241 The wonderful world -7days of KYRIE-
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−4d・非情−
[これまでの緩い展開に忘れていたのか、 これは死神のゲームだ。
幸か不幸か、私は見てしまった。 さっきまで協力しあっていた参加者同士が 非情な殺し合いをしていたところを。
たまたまではない。故意だ。 明らかにノイズではなく、 参加者にナイフを向けていた。
私は助けるでもなく、見て見ぬ振りをして ヤドカリ駆除を続けていたけれど。]
(3) 2018/05/21(Mon) 02時頃
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[パートナーから『逃げるぞ』と 叫ぶようなテレパシーを受け取れば 私は冷淡な顔でそれに応じただろう。
時音に手を掴まれ、暗転する直前に 走りながら呟いた言葉は。]
愚かだね、ヒトは。*
(4) 2018/05/21(Mon) 02時頃
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−5d・中央エリア−
[いつものように目がさめる。 だが少しづつ、しかし確実に変わりつつある ゲームの状況に心持ちも重く。 今はどうやら1にいるようだが、 果たして近くに相方の姿はあったか。
1.スクランブル交差点 2.兄間薬品 3.キリエ駅 4.イザナタワー99 5.甘味処 あん屋**]
(5) 2018/05/21(Mon) 02時頃
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[ミッションを見れば、 今日はどうやらいつもと文体が違う様子。 リズムが違う。同じ人が書いてるとは思えない。
……文章の答えは、多分こうだろう。 私は北エリアのほうに行ってみようかな。
_____ふと思ったけど、ミッションの邪魔をしたら どうなるんだろうね?**]
(6) 2018/05/21(Mon) 02時頃
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−道中−
[まぁ、そんな思いつきはただの戯言。 他者を蹴落としてのし上がるのは 性に合わない。]
やぁ、ニーナじゃないか。
[こちらに手を振る人の姿を見つければ こちらも応じたことだろう。 それはよくみた顔であった。]
(22) 2018/05/21(Mon) 16時頃
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こちらの方角に向かっているとくれば 違う目的地ということはあるまい。
[そう言って、気安く話しかけてきた ニーナの隣についた。 改めて隣に立つと身長差がすごい。
近くにジリヤの姿はなく、 今日は別行動の様子。 まあミッションの内容を加味すれば おかしくはないだろうて。]
(23) 2018/05/21(Mon) 16時頃
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[普段はミッションに協力してくれたり こちらの姿に手を振ってくれたりするような人。
そんな彼女が、 ふといつの日か見せた目>>3:380と 発せられた言葉>>3:381を思い出せば。
頭をよぎるのは昨日の光景。
彼女もまた、協力してきた参加者に 牙を剥く気があるのだろうか______]
(24) 2018/05/21(Mon) 16時頃
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君は生き残るためなら 手段は選ばないたちか?
[そんなことを考えながら、 少し浮かない顔をして 彼女に問いかけてみただろう。**]
(25) 2018/05/21(Mon) 16時頃
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[話を聞かながら、私は考える。
『人を蹴落としてでも勝ちたいと思う』 それは当然の感情かもしれない。
皆が皆死にたくて死んだわけじゃない。 少なくとも、『私は死にたくなかった』 というニーナはそう。
そもそもこのゲームに参加している時点で 救われる命の数に限りはあるわけで。 そう考えれば、生き返りたいと願う行動を 否定することはできないのかもしれない。]
(70) 2018/05/21(Mon) 21時頃
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[けれど、続く言葉>>30には目を丸くして。 本人はのんびりと呟いている様子だったが。]
思うのと実行するのに差があるか…… 私は思ったことはすぐにやりたいと思う 性格だったからなぁ……
(71) 2018/05/21(Mon) 21時頃
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[何かあったのかと問われれば、 目線は前のまま言葉を続けて。]
実は、昨日ミッションに参加していた 協力者同士でキリングが起こったんだ。
今まで優しい参加者が多かったからさ、 そういえばそういうゲームだったんだなって。
[顔は少し暗くなったか。]
(72) 2018/05/21(Mon) 21時頃
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……あっ、危ない!!
