと目論む「何か」と戦いながら、男はただひたすらに、クラクションを鳴らし続ける]
(446) 2011/12/04(Sun) 23時半頃
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―屋敷から離れ・「ヤチグサ車」の中で―
[どれだけの感染者を轢き潰し、どれだけの亡者を引きつれたことだろう。 男は一人、見極めに走っていた。 屋敷に近すぎては、逆に死者を呼び寄せる。遠ざかり過ぎては、意味がない。 見極めに勤しむはその狭間だけではない。 死ぬつもりは、微塵もない。少なくとも、この肉体が健常な内は、死者達にやられるつもりはない。 ただ、懸念されるは内側から来る肉体の破壊……これまで何とか保たれていたバランスが、もし崩れてしまったら……]
……誰、ですか?
[ふと、聞き覚えのない声を耳にして、男はぼそりと呟いた。 少なくとも、学園に所属していた者達の声ではない。 これは、聞き間違いだったのだろうか……。 仮に違っていたとすれば、声により応えるのは、適切ではないかもしれない]
(466) 2011/12/05(Mon) 00時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/12/05(Mon) 00時頃
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―屋敷から離れて・「ヤチグサ車」の中―
……なるほど。とんだものを、俺に仕込んでくれたものです。 もっとも、あなたが何者かは知りませんが、直接の原因があなたでないことは、俺も承知していますけど。
[頭の中に響く声が男の決意を後押しする。 リンダから告げられた時、一つの仮説はできていた。 意思のあるまま変異する存在。それは、恐らく抗原であるウイルスに一定程度対抗できる抗体を保持した人間のことをさしていたのだろう。 しかし変異を続けるであろうウイルスに、いつまでその抗体が対抗できるのか。 その抵抗が止まった時は、恐らく、理性を失った生ける死者へと――――]
仮に、そうなってしまった時は……。 俺が持ちこたえられなかった時は……。
[男はちらりと車内を見渡す。そこにあるのは、スーパーでこっそり隠したリキュールの瓶>>164。 ベネットから受け取ったライター>>164も、己の手の届く範囲にある]
(483) 2011/12/05(Mon) 00時半頃
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―屋敷から離れて・「ヤチグサ車」の中―
[どれほど走り続けたことだろうか。 男は死人に囲まれたまま、やがてワゴンの動きを止めた。 運転席と助手席の窓を、ほんの少しだけ風を受ける。 心地よい。そう感じられるのは、男の中にまだ自我が残されている証拠だろう]
田原先生……。
[力なく、ふと口から出てきた名前は、教え子ではなく、同僚の教師。 男は何を思っての呟きか。残っているであろう「大人」の彼に、大切な生徒達を託したいと感じたのか。 それとも……。 震える手で、リキュールの瓶>>164をとった。栓を外し、中の液体をぼんやりと眺める。 残る片手には、ライターが。 やがて男は躊躇いなく、その火を灯すことだろう。 もっとも――――その結果何が起こったのかは、まだ、分からない]
(501) 2011/12/05(Mon) 01時頃
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