14 学校であった怖い話 1夜目
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[目を開けると、世界は薄く紗にかかっていた。 暁の薄暗闇のような、かと思えば 溶かしたミルクの曇りガラスのような、 ビー玉をすかしてみているような、遠さだ]
あれ、 せかいが とおい
[生が絶たれた時、何が起こったか...にはわからない。 ブラウン管テレビを消した時みたいに、 意識の紐がいきなりぶっつり引かれて切れた。 賛美歌のような声が聞こえて、空間を割って光が 漏れ出して……闇が割れ目に盛り上がって閉じた。 光は差さない。天使は迎えに来ない。
地獄に連れる車も…見えない]
えと、…はは、しんだのかな
(+0) 2010/07/22(Thu) 19時頃
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[体が地球の中心に引っ張られる感じがする。 深い眠りに入る直前のあの感じだ。 そして...の魂は慣れ親しんだ体から抜け出た]
わー、軽い ははは、楽だ〜
[長年共にした違和感も咽に感じない、 肉を喪った体は楽だった。 自分が何に、何のために殺されたのか、 これからどうなってしまうのか、いまは何も考えず のろわれた体からの解放を単純に*喜んでいた*]
(+1) 2010/07/22(Thu) 19時頃
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[ふと、意識が遠くなる。そして、気がついたときには…足元のない暗闇。
一瞬、目がくらむ。そして、ぼんやりと聞こえたのはセシルの笑い声。あぁ。私はこれで死ぬのだろうと察し、一度目を閉じる。
ふと。サイモンが死んだ時を思い出す。もしかしたら…これを生徒たちは見ているかもしれない。彼の断末魔が聞こえた様に、私の声も聞こえるかも…。そう思い、叫ぶ。]
お前たちは……悪くないよ。
[叫んだつもりだが、声がかすれて出ない。この期に及んで死ぬ恐怖に囚われたんだろうか。
セシルは、無残に人が死ぬところをあまりにも見過ぎた。だから、自らの肉体を滅ぼし、鬼になった。だが、私は幸いにも、殺す立場には回っていない。
『ある意味、死ぬって幸運なのだろうねぇ。』
そう思い、ほほ笑んだ直後、彼女の肉体は……はじけ飛んだ。]
(+2) 2010/07/22(Thu) 21時頃
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[しばらくすると、周りが見えるようになる。白んでゆく空のような世界。]
はぁ。天国に来たと思ったら、こんなところだったのかい。もっと豪華な食事とか用意してくれるんじゃないのかい?
[自分が死んでいると思うと、気が楽になる。もう、生きているときに味わう、あの独特の息苦しい感覚がなくなるのだから。
ぼんやりした世界で、マリアンヌ自身もぼんやりとする。すると、セシルの声が聞こえてくる…。
セシルは、自分がなぜ死を選んだか。そして、ここはどんな世界なのかを私達―新しく、死の世界へと旅立ってきた者達―に説明をした。]
へぇ…ここはそんな所かい…。
[鬼退治が終わるまでは、私もこのぼんやりした世界で、ぼんやりとしているのだろう。
その後のことは、またその時に考えよう。そう思い、一時的な魂の休息を楽しむ。]
(+3) 2010/07/22(Thu) 22時頃
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[水の底から水面を眺めるようだ。 自分を探すみんなが見える]
はーい! ここにいるよー! おーい
[オスカーに手を振っても、ホリーの顔を覗き込んでも パティやテッドにおそるおそる触っても、 手ごたえはない。 透ける手の間から見える肉を、魂は簡単につきぬけてしまう]
はあ、だめだこりゃ
死んだんだね、わたし
(+4) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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[もう、何もできないんだ。 病に蝕まれ、重い体をしばりつける重力のくびきから 解き放たれるのは、同時に生への干渉の全てを 断ち切られるということだった]
やりたいことなんて、別にないなって思ってたのに いざ死んだら、 つまんないんだね
[皆が私のことを探している。ありがたいことだ。 しかし自分が見つかることはないだろう]
死体もないなら、生きてたかどうかもわからないよ もっと高校生みたいなこと、したかったな…
(+5) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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[死の蜜の中、ぬるむ水深くたゆたうようだ。 ...が生前持っていた長くやわらかい栗色の髪が、 霊体となった今も在りし日のように広がり、 ...の顔まわりを流動的に包む。 リボンになって流れる髪の毛を透かして なじみ深い大柄の体を見つけて、声を上げた]
……あ、おばさん!
(+6) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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[マリアンヌおばさんだ。 都合4年お世話になったこの親切なおばさんは 教師以外で...が1年生からの思い出を共有できる、 数少ない人物だった。親愛と、何より突如 与えられた横暴な「死」を共有できる只一人の相手に 暗い共感が心に湧き上がった]
おばさんも、死ん、…… ううん、殺されたんだね
[普段なら絶対に使わない「殺される」という 恨みの篭った強い言葉を、恐れながらも口にした。 すると...の心に、冷たい力が宿った気がした]
(+7) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2010/07/23(Fri) 00時半頃
アイリスは、ノックスの告白に目をむいて動向を見守っている
2010/07/23(Fri) 00時半頃
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[その時、生きている者たちが大きくどよめいた。 どこかひきつるような印象でしゃべる ノックスの声音が耳にひっかかり、彼の告白を ...も並んで聞き入った。 衝撃の告白が並ぶ。...は両手で顔を包み込み、 大きく息を吸い込む。吸い込み続ける。 肉体の癖を引きずっている。過呼吸の状態だ。 目は丸く開かれ、髪の毛はぶわっと逆立った]
そ、そんな わたし なんで そんな風に 死なないといけなかったの?