[そんな時だったか。 目の前に黒く醜悪なノイズが現れたのは。*]
(73) 2018/05/21(Mon) 21時頃
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−少し前・スクランブル交差点−
[今日も今日とて相方の姿はなく。 けれど、今日は早くからテレパシーが届いた。]
ミッションか? 私も意味はよくわからないんだが、 とりあえずいちご横丁かバナナストアにいけば 何かわかるんじゃないか。
私はこれから知恵のりんご像に向かう。
[この3ヶ所はミッションの文を 並び替えると浮上してきた場所。 ただし、この場所に行ってから どうすればいいのかまでは 文章から読み解くことはできない。]
(90) 2018/05/21(Mon) 21時頃
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昨日のことは気にしなくていい。 むしろ君には感謝している。 ……それと、あまり他の参加者のことは 信用しないほうがいいかもしれない。
何かあったらお互いに報告しよう。 私は少なくともお前の味方だからな。
[テレパシーのトーンは暗めだっただろうか。 相方が昨日現場を見ていたかまでは 把握していないが、逃げているときに 私から伝えたことはないだろう。**]
(91) 2018/05/21(Mon) 21時頃
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−現在・道中−
竹を割ったような性格か。 たしかにそうかもしれんな。
[ニーナの性格分析には少し微笑む。 言われてみれば当たっているかもしれない。]
ううん、ミッションの後だよ。 ミッション中は共闘しているようにみえた。 少なくとも争ったりはしてなかった。
私も相方も少し離れていたからな。 危害は加えられてないよ。
(105) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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[そんな話をしていたからだろうか。 私たちは迫るノイズの影に気付くのが遅れた。 それでも、危ないと言うより早く、 ニーナは剣を振るった>>80。
漆黒の身体に剣が刺さる。 流石の反射神経である。 ノイズの色が若干おかしかったけれど……!?]
(106) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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[次の瞬間、目を疑うような光景。 刺されたはずの漆黒の身体は くたばることなく彼女を襲いかかった。]
大丈夫か!?
[駆け寄って応戦しようとするが、 人の心配をしている場合ではなく。 彼女の言葉に上空に振り向けば、 私を狙って鉤爪を立てる漆黒より暗い鳥の姿。]
(107) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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メロディシーr_____っ!!!
[こちらが虹色の幕を出すより早く、 鳥の鉤爪は私の髪を刈り切った。 咄嗟に頭をかばって出た腕は シャツが破けてしまっている。]
なんかいつもより早くないか? 目も狂気染みてるし……
[よろけながらも、なんとか体勢を立て直し、 目線を再び黒き翼のほうへ。 ニーナは狼と対峙している>>85。 こちらが私がなんとかするしかないだろう。]
(108) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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いけーーっ!!!
[渾身の叫びと共に、五線譜を鳥に向かわせる。 致命傷とまでは行かずとも、翼に帯が絡みつけば 鳥はモタついて落ちてくることだろう。]
レディーの髪を狙うとか許さん! 聞け、絶望の旋律……
(109) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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ブラックシャウト!!
[少女は一気に上空に飛び上がると 低空でフラつく黒い影目掛けて 一直線にダイブした。
加速した身体はそれを捉え、 思いっきり地面に叩きつける。
鍵盤を思いっきり叩きつけるような音と共に 地面には衝撃波が走り、その中心には カラスの亡骸が埋まっていることだろう。]
(110) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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やはり今までのノイズより強いな……。
[振り返れば、ニーナのほうも 敵を倒したところだっただろうか。]
私のほうは大丈夫だ。 髪が若干ショートカットになったがな。
[と、腕をまくって髪を掻きながら]
(111) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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それよりニーナは大丈夫なのか? ……傷を受けていたようだけど。
[彼女のほうはモロに攻撃を受けたように見えたが。 こちらの心配よりも先に ニーナが駆け出してしまうようならば、 私も走ってついていったけれど。
流石に運動部には敵わず、息を切らしながら 少し遅れて彼女の元に辿り着くだろう。**]
(112) 2018/05/21(Mon) 22時頃
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そ、そうか……。
[ショートも似合うと言われれば、 少し頬を赤く染めて目をそらす。
……仕方がないだろう!! ただでさえ実はちょっと恥ずかしいのに、 王子様みたいな女の子にそんなことを 言われた日には!!
