158 Anotherday for "wolves"
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 03時頃
徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 03時頃
捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 03時頃
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[―――…どうして…と、]
[サイラスが、 クラリッサが、 ベネットが、]
[裏手に居た者たちが口々に繰り返す。 その言葉に、 獣の姿から戻ろうとしない男は 低く唸るだけで口を閉ざし続けている。]
(+0) 2015/05/19(Tue) 04時半頃
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[―――…どうして…、]
(本当は、夜に逃げだすつもりだったんだ。) (でも火事が起きてしまった。) (消火活動でみんな起きているから逃げれなかった。)
(+1) 2015/05/19(Tue) 04時半頃
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[―――…どうして…、]
(森の中を抜けれないかも考えたんだ。) (けれども罠が張り巡らされてることを知った。) (これじゃあ、村から出ても死んでしまう。)
(+2) 2015/05/19(Tue) 04時半頃
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[―――…どうして…、]
(どこにももう逃げられる場所はなかったんだ。) (なら、逃げられるようにするしかなかった。) (彼女を疑うかもしれない人達を、 1人ずつ仕留めていくことしか思い浮かばなかった。)
(+3) 2015/05/19(Tue) 04時半頃
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[―――…どうして…、]
(失敗したから話さないんだ。) (だって人の姿に戻ったら…、) (喋らなくてはならなくなったら、)
(掟破りを不問にされたら…、)
(+4) 2015/05/19(Tue) 04時半頃
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[―――…どうして…、]
(俺には教えてくれたんだ。) (あの時、泣きながら。) ("本当のこと"を明かしてくれた。)
(大事だよ…、だから。) (守らなきゃ――――**)
(+5) 2015/05/19(Tue) 04時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 04時半頃
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─ ???・闇に沈む木の下で ─
[彼に背を向けるのは、怖いからだ。臆病だからだ。 なけなしの勇気は、彼の姿を見た時点で底をついてしまった。 彼をこんな姿にしたのは、 こんな死に方をさせてしまった切欠をつくったのは自分。
熱かっただろう、痛かっただろう。 苦しかっただろう。
…───彼に負わせてしまった苦痛、 そしてあの子らに負わせた罪の、いわば体現がここにあるのだ]
(+6) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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……………、
[名を呼ばれて>>4:+102も、振り向けなかった。 けれど足が動くこともなかった。未練だ。 恐怖が旧い友に背を向けさせ、未練が足を止めさせる。 なんて様だ。これじゃあ、何も変わらない]
(+7) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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……、どうして、君は、
[どうして。 どうして彼は、こんなにも強く優しく在れるのだろう。 柔らかな口調が、向ける気遣いだったことは分かってる。
何故?どうしてそんな気遣いが、彼は出来るのか。 自分のほうが辛かっただろうなんて。
( …───そうか、生前もそうだった。 )
時折ちらりと向く視線に、 妻の墓に無言で手向け続けられてきた花束に。 友の優しさを、気遣いを、後悔を自分は確かに感じていて、 だからこそ……より一層つらかったのに]
(+8) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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[…ああ、そうだった。 ひとつ、思い出したように幽霊は開いた喉を掴んで小さく俯く。 八年前のあの日なくしたのは、愛しい妻だけではなかったと。 なくしてしまったもうひとつの大切なもの、
─── 大切な友をも、なくしてしまったのだと]
(+9) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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っ、
[とん、とん、と。 暖かな手が、後ろから肩を叩いて撫でる>>4:+103 それに息が詰まった]
っ、〜〜〜…っ
[胸の奥から啜り上げる衝動が来て、肩が震える。 口が、必要のなくなったはずの息を吸い込んだ。 ぱたりぱたりと落ちる、それは喉からの血ではなく透明な、
… 涙が 。 ]
(+10) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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うっ……、
っ… 〜〜っ、
[俯いたまま啜り上げる、その喉から空気の漏れることはない。 影が生前の姿を少し取り戻すように、 幽霊もまた、自ら流す涙に現れるように昔の姿を戻しつつある。
それは生前の姿に少し似て、 けれどほんの僅かに違うようだった。
八年前。 友を友と呼べた頃の姿を、男はゆるやかに戻しつつある]
(+11) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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[こんなに泣いたも久しぶり、…八年ぶりだ。 けれど今度の涙はあの頃とは違い、 涙が何かを押し流してくれるかのようだった。
尤も八年積もった澱は重たくて、 そう簡単に消え去るものか分かりはしないが]
(+12) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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…………───、
[振り返り、有無を言わさず彼の肩を抱きこんだ。 肩口に額を預ける形で、がしりと肩に腕を回す。 昔、ふざけて内緒話をした時と同じ形で]
… スティーヴ、
[くぐもった声が、彼の愛称を呼ぶ。 それは多分、昔の響きに良く似ているようで、 八年の歳月の分、昔とは少し違っているのだけれども]
───…ごめん、
[再び繰り返す。そして]
(+13) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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[彼にだけ響く音量でもうひとつを囁いた。 風がさやかに、かつて共に登った木の梢を揺らしている。 その木の下、涙は暫く止みそうに*なかった*]
