229 観用少年
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[例えるならそれは波間に揺れる小船のようで、 ゆらりと揺蕩う思考は端から崩れて消えていく。
枯れるとはこんな感覚なのかと理解して、 痛みや苦しみがないことにひとつ息を吐く。
時間の感覚は緩く雨雲のように重い。 小さな吐息は細くなって、 身震いしたのが記憶に残る最後の仕草だった]
ぁ、ぅ
[揺すり起こされて、けふ、と咳込んだ。 肺が押されて零れた音に意味などなく、 起こした男を見上げて、見送った>>17]
(29) 2017/10/10(Tue) 17時頃
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[次に意識が現実へと回帰したのは顎を掴まれて。>>17 豪奢な衣装に血塗られたかのような唇が、 冷えた眼差しでその瞳に自分を映し出している。
この眼も知っていた。眼光の鋭さも。 嘗ての影の片割れ、女の側に向けられた眼差しだ。 憎悪のような、嫌悪のような、 言葉にできない負の感情を籠らせたそれが、 次に何をするのかも――
――記憶の疵は、磨ききれてはいない]
(30) 2017/10/10(Tue) 17時頃
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ケイイチ、……
[だから、反応できたのはそこだけだった。 縋るような響きは、焦る男女には届かなかっただろう。
寝台にまた転がるしかなかった人形は、 牢に飛び込んできた男が発した音だけを噛み締める。
そこに誰がいるかなど関係はなく、 そこに誰もが居なくなっても関係なく]
(31) 2017/10/10(Tue) 17時頃
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[そうして、幾らかの時の経過を意識した。
もう喉は震えず、咳すらでない。 視界は靄が掛かったまま晴れはせず、 それが瞼か目隠しの布かすら分からない。
慌ただしい人の気配が雑音と化し、 喉に何か流し込まれて、またあの音を聞く]
(32) 2017/10/10(Tue) 17時頃
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[ ざらざらと磨かれる、記憶の削られる不快な音。
逃れようと藻掻くことすら許されず、 手首を椅子の肘置きに縛られて、暗闇に沈む響き。
燈る雪洞の姿に浮かぶ青年が、 その端から砂糖菓子のように融け消えた。 幻だったかのように、あっけなく、儚く。
その雪洞の灯りまで、ゆるゆると消されて、
のこった
ものは
もう 、も]**
(33) 2017/10/10(Tue) 17時頃
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[人の気配が遠ざかる。
人の気配が近づいてくる。
わかることはそれだけで、それ以上のことは何も]
[薄い布の幕の内側で瞼を動かしたのは、 呼びかけに反応してではなく、生体反応でしかない。>>48
唇は辛うじて枯渇に飢え枯れるには至らず、 艶を失いはしたもののふっくらとした感触が戻っている]
(68) 2017/10/10(Tue) 23時頃
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…………
[声の主の気配が近づけば顔を上げた。 僅かに首を傾げて、”目覚め”を知らせている。
足先が届かない椅子の上、揺れる脚を揃えて大人しく、 扱いやすい人形だと悟らせる術を]
(69) 2017/10/10(Tue) 23時頃
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[────悟らせる、術を]
(70) 2017/10/10(Tue) 23時頃
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[紡ぐ思考がそこで不自然に揺れて、途絶えた。 唇が動く。柔らかな淡桃が、何かを綴る。
溢れる音はなく、 唇が読めなければ伝わらないだろうそれは、 たしかに名前を、唄うように]
ケイイチ……?
