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[ 赤い、赤い、指の先。]
(2) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ こんな日くらいいいじゃない。と、 私の手を取ったのは、昨夜の姉であった。
ネイリストを生業とする姉により、 日頃から丁寧に磨かれた桜色に、 上塗りされてゆく、深く、濃い、赤色。
季節感、と姉が言ったわりに、 その日は残暑を感じるほどの快晴であったが、 派手だと思ったその色に、然程違和感はなかった。
はみ出しも塗り残しもなく、 つるりとした光沢に覆われた深い赤。 その様を見守っていた妹が言う。]
(3) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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「 魔女みたい 」
(4) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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──現在/3年A組──
[ ぱらぱらと、台本を捲っていた。
最後に確認することなぞないが、 もとより舞台には立つことのない身。
衣装を合わせたり、メイクをしたりと、 忙しそうな役者たちと異なり、
機材や段取りの最終確認をしたりと、 忙しそうな裏方の担当者と異なり、
仕事を終えた身として、 過去の自分が綴った文字列を眺める。]
(5) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ 役者陣のセリフの確認などを多少手伝い、 すぐに戻ると言って、教室を抜け出した。
足を向けたのは、当然のように部室であり、 昨日かけた鍵を、また自分の手で開く。]
(6) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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『 高校生白書 』
(7) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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──現在/文芸部室──
[ そう印字されただけの白い表紙。 お粗末な装丁、素人製本のその冊子は、 ほんの十冊ばかり、机の上に積まれている。
先日のインタビューでは、 今年は部誌を出さないと明言した。 だから、例年以上に来客は少ないだろう。
事実、部誌の名を冠することのないそれは、 同じく、作者の名をどこかに記すこともなく。
昨日出ていった際と同じ様子の室内。 それを確認し、ぱらぱらとその頁を捲る。]
(8) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ 高校生白書。と題されたそれは、 短編集の形を取ったごく短い群像劇。
章毎に存在する主人公の持つ、 各々の思惑が、思いがけぬ形で交錯し、 登場人物の知らぬ内に、収束へ向かう。
──のではなく、 銘々のささやかな利己心が、 諦念が、嫉妬が、驕りが、……悪意が、 登場人物の知らぬ内に交錯し、 ドミノ倒しのように、彼らの足元を崩していく。
ただ、少しずつ、少しずつ、 絡めとられ、呼吸を奪われていく者の、 ほんのささやかな悪意にまつわる物語。]
(9) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ 群像劇において、 物語の全貌を把握できるのは、 基本的に、作者と読者のみとなり、 それを人々は、神の視点と呼んだ。]
(10) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ A、B、Cと振り分けられた、 投げやりな識別記号を持つ登場人物。
巻末に、ほんの小さな文字で記された一文。 『取材へのご協力、誠にありがとうございました』 それは、即ちこの部屋の持つ意義であり、
名さえ明かされず、その背景こそ、 悪意を以て装飾、脚色されているものの、 見るものが──、当人が、当事者が読めば分かる。 当人、或いは当事者だけが、きっと分かる。]
(11) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ 恋と友情の板挟みに酔う女も、 万引き行為に中毒めいた執着を持つ男も、 部活の顧問からのセクハラに悩む部員も、 それを受け入れ、レギュラーの座についた部員も、 教員への盲目的な恋に傾倒する生徒も、 誰にでもヤらせてくれるらしい少女Aも、
私の選んだ、とっておきの患者たち。 私の欲を満たす、病気の子どもたち。 取材へのご協力、誠にありがとうございました。]
(12) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ あなた達の人生なんて、私にとっては娯楽に過ぎない。]
(13) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ これもまた、病的な何かを脳に住まわせた、 優等生の思い付き。御粗末な検証に過ぎない。
この行いが、何を呼ぶのか。何も呼ばないのか。 これを知ったとして、彼女らはどんな顔をするのか。 ただ、赴くまま。行き着く先が、破滅だとしても。 あと半年続く生活には、もう飽き飽きしているのだ。
只管に、他人の日常の一片に耳を傾けるのも、 はじめは愉快であったが、もうそれでは満たされない。
校舎の片隅。ひっそりと、宣伝もせず、 ただ、例年通りに装いだけはあつらえた文芸部室。 この不愛想な冊子を、手に取る者がいるのか、否か。
ただ、この脳の片隅に飼った悪意の赴くままに。]
(14) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ みんな、病気だ。当然、私も。]
(15) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ 満足げに、巻末の一文をなぞる赤い爪。]
