人狼議事


229 観用少年

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視点:


【人】 学園特警 ケイイチ

[ハラワタが煮えくり返る、とはこういうことかと遅れて理解する。
怒りのままに殴りつけた壁に穴が空いている。
その拍子に皮膚を切ったらしい、ぽたり、と垂れるのは赤い血だ。
俄か従者がどよめくが、ケイイチの耳には入らない。]

……巫山戯た真似を。

[吐き捨てるような言葉は地獄の底よりまだ深くから響いてくる音色。
それから――それから刹那、ケイイチは目を閉じて、開く。]

今すぐに正装の準備と足の手配を。
国へ戻る。

[その言葉に更に従者のどよめきは大きくなる。
互いに顔を見合わせる者、何か言い返そうとして言葉に詰まるもの、視線をあちこちに泳がせる者――
けれど誰もが動き出せずにいる。
ケイイチは]

(14) 2017/10/10(Tue) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

狼狽えるな!
この程度で馬脚を現すなそれでも俺の従者か!

[腹の底から叫び、一括。]

お前達の長年の所業、気付いていない訳がないだろう!
そしてお前達もまた、俺が「気付いている」ことを承知で側にいた、
そして俺はそれさえも承知でお前達を側に置いた――
全ては承知の上で成り立つ茶番劇だ、違うか!?

[ケイイチは知っている。
人の心は一つではないことを。
国から、正室から命じられるがままに事を成す傍らで、ケイイチを悪とも思いきれず時に憐れむ心の弱さを。
信用ならない奴らと警戒するつもりが、それでもどこかで心を寄せずにいられない己を。
つまりは茶番劇。
互いに承知の上で知らん振りを決め込んだ、そよ風でさえ倒壊しそうなバランスを保ちながら今日の日まで生きてきた。

ケイイチは胸を張り声を張り、目の前にいる従者一人一人の瞳を見つめる。
上に立つ者の姿はそうでなくてはならないと知っていた。]

(15) 2017/10/10(Tue) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

今回の件、お前達にも内密でのことと見える。
ならばつまり、正室の信頼は最早ここにもないと言うことだ。
その事に思い至り戸惑う者もいただろう。

[睨みつけるようにして見つめた顔が、慌てていくつか逸らされた。
ケイイチは咎めることなく言葉を続ける。]

俺を選べ、とは言わない。
だが覚えておけ。
お前達は王を、従う者を選ぶ権利がある。
民には王を棄てる権利がある。
覚えておけ。忘れるな。

そして――今一度言う。
今すぐに、出発の準備を。
ガーディを取り返す。

(16) 2017/10/10(Tue) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

―後宮―

[男が部屋に入る。
人形は尚眠っているだろうか。見る間に枯れ始めたそれの身体を揺する。
意識が僅かでも浮上したのなら、男は一度その場を離れ、すぐに戻る。
もう一人、女を連れて。]

『随分と草臥れているようだけれど』

[冷たい目の女だ。
紅く塗られた唇から紡がれる音は硬い。
あからさまに豪奢なその様から、この女こそが主人であると知れるだろう。―ただし、思考がきちんと回路すれば―
女は腕を伸ばし人形の頬を掴むと、その顔を覗き込んだ。]

『まぁいいわ。直ぐに楽にしてあげる』

[そうして――その時だった。
慌ただしく部屋の扉が開かれる。何事かと叱りつける声を、震えた声がかき消した。]

『王子が!――ケイイチ様が戻られました!』

(17) 2017/10/10(Tue) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[女は息を呑み悲鳴を殺す。
部屋の空気は一変する。]

『何を……捕らえてしまえば、』
『できません!公用のための列車を動かしたのです!王族として戻られたのです!』

[女は、それに付き従った男は言葉を無くす。]

『っ……座を整えなさい!それに、今直ぐに人形の初期化を進めて!』

[ようやく生まれた言葉は感情を抑えきれないものだった。
そうして、バタバタと足音をたて、女は消える。
従者もそれに従って――部屋には、横たわる人形だけが残された。]*