[その名前の意味を知らないまま、不思議そうに**]
(71) 2017/10/10(Tue) 23時頃
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[手首の拘束がするりと解けて、掬われた。>>78 握られた体温は子供のように温かく、 柔らかで、何かを求めるような感覚に襲われる。
この手の主など知らない。 ──いや、知っている。
震えるそれが離れていくのも。 囁かれた言葉が思考を撫でていき、 漣のように広がり、染み入って来る感覚も]
(81) 2017/10/10(Tue) 23時半頃
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[ああ、そうだ。憶えている。 記憶の瑕を磨かれたのは表面のみで、 それが何故かも、理解が即座に及んだ。
急に呼び立てられて上段に物言いをされた不快感か、 或いは、涙の粒を眦から零すことでしか抵抗を示せず、 されるがままの拘束された人形に憐れみを憶えたのか。
あの店の老紳士の気配が近づいて、 磨かれた記憶で消されたのは……何かは分からない。 けれど、欲しいものが何かを奪われはせず、 大人しく迎えを待つよう囁かれたのだけは確りと]
(82) 2017/10/10(Tue) 23時半頃
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ケイ、……ぃ……ち …
[指先が上がって、自ら目隠しを脱ぎ捨てた。 途端に溢れる情を瞳に映してその腕の中に飛び込んで、 頬を寄せ、両手はしっかりと彼の背に回してしがみ付く。
色褪せた髪の色彩が僅かに戻り、 寄せる頬は柔らかく、吐く吐息は砂糖菓子の甘さ。 取り戻した何かを満喫するように深く息を吸い込んで、 顔は首筋に埋めたまま、息を吐き出しながら]
(83) 2017/10/10(Tue) 23時半頃
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……お腹、空いた。
[あれからどの位経ったのだろうか。 見知らぬ天井に、部屋に、衣服。
眠ったときと同じ服ではなく、 白いガウンのようなものを着せられている。
しかもベッドの上ではなく椅子の上で、 改めて見上げると濡れた瞳に小首を傾げる。
彼が何故泣いているのかを理解できない。 自分が何かした記憶も、された記憶もない。
だから、零れた一筋を指先で掬って、 宥めるように頬を撫でてから]
(84) 2017/10/11(Wed) 00時頃
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……ケイイチ?
[もう一度、その名を呼びかけ、見上げている*]
(85) 2017/10/11(Wed) 00時頃
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[大丈夫と囁く声に不安は過るものの、>>95 彼がそう云うのなら疑問はさらりと崩れて砂と散る。
腕の中、微かな息を籠もらせ瞼を落とした。 笑う彼の表情が瞼の裏に焼き付いてしまうように、 記憶の中、震える彼を抱きしめ返す。
何を怖がったのか、人形には分からない。 つるりとした記憶に残るのは彼の姿だけしかなく、 夜に、”彼の寝台に潜り込んだ”のが最後。
だから彼の恐怖を理解はできない──、けれど。 背に回した腕をするりと上げ、黒髪をぽふぽふと撫でた。 子供らしい稚さにほんのひと匙、愛しさを籠めて]
(104) 2017/10/11(Wed) 01時頃
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─ 数日後 ─
[あむ、と食む砂糖菓子を口に含んで、 ミルクを流し込んで空腹を満たし、たっぷりと眠る。
専用の寝台は取り払われて、寝る時は彼と共に。 そんな微笑ましい夜を幾つか重ねて、 警備が変わったことと対応の変化を継げられ首を傾げた。
そも、攫われた記憶は磨かれている。 だから微笑む彼に甘さが増した理由を測りかねたが、 それさえも素直に受け入れるおとなしい人形だ。
今宵もまた眠る時間が近づけば、 彼には早い時間であろうと寝かしつけてくれる姿へ、 ふんわり笑いを零してその腕の中へ落ち着くと]
(105) 2017/10/11(Wed) 01時頃
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ケイイチ。 さわ、って……
[いつものように掌が頬を撫で、髪を梳き、 それが眠るまで続く幸福を柔らかくねだる。
代わりに自分も掌を伸ばし、 ぺた、と頬に触れて、稚く撫で上げて笑う。
彼が何を想うかを知りたくて双眸は向けたまま、 目を閉じろと命じられるまで、毎夜がそうだった**]
(106) 2017/10/11(Wed) 01時頃
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[体温が燈る心地良さが眠りを誘い、 気付けば腕の中で目が醒める日が幾日か続く。
主たる青年は何か探るような視線を時折投げたけれど、 その意味を話すことはなく、ただ同じ夜を過ごす。 陽が登れば以前より親しみを持って接してくれる、 青年以外の人間たちと穏やかに話す機会も増えている。 彼が伴わず出かける寂しさもそれで癒え、 お土産の砂糖菓子を口に運ばれる日常に、ゆったりと笑う。
それが日常。欲しかったもの。 甘えるように頭を擦り寄せ、きゅっと抱きついて、 お菓子を食べて、ミルクを飲んで、眠る。 だからこそ、気にするのは当然で]
(119) 2017/10/11(Wed) 13時半頃
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けー、い、ち
[今宵もまた何かを堪えるような青年に、 眠りに落ちる前にその瞳を覗き込んで詠うように囁いた。
問いかけにも満たない、呼びかけだけ。 両手が伸びて頬を挟んで、柔らかな感触に口端を上げる]
(120) 2017/10/11(Wed) 13時半頃
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ケイイチ、……ぼくに怒ってる?
