267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】
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[ 白菊に囲まれた場所で、高い碧を見上げた。
もう立ち上がる気力も無かったので、 包まれた身体を起こし、座るに留め。
……すがた は、何時かのこどもであれ、 精神だけは何時も通りであったので、 真白の隙間から、睨んで、 ]
(29) 2019/06/18(Tue) 00時半頃
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[ 重さに負けたはなひとつ、また、落ちる。 ]
(30) 2019/06/18(Tue) 00時半頃
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…………何で居るの。
[ 答えになっちゃいない返事を先に投げ、 花弁と一緒に溜息も零して、 ]
(31) 2019/06/18(Tue) 00時半頃
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……死に場所なら此処が良いのかしらって、 植物は引きこもらない方が良いのでしょう。 病院の中散らかしちゃった気がするけど、 どうせ最期なんだからどうにでもなると思うし、
[ あっち、って、硝子の方を示しつつ、 見てよ此 とか、示したちぃさな片手を上げて、
─── 気怠げにわらった。 ]
(32) 2019/06/18(Tue) 00時半頃
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植物になったと思ったらこんなになってるし、 一緒にこの白菊も、どんどん大きくなるし、
……特異体質にも程があるでしょう、 良い実験体にもなれるんじゃない。
[ もう 成ってる、とか。 そんな客観的な事実なんて、知っていないので。
自嘲だったのか単純に面白がっているのか、 わたし自身ですらやっぱり分からなかった。 ふと 明日にはずっと寝てるんだな って 過ぎってしまえば如何してだか泣きたくなるけれど、
適当に喋るくちびるも、泣きだしそうな何かも、 咳ひとつで閉じてしまった。 ]
(33) 2019/06/18(Tue) 00時半頃
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[ たねを、おとしながら、 ]
(34) 2019/06/18(Tue) 00時半頃
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……せんせいこそ ねがいごとでも?
[ 真白と、花と。 どちらにも隠れていない瞳で、また、見上げ、 ]**
(35) 2019/06/18(Tue) 00時半頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2019/06/18(Tue) 00時半頃
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[ 脇に置いていたしらぎくを、 ─── ぶつけようとして やめた。
不機嫌を隠しもしないで、 睨付けるわたしの黒は、きっと、 碧の奥 そらのほしを映している。 ]
(61) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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わたしのねがいごと とは、なんでしょうか。
……… なにもでません、こんなときですら。 いったい何のためにうまれてきたのか なんて そんなはじめから振り返ることはしませんが、
なにもないまま死んでいくなあ って このときになって思ってしまうのです。
嗚呼 なんて愚かで傲慢なにんげんなのでしょう。
(62) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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[ ひとつ 瞬き、 ]
(63) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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さくらがさけば いいとおもいました。
あじさいも ……見たことはありませんが、 うつくしく 育てばいいとおもいました。
しらぎく は、……
(64) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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…………、
[ 隣に移ったのを良いことに、 片側の黒は 白菊に埋もれた懐を見下ろしていた。 未だにんげんのゆびさきで、花弁を撫でつつ、
ゆびおり、ほしに願うようなそれらの後に、 ぽつ と落ちた最後の言葉が、 きっと一番の願いなんだろう って、
……それくらいはわかってしまうし、 もう、視界に星は映っていないから、 ]
(65) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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………きっと難しいわ、それは、 [ ほんのすこし 戻った声で、 歳のくったような言葉を発し、
……成るもんじゃないわ、とは、言わなかった。 本心かどうかすら曖昧だったせい。
骨も残さず 消えるのなら、 最期に花だけ遺すのなら、 其れがいっとう素敵だって、思う人も居るでしょう。 ]
(66) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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[ ……わたしは と聞かれたら、 口を閉ざしてしまいましょう。 ]
(67) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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せんせい、 ─── ほんとうに 要らない?
