196 水面に映る影より遠く
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…………え、なに、そうなの?
[アイスの棒を口元に当て 意味ありげに微笑む律。>>168 肯定されたわけではないけど 視線だけを動かして二人を交互に見ながら へぇー…と小さく声を漏らした。]
……なんでも喜ぶんじゃない? あ、みかん好きって言ってたよ。
[さっきの会話を思い出しながら>>77 「何をあげたら…」の問い>>127への返答を。]
(212) 2016/08/20(Sat) 13時半頃
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…デートでも誘ってみれば? ほら、いつだか祭とかあんじゃん。 かっこいー弓道部次期主将様からのお誘いなら 喜んでくれるっしょ。
[ぶらぶらと足を揺らしながら 視線はその靴の先。 律が主将にと先輩に言われたことを>>0:263 聞いたことはあっただろうか。 もしなかったとしても、その実力は知っているつもりだから、きっと主将になるんだろうと勝手に想像していた。
恋愛には疎い俺だけど、 友人に青い春が訪れたのならば その恋を、応援する、つもり。]*
(213) 2016/08/20(Sat) 13時半頃
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── 補講後 ── [部活だったり>>232 あんみつだったり>>229 昼飯だったり>>274 デート?だったり>>259
それぞれの予定を耳に聞きながら ひとり、教室を出る。 向かう先はやっぱりプール。 でも……]
……………帰っかなぁ…
[覗き込んだ水面、映る人物の表情はどこか寂しげだ。 ぱしゃん、とそれを掌で弾くと立ち上がる。 顧問が実家に帰省中で来られないからと部活は少しの間休み。 つまり、プールには自分以外誰もいなくて 思い出されるのは、昨日の孤独感>>0:277]
(283) 2016/08/20(Sat) 21時頃
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[水に入るのを躊躇うなんて 今まではそんなこと、思いもしなかったのに。 ……いいや、水が嫌なんじゃない。]
( ひとりが、いやなんだ )
[自分はこんなにも寂しがりだったろうか。 よく、わからない。
乾いた足元に視線を落とすと、 そのままその場を後にした。
静かに波打つ、誰もいないプールは いつもと変わらず、 光を反射させ きらきら輝いていた。]
(284) 2016/08/20(Sat) 21時頃
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俺も混ぜてもらえば良かった……
[自転車のかごに荷物を乗せながら ぽつりと独り言を漏らす。 あんみつ女子会に混ざるのはアレだけど 圭一と大樹とか、飯行くって言ってたし…]
律待ってたら、 また寂しかったのかって言われそうだし…
[それは、なんだかいやだった。 だから俺は自転車に跨って ひとり、校舎をあとにするのだ。]
(285) 2016/08/20(Sat) 21時頃
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── 学校 → ──
………あれ、
[学校を出て少し先の公園に 見知った人影を見つける。>>278 あいつは、───]
(286) 2016/08/20(Sat) 21時頃
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あきとー!!
[自転車を停めると、大声でその名を呼び ぶんぶんと手を振った。 寂しんぼうだった俺は、知った顔を見つけられて きっと、どこか安心したような笑顔を浮かべていただろう。
彰人に気付いてもらえたら、公園内へと入り なにしてんの?って話しかけてみようか。]*
(287) 2016/08/20(Sat) 21時頃
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── 教室、律と ── [俺の推測を全否定する律に>>218 ふぅん、と気のない返事をする。 そこまで否定されると逆に…とも思ってしまうけど 本人がそこまで言うのなら、追求はしない。]
おれは、
[靴の先を見つめたまま、小さな声で]
(296) 2016/08/20(Sat) 22時頃
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[迷惑、なんて律が言うから>>220 ぽつりと素直な気持ちを口にした。 不意に出た言葉の粒は 律にも聞こえたかどうかわからない。
ずっと下を向いていたから “ 次期主将様 ” その言葉が律の心を刺したことに 俺が気がつくことはなく、]
……わっ、
[突然ぐしゃぐしゃと頭を撫でられ 俺はようやく、顔をあげようとしたけど ぐりぐり強く触れる手で>>221 律の顔を見ることは叶わなかった。]
(297) 2016/08/20(Sat) 22時頃
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っ…は、 なに言ってんだよ 別にさみしくねーもん ばーか。
[昨日も>>293、今日も、 律には心でも読まれているのか。
心とは反対に、律から見えない口では悪態をついたけど その声には 笑みの色が乗っていただろう。]*
(298) 2016/08/20(Sat) 22時頃
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── 公園 ── [彰人が手を振り返してくれたから>>293 自転車を押して公園内へ。 「アイス食べてる」と返されれば それは見りゃわかる、とケラケラ笑った。]
ひとりなの? てっきり晶とデー… ……一緒に帰ったのかと思ってた。
[デート、と言いかけてさりげなく訂正。 自転車を停めると、隣いい?と問いながら 返事も待たずにベンチへ座った。]
(303) 2016/08/20(Sat) 22時頃
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あの さ、 “あのこと” 知ってる?