[そんなはずはない。 愛情が伝播して失われた色彩は戻ったし、 髪は弾力を取り戻し梳く指を妨げない。
満たされているのに、それでもこの質問を投げるのは、 どうしたって視線を彷徨わせることのある青年の、 その奥にしまいこまれた真意を知りたいためで]
(121) 2017/10/11(Wed) 13時半頃
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どうすれば喜ぶ? 楽しい? ぼくに教えて、ケイイチ。
[自分は彼のモノだと彼が言ったのなら、>>1:28 それを拒絶する心もなく、そうしたいと願うまま。
問いかけは以前と同じく無邪気に。 まさか悶々としているとは思わない青年へ投げかけた**]
(122) 2017/10/11(Wed) 13時半頃
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[問いかけに過ごす日常を返されて その言葉に納得するかといえば別だった。>>124 日常を過ごしていて夜の不審さは、 けれどそれに意を返すほど人形に勢いはない。
促され、瞼を鎖した。 背を叩かれて膨らみかけた頬は平常に戻ったけれど、 それで眠れるかといえば――
彼の寝息が聞こえたなら瞼を落としたまま不安に揺れる]
……どうしよう
[小さな音はくぐもって腕の中で掠れて消えて、 不安の発露が届かないことを祈り、指先を彼の髪へ]
(127) 2017/10/11(Wed) 15時頃
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[ゆるゆると撫でて満足するには遠い意識を、 宥めて、誤魔化し――その理由を知らないまま眠りへと]
(128) 2017/10/11(Wed) 15時頃
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― 翌日 ―
[一番仲がいい、というよりは、 主人の姿に似ている従者を宛がわれて不満顔だった。>>125
何やら察しているらしき男は何も言わず、 両腕で抱いたテディベアを撫でて気を紛らわせてはくれる。 けれど求めるものはそうではなく、 じっと半眼で男を眺めて、幾度目かの質問を投げつけた]
(129) 2017/10/11(Wed) 15時頃
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ケイイチは?
[家にいるのは分かっている。 だからこその言葉は後半にいくにつれ揺れて、 まるで泣いているかのような趣に変化していきながら。
慌てる従者にテディベアを押し付けて、 椅子から滑り落ち、部屋を出ようとする。 探しているのは勿論ケイイチで、部屋の外にいる筈なのだ。 小さな身体は留めようとする従者の手をすり抜けて、 そうして、扉を開きかけ聞こえてきた声に>>125]
(130) 2017/10/11(Wed) 15時頃
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だんしょうって何?