(16) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ どうして、あなた達は、そうも容易く、 他人に自分の話をしてしまうのだろう。
どうして、当然のように親切にしてもらえると、 無邪気に信じてしまうのだろう。人は悪意を抱くのに。]
(17) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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[ 誰かがこの本を手に取るならば、 その顔を拝みたいと思い、鍵をかけようとして、 また、小さな思い付きでそれをやめた。
代わりに、扉に張り紙をする。
『 XX時まで不在 』
クラスの演劇が終われば、この部屋に居座るつもりで、 張り紙だけして、鍵のかかっていないドアを閉め、 黒江仄日は、再びクラスメートの元へと向かう。**]
(18) 2018/10/15(Mon) 00時頃
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──朝/3年A組──
[ ネイルしてる。 かけられた声>>27は案の定で、 私はにこりと微笑みだけを返した。
舞台用のメイクを施した顔は、 確かにどうして常とは異なって見え、]
友村さんは器用ね。
[ 日頃と異なるメイクをするということに、 さほど苦労もしていなさそうな素ぶりに、 ただ、簡単な感想を述べた。
舞台に立つための、顔立ちや表情を誇張したようなそれ。 感心した風に告げて、また台本を捲った。**]
(58) 2018/10/15(Mon) 16時頃
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──回想/各務公陽>>19──
[ どうぞ、と着席を促したが、 各務公陽は我が物顔で棚の前に立った>>19。
部誌を手に取る様子を、 自分の定位置に座ったまま眺め、 彼が席に着くまでを待っていた。
先に話すか、後に話すか。 選択肢くらいは与えるつもりであったのに、 何を思ったのか、開かれた口>>20からは、 覚えのある文節がこぼれ落ち、]
(114) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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……そのまま音読を続けて、 感想をくれても構わないけれど、 つまらないわよ、それ。
[ そこにあるのは羞恥でもなく、 馬鹿じゃないか、という思いであり、 黒江仄日は、つまらないものを見る目で、 目の前に座る男の所作をじっと見つめた。
昨年度。まだ先輩がいた頃。 文芸部が文芸部として活動をしていた頃。
新聞部に、毒にも薬にもならぬ物語を、 粛々と提出し続けたのと同じく、 そこに綴られているのなんて、 大きな批判も絶賛もまず得ない物語。]
(115) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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[ 優等生然とした文章を、 読み続けるならばそれでいい。と、 紅茶を飲み、それから億劫そうに言う。]
先に話すのが嫌なら、そう言えば?
[ とはいえ、名とクラスはもう告げた。 知りたいと言われても、何を? という話で、]
自分が知りたいことがあるなら、 自分で質問をしてくれれば助かるんだけど。
[ ほんの薄い微笑みを浮かべ、 手持ち無沙汰に紙コップを揺らした。**]
(116) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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──吹奏楽部公演──
[ いつか、黒江仄日は短く、 「応援している」と告げた。
クラス準備はつつがなく進み、 私のするべきことはなかった。
ならば、と私は体育館へと足を運び、 吹奏楽部が毎年行う公演を聞いていた。
客席の後方で、腕を組み、 表情を取り繕うこともせずに、 ただ、じっとどこか懐かしい空気に浸り、]
(163) 2018/10/15(Mon) 22時半頃
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[ ポケットの中、スマートフォンが震えた。]
(164) 2018/10/15(Mon) 22時半頃
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[ どこかのパートのソロか、見せ場か、 そういった類のものが終わった時だった。
気を取られ視線を逸らした一瞬に、 ステージ向け、拍手が起こり始めた。
ふと、視線を再度ステージに向け、 そこにクラスメートの姿>>129を見た。
人が足りない。と彼女が嘆き、 人集めに駆け回った末の演奏は、 見事に調和した音律を奏でているようにも思う。]
(165) 2018/10/15(Mon) 22時半頃
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[ そこまでを聞いて、席を立った。
まだ続く演奏よりも、 スマートフォンの通知が私の気を引いた。
体育館の外に立ち、 出入口の脇に避けて、端末を取り出す。
もう少ししたら、ステージ脇に向かおうか。 本番の劇を、私はそこから見る予定をしており、 他に特別見に行きたい場所もないのなら、 それは程よいタイミングであるようにも思える。
赤い通知は一件の未読を示す。 赤い爪で画面を弾き、差出人の名に思ったのは、 昨日のデータに何か不具合でもあったか。 という、事務的な内容であった。メールを開く。]
(166) 2018/10/15(Mon) 22時半頃
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───────────────── To 万年青 常彦 From 黒江 仄日 ─────────────────
感想は?