[顔には笑みを貼り付けたまま 例の転校の事について口にする。 プールで目があった時>>206 逸らされたことが、少し気になっていて。
「知ってる?」の指す内容が 違うものかもしれないってことも>>192 誰かと誰かがあーんしあう仲なことも 俺はなにも、知らなかった。]*
(305) 2016/08/20(Sat) 22時頃
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── プールで、 ── [転校の噂を聞いたとき、 彰人の他に、目が合ったのがもう一人。]
あきら?
[プールから顔を出す彼女>>172 ぱちりと視線が合わされば 晶はへにゃりと柔らかに笑って そのまま言葉も交わさずに離れてしまった。]
(314) 2016/08/20(Sat) 22時半頃
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( 今の話、聞いてたのか…? )
[なんでもないよう振舞っていたようだけど なんだか少し、違和感を覚えて。 そのあと、プールで気にかけて見ていたけど 律の手を取って何やら嬉しそうにしているのを見て>>237 気にしすぎたか、と小さく安堵した。]*
(315) 2016/08/20(Sat) 22時半頃
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── 公園で、彰人と ──
っはは、俺も一緒だ ろんりー ろんりー
いいなー、女子会。 俺たちも男子会すればよかったな
[彰人の言葉に>>312くすくす笑って]
あれ、来世でいーの? 彰人なら甘酸っぱい経験 たくさんあるのかと思ってた。
[イヤミではなく、純粋に思ったことを口にして、空を見上げながらベンチに腰掛けると、その両脚を投げ出した。]
(322) 2016/08/20(Sat) 23時頃
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あのことって言ったら… ほら……
誰かが、転校するってやつ。
[少しだけ 躊躇って、 けれどやっぱり 聞いてしまう。 残念ながら、期待されていたあーんの方ではなくて。 口角を上げる彰人を見れば>>313 なんだか少し気まずくなる。]
(323) 2016/08/20(Sat) 23時頃
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か、神山が仕入れた噂だから ホントかどーかもわかんないけど、な!
[そう言って無理矢理笑うと 彰人のコーラのペットボトルについた光る雫に視線を落とした。]*
(324) 2016/08/20(Sat) 23時頃
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── プールで、葵と ── [水中へ伸ばした手は しっかりと葵を掴んで、引き上げる。>>204]
大丈夫か?
[眉を下げながら問いかけるけど 見た感じは大丈夫そう。 ふと、握ったままの手に気がつけば]
( ちいさ…… )
[と、今朝の小夏の手>>100も思い出しながら 女子ってみんなこんななのか、とじっと見つめる。 葵が口を開けば、その顔を上げて]
(339) 2016/08/21(Sun) 00時頃
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あ、いや、いいんだけど…
記録更新?やったじゃん!
[おめでと!って手を離せば いぇーいとハイタッチのポーズ。 意地悪にわざと高く挙げた手は きっと、触れることはなかっただろう。
俺たちはいつもこんな感じ。 一緒にアイスを食べたとしても きっと、あーんで照れるとかはなく>>319 兄妹みたいにふざけ合うのだろう。]
(340) 2016/08/21(Sun) 00時頃
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(……ていうか、もしかして今の、 溺れてたんじゃなくて泳いで、た…?)
[あれ…?って思ったけど 本人は嬉しそうにしているし、 ここは聞かないでおいてあげよう。
そのあと、スパルタ指導をしてやろうとしたら 休憩するのだと逃げられたのだったか。>>222]*
(341) 2016/08/21(Sun) 00時頃
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── 公園、彰人と ──
お…おぅ、任せろ?