(18) 2017/10/10(Tue) 15時頃

学園特警 ケイイチは、メモを貼った。

2017/10/10(Tue) 15時頃


【人】 学園特警 ケイイチ

[公用車を動かすとなれば、そう易々と行えるものでもない。
時間はかかった。
それでも、通常踏むべき手順をいくつも省略した結果、
驚異的な速度で事は進んだ。
けれど、ケイイチからすれば焦れてしまう程に遅い。

それでも――それでも、こうしなくてはならなかった。
他の誰でもない、一個人ではない、
あくまで王に連なる人間として
征かねば、ならなかった。]

(40) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

お久しぶりです、父上。正室殿。

[そして――ケイイチは国王たる父と、その妻と対面していた。
久方ぶりに戻る城に大きな変化はなかった。
ケイイチがここを離れてもう十二年が過ぎたが、
国の歴史からしてみればたった十二年でしかない。
そのことを思い知って、けれど、だから何だと感傷めいた感情に蓋をした。

目の前に並ぶ、国王の表情は硬く、正室の瞳は冷たい。
――だが、その向こうに潜むは怯えの色だ。
ケイイチは膝をつき、頭を垂れて拝礼した。
最上の礼の所作は、思い出さずとも染みついていた。]

先ずは突然の帰郷をお許し下さい。
何分、緊急事態でしたから。

[正装で上げた髪が、その鋭い夜色の瞳を隠すことなく晒している。
ケイイチはそれ以上言葉を紡ぐことなく、
まっすぐに二人を見上げていた。
――先に音を上げたのは正室だった。]

(41) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

『っ、さっさと用件を話しなさい!
 一体どういうつもりで――』

どういうつもり?

[そして、返すケイイチの声は低く冷たい。]

それはこちらが伺いたい。
一体どのようなおつもりで私の住居に無断で立ち入り、
あまつさえ私の所有物を持ち出すような真似をしたのか。

何か国家において危機的状況となり
あのような手段で外国に身を置く私に助けを求めたのかと思えば……
そういうことでもなさそうで?

[国王がちらりと正室に視線をやる。
正室の表情は硬く青いまま、ケイイチを睨みつけていた。
ケイイチはゆるり立ち上がり、吠えた。]

(42) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

国を見ず人を見ず、心血を注ぐが落胤への嫌がらせとは情けない!
それでこの国を守れるとでも?

正室殿――勘違いしているようだから言っておきましょう。
俺は王として生まれ十四年育ち、
僻地へ追いやられて尚王として振舞ってきた。
どう足掻こうと現王の第一子は俺だ。
王は俺だ。
今のその立場、そして我が弟の扱いは、
俺があくまで譲ってやっているに過ぎない。

国のため民のための機能であれぬのなら、その椅子、返していただこう。

(43) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

『っ……!!』

[ケイイチの不遜な物言いに、白い顔を怒りで赤く染め上げた正室が立ち上がる。
しかし、それを制したのは隣にいる男だった。
頭上に輝く王冠、顔に刻まれた深い皺、瞳は真っ直ぐケイイチをとらえている。
王は玉座を降り、ケイイチのすぐ目の前まで歩いてきた。]

(44) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

『……これは憐れな女だ。
 身体が弱く、なかなか子を成すことができなかった。
 その陰で色々と辛い思いをすることもあったのだろう。
 こうして今尚苦しんでいる――……。
 ……赦せとは言わぬ、謝罪もできぬ。
 だが――今度こそ、違えぬよう、約束をしよう。』

テメェの女くらい、テメェで手綱握っとけって話だろ、父上。

[ニコリともせず吐き出せば、王もまた黙って頷いた。
正室は椅子に座り込んだまま、
悄然とした表情でどこか遠くを見ている。]

(45) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[結局は多分、呪いなのだと思う。
国という呪い。王という呪い。血という呪い。
それが己を、母を、父を、正室を、そして誰かを苦しめる。