(+14) 2015/05/19(Tue) 14時頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 14時頃
宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 15時半頃
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─???・闇に沈む木の下─
([雨の音が聞こえる]) [温度の感じられない背中を何度も撫で、 溢れるような友の嗚咽を聞いていた]
っ、
[目を見開いた。 昔、内緒話をした時と同じように 肩を抱き込まれて、 肩口に額を押し付けられる。 懐かしい感覚だと思った。]
(+15) 2015/05/19(Tue) 16時頃
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なんだい、ルパート。
[静かに囁くように、呼び声に応える。 口調自体は昔、彼に向けたものと変わらぬ、 柔らかいもののまま。
繰り返される「ごめん」。 もう、いいのに、と目を伏せた。 それから]
(+16) 2015/05/19(Tue) 16時頃
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…………っ。 ………。
[黙って息を吐き、 そっとルパートの背に手を添えた。]
[誰かの涙を拭う役目は医者の領分ではない]
[別にこうして許されたかったわけでもない。
何より彼を彼の家族を悲しませ、 孤独に立たせた 自分自身が許せなかったから、 恨みも、怒りも、焼かれる痛みさえ──。]
( ……それでも、 まだ僕は僕を許せはしないが。)
(+17) 2015/05/19(Tue) 16時頃
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[まだ村では悲しみが巻き起こり ルパートも己も、それを見続ける限り悲しみからは逃れ得ない。──それでも]
( この…僕らの生が終わってしまった後でも、
君を友と呼ぶことくらいは、 許されるのだろうか。)
[──かつて共に野を駆け、馬鹿騒ぎをし、笑った旧友よ。]
[何度も彼の背を撫で肩口に涙を受けながら 静かに揺れる木を仰ぎ、真っ暗な天の下、 せりあがる苦さを一つ飲み干した。*]
(+18) 2015/05/19(Tue) 16時頃
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[ルパートの涙が枯れる頃。 とんとんと再度背を叩き、 泣きはらした顔を見た。 何かを考えるよう眉根に皺が入ったのは一瞬]
……しかし、まあ。
( [少し若くなった彼の姿を見ている] )
───……白髪が増えてたなあ、君は。 くくっ。
[そう言って、 鳶色の目を(どこか窺うように)見ては けらり、意地の悪い笑みを浮かべた。 どこかへ、蒲公英の綿毛が飛んでいく。]
([頬に一筋だけ伝った雫は、 暗闇のせいで見えないことを願った]**)
(+19) 2015/05/19(Tue) 16時頃
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ああ、
[やがて涙が枯れると、ひとつ心の痞えが下りた気がして、 ただ、冷静さが戻るとどうも若干の居心地の悪さがあるのは、 致し方のないことか。 …幾ら姿が多少変わろうとも、中身まで若返るわけじゃない]
……、悪い。
[それに幾らこうしたところで過去が消えるはずもなく、 彼に自分を殺させた事実は変わりはしないし、 彼に苦しみを味あわせ続けた事実にも変わりはしないが]
(+20) 2015/05/19(Tue) 18時頃
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スティーヴ…、
[ぐ。と、彼の肩を手で押し少し遠ざけ、友の顔を見る。 しみじみと見れば、何だか久しぶりだなと思った。 きちんとこの顔を正面から見るなんて、いつぶりだろう]
君はやっぱり、
[言いかけた言葉を意地の悪い笑みが遮る>>+19 けらりと韜晦するかの笑みに、頬が上がった。 手を当てていた肩を、──こん。と、一度小突いてやる]
( … ひとがいいなあ。 )
[口に出せば、何を言われるか分からない感想を裡に置き。 窺うように向いた琥珀に、にやと笑みを向けてやる。 かつて向けたと同じようにして]
(+21) 2015/05/19(Tue) 18時頃
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…─── 薄く、なったなあ。
[一瞬の眉間の皺には沈黙を置き、音にしたのは別のこと。 仕返しとばかり、若干危うい生え際にちらり目を向けて]
─────…、
[ぱしん。と、軽く旧い友の肩を叩いた。 月にきらりと光った雫は見ないフリしてやって、 遠く、闇の空を*振り仰いだ*]
(+22) 2015/05/19(Tue) 18時頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 18時頃
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―― 四日目/宿屋裏手 ――
[ 歩く必要すらないと識ったのは、 ほんのすこうし前のこと。 だいじなだいじな友達の、暗闇を裂く悲鳴>>4:321に わたしはいつもの勝手口へと風を切る。
サイラスの声、クラリッサの悲鳴、獣の息遣い。]
メアリー!? クラリッサ! …サイラス!
[襲われているのは誰なのか、打たぬ臓が凍るようで
聞いたことも無いような悲痛な声で取り乱す彼女>>4:341の 地を蹴る足音の数が変わり>>4:342、増えるおと>>4:340
……グレッグ……! メアリー、やめて!!!
あの仲の良い兄妹が、そんな。 さわりと背筋を撫でる寒気に軽いほうの足音へ手を伸ばせば、ふわりと香るアネモネ。]
(+23) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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[ わたしの腕を風のようにすり抜けていくメアリーと 地面に倒れ、躰を潰され>>4:345 不自然に歪む呼吸音。 このまま骨の折れる音が聞こえてしまうのだろうかと わたしは震える右手を 朱い糸ごと上から押さえた。
けれど続いたのは、重苦しい呻き>>4:346と 周囲皆敵だと言わんばかりの聞いたこともない声>>4:359]
メアリー………、殺すだなんて……。
[ わたしのしらない、メアリー。 お父さんを喪って、村中から疑われて、 すっかり変わってしまった ……ともだち。 ずきずきと痛んだ、胸のなか。
静かだけれど力のこもった声>>4:364がそれに応えて]
(+24) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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[ ―― ぞわりと湧く恐怖。
サイラスが、メアリーを殺す。 メアリーが、サイラスを殺す。 考えただけで思考は止まってしまいそうになるけれど]
ありえないことじゃ …、ない……。
[ 市長さんのお葬式で、いちばん泣いてた奥様が わたしの父を縊り殺して 嗤っていたのを知っているから。
優しいひとほど、いとも簡単に歪んでしまうんだ。]
サイラス………、 メアリー……グレッグ。 どうか、じぶんを大切にして。
