255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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[兄を置いていく事に不安はあった だが、このまま何もせずにいたくなかった。 正常な判断なんて、もう何もできない自覚はあった。 兄が制止するのを嬉しいだなんて思うのに。
けどこのままじゃ駄目だって。 何もせずぐずぐず泣いているような女は]
(165) 2018/12/09(Sun) 12時半頃
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[花屋を訪れる男は
―――>>154昔、誰かに恋をした。 花屋の主人と妻の間をくぐりぬける 彼らもまた、二人を引き裂いた原因のひとつだ。
昔、叶わぬ恋に泣いた。恋いした人を
奪われてそれからずっと願っていた。呪っていた
復讐の機会を*]
(166) 2018/12/09(Sun) 12時半頃
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[携帯が鳴る。それは薬屋からの帰りか 焦る手は、慌てて画面を見た。
息を飲んだのは早まるタイムリミットのせい。 『お迎えにあがりました』と告げるメッセージ 息があがった、急ぎ足で街中をいく。
どこまでと切実に。]
(178) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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あ、…ごめんなさい
[――ぶつかったのは、散歩中のロイエさん>>155 慌てる身はそのままごめんなさいを繰り返し走りさろうと して、でも怪我をしていないか心配で
少し様子を伺って>>156離れただろう*]
(179) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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―花屋―
[男が笑う。 何を、おっしゃいます。と。 損と得なら後者のほうがずっとあった。ずっとずっと。 血族は、すでにないのだから。そう
今の社長以外誰もかれも>>167 どうして誰もいなくなったかを明かさずとも 絶える前に欲するのは道理。
―――迎えの男は、彼の言い分に笑う]
(180) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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[それは一方的な愛ゆえに。>>174 うなずくことも返事することもなく>>176
ただただ笑う。]
(181) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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[――倖せになるのだと ラッキーなのだと。 笑ったお嬢様。ああそのお嬢様がどうして悩むのだろう。 幸せに結婚したはずなのに、なのに。 誰かが、その倖せを陰らす
病死だといわれて、誰が信じるだろう>>177]
『関係ないのですよ』
[そう。 死んでから、奪われた尊厳を。 お嬢様は、再び殺されたのだと手は拳をつくり 彼にむかって、一瞬怒気をのぞかせた。>>176 嫁がれたときに一度しんだ。 理想の、お嬢様は。
鉾を収めろといわれ、]
(182) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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『私がどれほど見守っていたか
……ああ、でも>>175』
[ひとつ間違えていますよ]
(183) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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[そう告げれば、]
『貴方の「妹」さんからの
お願いですよ』
[したがわないのなら。 それこそ、若い女を欲しがる男はどこにでもいると 彼に告げる。ぱたぱたと階段を上がる男たち
そのまえで男はただの、案内役の仮面をかぶり 怒りも憎しみも隠してしまう]
(184) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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[その中には、あの配達業者>>172の姿 洋服屋で彼に囁いた声の主も
――学校帰りに声をかけた男も、
すべてが、居て]
(185) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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………兄さん。
[―――妹が、花屋の前に息を切らせ たっていた。**]
(186) 2018/12/09(Sun) 14時半頃
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[同じ頃、
自警団によって、大学にかかった絵が剥がされた 一時的な処置だという。この絵を描いた男には 反逆罪の容疑がかけられているから
―――だから、押収されると**]
(187) 2018/12/09(Sun) 15時頃
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[花屋を訪れた男は妄執に生きた。 だからこそ、勘違いを気にせず話をきかなかった。 間違いなく狂人。
―――彼はただしく、狂い咲いた花だった。 花というには随分、年老いたけど。>>190
目の前にいるのは、憎い男の化身だ。 その男が、妹を誑かしたという言葉に反論はない。 ただ微笑みはひどくなった。>>191>>192>>193
やはり]
(213) 2018/12/09(Sun) 16時半頃
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『関係ないですよ―――』
『私が愛するのはひとりだけ』
[あいたい。 ああ、死人の貌が、酒場の女主人を呼んだように。 彼ら兄妹を取り巻く愛は、ひどく凶器的で
歪んでいる。
いくつもの顔に囲まれて。 まるで『デスマスク』の群。 この箱庭の縮図のよう]
(214) 2018/12/09(Sun) 16時半頃
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[花屋にたどり着いた足が止まった。 止まった先にみたのは]
兄さんっ、兄さんっ
……まって!!!