[ 最初の時よりちぃさくなった舌先に、 もういちど 種をのせる。
単に不要かどうかで受け取られたと思っていたし、 此だって、植物で良いのか と 聞かれた時とおんなじように返したようなもので。
こんな種ひとつで叶うはずも無いけれど、 ─── そういう"確信"が、あったけれど、
蔦と、羊歯の 向こう側を、 白菊と、白布の奥から 見ていた。 ]
(68) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2019/06/18(Tue) 22時半頃
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或る夜だ。
(74) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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「 中庭、荒れ放題じゃ無いですか 」 「 陽が出てないから来てみたのに 」
─── 担当していたXX番が部屋から消えていたから、 てっきり何かに成って死んだものかと思っていた。
きみは植物のようだ、と 部屋から出てこない彼女へ、最初に告げたのは私だった。 故に、花でも咲いているかと期待したところもあったが、
(75) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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「 せんせい 」
─── 私を呼ぶ彼女は未だ女に成る前で、 手入れもされていない中庭で 不機嫌を露わに 私をせんせいと呼んだ。
しらぎくいろの指先が、 適当な葉を摘まむ。
(76) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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「 此処には人間のせんせいしかいないのかしら 」 「 植物なんてちっとも興味無いけれど 」 「 どうせ皆死んでしまうのだったら 」 「 死ぬ前に綺麗な物でも見せてあげれば良いのに 」
にんげんのせんせい、は 数えるほどしか居ないと、彼女は知らない。 ( 私だってそうだ! ) 只 彼女に其れを教える意味も無いから、 私はスカートの埃を払って、 低い、黒を見下ろし、
(77) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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「 植物のせんせいでも呼んだらどうですか? 」 「 きっと、そうですね、……綺麗に成ったのなら、 」
(78) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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「 十年経って、さくらが咲くようになります 」
(79) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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もう彼女は覚えていない何時かの話で、 思い出す頃には私も何処かで死んでいる。
星は 降らない。
*
(80) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[ ほし ひとつぶ。 掬い上げられて、 ]
(81) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[ 碧の向こうへ また、ほしを見る。 文字通り命を抱く白菊に囲まれた場所のなか、
ひとつ、ふたつ、瞬きを繰り返し、 ちぃさな流星へと視線を移し、 ]
(82) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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せんせい、 ちゃんとにんげんのせんせいなのね。 てっきりこのまま 植物に成ればって ……悪いけど 願われるかと思ってたわ。
[ ひとつだけ、正直な感想。 ……失礼かもしれないけれど、こんな驚いた顔も、 わたしは滅多にしたことが無かった。 ]
(83) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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─── そうね、なら、
[ ちぃさな、ゆびおり、 ]
片目が無くて、 もう 脚も動かなくて、 わたしの殆ど、白菊が取っていったから、 きっと、身体だってこのままよ。
(84) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[ たとえ 治ったところで、 なにもかも戻るような、 都合の良い世界に生きている自覚は、無いから、
そんな身体に戻ったところで、 ゆびおり数えた それらを ほしに差し出したところで、……
わらう 表情と反対に、片方の黒は重たく、 手元の白菊にほしが落ち行く。 ]
(85) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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…………、 植物には、きっと、成れないけれど、 綺麗に死ぬことくらいは 願ってあげるわ。
[ はなびらいちまい ゆびさきで取る。 ─── 空想、ほしの辿り着いた先だ。
いちまいを空に走らせようとして、 ……バランスを崩してやめてしまったので、 代わりに正面、碧を背景に見立てて、上げるように。 ]
(86) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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せんせい、たとえば、 そんな 酷い有様で生き延びたとして、 せんせいも、綺麗に死ぬまで生きられたとして、
─────── 、
(87) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[ はなびらにまた ほしが おち、
─── きっとこたえを求めるよう に、 碧を 見上げていた。 ]
(88) 2019/06/19(Wed) 22時頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2019/06/19(Wed) 22時頃
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