…… 壊れてしまわないように。
[優しい言葉>>4:376と、厳しいことば>>4:378を抱き寄せて 背中を包もうにも、触れられぬ今となっては たいせつな彼の背の位置すら おぼろげで ]
(+25) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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[ 集会の日、背後に感じた焔を思い出して、 ひどく身勝手に 誰かの上にも奇跡が降るのを願いながら わたしはひとつの祈りを自分に課す。
せめて わたしは変わらずに。
誰の手が 誰の血で染まろうと、 "いつも"のまんまで在るのだと。
刻はいつか。
どこか冷えた風と雁が啼く空を仰いで 決意だけを 祈った。 **]
(+26) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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[鳶色、今は赤い目がこちらをしみじみと見た。] [内心恐る恐る投げかけた冗談に 上がる口の端に、ほっとするのも束の間]
、
[ 琥珀色を見開いて、それから、 ルパートの視線が向いた先を察する。 昔と変わらない冗談の応酬が返って来て 頬にわずか緊張が走る。]
(――煩い、馬鹿)
[何かを言いかけたところ ぱしん、と肩を叩かれ閉口した。]
〜〜〜っ
(+27) 2015/05/19(Tue) 21時半頃
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…………無くなる前に死んでよかったかもなあ、
[ふと笑みを零して、(そっと生え際を気にした) (見ないフリされたものに関しては、 自分も見ないフリをして) 遠く空を振り仰ぐ友の視線の先を追う。
塗り潰したような夜空に、転々と穴穿つように 瞬く星々と、煌々と照る月。 いつか見上げたものと同じ空がそこにある。 彷徨う亡霊を導く事はけして無い。]
――………………。
[ざらら、と風が地を撫でていく。 肩に置かれた皺だらけの掌に触れて、 そっと降ろさせた。]
[ 暫く、黙っていた。]
(+28) 2015/05/19(Tue) 21時半頃
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( 君が本当は、人を、族長を殺したのかどうか 知らない。何も知らない。 )
[宿屋の一室であんな反応をしたのだから、 きっと何かしら、知ってはいるのだろう。 そうは思うが、具体的に聞く気にはなれない。]
[おもむろに口を開く]
……。 この騒動の犯人はさ、 何を変えようとしているんだろうなあ。
[人を殺し、族長を弑し、同族を傷つけ すべては彼らが昨日と違う今日を求めた結果。
そうしなければ求められず そうしなければ変えられなかったもの。 それは、なんなのだろう。]
(+29) 2015/05/19(Tue) 21時半頃
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これ以上湿っぽくてもカビるだけな気がするが 見届けなきゃあならんのだろうと――
……そう、思ってさ。
[一歩、また一歩 森から村へと踏み出せば 生前の姿を辛うじて保ちながらも、時折その形は暗く翳る。
男は振り返り、 琥珀色の目をゆるく撓めて、ルパートを見る。]
(+30) 2015/05/19(Tue) 21時半頃
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君はどうする。
[グレッグの事も、メアリーが疑われていた事も、 特には知らない。 それでも、遺された彼の家族にとって 今が苦しいだろうということは想像に難くない。 それをルパートが見れば苦しむだろうな、という事も。
見ないままでいる選択肢もある。 問いを投げかける双眸は、只管に凪いでいる。**]
(+31) 2015/05/19(Tue) 21時半頃
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―未明・宿屋裏手― [―――――――…、]
……うん、そうしようかな…。 ここ、何日か…ちゃんと眠れてなかったんだ。
[>>18その呟きは、サイラスの傍から。 彼へ向けて、誰にも聞こえない場所へ、消える。 骸となった狼と、手を下した青年。 そのすぐ隣に、人の型をした男は佇んでいた。]
(+32) 2015/05/19(Tue) 23時頃
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[月明かりの下で隠れたサイラスの顔。 そのサイラスの表情に、 男は少し困ったように眉を下げて。]
――…泣くなよ、サイラス。 …それが、自分の為なら止めないけどさ。
[血に混じり落ちていく涙は誰の為のものだろう。 もう戻らぬ彼女を想ってか、 それとも同胞に手を掛けてしまった自分の為か、]
……頼むからさ、 俺の為には、泣かないでよ…サイラス。 …俺は…クラリッサをあのまま殺せていたらさ、 多分次は、サイラス…お前を狙ってたんだ。
[眠らされた為かほとんど苦しむことはなかった。 禁忌をおかして村の均衡を更に揺るがした人狼に 与えられた死は、どこまでも優しい方法で。]
(+33) 2015/05/19(Tue) 23時頃
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……ほんと。 人が好くて―――――…お節介だよね。
[隙あらば今にも襲わんと。 獣の型を取り続けていたあの時ですら、 >>4:376この男は此方の怪我を気にかけていたのだ。 苦笑交じりに呟いて狼の骸を担いでいく姿を見送った。]
(+34) 2015/05/19(Tue) 23時頃
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[まだ意識を戻さぬメアリーの姿に視線を移して、 目を細め、けれども男は今はそれ以上言葉を紡がない。
望まない、と"彼女"は言った。 望んだのは、"男"だった。
誰でもない、自分の為に選んだ。その結末。 男の死を知るその時、"彼女"は何を思うだろう…。
従妹が意識を取り戻すよりも先、 男の姿は静かに闇の中へと溶けて行く。]
(+35) 2015/05/19(Tue) 23時頃
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[先程まで、"自分"の居た場所。 貫かれて地面に広がったままの血、その赤。 夜の色の中に赤は黒ずんでそこに在る。]
[赤い、色。]
(―――…一番似合っていた、ワンピース。)
[あかい、色。]
(―――…憧れの背、その人の髪。)
[紅い、色。]
(―――…たくさんの星が瞬く、自分だけが知る空。**)
(+36) 2015/05/19(Tue) 23時頃
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なんだ、気にしてたのかい。
[髪の話題>>+27には、くっと噴きだすように小さく笑い。 わざとらしく、ちらと視線を上へとあげた。 琥珀がじろりと睨み来れば、 笑み含んだ赤い鳶の瞳を涼しい顔で逸らして。
そうして闇に光る白い月、 やたらと生前のまま映る景色を眺めながら口を閉ざした。 素直に綺麗だなと思う。 今更、あの空に手を伸ばし救いを求める気もありはしないが]
(+37) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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[沈黙。互いに互いの思いで暗い空を眺めていた。 心はこれまでになく凪いでいる。 一度、彼の肩に置いていた手に手を触れられて、 その時ちらりと彼の横顔へと目を向けた。