彼女のほうも肩のほうは動くようで、 少し安堵したように息をつく。]
よし、いこっか。
[そう軽い気持ちで彼女に乗ったのが 間違いだった______]
(123) 2018/05/21(Mon) 22時半頃
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−知恵の林檎像−
______っ〜!!!
[先程とは比べ物にならないほど顔を真っ赤にし、 膝に手をついて肩を上下に震わせながら ハァハァと息を荒げる。
ニーナのほうは時折こちらに振り向くほど 余裕があったというのに! 彼女だって制服にローファーなんだろう!?]
(124) 2018/05/21(Mon) 22時半頃
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あ、あぁ……私もここに来るつもりだった…… こう、もっとゆっくりと……
[久々にこんなに走ったものだから、 汗を滴らせながらそうすぐには 息が収まることはあるまい。*]
(125) 2018/05/21(Mon) 22時半頃
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[しばらく休めば、 ようやく息も落ち着いてくるだろう。]
あぁ、メールの文章のリズム、 文字が入れ替わりで送られてくる……
心当たりはなくは、ないな。
[脳裏に浮かぶのは昨日マブスラをした 喋る言葉が乱れた女の子の死神。]
(132) 2018/05/21(Mon) 23時頃
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[取り掛かっても?の言葉には 二つ返事でOKサインを出して。
ニーナの向く方向には、 まるで本物のように赤々と熟した実をつけた 1本のリンゴの木の像。
近くには番人が2匹いるが>>#9、 彼女の足ならば或いは。 もちろん何かあれば援護射撃する準備は怠らず。]
(137) 2018/05/21(Mon) 23時頃
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任せて。じゃあいくわよ。 フォルツァート!!
[1本の虹色を木の像に向かわせれば、 それは幹を囲うように巻きついてユサユサと揺らす。
じきに赤い実は地面に落ちることだろう。]
今のうちよ。ニーナ!**
(140) 2018/05/21(Mon) 23時頃
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[彼女は剣の柄を咥えて、 赤い果実目掛けて一気に駆け抜けていく。
伸びた刃が飛びかかったカンガルーを捉えれば、 赤い果実はもうすぐそこで______]
危ない!!
[丸腰になってしまう彼女に 襲いかからんとする2匹のノイズがあれば、 彼女の叫びと共にこちらも距離を詰めて。]
(165) 2018/05/22(Tue) 00時頃
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[咄嗟に作った音符爆弾を鳴らせば、 響く即席オーケストラの音色に カンガルーの注意もこちらを向くだろう。
それを見て少女は一気に飛び上がり、 2匹の巨体目掛けて加速する。]
(166) 2018/05/22(Tue) 00時頃
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ブラックシャ……っ!!!
[少女の身体は敵を確かに捉えた。 しかし、怯むことなく突進してくるカンガルーの頭は 少女のみぞおちに鈍く入って。
ピアノの爆音と衝撃波と共に、 一匹を仕留めもう一匹も弾き飛ばしたが 波の中心部で少女はよろめき。]
(167) 2018/05/22(Tue) 00時頃
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うおおああああああ!!!