[脈絡のない言葉の羅列が続く。 こっくりさんだと名乗るノックスの独白の裏に 自分がどんな風に死んだかのビジョンが重なって見えた]
……はぁっ …う… あ…
[それも霊体の一部になるのだろうか。 一筋の涙が...の頬をつたった]
(+8) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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[逆立った髪の毛が、力なく空間に降りてくる]
おばさんだって、そうだよ 何でいま 殺されなきゃ いけなかったの?
おばさんは何も 怖いことなんてなかったのに ただ一人で いただけじゃん だったら わたしだって 一人が怖がられるなら、わたしだって おんなしだよ…
[マリアンヌの方を見て、顔を伏せた どんぐりまなこに涙がぷくっと膨れて溢れ、 溜まってしまう。一人の異端が恐れられる、 その構図は同学年の友達に先輩と呼ばれ 遠巻きにされる自分とかぶったように勝手に思った]
(+9) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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[ラルフたちの呼ぶ番号の着信は、 もう二度と届くことはない。 彼らが自分に電話をかけ、そうして聞いている ホワイトノイズが、彼らに知覚できる 今の自分の最大限の姿なのか。無力だった]
…生きてるときに、もっとみんなと 携帯でお話したり、カラオケしたり、 外で遊んだり、したかったよ…
[鳴らない、電話。 ポケットから携帯電話を取り出すと、 不慣れな動作で投げ捨てた。 青白い霊体となって存在していた携帯電話は、 ...の手から離れると、小さな孤を描き 地に着く前に煙となって*消えた*]
(+10) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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[アイリスの涙を見ると…胸が熱くなる。]
今のうちに泣いておきな…。好きなだけ泣きな…。まだまだ先は長くて、ここにもたくさんの人が来たら、今度はその人の涙を受け止めないといけないんだから…。
[そういった後、突然笑顔になってこう話しかける。]
後、私がみんなに『殺された』なんて思っちゃいけないよ。みんなが、私が人を殺すことで辛く感じない様にしてくれた。そう思わないと。
(+11) 2010/07/23(Fri) 16時半頃
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だから…絶対に今生きてる人達を恨んじゃいけないよ。
一人だったって?そんなことあるかい。アイリスの姿が見えなくなったって言って、ここのみんなが心配してるじゃないか。
[アイリスの悩みが。アイリスの悲しみが。アイリスの感情が鬼を作る。そう思った。きっと、セシルも同じような感情を抱き、鬼という異形であることを選んだのだろう。]
だから…アイリスは一人じゃない。私だって…いるじゃないか。
[死んだ私に出来ること…それは、鬼をこれ以上増やさないこと。そう信じ、アイリスに語りかける。]
(+12) 2010/07/23(Fri) 17時頃
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……おばさん
[涙が頬を伝って、そのまま蒸発するように消えた ...は顔を上げて、自分と同じように肉を持たず ただ浮かびあがるだけの存在となった マリアンヌを見つめた]
う、ううう、うああぁっ やだよ、一人はやだったよおっ
[肩の力を抜き脱力して、子供のように泣いた。 マリアンヌが許せば、かつて柔らかく 温かかっただろうまるい体に、抱きつくようにして すがりつくだろう。今のうちに泣いておきな、 とやさしくかけられた言葉に、甘える子供だった。
慟哭がしゃくりまじりのすすり泣きに代わり、 やがて震える肩も落ち着くのだろう]
(+13) 2010/07/24(Sat) 01時半頃
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たくさんの人が、来たらか… 私、わたしセシルみたいに、なりたくない セシルは かわいそうだよね? わたしはかわいそうって 思われたくない… つらいからなにしてもいいって なりたくない 生きてた時の 気持ちを捨てたくはないよ
[背後ではパティとホリーが、喧々諤々の言い争いを 繰り広げていた。コックリさんだと告白した ノックスの独白は毒白となって、 皆の耳に流れ追い立てているのだろう]
でもね? でもね… 「ここにもたくさんの人が来たら」って… そう思うと もっと来ればいいのに みんな 来ればいいのに って思っちゃうんだ
(+14) 2010/07/24(Sat) 01時半頃
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それってダメだよね? 鬼みたいだよね 病気がいやで、し、死にたい気持ちもちょっと… あったかもしれないくらいなのに わたし
おばさん…わたしたちは1人じゃないよね? おばさんが いるよね
[すがりつくようにに、腫れた目で見上げ、 やがて生きている者たちの狂騒に目を向けた…]
(+15) 2010/07/24(Sat) 01時半頃
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[時が流れる。場も動く… しばらくしてふと思い立ったように、 生存者たちに歩み寄った。 立ち上がったノックスの周りを歩きながら、 顔を覗き込んでみる。反応はない、のか?]
…つぎは この人 こっち 来るみたいだね この人の話じゃ 心霊の世界も新入りは いじめられるみたいだね
うまくやっていけるかな ちょっと心配だけど ………
[言葉に情感はこもっていなかった。 無表情に、ノックスの頬をつついて指がそのま 突き通るに任せて遊んでいた]
(+16) 2010/07/24(Sat) 02時頃
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もう一人 誰かやってくるのかな この人が言ってた「区切り」の話が ほんとなら それが ホリーや …オスカーじゃ なかったらいいな
[短い時間ではあるが、心根を通わせたような 気になれた彼らが生きて帰れたとしたら、 そのこと自身で自分も代償を得られる気がした 包丁を持ったオスカーの手、激しい怒りを 顕にしたホリーの表情をフォーカスしながら 祈るように手を組んだ]
(+17) 2010/07/24(Sat) 02時頃
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[何もない空間に、背中から倒れた。 と思ったら、柔らかいクッションのように ...の体を抱きとめた。 霊体としての在り様に、慣れてきた]
オスカー、君は生き延びるんだよ がんばれ…!
(+18) 2010/07/24(Sat) 03時頃
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