生前と、昔と代わらず真摯に映るその横顔に目を細める。 八年前のキャサリンのこと、自分のこと。
結局まだ気にしているのだろうと、 死ぬまで──…死んでいるが、 消えるまで気にしているのじゃないかとすら思う。 …薄くなりつつあった、髪と同じに]
(+38) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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[沈黙を破る声>>+29があった。 問いならぬ問いに、再びちらと目を向ける。 視線が交わることはなかった。 だから男も、また空を仰ぎながら言葉を落とす]
…───、さあ 、なあ…。
[返す声色は少し茫洋として、 あの空の星への距離を問われたかのように、 少し、想像を広げるかの間を置いた]
(+39) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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………けど、
…… けど、……
[躊躇うように、少し沈黙は落ち]
(+40) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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…なあ。 我らには…この村の人狼族には。 少しでも、ほんの少しでも、 あの子らの声を聞く余地はなかっただろうか。 同胞の声を聞く余地はなかったろうか。 同族を罰する殺すという前に。
…───少しでも声を聞いて貰えたなら、
[或いは、と。 顔は空へ向けたまま、自らに重ね合わせるように呟いた。 自分とて、妻が助けられるなら同じことをした。 同じことをして、逃げ場を失えばさて…どうしたことか]
…。 私は、彼らを助けたかったよ。
(+41) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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[あの子らと呼び、彼らと呼ぶ。 犯人とも裏切り者とも呼ばれる者らと、 心通じていたこと隠す気は元よりなく。
少し、間が途切れる。 躊躇うように傍らを見、ゆるく口を開いた]
…… ”犯人”と呼ばれる者が、 私だけで済めば良かったのだが。
[そう願っていたと低く零して]
(+42) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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だから僕は、とうに心で裏切っていたんだよ。 族長の意に抗ったのは、確かにこの私だ。 同族を殺したいと思ったことはなかったが、…
[見殺しにしたことはあるとまでは言わず、口を閉ざした。 己が手を汚したと、思われるならそれで良いのだ。 村医者は何も間違えたことはしていない。 問われずあるならば、だからそれ以上を語ることもまたなく]
(+43) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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|
ああ。行くよ。 何も出来なくとも──…
[傍にいてもいいですよね、と。 やさしい少女の声>>4:+49が、ふと脳裏を過ぎる。 その面影にゆっくりと瞬いて、そして小さく首を振る。 そうじゃない。自分はそれ程綺麗なものではなくて]
… あの子らの、傍に居たいんだ。
[己の我侭な狂気の末路、その末を。 見届けることを選び、男もまた森から足を*踏み出した*]
(+44) 2015/05/20(Wed) 00時半頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 00時半頃
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― 4日目 投票 ―
[粛清を決める投票に、全員が集まるはずの集会場。 わたしは足音、声を何度も確認して、ようやく。
居るはずのひとが居ないことに気付くんだ。]
…………せんせ…?
[さあ、と風が砂塵を巻き上げて 揺れぬ黒髪を通り過ぎ 吹き抜けた先は通い慣れた診療所。
そんなわたしの揺らめく心を嘲笑うかのように 箱は静かに今日の死者の名前を吐き出した。
――グレッグ・シーボル
彼への死の宣告と同時に決まった メアリーの孤独。 いっそ予告なしに奪われた方がましなのではと思う位に 決められた未来は、夜の帳と共に落ちていった。]
(+45) 2015/05/20(Wed) 02時頃
|
|
[ (もしかしたら、具合が悪いだとか) (誰かが大怪我をして忙しいだとか) (そうよ、だって大火事があったんだもの) (きっと忙しくって来られないんだ) ]
そう、よね。 きっと そう。
[手首の絹がはらりと緩み、手を下げれば落ちてしまうほど。 さら、さらと揺れた束を撫でれば ひとつ正緒を吐き出して 風に揺られて何処かへ伸びる。 手繰っても 手繰っても 終わりのない細い生糸。]
グレッグ……。 (サイラス…。)
[父からも 兄からも 遺されるあの子の叫びが 耳の裏に響いて離れない。 ――サイラスは”終わったら”あそこへ来るだろうから わたしは彼が選んだ責務に目を細めて 背を送る。
( どうか、彼と彼が 安らかであるように ) ]
(+46) 2015/05/20(Wed) 02時頃
|
|
グレッグ、 また、ね。
[ ルパートさんに ”会えた” から>>4:+44 これから世界に別れを告げる彼へ、わたしだけは
再会を願うことばを餞に。
ざわり、木々が揺れ 闇が迫るは金の獣ふたりの背。 かたどる闇へは音もなく、サイラスへは
( いってらっしゃい )
還りを願うことばを礎に。
死が流れてくる毎日が、確実に生者を蝕んでゆくけれど 皆それぞれの「ただしいこと」は、意味を持って牙を剥く。 願わくは皆、それを守ったまま 逝けますようにと 集会場から散る足音達へ、願った。]
(+47) 2015/05/20(Wed) 02時頃
|
|
[変わらず揺れる 微かな朱い絹糸は わたしの指間でするりと擦れて 風に乗る。
ひとつ、腕にまきつけて ゆるりと足を運びながら
導かれたのは、宵の深まる月降りた墓地。 サイラスが ”終わったら” きっと訪れるだろうと思っていた場所。
手繰る糸が途切れた先は、ほうやりひかる紫の色>>48
あの日>>1:=7視た 紫苑――。]
こんな夜更けに、お墓参りですか? …せんせい。
[返事が返らぬのは当然のこと。そう諦めながら わたしは土の上の物言わぬ花へ、話しかけていた **]
(+48) 2015/05/20(Wed) 02時頃
|
|
─ 4日目・宿屋裏手 ─
[暗い森をスティーブンと抜けて後、 男の姿は、淡く生前の姿を模した形で見慣れた宿の傍にある。 裂かれた喉から滴っていた血は、今は止まっている。
ただ、男の輪郭は淡々としたまま、 短い間昔日の姿を戻していた頭髪も再び白く薄くなっている。 どうやら、この場に在るにはそれが相応しいようだった。 心を映すということなのだろう]
メアリー、…グレッグ。
[村に入った男が真っ先に探したのは、この二人だ。 もっとも気がかりな名を求め、生前の我が家へ向かう。 そこには幾つかの人の気配があるようだった。 ゆらり、幽霊はそちらへと漂う]
(+49) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
|
|
グレッグ………!?