そこから抜け出す術はなく、
そこから逃げ出す脚はなく、
そこから飛び出す翼はなく、

その呪いの中に生まれ落ちる前から組み込まれた男は、
きっと呪いの中で死んでいく。
――そういうものだ、多分、そういうものだ。]

(46) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

……それじゃあ、話しも終わったので。

私のプランツを返していただいて、失礼するとします。
何せまだ「見分を広めるための国外留学」の途中なので。

[ケイイチがにこやかにそう言えば、王も静かに頷いた。

正室に付き従う従者は何やらもごもごと口ごもっていたが、
それでも「早く」と急かせば黙ってケイイチを案内した。


そうして案内されたのは、一見通常の部屋にも見える座敷牢。
――見覚えがある。
それは嘗て、正妻に子どもができたときケイイチが閉じ込められた場所だった。
ケイイチはフンと鼻をならす。
従者は、この中にプランツが居ると告げると足早に逃げていった。

一体何をそんなに慌てているのか。
疑問を胸に扉を開けて――]

(47) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ


……ガーディ?

[そこに、目隠しをされた一体の観用少年が居た。]*

 

(48) 2017/10/10(Tue) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[嘗て、これほどまでの絶望を味わったことがあるだろうか。

髪は艶を失い、頬は青ざめてさえ見える。
ガーディが枯れかけていることは、傍目にも明らかだった。
だがそれよりもケイイチを絶望させたのは、
いつか、出会った時と等しく――大人しい人形の姿>>70
何故ああも、ここへ案内した男が怯えていたのか―逃げたがっていたのか―
今更、悟る。

消された、のだ。]

っ、は、はは……。

[唇からこぼれたのは乾いた笑いだった。
ぐらり、と地面が揺れるような気持がする。
どうやって立っていたのか、
どうやって呼吸をしていたのか、
わからない、思い出せない――]

(74) 2017/10/10(Tue) 23時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ


[そして、真っ白になりかけた男に
ひとつの呼び声が意味を与えた>>71]
 

(75) 2017/10/10(Tue) 23時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

……ガーディ……?

[バラバラに壊れそうだった。
もう二度と立ち上がれないかと思った。
歩むのを止めて俯いて伏せて、もう何も見ないで死んでしまおうかとさえ思った。

けれど、声は確かにケイイチを呼んだ。
――前の主の記憶の消去が十全でなかったように、
  今回も、また?
ケイイチはゆらり一歩、少年に近づいた。]

…………。

[そっと、手を伸ばす。
けれど手は、いつかのように自分勝手に目隠しを外しはしない。
代わりに髪を撫で、頬に触れた。]

(76) 2017/10/10(Tue) 23時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

……いっそ、このまま目覚めないで、
ちゃんと忘れさせてやって、
それで僕以外の誰かにもらわれたほうが――
余程幸せかもしれないな。

[自分で言った言葉に自分で傷つく。
けれど――けれど、そうかもしれないと思う。

どうあったってケイイチの傍はややこしい。
誰もかれも呪われた生き方しか知らない。
今回は身内だったからまだいい。
でも例えば、ケイイチが外交先に目をつけられたら?
そしてガーディを利用されたら?
不安はいくつだって浮かぶ。]

(77) 2017/10/10(Tue) 23時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[ケイイチは、その場に膝をついて少年を見上げるような姿勢をとる。
小さな手を握って、言う。]

……僕は、お前の幸せを願うよ。
お前にだって幸せを選ぶ権利がある。
僕がそれを守ってみせる。
お前が選んだものを、全力で肯定しよう。

……だから。

[手は知らず、震えていた。
けれどゆっくりその手を離す。]

後は、お前が選んで。
その目隠しを外すか、このままでいるか。
お前が選んで。

(78) 2017/10/10(Tue) 23時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ


選んで――僕を。
僕を、お前のケイイチにして。
 

(79) 2017/10/10(Tue) 23時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[瞳は涙にぬれていた。
声は震えて掠れて、呟きは儚く少年の耳に届いたかもわからない。
みっともない、情けない、

それでも、
それでも――目は逸らさない。

欲しいものを前に、目を逸らしてはならないと、
伝えた己が実行できずにどうする、と。

後はもう息さえ殺して、少年の答えを待った。]*

(80) 2017/10/10(Tue) 23時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[嘗て、これ程までに心動かされたことはあるだろうか。

少年は――ガーディは、自らの意思で目隠しを取り、
そして腕の中に飛び込んできた>>83]

っ、ガーディ……!
僕のガーディ!