[問い詰めること幾度も、幾度も。 その話し合いを最後までは聞き取れず、>>126 途中で扉から引き剥がされはしたものの。
望む答えが返ってこなくとも、決意を秘める]
(131) 2017/10/11(Wed) 15時頃
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[つまりは、ケイイチ以外の人間から施しを受けない。 それを護ってさえいれば――
夜9時を過ぎても、眠らなくても怒られない。
大事な約束を守ってさえいれば、笑ってくれる。 だから、これは――きっと]
(132) 2017/10/11(Wed) 15時頃
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[眠りに落ちるのは簡単だった。 瞼を落として意識を揺らせば自然と落ちていく。 揺籠に安寧を抱いて委ねて、 そこで揺蕩えば次に瞼が開くときは陽に包まれている。
そう、落ちる意識を堰き止める意思さえなければ。
陽の昇るだいぶ前――黎明も遠い夜の闇の中。 頬を突かれる感覚よりも、 隣の体温が息を殺して消えたことで瞼を開いた]
…………
[冷たいシーツに指を這わせて息を吐く。 そうして同じように音もなく寝台から抜け出して、 裸足の足で入口の扉を薄く開くと]
(142) 2017/10/11(Wed) 17時半頃
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[見渡しても人の気配は遠く、姿は見えない。 普段ならば入口の傍にいる従者の姿もないことに、 人払いする理由が思い至らず小首を傾げた。
寝室の隣が嘗ての自分にあてられた部屋なのは記憶にある。 だから自然と人の気配がするそこへ導かれ、 そっと扉を開いて中を覗き込み――……]
……わぁ
[――縺れ合うふたりに思わず声が出た。
彼らが何をしているかの理解はなく、 ただ、少なくとも、……その光景に釘付けのまま。
瞳は真っ直ぐにケイイチを射抜いて、 どうして、ともつかない唇の動きだけが驚きを示している*]
(143) 2017/10/11(Wed) 17時半頃
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[薄明りだけの室内に浮かび上がる景観は、 まっさらな記憶には刺激が強いわけでもなく。
その光景が見知らぬものであるという、 ただ、それだけの事実。
けれど不思議と沸き起こる不安めいた衝動に、 驚きのまま開いた唇を近づく彼へと向けて>>144]
……どうして?
[どうして隣に寝ていないのか、も。 どうして知らない人間と遊んでいるのかも。
裸であったことも、声が震えていることも、>>145 彼の問いかけに答えているようで、答えずに問いかける]
(146) 2017/10/11(Wed) 18時頃
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ケイイチがいい
[子供のような我儘だと認識したのは言葉にしてから。 誰かを呼ぶと弁明する彼に、ふるりと首を横に振る。
答えを待つことはなく、足が勝手に寝台へと動いた。 寝台の上でシーツを纏う男に不思議そうにしたものの、 彼の隣にいるのは自分だといいたげに空いた場所に腰かけて]
一緒に、いる。
[膨らんだ頬を隠すこともなく、 梃子でも動かない雰囲気を醸して、ふいっと視線を逸らし]
(147) 2017/10/11(Wed) 18時頃
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[実際、抱き上げて運ばれればそれまでではあったけれど。
生まれて初めて我儘を押し通すつもりの人形は、 不貞腐れた表情を押し込めて、にこりと笑ってみせた*]
(148) 2017/10/11(Wed) 18時頃
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[裸にシーツを巻いたまま追い出される姿に、>>156 心が痛むものの芽生えた欲に逆らえず無言のまま。
慌ただしい彼の様子を眺め見て思考を巡らせる。 絡み合う仕草を思い浮かべては眉を寄せ、 距離を開いて座るその距離感も不満を露に。
震える声も、怯えた様子も、 何かを探るような視線も含めて不審だが、 それよりも開いた距離の方が気にかかる]
(162) 2017/10/11(Wed) 19時半頃
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……どうして? 仲良くするのはぼくじゃ駄目なの?
[傷つくなどあるはずもない。 目覚めて抱く情は根付いて咲けば、 何をされようとその感情は変わることはない。
肩を掴まれ、対面で視線を向けたまま、 切実な言葉に返す反応はこれまでと変わらずに]
(163) 2017/10/11(Wed) 19時半頃
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ケイイチと一緒にいる。
[繰り返す言葉を重ねて、腕の中に潜ろうと―― 肩を掴まれ届かず、腕だけがばたばた揺れる。
痛い、と呟けば離してくれただろうか。 解放と同時にバスタオル姿の彼に飛び込んで、 素肌に頬を擦り寄せながら]
(164) 2017/10/11(Wed) 19時半頃
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一緒なのは僕だけがいい。
[今宵は我儘を押し通すと決めた。 だから一歩も引かず、小さな身体は腕の中から離れない*]
(165) 2017/10/11(Wed) 19時半頃
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[鼓動はまるで早鐘のように、 体温もまた脈動のたびに跳ね上がる。
頬から伝わる体温は平常とは遠く、 顔を僅かに上げてから、誘う言葉が降ってきた。 指に顎を囚われ視界が影に覆われるのを、 意識できたのは僥倖だろうか]
け、ぃ
[部屋に響いた高音は、一点の濁りもなく]
(205) 2017/10/12(Thu) 12時半頃
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