[そこで目にしたものは、 獣の姿でクラリッサに襲い掛かる甥の姿だ>>4:315 それに、男は信じられないといった様子で目を見開いた。
愛娘の悲鳴が響く>>4:321 咄嗟に、甥に向かって腕を伸ばした]
────…グレッグ!
(+50) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
|
|
[必死に伸ばした腕も指先も、彼を通り抜けて行く。 分かっている。 分かっていて尚、手を伸ばさずにはいられなかった。
すり抜けると同時、耳が彼の唸りを間近に聞いた。 甥の瞳を、そこだけは姿変わっても変わらぬものを間近に見る。 必死に、懸命な目をその場に見た]
( …ああ、)
[その瞬間、分かったと思った。 この”息子”の想いを、確かに聞いたと思った]
(+51) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
|
|
やめろ、グレッグ…!
[それでも尚、訴えてしまうのは、 彼もまた”大切なもの”であったから。 大切な家族、かわいい子どもであったから]
やめろ………!
(+52) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
|
|
[彼の耳に訴えが届くことはない。 獣の低い悲鳴、そして衝撃があって振り返った。 小さな狼が、グレッグの足に噛り付いている>>4:342
娘だった。 必死に彼を引き止めようとする姿に、男の顔が歪んだ。 大切なもの。大切な子どもたち。 二人を、二人とも守ってやりたかったのに]
(+53) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
|
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[顔を上げれば、立ち竦む娘の姿が見えている>>+24 先に言葉交わした彼女に今は声を掛けることなく、 ただ視線が交わる一瞬に、男の顔はくしゃりと歪む]
グレッグ…!
[サイラスの足が、甥の首目掛けて蹴り込まれた>>4:349 庇っても、邪魔のしようはなかった。 男の蹴りは何の抵抗もなく、狼の首元に突き刺さる。 痛みを受ける顔で、鋭い獣の悲鳴>>4:352を近く聞く]
(+54) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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…──お前は、
[どうして。を、男は紡がない。 そんなことは痛いほどに分かっていた。 彼がこのようなことをする理由は一つしか浮かばない]
(+55) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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っ、ばかな……
[俯いて、それ以上の言葉は出なかった。 ベネットの、サイラスの声が聞こえる。 グレッグがサイラスの下に押さえつけられる。
やめてくれと叫びだしたかった。 実体があるならば、彼を殴り倒してでも甥を逃がしたかった。 彼らは決して見逃しはしないだろう。
”怪しきは罰せよ”と。
自らの例を引くまでもなく、投票を始めた時──いや、 族長が教会に皆を集めた時から、決まっていたのだから]
(+56) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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グレッグ、
[獣姿を解こうとしない甥の傍らに幽霊が座り込む。 サイラスを突き飛ばし駆け来た娘>>4:358に目を向けた]
メアリー、
[必死に敵意を剥き出す娘の姿に、辛い表情で眉が寄る]
二人とも………
( … すまない。 )
[守ってやれない子どもたちに頭を垂れ、 共に抱き寄せるように一瞬二人へと額を寄せて]
(+57) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[そうして、無残に連れて行かれる甥を見送るのだ。 それを止める力は、命を落とした男にはない。
愚かしい話じゃないか。 結局、旧い友を苦しめその手を汚させ我侭に、 けれど少しは彼らの守りの為にと死を望んだ先がこの有様だ。
とはいえ仮に生きてこの場にいたとしても、 恐らくグレッグに加勢しただろうなという程度で、 たかが一人一匹の力で抗ったとて、何も変わらなかったかも知れないけれど]
(+58) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[甥の命が奪われる場に、男は立ち会うことはしなかった。 その代わりに、彼が傍に居れない代わりに、 意識を失い地に崩れ落ちた娘の傍>>4:373に寄り添った。
大丈夫と言ってやる声も、撫でる手も持たないけど。 涙で濡れた頬を見つめて傍らに居た]
…────、
[命のまたひとつ消える気配>>18 それを命なき者の鋭敏さで感じて、男は顔を持ち上げる。 遠く虚空に人狼の、音なき悲痛な声が*木霊する*]
(+59) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[からかわれたので、じろりと睨んでやった。 父の晩年を思い出した。 輝かしい光を頭に頂いていた。 ああなる前に死んでよかったと少し思った。
月は煌々と照っている。 残酷なまでに生前と同じく美しい月が。]
───。
[語られる言葉に静かに耳を傾けている。 「あの子らの声を聞く余地は なかっただろうか」……そう言われて、 空を見ながら考える。
「過ちは一族の手で正さねばならない」 そういう前に話を聞くべきだっただろうか。]
(+60) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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…わからない。
[見えぬSOSに手は差し伸べられなかった。
水平を保っていた両の天秤で 生ぬるさの中、気づけなかったことに ルパートは気づいていたのだろうか。
向けられた視線に、ゆっくりとそちらを見る。 >>+42 昔と変わらぬ柔らかい口調と、 年長者としての 少し固い口調が混ざり合っているようだ。
助けたかったという言葉は本当なのだろう。 同族を殺したいと思ったことがないというのも 彼の口ぶりから、実行犯ではなく理解者だったのだろうかというのも]