[カタコトな彰人に>>336 にっと笑って拳を突き出す。 同じく拳を合わせてくれたなら ろんりー同盟は正式に結ばれる。]
行こ行こ。 神山に幹事やらせよう。 俺は海でもプールでも。
[泳ぐところばっかじゃんってツッコミは受け付けない]
(347) 2016/08/21(Sun) 00時半頃
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思ったほどってことは 少しはあるんだ? 俺はそもそも、“甘酸っぱい”がよくわかんね。
[ケラケラ笑う彰人に ほう?と笑みを返しながら顔を覗き込んだ。 チャラいことをした自覚もないから そういう結論も、察しない。]
……ん、そっか。
[やっぱり彰人も、知っていた。>>337 キャッチボールの兄弟を見つめる横顔を ちらりと盗み見ながらその様子を確かめる。 その表情にも、声にも、 変化の色は 見られなかった。]
(348) 2016/08/21(Sun) 00時半頃
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[二分の一の確率で 神山の噂は真実だ。>>338 「ほんとかどーかもわかんない」>>324 そう言葉にしたのは、 きっと、外れてほしかったから。 二分の一だとしても、 俺には十分大きな確率だった。]
あー、なんか
[“ ごめん ” そう、口にしようとして]
(349) 2016/08/21(Sun) 00時半頃
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ぴゃっ!?
[首筋に当てられた冷たい感触に 俺は妙な声をあげながら ベンチから勢いよく立ち上がった。 両手で首の裏を押さえながら 慌てて彰人に振り返る。]
んなっ、にすんだよ!
[びっくりしたのと、くすぐったいのとで ペットボトルを持つ彰人に睨もうとする。
…けど、すぐにぷっと吹き出して]
(350) 2016/08/21(Sun) 00時半頃
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…やば、今の超ダサいから 誰にも言わないでね
[って、首筋を押さえたままくすくす笑った。]
(351) 2016/08/21(Sun) 00時半頃
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そうだ彰人、 今度…明後日?明々後日? いつだか祭あったじゃん。 それ、みんなリアジューかな。 補講のみんなで行けないかなって思ったんだけど。
[せっかく集まったメンバーだから みんなで夏の思い出、作りたいなって。 ろんりー同盟だから、彰人は大丈夫だよな?って笑顔の圧力を送る。
明日、花火の誘いがあることも>>331 密やかな決意がなされたことも>>346 知るのはきっと、もう少し先。]*
(352) 2016/08/21(Sun) 01時頃
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── 夜 ── [家は海の目の前にある。 風呂上がりの火照った体を冷まそうと 砂浜に出てきていた俺は 灯りひとつない真っ暗な夜の海を 一人でぼうっと、眺めていた。 そんなとき、 グループチャットにメッセージが一件。>>331]
律だ。
[すぐに開いて読んでみれば それはみんなでの花火のお誘い。 みんなで思い出を、と考えたのは 俺だけではなかったみたいだ。]
(379) 2016/08/21(Sun) 06時半頃
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律も、寂しいのかな
[“ デート ”とか>>308 “ 優にカノジョができたら ”とか>>309 あのときは照れ臭くて なに言ってんだよ、なんて返しちゃったけど そのあとに呟かれた言葉が、 いまも胸から離れなかった。]
〈 花火!いく!!〉
[そう返信を完了すると たのしみだな、と声で呟いて 画面の文字を指で撫でた。]
(380) 2016/08/21(Sun) 06時半頃
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明日も晴れますよーにっ
[夜の海は、吸い込まれてしまいそうなほど 真っ暗な闇に包まれているけれど その上には、星空が広がっている。 きらめく無数の輝きに、 あいつも見上げた夏の夜空に>>332
変わらない夏を 終わらない夏を ひとり、また願った。]
(381) 2016/08/21(Sun) 06時半頃
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[輝く宝物を綴じ込めたような 星の広がる綺麗な空。 おれたちの見つけた夏のきらきらも あの空の箱に、綴じられているだろうか。]
……あっ!流れ星!!
[ひとつの星が きらりと輝きながら空を斜めに流れていく。 願い事を託すには あまりに短い時間。
けれど、 星々を繋ぐように伸びた 光る“ 糸 ”は、 たしかにおれの瞳に映っていた。]**
(382) 2016/08/21(Sun) 06時半頃
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