196 水面に映る影より遠く
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そー?
ううん、俺はいいや。 冷たさで口の感覚無くなってき た
[きたんだけど、その。 得意げな笑み>>246で口元に持ってこられては 食べぬ訳にはいくまい。 据え膳食わぬはなんとやら。 この場合は、違うのだろうが。
結局誘惑には勝てず、口を開けてひとくち。 痺れた口内では、その味も良く分からなかった]
(252) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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[かき氷を食べていれば、そろそろ舌が黄色に染まるころ。 次第に落ちていく視線には気付かないまま。 掻き消えそうな小さな声が聞こえた]
……それ、俺に聞く?
[言葉を詰まらせて、彼の方を見る。 俯いた視線では、どんな表情をしているのか、分からなくて。
ぽつり。言葉を綴る彼のこえに耳を傾ける。 俺の位置からは、柔い髪のつむじと、 朱く染まった耳だけが見えた]
(253) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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ないよ。
誰かといると緊張することも、 うまく話せないことも、 メールがくるのを待ち遠しく思うことも。
でも、他のひとといるのを見て、もやもやはするかな。 時折、可愛くは 見えたりもする。
[呼応するように、こえを紡ぐ。 頭に思い浮かべるのは、浮かんだのは、]
(254) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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なあ、ゆたか。
……それは たぶん ───
(255) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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[戀だ。 そう続けようとした音は、 彼の言葉>>249によって遮られた。
行き場を無くした声は、留まることなく空へ溶けていく。 いつか続きを聞かれたとしても、 あの時言わなかったっけ?って、誤魔化すように笑うんだ]
(256) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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おー、射的。 仕方ないなー、付き合ってやるよ。
[ようやく上がった視線は右へ、左へ>>249 無理やり話を逸らすように指を指されれば、 それ以上の追及など出来ようものか。
ぐいぐい袖を引かれれば、伸びちゃうだろと口元を綻ばせて]
(257) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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ふふん、舐めてると痛い目見るぞ。
今日の俺は一味違うからな。 なんてったって、弓道部主将になったんだから。
[イルカのぬいぐるみから10個程離れた場所。 カモノハシのストラップに狙いを定めた。 弓とは重さからして全く違う射的用の銃を身構える。 自信は全くと言っていいほどない。 持ち弾は10発。 3もあれば落ちると踏んで、 的を見据えて、小さく深呼吸。
当たったのは9発]
(258) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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[隣ではイルカのぬいぐるみを見事打ち抜いた彼の姿]
なかなかやるじゃん。 あ、でも、 交代でやった方が良かったな。
写真撮れなかったから。
[少しだけ寂しそうに声音を落として、 イルカのぬいぐるみとツーショット撮ってやる! なんて、カメラを彼へと向けた。
誰かにあげんの? そんなこと、聞けやしない]
(264) かの 2016/08/25(Thu) 21時半頃
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カモノハシ、かわいーだろ。 ……やる。
[そう言って差し出したら、きみは受け取ってくれたのかな *]
(266) かの 2016/08/25(Thu) 21時半頃
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[弾が変な方向に向かって飛んでいく音が響いた>>279 そのことが何だか可笑しくて忍び笑いを漏らす]
うん。 ずっと、逃げてきたから。
[何度も優には弱音を吐いてきた。 弓道をやめたいと、言ったこともあったっけ。 そんな、いつかの昔話]
(297) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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ありがと! 俺なりに、俺らしく頑張ってみる。 ……たまには、弱音を吐きにいってもいい?
[君の棲む水の中へ。 背を押してくれたことが、どんなに嬉しかったのか 支えになったのか。ずっときみは知らないままでいて。 小さな大切な想いをまたひとつ、箱に仕舞う]
(298) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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[ストラップを受け取ってくれれば>>283 静かに胸を撫で下ろす。 先程店主に貰っていた小さな透明の箱>>281に、 俺から触れることはしなかった.
そうして、突然笑い出した彼>>283に小さく首を傾げた]
なんだよ、突然。 俺の顔になんかついてる?
[差し出された掌サイズのイルカのぬいぐるみ。 瞳を丸くして、数度瞬く]
(299) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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は、俺に? ……さびしー、とか、なんだよ。今になって。 なんでそういうこと、最初にいってくんねーかなあ
就任祝いはついでかよ!
[そんで、俺だと思って>>284とか。 なんだよ、まるでお前がどっか行っちゃうみてーじゃん。 ぽかん、としばらく開けていた口を手で押さえると、 堪えきれない、という風に笑いだした]
(300) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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……ふふ、っ くく、 ありがと……、はは
……優だと思って、大切にするよ。
[大事そうに胸に抱いて、柔らかく微笑んだ]
(301) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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[一緒に撮った写真。 肩と肩がぶつかることに、少しどきりとしたり。 でもそれが全て友達だからなこと、俺はちゃんとわかってる。 カシャリ、ふたりの時を切り取った一瞬に、俺の想いも込めて。
俺の褪せない淡い初恋を、閉じ込めて。 遠い未来に、いつかこの写真を見返すその日まで。 初恋は、甘くて酸っぱくて。 うまく、言葉に出来ないや。
色褪せない写真と一緒に さよなら、俺のこいごころ *]
(302) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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- 或る夏の日 -
ヒナ。 なんだよー、最初の頃のツンツンどこいったんだよ。
[だらしなく頬を緩めながら、 真白い毛並みと碧い瞳を持った猫の耳の後ろを撫でれば、 心地よさそうに喉が鳴った。
ヒナがここまで懐いてくれたのは、 手紙を受け取ってくれたあなたのおかげ。 俺一人じゃいつまで経っても懐いてくれなかったように思う]
(328) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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んー?わりいな。 何も持ってねえよ、
[勝手にご飯をあげたら怒られてしまう。 両手を開いてなにもない、と意思表示。 少しがっかりしたのか、その顔を伏せた。
その時に首輪に括られている何かに気付いた。 もう何度目になるのだろう、丁寧に解いては口元を緩めた]
(329) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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[小さな偶然も、奇跡も、必然も。 運命でさえも。 それが幾度となく起こるようになってしまったら、 それはただの日常になっていく。 そうして、生活の一部に成り果てる。
ある日突然、それが無くなって初めて。 とても尊いものだったと気付くんだ]
(331) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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[夏休みはあとすこし。 彼女との別れの日まで、あと ──
照りつける日差しが眩しくて、目を細めた *]
(332) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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[だれか は今日もまた美術室で絵を描いているのだろうか。 だれか は今日も図書室の主となっているのだろうか。 かれはきっとプールにはいなくって。 自転車に乗って現れることも、今日はまだないのだろう。
そんなことを考えながら辿る通学路。 横断歩道の白い部分だけを踏んで、 ひとり 楽しそうに跳ねた]
(349) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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お はよ、
[同じ部活の同級生に声をかけられれば、一瞬だけ固まって。 見た?と視線を向ければ同意の頷き]
い、いっしょにやる?