[無駄になってしまう。 兄の傷の手当をするはずだったのに。それなのに。 折角先輩にもらった薬が手から落ちた>>202
―――>>203待って。と何度もさけぶ]
(215) 2018/12/09(Sun) 16時半頃
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[先輩こそ。 最近ぶっそうですから。と>>189 私はちゃんと言えただろうか。もう先はないのに。 まだ、私はこの薬屋が開く事を願って。 その場を後にした。
ありがとうございますと、頭を下げ ――兄の事を、通報すると言わなかった先輩に>>209*]
(216) 2018/12/09(Sun) 16時半頃
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―治療院―
[紙袋に覆われたままの男を 黒塗りの車が運ぶ。
窓の外から中身は見えない。 今日は街が騒がしい。パン屋の窓が割られ 酒場と孤児院が、焼かれた。自警団の手がどれだけ多くとも 薬物の事件まで重なれば自然と穴があきはじめる。
此処に重要参考人がいるとはいえ>>143 彼は大人しい。のだから。]
(217) 2018/12/09(Sun) 17時頃
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『急患だ』
[と告げた、相手の医者は よくよく分かっていた。金を握らせ。 そうして、紙袋をかぶったままの、下半身が動かないものを 見せても口は噤むだろう。 権力も金の力も偉大だ ――ただの女には薬を手にいれるのがせいいっぱい
ただそのまま入院とはいかない。 簡単に治療すれば車は 出発するが
――杖に頼って病院を出ようとする 誰かにみられるかもしれない]
(218) 2018/12/09(Sun) 17時頃
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[治療ちゅう 紙袋はとっていた。男が望むなら ――一足はやく、この街から、ひっそりと消えていく 男の望む場所にぐらい、足は運ぼうと オズワルドは声をかけるだろう
携帯をその際、使ってもいいという。]
(219) 2018/12/09(Sun) 17時頃
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―花屋―
[水色のニットのワンピース。 膝下まで隠れるのを確認
それから、薄い桃色のエプロンを。 汚れていない、それを着て。くるりと鏡の前で回る。 店長とその奥さんは二階の寝室で眠っていてもらっていた。 大丈夫かいと心配そうな声に罪悪感が募る 彼は何もしらないのだ。
記憶があいまいな夫婦は何も。]
(220) 2018/12/09(Sun) 17時頃
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[濡れた髪を整える 簡単にシャワーをかりたのは内緒でもなんでもない けど、大分、綺麗になったと思う。
内心がとても、醜くても。 それでも私は、花屋から離れる。 ――手にとったのは、ドライフラワー。 一度、落としてしまった薬を、再度手にして
ラベンダーの香りとともに。**]
(221) 2018/12/09(Sun) 17時頃
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[男は、彼をモノのような目で見た。 悶絶しそうな、その姿を見下ろして、留飲を下げた。 どれほど、>>226このときを待っていたか。
替えの衣類に確かに。と笑うだけ>>227 彼の事など、おかまいなしだ。]
『……ああ、それなら もう押収されたと話しがありましたよ』
[連絡では、そう聞いている。 だから、彼にそう告げた。実際誰かが隠したかどうか この男にとっては興味のないことだったから。
破られるだろうと勝手をのべ 反応を伺うほうが楽しみだった]
(237) 2018/12/09(Sun) 22時頃
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[彼の伝言は医師によって伝えられるだろう ただ、他にも暗躍する影は>>232 自分たちを動きやすくさせた
そういう意味では孤児院の火事>>233は 有り難かったですよ。という反応はあっただろうが そう、薬屋や、パン屋の件も同じように>>234
自警団は大忙しだ]
(238) 2018/12/09(Sun) 22時頃
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[―――そうですね。 これは、私の意思ではないのですが。と 治療後彼に再び、袋を被せ、告げるのは少しばかり 忌々し気な、声色だ。
『誰か』の命で動く男の怨嗟が滲む。 彼を再び、男たちの手で車にのせれば何処かへと向かう]
(239) 2018/12/09(Sun) 22時半頃
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―農園―
[私は、其処に居た。 ちかくのラベンダー畑は、今季節ではないから ひどく寒く寂しい処に見えて、何もない枯れた草の上。 スカートを抑え、腰を下ろした。
其処にドライフラワーを備える。
―――何もない、土のうえ。だけど、遠くに]
……兄さん。
(240) 2018/12/09(Sun) 22時半頃
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[―――男は、彼を車椅子に乗せ。 開放するだろう。正確には、農園にて、おろす。 倒れた衝撃ですこしばかり傷はついていたかもしれない。 だが、動くはずだ。だから、この先にいけばいいと。
再会を望む、女の元をさす]
『逃げてもいいんですよ』
[その足ではどこにも行けないだろうけど。 さげすんだ目が、懐中時計を取り出し。 迎えにきますとだけ、
苛立ちをみせて、一度立ち去った*]
(241) 2018/12/09(Sun) 22時半頃
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……兄さん。
[――兄の声に私は振り返る。 大好きな兄さん、彼に会うからって 化粧は大げさにしてこなかった。
彼の好きな女の姿じゃなく、彼の妹として>>257 兄が選んだ服を着て、首をふる。]
(259) 2018/12/09(Sun) 23時半頃
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[近づくのを一度躊躇い それから、一歩、いっぽと車いすの元に
幼い頃の事は昨日のことのよう、なのに>>254 あの頃とは随分と変わってしまった。
大学で見た、絵はすでに、―>>252叶わず それでもまだ傍にいていいだろうか]
……ごめんなさい、兄さん。
[私は、兄に謝ってばかりだ。 泣いてばかりの貌を俯かせ、兄の傍。 スカートを握りしめた。このラベンダー畑には何もない。]
(260) 2018/12/09(Sun) 23時半頃
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私、わたし ……兄さんが、母さんを、父さんを
恨んでいるんだって、知って。
[それで。ああ、その先が続かない。 似合っている、といってくれた服なのに。 手で握りしめ、しわくちゃにしてしまったのも、
全部ぜんぶ、私が悪いのだから]
(261) 2018/12/09(Sun) 23時半頃
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…憎いって思ったんだ。 でも、続かなかった。
……兄さんのことすきだから
[目を合わせられないまま。 其処までいって、はっと彼の手当された身体に気付く。 漸く、気づいたことに自虐の笑みをうかべ 顔をあげ]
先輩から薬買ったのに 意味なかったね…………私じゃ
[私だけじゃ、やっぱり何も出来なかった。 兄さんからどんな言葉を投げられても、覚悟はできている*]
(262) 2018/12/09(Sun) 23時半頃
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