(+61) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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(──……君は、 わかってて、あんな、)
[誤解させるような言葉の意図を理解して 苦いものを飲み込んだ。 馬鹿、という言葉は内心に留めておく。]
……そうかい。
僕は──。
[言葉を止める。首を振る。
死んだ人間の娘を思って絞り出された嗚咽に 何より突き動かされていた。 あれは悪手だったのか。 手負いの獣を更に追い詰めることだったのか。 そもそも───……。
今となっては、考えても詮無きことだ。]
(+62) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[どうすると問いかけた。 行くよ、と彼は答えた。 ルパートが足を踏み出すのを見て、 男もこくりと頷く。
──ざあ、という風を頬に受けながら 村の方へ歩き出した。>>+44*]
(+63) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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─有漏路にて─
[ 投票箱は無慈悲に今日の処刑者を選び出す。 村の何処かで、グレッグが掟を破ったこと クラリッサのまじないのことを聞いた。
二十数年前に村の外れに移り住んだ女。 彼女の孫だから力を持っていたのだろうか。
……グレッグは、あの聡くも優しい青年は 何故、と考えて思考は止まる。
わかるのは、ルパートは 悲しむだろうということと メアリーが──あの少女は とうとう孤独になるのだということ、だけ。]
(+64) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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(……いつまで続くんだろうな)
[少なくとも原因の一端を担う男が 小さくため息をつけば、 夜に溶けていくように姿が翳る。 ふわりと揺れるのは耳か煙か、]
([懐かしい呼び声がした])
[そちらに向かえば、殺伐とした盛り土の上 月影に照らされては闇に浮き上がるようにして、 色とりどりの花が揺れている。]
(+65) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[紫苑の花の前に、 薄桃色の薔薇のような少女が立っていた。 幸せになるのを見守りたかった、 患者であり娘のような存在が。]
>>+48 ……君こそ、こんな時間に。
[危ないだろう、とは口にしなかった。 目の前の娘の身を案ずる資格ももはや無く 霜天のように冷えた心と目で、 漆黒の髪が花弁の如く揺れるを見ている。**]
(+66) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[ひかりが在るのは目の前なのに 声>>+66はたしかに背後から、夜風に乗って耳を撫でる。
そもそも「彼ら」の声は、聞こえはすれど 「こちら」の姿は見えぬもの。 「こちら」の叫びも聞こえぬもの。
ルパートと、わたしと さっき宿屋の裏手で嫌というほど思い知ってきたものだから そのおとが、こえが、あの日>>1:383と同じでなかったのなら わたしはきっと、場に居ぬ3人目を疑っただろうに。]
…………せんせ。
[声の主を呼ぶ名に乗ったのは疑問符ではなくて
落胆と、寂寥と、懐古と、悲哀と、 …安堵。]
(+67) 2015/05/20(Wed) 15時頃
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[背後へ振り向きながら 小さな左手は、右に絡んだ糸に触れるが 緩んでいたのは嘘のように帯のすがたを取っている。]
ここからね、ここに来いって糸が伸びていたの。
[ さらり、手首を撫でて指し示し 彼のほうへ向けようとして また戸惑う。
あの日は確かに視えたのに、 いま目の前の「せんせい」に光は無く 別け隔てなく染められた黒があるばかり。
わたしのいちばん見慣れた景色ではあるけれど
ふ、と。口から零れたのは小さな心配。]
(+68) 2015/05/20(Wed) 15時頃
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……寂しくなかったですか。
[彼が何故、どうして死んだか問う気は無いけれど 全てを取り上げられ「こちら側」に来てからの事を案ずる。
一歩、 闇に近づく足は土を踏み 伸ばす腕は、声との距離を確かめるためのもの。
その先にあるのは闇のような霧か、 あの日と同じく握られた拳か。
触れられなかったとしても、やはり何も聞かずに]
せんせ。今日は、誰のお墓まいり?
[問いながらも、なんとなく。 傾けた顔をルパートが眠る場所へと *向けた*]
(+69) 2015/05/20(Wed) 15時頃
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―幼い頃の話― [幼い頃の話。 従妹が3歳になり歩くのが上手くなってきた頃の話。 叔父と叔母には内緒で、少年は歳の離れた従妹を 村の傍の河原へと連れていったことがある。
川は絶対に危ないから行ってはダメと、 叔母にきつく言われていたのだけれども。
兄貴分の幼馴染に連いて回った遊んだ 河原の記憶はとても楽しいものだったし 何より自分がついているのだから危なくない。 水の冷たさにキャッキャと笑ってはしゃぐ従妹、 その姿を見てやっぱり連れてきてよかったと思った。
その直ぐ後だった。 従妹が、足をすべらせて川に流されたのは。]
(+70) 2015/05/20(Wed) 15時頃
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[血の気が引いて、慌てて従妹の元へと駆ける。 幸運なことに、 従妹はすぐ傍にあった岩に引っ掛かり、 擦り剥いただけで溺れて流されていく事はなかった。
岸まで従妹を抱え上げて降ろして 驚きと、こわさと、擦り剥いた傷のいたみに 泣き始めるびしょ濡れな従妹を必死に慰める。
『ごめん。メアリー、本当にごめん。』
ドナルドが案内してくれた時は上手く行ったのに。 少年がやったら失敗してしまった。 岩がなければメアリーは流されていたかもしれない。 その事実に気付いて、ぞっとして。]
(+71) 2015/05/20(Wed) 15時頃
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[叔母の言いつけの意味がようやくわかる。