[すげなく断られたので、今日は部活に出ずに帰りたい]
(350) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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[少しだけ気まずい空気の中、 俺を気遣ってか彼は他愛ない実のない話を沢山してくれた。
弓道場に着いて、着替えれば。 いつもとおなじように射場に立った 不意に思い出したのは、花火の時八竹と話したこと]
( 俺が、さみしそーだから って そういうお前もさみしーからそう見えたんじゃねえの )
[あの日、終ぞ口からこぼれることのなかった言葉。 寂しいって見透かされたのが恥ずかしくて、言えなかった。 的を見据えて放った矢は、今日も的の真ん中へと吸い込まれる]
(351) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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[掴めた掌は俺なんかのとは全然違って、 細くて柔くて。力を入れれば壊れてしまいそうで。 ふたりで花火をした。 白い猫の話になれば、 少しだけ声音が上がってしまったことだろう。
去年も同じクラスだった彼女とのか細いいとは、 こうやっていつまでも続いていくと、 それがある日突然消えてしまって。 俺の記憶からも消えてしまって、褪せてしまっても。 その尊さに気付くことは出来なくても]
(352) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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( ……やだな )
[いなくならなければ感じられない大切さ、なんて。 もっと想い出をつくっておけば良かったって後悔しないために、 普段は言わないことを提案したりした。 でも、それでもやっぱり。 急ごしらえの想い出だけじゃ、足りないみたい]
……どうして、もっと、
[後悔だけが、深く心に刻まれる。 それも、もうじき消えてなくなってしまう。 酷く歪んだ表情を、誰がみることも 無かった *]
(353) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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- 遠い未来 -
[掃除をしていたら偶然見つけたアルバム。 これを開いてしまえば、もう後戻りは出来ない。
掃除は、明日にしよう。 諦めた俺は、アルバムを一ページ捲った]
あー、なつかし。
[それは、夏休みの終わりに彼女が手渡してくれたもの>>321に、 俺が撮った盗撮まがいのものを付け足したものだった]
(361) かの 2016/08/26(Fri) 02時半頃
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( すでにアルバムには写真がぎゅうぎゅうだったのに、 俺のも貼って〜って無茶いったっけ )
[ぱらり、何ページか捲ったところで、 俺が単体で映るものが目に付いた。 楽しそうに笑っていて、隣には不自然なスペース。 胸がいたい。何か大切なものを欠いてしまったと、 今になってようやく気付いた。 それがなんなのか、いとを強く手繰り寄せても、 記憶の奥深くに潜っても、どうしても分からなかった。
その違和感は、全ての写真にあった。 誰かが、そこにいたような不自然な空白]
(362) かの 2016/08/26(Fri) 02時半頃
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なん で
[知らぬうちに瞳に溜まっていた雫がこぼれる。 ぽたり、写真に染みをつくった。 どうして泣いているのか分からないまま、 ただ、時間だけが過ぎていく]
(363) かの 2016/08/26(Fri) 02時半頃
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[やっと落ち着いた頃、 ようやく探していた写真が見つかった。 イルカのぬいぐるみと、カモノハシのストラップと。 それから。 淡い初恋を抱いていた彼とのツーショット。
あの日ここに閉じ込めた想いは、 色褪せることなく、鮮明に思い出される]
きーて、俺のはつこいのひと。
[じゃーん、と恋人に見せびらかせば、 どんな反応をしたのだったか。 掌サイズのイルカのぬいぐるみは、 今も俺の机の上。 大切に飾ってある **]
(364) かの 2016/08/26(Fri) 02時半頃
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[弓道場からは、図書室の窓すら見えない。 切ない彼女の声も届かない>>393]
さよなら、
[無意識にこぼれた声は、自分でも良く分からなくて首を傾げただけ。 強い風がカーテンを揺らす時、 俺の髪も強く撫でた]
(398) かの 2016/08/26(Fri) 07時頃
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やだ、よ
[ぎゅ、と胸が締め付けられる感触。 心にぽっかり穴が空いてしまったような。 ひとしずく、頬を何かがつたう。
褪せないで、消えないで。 こぼれていく記憶を必死に拾い集めて、 心の奥深くに仕舞った。 いつか、また巡り会えるその時に、 色鮮やかなものとして想い出せますように **]
(399) かの 2016/08/26(Fri) 07時頃
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