[その小さな背中に腕を回して、髪に頬を埋める。
不思議なもので、枯れかけていた花が再び色づくように――
俄か、ガーディに鮮やかさが戻ったように見えた。
つまり、届いた、ということ。
そして不可視ではあるけれど、
ケイイチの心もまた色を取り戻した。
だってそうでなければ、こんなにも胸が躍って苦しくて、
でも満たされる筈がないから。]

(93) 2017/10/11(Wed) 00時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[そうして閉じ込めるように抱擁をしたけれど――
声がすれば>>84ふと気付いたようにその腕を緩めて]

……うん、そうだな。
ミルクを温めよう。
砂糖菓子も、いっぱい買ったんだ。
だから――帰ろう。
帰ろう、ガーディ。

[ガーディは不思議そうにあたりを見回している。
先ほどは消されたように思えた記憶は、
それでもガーディの中にきちんとあるらしい。
一体どういうことなのか、疑問は後から湧いてくる。

何が起こったのか、気にならないわけじゃない。
ただそれを尋ねるのはガーディ本人にではない。
いかにも事情をしってそうな男が一人。
ケイイチは笑顔の裏で彼の顔を忘れないよう反芻していた。

とはいえ、今大切なのはそれではなくて。]

(94) 2017/10/11(Wed) 00時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[濡れた頬に柔らかい指が振れる。
見上げる瞳は不思議そう。

ケイイチは――]

……大丈夫。
もう、大丈夫だよ。

[笑った。
笑って、それからもう一度ガーディにしがみつくように抱きしめて――]

(95) 2017/10/11(Wed) 00時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

……こわ、かった。

[忘れられていたら、
何か酷いことをされていたら、
枯れてしまっていたら、
もう二度とあえなかったら――

考えないようにしていたことが一度に噴出して、
ケイイチは暫く、ガーディを抱きしめたまま震えていた。]

(96) 2017/10/11(Wed) 00時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

―数日―

[無事自宅に戻ったケイイチは、
ガーディにたっぷりのミルクと砂糖菓子を与えるだろう。

傍に侍らす従者は幾人か減ったが、残ったものとのやりとりは以前よりもずっと気安く信頼さえ透けて見える。
彼等から施しを受けるのは問題ないと、ガーディにも伝えた。
――とはいえ余程の事が無い限りケイイチは自分で世話をしたがったけれど。

部屋のセキュリティがいくらか強化され、
王から定期連絡の申し入れがあった他は―個人的な連絡については固辞した。地雷原でタップダンスを踊る趣味はない―
大きな変化はなく。

小さな変化でいえば――
ケイイチのガーディに向ける視線が甘さを全く隠さなくなっただとか、
ガーディに対する笑顔が蕩けるようだとか、
共寝することを好むようになっただとか、
その程度のことである。
つまり、元からそうだったと言える程度のものである。]*

(97) 2017/10/11(Wed) 00時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[最近のケイイチの健康生活っぷりといったらない。

何せ夜は九時過ぎに寝て朝は七時に起きるのが基本になっている。
今日日小学生でさえもう少し夜の活動時間が長い中で、
少しでも長い時間ガーディの傍にいる、ということを優先すれば、
自然、そうなった。
おかげで体調が信じられない程に良い。
身体は軽いし思考は穏やかだし髪や肌にハリと艶があり、
視力も心なし上がった気がする。
やはり健康な生活は睡眠と食事からであると実感していた。

元より、身の回りの些事は全て従者に任せることができ、
あせくせと働く必要だって全くない立場なのだから、
問題は全く無いのだけれど。

それでもあえて問題をあげるならば]