叔父と叔母がどれだけ従妹のことを大切にしてるか、 体の弱い叔母がやっと授かった小さな宝物のこと、 家族のことを少年は傍でずっと見てきたから。
少年の失敗で、 その宝物が喪われてしまっていたかもしれない、 そう思うと――――…
『おにいちゃん、おにいちゃん、』
しゃくりながら、たどたどしい口調で、 幼い従妹が小さな小さな手を伸ばす。 頬に触れる小さな手は、温かくて、生きていた。 気付けば少年も泣いていて、 メアリーと2人涙が枯れるまでわんわんと泣いた。]
(+72) 2015/05/20(Wed) 15時頃
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[その後、 従妹と共に宿屋の裏にこっそりと戻って。 河原に行ったことがばれないように、 井戸の水を2人で頭から被った。
新しい遊びに喜ぶ従妹と、 そんな遊びを教えちゃダメと叱る叔母。
叔父は子供2人の真っ赤になった目に 気付いていたようだけれども、 あの後叱られたのか問われないまま終わったのか。
その部分だけ、 記憶は都合よく 切り抜かれている。**]
(+73) 2015/05/20(Wed) 15時頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 15時頃
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[呼び声は生前と変わらない。 いや、その音には生前とは違う 様々な感情の色が込められていただろうか。
男は、静かに乙女が此方に振り向くのを見た。 右手に煌めく糸の意味は知らず。 指先が辿る道筋は彼女の手首から此方へと向き 戸惑うように宙で止まった。
形をとりもどしてはいたものの、 ルパートの喉は殺した時と同じく抉れてしまっていた。 今、焼き尽くされた自分の体は どのように見えているのだろう。]
(+74) 2015/05/20(Wed) 16時半頃
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……糸、か。
[外して、託した赤い宝石があった場所に 自分で触れた。 続いた問いには、小さく「大丈夫さ」と添えた]
皆が僕の事を死んだ死んだといいながら… 深刻そうな顔をするのは、 ……目の前にいるのに 随分と、滑稽だった それだけさ。
君こそ。寂しかっただろう。
[小さく笑う。声には寂寥が滲んでいる。 マーゴットを見下ろす。 この歳で世界と切り離される。 それがどれほど残酷な事か判らぬ筈はなく。 一歩踏み出す彼女の、伸ばされる腕の先、 触れようする白いもみじを拒むことは無い。]
(+75) 2015/05/20(Wed) 16時半頃
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[掌の先にあったのは、 やはりあの日と同じく固く握られた拳。 (そこに温度はないけれど) そっと開いて、ルパートが眠る場所を向く マーゴットの頭を徐に撫でた。]
……死んだ皆の、 いや。 今日はお墓参りじゃあないな……
[何せ死んでいるのは僕なんだから、と笑う。 それから、 ぽつり ]
君の声がした気が してさ ここに来た。
…………守れなかったな。 すまない。マーゴット。
[声は繋がっていた筈なのに、助けられなかった。 君にもサイラスにも辛い思いをさせたと、 彼女の頭を撫でて、懺悔のような言葉を一つ零した*]
(+76) 2015/05/20(Wed) 16時半頃
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―自宅―
[くあ、と間抜けた声を上げて身体を起こす。 ぽっかりと胸に空いた穴、足りない臓器。]
あーあ、また死んだよ。 今度は心臓かあ。
[寝ぐせのついた髪をわしと撫でてから、 普段通り起き上がる。 そういえばサイラスに貸したままの布が戻っていない、 暫くはこの風穴も開けっ放しになってしまうだろう。]
兄さん、何年ぶり?
[傍らの獣に話しかけると直ぐに返事が聞こえた。]
『15年か、そこらだ』
[そっか、と亡霊は軽い調子で笑った。]
(+77) 2015/05/20(Wed) 16時半頃
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交代する?兄さんなら人の方でもモテそうだよ。
[あんなに少女達に囲まれてちやほやされていたのが 実は40手前のオッサンだなんて知ったらどんな顔になるのか。 想像するだけで笑いが、こみ上げて、どうしようもない。 この村では兄さんの顔なんて誰も覚えては居ないだろうけど。]
『面倒だからいい』
なーんだ。
[屈んで獣の頬を両手で挟む。 そのままわしゃわしゃと黒い被毛を撫で回した。 少し固い感触があって、それから胸の穴に鼻先を突っ込まれる。]
兄さん、汚れるよ?
[問いかけても獣は気にせず内側を舐めた。 暫くぴちゃぴちゃと、体内を舐めまわす音だけが部屋に響く。 こんなことされてもぶちまけた汚れは落ちないのに。]
(+78) 2015/05/20(Wed) 16時半頃
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[手持ち無沙汰になったので、 獣の尖る耳を引っ張ったり噛んでみたり。 毛繕いの真似事をしていたのだけど。]
兄さん、ちょっと、くすぐったい。
『知らん』
[骨を舐められる感触も、まだ動いている臓器も。 ぞわぞわと言葉には出来ない、妙な感覚に襲われる。 それなのに獣はやめてくれないから、 諦めてベッドの上に寝転んで好きにさせることにした。]
(+79) 2015/05/20(Wed) 16時半頃
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兄さんに食われてるみたい。おいしい?
『……あまり』
ひどい!
[散々舐めまわして満足した獣が顔を上げる頃には 黒い中に赤が混じる様にべったりこびりついて。]
水浴びしに行こうか。 ひどい顔してる。
[悲しんでるの?なんて茶化したら、 せっかく無事だった肺をがぶっとされた。痛いよね。
それから気を取り直して、いつも通り二人で出かける。*]
(+80) 2015/05/20(Wed) 16時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 16時半頃
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[ひとりにしたくないと思っていた従妹と、 ひとりにしたくないと思っていた幼馴染。
2人が共にいるその場所、届かない場所に 霊体となった男の姿もまた在った。]
……ラーラ……?