[再び飛びかかる残党には サイキックを出す間もなく、 痛みを我慢し渾身の力を振り絞って ショルダータックルをかます。
2つの身体が勢いよくぶつかり合えば、 カンガルーはそのまま木に打ち付けられて 気絶してしまったただろう。
しかし少女はその場に転がり倒れ込んでしまった。**]
(168) 2018/05/22(Tue) 00時頃
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[果実を拾ったニーナに駆け寄られれば 溶けるような目で彼女を見つめて。]
あぁ、痛みはあるがなんとかな……
(177) 2018/05/22(Tue) 01時頃
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[立てる?と差し出された手を握れば なんとか起き上がり膝をつくことができるだろう。]
だって仕方がないだろう。 私のサイキックは音単体だけでは たいした威力が出ないんだ。
カンガルーから君を守るためなら、 これくらいは……
[そういって目線を落とし、 身体についた汚れをはらって。 彼女の手にある赤い果実を見れば、 ニッコリと笑って見せただろう。]
(178) 2018/05/22(Tue) 01時頃
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[声を潜めるニーナには同意して、 お言葉に甘えて背中に乗らせてもらう。 どちらかというと華奢なほうの私の身体は ニーナ程の力があれば難なく背負えるだろう。]
すまないな。よろしく頼んだ。
[ニーナの背中にしがみつき 西のほうへ向かう足取りを考えれば。
……あぁ、なるほど。「めいかい」珈琲店か。]
(179) 2018/05/22(Tue) 01時頃
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−盟海珈琲店−
[隠れ家のような雰囲気の喫茶店には 香ばしいコーヒーの香りが漂う。
ミッションの文章の解釈が合っていれば ここに果物を届ければいいはずだが。 果たして中の雰囲気はどんなだったか。]
(180) 2018/05/22(Tue) 01時頃
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[さて、入ったお店の中は、 ______何故か重苦しい空気が流れている。
若いマスターと、カウンターには 2人の客>>#11がいるようだが 何やらその姿は哀愁漂うもので。
原因の一つはメニューにあるらしく、 お店のお品書きを見れば、 あるデザートに横線が入っている。]
(198) 2018/05/22(Tue) 12時頃
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……あぷふぇるしゅとぅるーてる?
[みたことのないカタカナに首を傾げる私に、 ニーナはすかさず簡単な説明をしてくれた。 どうやらアップルパイのようなもので、 マスター曰く贔屓の取引先が潰れて 林檎が手に入らなくなってしまったそうだ。
そして事情を知らずに遥々やってきた男性が 肩を落としていると聞けば。 私はちらっとニーナと目を合わせ>>194]
だったら、このリンゴ使ってくれ。
[そう言ってニーナから渡されたリンゴを 若いマスターに差し出した。]
(199) 2018/05/22(Tue) 12時頃
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[ニーナのほうはどこかで見覚えのある 黄色い男性>>#12に話しかけに行った様子。
そりゃあ勝つときもあれば負けるときもあろうて。 ……ジェネシスは実は私もよくわからないけど。 そんな風に内心励ましながら。
まあワラワラ寄ってたかるのも悪いし、 私は少し離れた席で適当にコーヒーでも頼んで 暫し体を休めていただろう*]
(200) 2018/05/22(Tue) 12時頃
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−盟海珈琲店→−
[店を出れば、ニーナは早速 東のバナナストアへ向かうという。 ……バナナストアって、確か東エリアの しかも最東端にあるんじゃなかったっけ?
しかし先程の戦闘による身体の傷、 少しばかりこのままでは心もとない。]
すまない、私は少々兄間薬品に 立ち寄っていくつもりだ。 完全に私用だから、君は先に バナナストアに行っててくれないか?