(109) 2017/10/11(Wed) 10時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

――、う、ん。

[共にベッドの中にもぐりこんで
囁くようなおねだりをされる>>106
伸びてくる手のひらは柔らかくケイイチの頬に触れ、撫でる。

正直に言えば心臓に悪かった。

けれどそれをおくびにも出さず……
訂正、出さないように努力はした、出来ていたかは知らない!
ガーディの頬を撫で髪を梳いて、
彼を眠りへといざなった。]

(110) 2017/10/11(Wed) 10時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[あの後、正室の付き人に「優しく」状況を尋ねたところ、
やはり記憶の消去を試みていたらしい。
記憶を消し、送り返すつもりだったと。
――まさかケイイチ自ら飛んでくるとは思わなかった、らしい。

消去を依頼したのはガーディを売った店の人形師だという。
急ぎ男とコンタクトをとったところ―

 『お客様との守秘義務がありますので』

まったく、つれない返答であった。

取り戻したところで辛く苦しい記憶になるだろう。
呼び覚ましたいとは欠片も思わない。
忘れてたって構わないことは、忘れたっていい。
辛い経験を乗り越えたから頑張れるなんて、
辛い経験を正当化するための防御反応でしかないのだから。]

(111) 2017/10/11(Wed) 10時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[ただ――一体、どこまで、消えているのか?
それは、大いに疑問だった。

あれ以来、ガーディは夢に魘されケイイチでない他人を呼ぶことはない。
視線の奥にいつまでもまとわりついていた影も見えない。
何かに怯えた様子もない。

つまり、前の主人との記憶が消えているということか。
しかしそんなこと、起こり得るだろうか。
わからないし、まさか聞くこともできずケイイチは今日も悶々と夜を過ごす。
悶々と過ごすのは身体によくない。精神上もよくない。
近いうちに従者に夜の相手の手配をさせなくては、と思ってはいる。
思ってはいるが――
前回の恐怖が脳裏にちらついて、行動を起こすことをためらわせる。

ケイイチにできることと言えば、
己がガーディを傷つけることのないよう、
必死に理性を保つことだけだった。]*

(112) 2017/10/11(Wed) 10時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

ん?

[呼びかけられれば>>120、答える声は短く
けれどその一音にさえ多分に甘さは含まれる。
柔らかく頬を挟む両手のくすぐったさに目を細めて――
そして、]

えっ?
怒ってない、ぜんっっぜん! 怒ってない!

[続いた言葉があまりに予想外で>>121
眠りにつく前のベッドの中にはふさわしくない大きさの声が出る。

どうしてこんな質問を――と、
疑問が浮かんだのは一瞬で。
要するに己の不自然な態度にガーディが不安を抱いたのだと
思い至るのは早かった。]

(123) 2017/10/11(Wed) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

……お前が傍にいてくれて、
一緒に話したり、ご飯たべたり、
それだけで嬉しくて楽しいよ。

[本当だ。
ケイイチの日々は今、かつてないほどに満たされ満ちている。

だから――柔らかく髪を梳いて、瞼を下ろすよう促す。
あの夜、ガーディが云った「我慢」の言葉が離れない。
髪を撫でた手は下りて、優しく背中を叩く。]

僕がちょっと変に見えても大丈夫。
ガーディにとって怖いことは何もしない。絶対に。
誓ってもいい。

[獣の欲求は人の理性で封じ込める。
でなければ何が人か、何が王か。
ガーディに気にさせてしまったことを深く反省しながら、
その日のケイイチは瞼を閉じて――]

(124) 2017/10/11(Wed) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

 ―翌日―

と、言うわけだから、いっそ家に呼ぼうと思うんだ。男娼。

[ガーディから刹那離れ、ケイイチは従者の前で堂々言い放った。
この場に居ない従者は今、ガーディの相手をしている。
絶対に聞かせてはならない会話故に声こそ潜めているものの、
態度はあっけからんとしたものだ。
言われたほうの従者は、なんとも苦い顔をする。]