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(167) 2018/10/15(Mon) 22時半頃
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[ ──それは、思いがけない知らせ。
ごく短い一語が何を意味するか、 黒江仄日は瞬時に理解した。
紅茶を出すと言ったのに、とも思い、 直線に点と点を結んでいた口角が、 自然と持ち上がるのを、スマートフォンで隠した。
あれを読んで、何が起こるか。起こらないか。 それを想像するときの高揚感とはまた別、 純粋に、返ってくる言葉を楽しみにしている。
期待している。ということに、黒江仄日は気が付く。]
(168) 2018/10/15(Mon) 22時半頃
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[ 恐らく、同類であれば良いと思っている。]
(169) 2018/10/15(Mon) 23時頃
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[ 何一つ共感できない人間どものねぐら。]
(172) 2018/10/15(Mon) 23時頃
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[ こちらからも、ごく短い文字を送り、 体育館脇でギリギリまで練習をする、 と言っていた一部のクラスメートの元へ、 軽やかな足取りで、その場を後にした。*]
(173) 2018/10/15(Mon) 23時頃
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──3年A組 舞台──
[ 舞台の上で、いつもとは異なる顔をして、 クラスメートたちが、蠢いている。 私の書いた文章を、諳んじている。
強い光に晒されたステージ、 そこはひとつの小さな世界を描き、 愉快げな物語の終わりまで、駆け抜けていく。
人々が私の綴った文字の通りに動く様。 それを、私はステージ脇から見つめていた。
声高に叫ばれる一文字一文字を、 当然ながら、黒江仄日は知っている。]
(221) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ そこに、想像以上の歓喜はなく、 繰り広げられる物語は、どこまでも私の好みに遠い。]
(227) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ ……つまらない顔を、していたのだろうか。
同じく、舞台袖にいた、 安住英子が、こちらを見ていた。 視線を感じ、顔をそちらに向け、 ──視線が、噛み合った。と思う。]
(228) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ 幾度となく覗き込んできた瞳。 宿す光のその弱々しいこと! ]
(229) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ いつもしてやるように、 微笑みかける。ということをしなかった。
ただ、じっと彼女を見つめ返し、 力関係を理解した犬のように、 彼女が先に逸らした視線。
細い手首を、私は有無を言わさず握り、 その白い耳に、口を寄せた。囁く。]
(230) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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──ねえ、安住さん。
(231) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ 声ばかりは、優しく、優しく、 その女の脳に言葉を流し込みながら、 細い手首の薄い皮膚。食い込む赤い爪。
解放してやったときの彼女の、 その眼の奥を、私はただ覗いていた。
舞台ではまだ、能天気なまでに明るい声が、 覚えのある文言を声高に叫んでいた。]
(232) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ 手持ち無沙汰にスマートフォンを取り出したとき、 硬直がとけたかのように彼女は離れたが、 気にするべきことでもないとして、 受信時、気がつかなかったメールを開く。
舞台袖で、黒江仄日は静かに微笑む。]
(233) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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───────────────── To 万年青 常彦 From 黒江 仄日 ─────────────────
良かった。続きをお楽しみに。
─────────────────
(234) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ それは、上演の最中に届くことだろう。**]
(235) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ 昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか。]
(280) 2018/10/16(Tue) 15時頃
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──回想/各務公陽>>216──
聞いて、どうにかしなきゃならないの?
