219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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[かつての二度目の死。 その時の彼の笑みは、唯の諦めであったのだろう、と。 死神がその結論に至ったのは、数日前。 白いドレスを赤に染めた少女の問いに答えた時であった。
逃れえぬ死を与えた僕に対してのものでなく、 ただ、自分に対してのものであったなら、 そうだ、何ら悩むことはない。 今までと同じように、生に縋りつき、貪ればいいだけだ。
そう、思っていたのだけれど。]
(@80) 2017/06/24(Sat) 19時頃
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―6th Day: 呉商堂書店前―
[唯、見ていた。 崩れ落ちる藤色を。その命を手折る刀を。>>242
多分、あの時とは違った。 茫然とする僕の肩を叩いて、 手を引いてくれた喪服の死神程、 僕は優しい死神ではない。
傍らに控えていたノイズを虚に戻し、 残された青年>>259に声をかけることもせずに、 僕は黒い羽根を広げたことだろう。
だって、あの状況で、 どんな言葉を発しろっていうんだい?]
(@81) 2017/06/24(Sat) 19時頃
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―東エリア/沈黙の羊像付近―
[藤色の着物を着た彼は、 騙し討ちのような手を取った自分に対しても、 恨み言をいうことはなかった。 ただ、パートナーを生かせるのか、否か。 最期に問われた問いかけと、先程至ったはずの結論は、 どう考えても矛盾しているわけで。
死神は、はぁ、と深い息を吐いた。 胸の辺りを押さえる。 別に、傷を負ったわけではないけれど。 矢張り、自分は命のある限り、 この問答から抜け出すことはできないらしい。 全く、厄介なことで。*]
(@82) 2017/06/24(Sat) 19時頃
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―7th Day:北エリア/44アイスクリーム前―
[切り裂かれた腕が、ざく、と嫌な音を立てた。 鈍い痛みが走るそれとは逆の腕で、 黒い鴉の頭をひっぱたいてやれば、 片翼を痙攣させ、鴉は地に落ちる。
それを一瞥したのち、僕は新品のナイフで、 自分の肩口を切り裂いて、鴉に触れる。 そうして、鶏肉さながらにぐったりとした黒いノイズを、 ぽい、と放り投げて、サメの腹に収める。 ただ、そんなことを繰り返していた。
昨日は7日分程度じゃ足りない位に、散々働いたのだ。 今日は目立つ動きをするつもりは毛頭ない。]
(@83) 2017/06/24(Sat) 19時頃
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[それに。
生き返ろうと無我夢中で抗う、参加者の姿― 間違いがあれば正すことが出来る、 未来に足跡を残すことが出来る人間の姿は、 過去の遺物からすれば、眩しいことこの上ないわけで。 最終日とくれば、猶更。
死神は、青に活気を奪われつつある街の隅で、 ひとり、甘味を貪っている。
あぁ、もちろん、豆腐きな粉ピーマンオレンジではない。 それは、いつかのお楽しみの時にまで、取っておこう。**]
(@84) 2017/06/24(Sat) 19時頃
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