お前たちの言いたいことは解る。
言いたいことは解った上で――無視する。

[ケイイチはきっぱり言い放つ。
横暴、暴君、王様のへんたい、
そんな言葉が飛んでくるが、ケイイチの瞳に迷いは一点もなかった。]

(125) 2017/10/11(Wed) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

最初ガーディ用にあてがってた部屋があるだろ、あそこを使おう。
夜九時以降に来てもらって朝七時までにお帰り頂く。
僕はスッキリできるし、ガーディに不安がらせることも減る――
うん、それでいこう。ていうかそれでいくから。
手配とかモロモロよろしく。

それとも、お前たちのだれかが相手してくれるのでも――
……あー無理だな、全員男っぽすぎる。無理だ。抱けない。

[従者たちもまた冗談じゃないとばかりに首を横に振っている。]

セキュリティの問題とか身元の問題とかは、
ぜーんぶどうにかしてくれるよね?
だって僕の従者だもんな?

[にっこり笑顔で言い放てば、重い溜息が人数分返ってきた。
とはいえ言いだした時点でケイイチが引き下がる気がないのは明白で、
故にその作戦は密かに動き出すのだった。]*

(126) 2017/10/11(Wed) 15時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[その日もまた、いつも通りに過ごした。――日中は。
ミルクを与え共に本を読み話をし、
優しく髪を撫で抱きしめて、
夜になれば共に寝具に入る。

けれど、いつも通りはそこまでだ。]

……ガーディ?

[夜九時を過ぎて暫く。
ケイイチは不意に目を開けると、小さな声でガーディに呼びかける。
念のため頬までつついて、
それでも無反応なことを――つまり、眠っていることを確認すると
音もなくベッドから抜け出した。]

(133) 2017/10/11(Wed) 16時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[部屋の外には、従者が既に待機している。]

準備は?

[潜めた声で訪ねれば、問題ないという返事。
ケイイチは満足気にひとつ頷くと、
まずはシャワーを簡単に済ませた。
それから、従者を下がらせ、
ガーディの部屋にしようと思っていた空き部屋に向かえば――
そこに居たのは、身体の細く女とも見紛うような容姿の男娼。
 ――ガーディにはあまり似ていない。
誘惑するための薄い肌着に身を包み、
ケイイチの姿を認めれば目を細めて笑った。
ケイイチもまた、己の獣の部分を隠さず笑う。]

今日はわざわざすまないね。
それじゃあ――はじめよう。

[ベッドに乗り上げてそう言うと、
男の髪を梳いて、早急に唇を重ねた。]

(134) 2017/10/11(Wed) 16時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[愛が無くとも欲を満たす行為は心地良い。
縺れるように重なって、
いよいよその熱が男を穿つという、瞬間――

ふと視線を感じ入り口に視線をやって]

えっ!?

[酷く、素っ頓狂な声が出た。
そこに居たのは間違いなくガーディだった。

さぁ、と血の気の引く音がする。
不思議そうに見上げる男娼を慌て起こしシーツを纏わせると、
自身もバスタオルで腰回りを覆い隠し、入口へ――ガーディの下へ向かった。
昂ぶっていたはずのものは、衝撃にゆるく萎えてしまっている。]

(144) 2017/10/11(Wed) 17時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

ガ、ガーディ……?
どうした?眠れない、のかなー?