[ ようやく本題に戻ってきた会話。 私はにっこりと微笑み、 机の上、手を組んで目を細めた。
効き目がないと称されて、 不愉快ではあったと言いかけて、 その言葉も、問われたわけでもないので飲み込んだ。
小さく身を乗り出せば、 名しか知らぬ他人の顔が近づく。]
(281) 2018/10/16(Tue) 15時頃
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興味本位よ。 あなた達に、興味があるの。
[ 理解など求めてもいない欲求を、 平易な言葉に置き換えて、首を傾ぐ。]
ねえ、教えてくれない? 何があなたをそうさせるのか。
[ 笑みを含んだ目で見上げ、 紅茶の入ったコップの縁を指先で撫でた。]
(282) 2018/10/16(Tue) 15時頃
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[ 或いは、大禍時の胡乱さも。**]
(283) 2018/10/16(Tue) 15時頃
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[ 種の仕込みを終えて一息。]
(322) 2018/10/16(Tue) 22時頃
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──文芸部室──
[ 演劇が終わり、集合写真を撮るなども終え、 黒江仄日は、いつもよりも賑やかな校舎を、 できるだけ人の少ないほうを選んで歩き、 自分の根城へと帰ってきた。不用心な文芸部へ。
扉の張り紙を剥がし、中へ入り、 本の部数が2,3減っていることに気付く。
そのことにまた口角を持ち上げ、 私は、自分のために紅茶を用意した。
これまでの私の行いのすべてが、 何かにつながるのか、つながらないのか、 あとは、ただ見守るだけであると、]
(323) 2018/10/16(Tue) 22時頃
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[ 人の少ないほうを、と歩いたのは、 単にそのほうが歩きやすく、 やかましい騒ぎを見ずに済むからだったが、 道中、黒江仄日はふとあることに気が付いた。
張り出された紙切れの、 力任せに千切られたような痕を見た。 そこに残る小さな焦げ跡>>0:572も。
それをそっと指先でなぞるころには、 そこにあったのが個人の名だと思い出した。
はちすようじろう。と、 やはり口の中でその名を転がし、 面白そうだな。と思った。]
(324) 2018/10/16(Tue) 22時頃
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[ 私はただ、私を取り巻く物語のすべてに、 もう少し、私好みのものであってほしいだけ。]
(325) 2018/10/16(Tue) 22時頃
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[ そのために、自分の持てる手段を使い、 駄々をこねるでもなく、生きてきただけ。]
(326) 2018/10/16(Tue) 22時頃
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[ 減った部数のうちの一部は、 万年青が持っていたのであろうが、
少なくとも、もう一冊の行方を、 私は知らない。それが愉快だ。
どこかの誰かの手に渡り、 それを見た者は、何を思うのだろう。
それは、アルファベットで識別される、 登場人物のうちの誰かだろうか。 或いは違うのかもしれない。どちらでも。
何かが起こればいい。と思う。 あの白い本の地続きで、何かが。
そうじゃなきゃ、また探さなければ。 ひと時でも、私の娯楽となるものを。]
(327) 2018/10/16(Tue) 22時頃
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[ ──例年通り、文芸部を訪れる者は少なく、 ぼんやりと、晴れ渡った窓の外を見ていた。*]
(328) 2018/10/16(Tue) 22時頃
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──廊下──
[ 日が傾いていた。
部室の窓から赤い陽が射し込み、 もうそんな時間か。と立ち上がる。
その後、白い本の薄い山が、 削れたのか、削れなかったのか。
現状、得られたものといえば、 感想のひとつくらいのものであり、 黒江仄日の求めた騒動など、 起こる気配さえもない様子であった。
つまらない。と、 また唇は音にならない言葉を紡ぎ、 からりと開いた扉に今度こそ鍵をかけた。]
(405) 2018/10/16(Tue) 23時半頃
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[ 一旦、教室に帰ろうかと思い、 手帳を抱えて、廊下を歩く。
私の頭はすでに、 明日以降の過ごし方を考えており、
少しは騒がしさのマシになった校舎。 階段に差し掛かれば、備え付けの窓から、 真っ直ぐに射す光が眩しい。*]
(407) 2018/10/16(Tue) 23時半頃
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