[蕗之原ストリートを東に行くならば ちょうど道中に件の店はあるだろう。 私はそこでニーナを見送り、 店内へと入って行く**]
(202) 2018/05/22(Tue) 12時頃
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−兄間薬品−
[ニーナには強がっていたけれど、 怪我のほうは予想以上に思わしくなく。
よく見ると、みぞおちはもちろん タックルをかました際に肩にできたアザや 転がったときにできた傷なんかで 身体は思ったよりも満身創痍だった。
手当たり次第に湿布と鎮痛剤、 消毒液と包帯は昨日怪我した相方の分まで買って。 高所に手を伸ばせば、それだけで みぞおちの辺りに鈍痛が走る。
それでも人前でしかめっ面は見せず。 何よりもこの少女負けず嫌いだったから。**]
(205) 2018/05/22(Tue) 12時半頃
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−兄間薬品付近・路地裏−
[私は、人通りの多い交差点ではなく、 ほとんど人の通らない細い路地裏を選んで バナナストアへと向かっていた。]
(222) 2018/05/22(Tue) 18時半頃
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[雑踏で賑わう現代の都会の裏側、 ほとんど陽の当たることのない静かな路地。 私の歩むローファーの音だけが カツンカツンとコンクリートに響く。
目につくのはゴミか落書きばかり。 参加者はおろか死神の姿すらそこにはなく。
この身体で参加者に会いたくないという警戒心が 私を路地裏へと向かわせたのかもしれない。]
(223) 2018/05/22(Tue) 18時半頃
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[……しかし、私はそれに囚われるあまり 大事なことを失念していたのだろう。 警戒すべきはもっと他にあっただろうに。
______さらに入り組んだ薄暗い道で ビル影から突如として現れた黒い影。
深い漆黒を纏ったウルフは 僅かに口元に光る鋭い牙を向け 少女の中段目掛けて襲いかかった!]
(225) 2018/05/22(Tue) 18時半頃
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……っ!!
[私が気付いた時には既にゼロ距離で。
咄嗟に防御の構えを取ることもできず、 右足を踏み込んで回避を取ろうとする______]
(229) 2018/05/22(Tue) 18時半頃
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[その刹那。再び体芯に襲いかかる鈍痛。
一瞬硬直した身体は黒い影を交わしきれず、 ケモノの鋭牙は一瞬で右腕を紅に染めた。]
(230) 2018/05/22(Tue) 18時半頃
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きゃっ……!!
[血飛沫と共に、鋭い痛みが身体を襲う。 腕を見れば、牙による亀裂が2本。
着地したオオカミはまだ物足りなさそうに こちらを睨みつけて威嚇している。
もちろん奴を倒さなければならないが、 まずはこの傷をどうにかしなければ このままでは出血多量で倒れかねない!
私は急いでオオカミから距離をとり、 転がった包帯を拾って止血をした。]
(231) 2018/05/22(Tue) 18時半頃
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[ひとまず落ち着き体勢を立て直せば ようやく相方にテレパシーを試みる。]
兄間薬品の近くの路地裏に来てくれ。 ……正直マズいかもしれない。
[それでも、詳しい状況を話す暇もなく 二度目の襲撃が飛んでくれば、 今度は虹色の幕でなんとか交わして。]
とにかく急ぎだ!!
[それだけを伝えて、オオカミの方に向き直った。**]
(232) 2018/05/22(Tue) 18時半頃
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−回想・叶わぬ願い−
あー。あー。
[恐る恐る、それでも期待に胸を膨らませて 少女は声を発した。]
(249) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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[少女は二度目の手術を受けた。 今度の手術は、人工声帯を取り付けて 喋れるようになるための手術だった。
結果は見事成功。 少女の喉には新たな声帯が取り付けられ、 再び喋ることができるようになった。
家族も医者も友達も、 みんな少女のことを祝ってくれた。]
(250) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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[ある日家族がお祝いパーティーを開いた。
『良かったわね!また歌が歌えるわね!』
お母さんは涙を流してよろこんだ。 お父さんはご機嫌に酒を飲んでいた。
けれど、みんなが盛り上がる中で 本人は仏頂面のままだった。]
こんなのただの電子音じゃないか! 感情も何もない。私の声じゃない!!