[尋ねる声は不自然なまでに明るくけれど震えている。
汗をかき情欲の消え切らない身体で無闇に接近するのは躊躇われて、
中途半端に距離をとったまま、]

は、腹でも減った?
ミルク温めるか?
あ、眠れないならアイツら呼ぼうか?話し相手に……。

[そうやってしどろもどろの態度で、
ガーディが何か言うまで必死で言葉を投げかけ続けた。]

(145) 2017/10/11(Wed) 17時半頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[疚しいところがある時、人は口数が多くなると言う。
御多分に洩れずケイイチもまさにその状態で、
けれどガーディの短い問いかけは>>146
ケイイチの唇を閉じさせるには十二分な威力を持っていた。
答えられずに立ち尽くしていれば、
ケイイチがいいというこんな状態でさえなければ嬉しい言葉>>147
その上さっと横を通り抜けて向かった先に、
ケイイチはもうこの場で蹲って叫びたいような気持ちだった。

一先ず、一番の被害者はこの男娼だ。
ケイイチは彼をベッドから下ろすとすまないが今日は帰って、と告げ有無を言わせず部屋を追い出した。
枕元に置いていたスマートフォンで連絡し、
従者達に後の面倒を頼むことも忘れない。

それから――それから、
今度は酷く臆病に、ガーディが腰掛けるベッドへ、
少し距離をあけて座った。]

(156) 2017/10/11(Wed) 19時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

えぇ、と……起きたらいなくて、びっくり、させた?

[尋ねる声はひどく慎重だ。
瞳に嫌悪が宿っていないか、
無理をさせている様子はないか、
確かめたいけれど恐ろしくて、
視線も言葉も中途半端に彷徨った。
先ほどの笑顔がどういう意味なのか――>>148
わからないから、未だ距離も開いたままで。

ケイイチは、迷って悩んで唸って、
けれど――けれど、観念した。
だって多分、外でかここでかは不明にせよ、
この先も似たような行為を繰り返す。
ガーディに我慢を強いることはしたくない、
けれど灯った熱は欲にも形を変えるとなれば、
これ以上の手段は無いはずだ。
だから]

……ガーディ。

(157) 2017/10/11(Wed) 19時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

僕も同じだ。お前がいい。お前のそばに居たい。
でもお前を傷つけたくないし、怖がらせたり我慢をさせたいわけでもない。

だからこの先もこういうこと――えー、
お前の知らない人と仲良くしたりとか、夜中ちょっと居なかったりとか、
そういうことは、ある。

でも、さっきも言ったけど、お前を傷つけたり怖がらせたりしないためだから、
…………だから、

[そこまで言って、ケイイチはガーディの肩をがしりと掴む。
瞳は真剣だが俄かに濡れて眉は下がりその表情は情けない。
震える唇を数度開閉させ、そして、]

(158) 2017/10/11(Wed) 19時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[――ケイイチは確かに覚悟をしていた。
けれどそれはガーディに冷たい目を向けられる覚悟なんかではなく、
全てのプライドをかなぐり捨て彼に泣きつく覚悟だった。]

(159) 2017/10/11(Wed) 19時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

[冷たい視線はなかった。
拒絶もなかったし怯えもなかった。
それに酷く安堵して、けれどガーディが抱いた疑問にうっと言葉を詰まらせる>>163
さて何と言ったものか、と、思考を巡らせていると
――どうやら抱き着こうとしたらしい、身体に力が入ったのがわかって、
とっさにケイイチも肩を掴む手に力を込める。

だって今、ケイイチは上半身裸だし下もバスタオルだけという頼りない状況なのだ。
こんな状態で抱き着かれたりしたら――困る。
それはもう大いに困る。

それなのに、痛い、という声が耳に入れば]

えっ、ごめっ

[咄嗟に手を離す。
そして]

(171) 2017/10/11(Wed) 21時頃

【人】 学園特警 ケイイチ

っ〜〜〜……!!
ガー、ディ…………。

[遮るものの何もない素肌に、柔らかい頬が触れている。
艶やかな髪に擽られ、ぴくりと背筋が跳ねた。
爆発しそうに鼓動する心臓の音は、
きっとガーディにも届いてしまう。

じりじりと脳の奥で理性の焼ける音がした。
このままじゃまずい、と思いながら、身体は固まって動けない。
どうにかしなきゃと思考ばかり焦り、
心臓は逸り、そして――]

っ……!

[僕だけがいい>>165
ガーディの願望。わがまま。
ぷちん、と、理性が切れる音がした。]

(172) 2017/10/11(Wed) 21時頃

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