[少女は突然手に入れたての声で叫ぶと、 バタン!!と大きな音を立てて 自分の部屋に閉じこもってしまった。]
(251) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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[少女は暗い部屋で泣き叫ぶ。]
誰が私の声を奪った? ______私の声を返せ!!*
(252) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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−現在・死闘−
はぁ……はぁ……
[私は顔を青くしながら 1匹の漆黒と対峙する。
オオカミが爪や牙を立てれば、 こちらも負けじと五線譜で応戦。 しのぎを削るギリギリの闘いの中で、 相方の姿はまだ現れず。
私は死ぬわけにはいかない。 声を諦めるわけにはいかない。]
(253) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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うああああああああああ!!!
[どんどん身体が蝕まれていく中で、 少女は残された力を振り絞って五線譜を生み出す。
それは少女の周りをただよい、 少女は五線譜を纏って音と一体化した。]
(254) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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[フッ______と一度息つけば、 少女はしゃがみ込んで。 覚悟を決めるようにして。
そして痛みを我慢しながらも 力の限りローファーで地面を蹴り、 遥か上空へ飛び上がった。
少女と共に纏わり付いた五線譜も 虹のスプリングを描いて。
そして少女の目がオオカミへ狙いをつければ。
2つの音が重なる時、 初めてハーモニーが生まれる。]
(255) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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ブラックシャウト・ハーモニクス!!
[虹のスクリューを纏った少女は 一気に地上めがけて飛び込んだ。
それは錐揉みしながら、 オオカミ目掛けて一直線に加速する。]
私は!!歌を!!諦めない!!
(256) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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[まさに少女が音と化し、 W音速Wへと辿り着いた時。 少女が勢いよく着弾すれば、 五線譜は弾け飛んで虹色の波と化す。
楽曲のフィナーレが路地裏に響き渡れば、 後に残るのはクレーター痕と少女のみ。]
(257) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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[少女に余力はなかった。]
はぁ……私はもうダメだ…… ちょっと休ませてくれよ……。
[顔面蒼白で呼吸もままならぬ少女は、 バタリと壁にもたれかかり、力なく崩れ落ちる。
たしかにオオカミは倒した。 しかし、それは群れの僅か一角に過ぎない。 少女の虚ろな目にうつったのは、 自分を取り囲む7匹のオオカミ達。**]
(258) 2018/05/22(Tue) 21時頃
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ほんとにすまない……
[駆けつけてくれた相方>>293に 私はまともに答えることができず。
私を庇うように立ち塞がる時音に 黒いオオカミ達は刃向かっていくのを ただ見つめるしかなかった。]
(315) 2018/05/23(Wed) 00時頃
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[しかしそれも長くは続かず。 多勢に無勢か、相方は足に攻撃を受け、 自身を狙う黒い影>>297が私の目に入った。
しかし、私にはもう抵抗する力はない。]
本当にすまなかったな…… 私が歌うことさえできれば、 お前も笑うことができたのかな。
ふっ、こんな時に私何言ってるんだろな……
[私の前で立ち塞がっている 決して笑うことのなかった相方に 消え入るような目で微笑みかけて。]
(317) 2018/05/23(Wed) 00時頃
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−回想・歌との出会い−
[まだ少女が幼かった頃のお話。 しゃべる言葉すらもおぼつかず、 歌なんてまだ知らなかった頃。
少女はお母さんの腕の中で 綺麗な歌声に聞き入っていた。
こもれびのなかで みんなでうたおう あなたもわたしも みんなでうたおう みんなでうたえば せかいがまわるよ みんなでうたって てとてをつなごう
思えば、あれが歌との出会い。 あの歌があったから私は歌を好きになれた。
けれど、その記憶はあの日少女から消えて。]
(318) 2018/05/23(Wed) 00時頃
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あぁ、結局私に 歌声は戻って来ないんだな……
[哀しみの目で呟いた、最期の言葉。]
(319) 2018/05/23(Wed) 00時頃
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[永遠の暗転。**]
(320) 2018/05/23(Wed) 00時頃
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