…何してるんだ…、
[ぽつり、と。 目の前の光景を信じがたいと言わん呟きが落ちる。
霊体の男の瞳に映るのは、 怯えるメアリーの弱りきった姿>>65と、 その姿に微笑むラディスラヴァの姿>>70。]
(+81) 2015/05/20(Wed) 17時半頃
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[幼き日を共に過ごした幼馴染の、 声無き声で紡ぐ其れを、 彼女の言わんとすることを、 男はいつだって知っているつもりだった。
―――…わかっているつもりだった。
だからこそ今目の前にするラディスラヴァの姿に、 通る声でメアリーへと向けるその紅い瞳の笑みに、 言葉を失くしてただただ幼馴染を見つめる。
生前彼女に言った言葉が過る。 メアリーの傍にいてあげて欲しいと。]
(+82) 2015/05/20(Wed) 17時半頃
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[それはこのような光景を思ってのものではなかった。 "彼女が今からやろうとしていること"に、 緩く、首を横に振って名前を呼ぶ。]
…ラーラ、 ダメだ。
[声は、届かない。]
こんなこと… しようとするのは、やめるんだ…。
[手を伸ばしてももう、 幼馴染の手を引き、止めることも叶わない。
メアリーへと微笑み告げるラディスラヴァの声、 声無き幼馴染を理解できていなかったのか。 ――――…ずっと、騙されていたのか。]
(+83) 2015/05/20(Wed) 17時半頃
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……こんなこと、
[ラディスラヴァへ否定のかぶりを振っても 死者の声は届かず、手も届かず、 無情にも現実ばかりが刻を進めていく。]
―――…俺は…、っ
[その後は紡げず。 その場の行く末を見ることは耐えられないとばかりに 哀しげに表情を歪めて俯くと、男の姿は其処から消えた。**]
(+84) 2015/05/20(Wed) 17時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 17時半頃
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[ 「大丈夫さ」 って言うせんせの声>>+75が なんだかとっても小さくて、さみしくて わたしは口元をきゅっと結んで、降り注ぐ声にわらいかける。
相変わらずどこか皮肉っぽくて、諦めたような笑い声は 「しめっぽいなあ」と思ったけれど。
( カビちゃいますよ )
そう言うかわりに、手のある場所を伝い探して 握られた拳>>+76ごと包み込む。
( わたしの手じゃぜんぜんおさまりきらないけれど ) ]
……さいしょはね。 だあれもわたしを見てくれないのが、怖かった。 けどもう寂しくないです。 ……きっと、みんなどこかに居るから。
[ おとうさまとおかあさまも、何処かにいるかしら。と。 ]
(+85) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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[温度のない掌で覆っていた拳がふわりと動いて それを追いかけようとした指は 髪を撫でる感触に ぴたりと止まる。
なんでだろう。 どうしてだろう。 死んだ誰かと話ができると知ってしまったからか いま、サイラスが彼を屠っていると知るからか
ひどく曖昧になる 死の概念。
生前とさして変わらぬ白いまんまの指と指を小さく交わして せんせに触れようとする 寂しがりやの手を互いに縛る。
父も 母も あの街で喪った皆が もし。 今もこんなふうに どこかに居るかもと思ったら ―――わたしは。 ]
わたしは――
(+86) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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「また」 ひとりで残るよりは ぜんぜん。 いまのほうがいい。 だって、呼んだらせんせが来てくれたのだもの。
[そんなことを言って。
くしゅっとした笑い顔と共に すまない。なんて言う しめっぽいせんせ>>+76の手が浮くくらいに 首を振る。
ほろりと零れた彼の名に、動かぬ臓が締め付けられて つい慟哭の中に響いた声を思い出してしまうけれど
サイラスはまだ、大丈夫。 優しいまんまで居てくれるはずだから。
そんなしめっぽい自分とせんせを吹き飛ばすような おおきな深呼吸をひとつして
すう、ともひとつ胸を膨らませたのなら 森へ向き]
(+87) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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せーーーーんせー!!!!
[闇夜に抜けるでっかい声は、死者の憂いの影もない。]
…このくらいで叫んだら、次もせんせに届くかしら。
[薄ら白い少女の影はそう言って いたずらに、わらった。]
(+88) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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ねえ、せんせ。 これは何色?
[暫し後、わたしはじぶんが知る時よりも増えた土山を ひとつ ひとつと確かめ歩き それぞれに捧げられた花達を撫でながら色を問う。
献花にしては裁ち揃えられていないままの紫苑は 一体誰からだろうとか。 ひとつ、毒が香る一輪>>4:117に迷いなく触れれば あの時>>+23鼻を掠めたアネモネが眼下に咲く。 手を斑に腫れさせた日は、どうしてこんなに遠いのだろう。]
……また、増えるね。
[たぶんもうすぐ。幾つになるかな、の問いは飲み込んで、 わたしは微かに目を開けた。
血に濡れた金の獣を背負った彼>>20の足音が 聞こえてきたから。]
(+89) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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……………。
[ルパートと居た時と同じように わたしは彼を避けるように、せんせの背後へと隠れ 背中に走るひどく大きな恐れを押し込める。
気づかないで、見えないで、生きていて と 気が付いて、話して、またあの手を と
どちらもほんとうのわたしの声が、 体の中で叫ぶんだ。
震えながら伸ばした手は もう一度 あの夜のように>>2:=1 包んでもらうことは叶うだろうか**]
(+90) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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[桜色の口元が笑みを形作る。>>+85 まだ少しあどけない少女の笑顔が、その時、 ほんの少し、大人のものに見えた。
温度も何もない筈なのに 触れた掌がまだ暖かいような錯覚を覚える。 静かに語られる言葉を、 こちらもまた静かに聞いている。]
…………そうだね。
[こうして死後も尚自我を保ち、個として在るならば 遠い日に別れた誰かも、どこかにいるかもしれない。
父と母を想う彼女の黒髪を、そっと撫でる。>>+86 できるだけ優しく。]
……。 (ひとり、か)
(+91) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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[今 ただ 隣人すら信じられず 独りで立つ彼らを思う。 ( ……アル )
花のつぼみが綻ぶような笑顔を零し、 マーゴットは強く、この歳の少女にしては本当に強く 男の謝罪を否定してみせた>>+87
続いた深呼吸に首を傾げ―― 耳を傾けていたのがいけなかったらしい。 大きな呼び声にびくりと肩を震わせ片掌で耳を塞いだ]
――――…………きみ、ねえ、
[咎める声も、怒りも、驚きも、全部全部、 くるりと振り向いた少女のいたずらな笑みに持ち去られ 残るは「ああ、もう」という諦念と、小さな笑いだけ。 南風が蒲公英の綿毛を吹き飛ばすように、 しめっぽさが飛んでいってしまった。]
(+92) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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|
赤に、水色に……緑、 紫、
――、([腫れるぞ、といおうとして、口を噤んだ])
[己の墓場に供えられた紫苑の花に目を細めた。 「あなたを忘れない」そんな言葉を持つ十五夜草。 供えたのは誰だろう。 ( ……らしくもないな)
浮かんだ猫の姿に、そっと首を振る。
花に触れながら色を問うマーゴットに答えながら その姿を見ている。>>+89 野原に遊ぶ娘を見ているようだ。 ふいに落とされた言葉に、眉根を顰める。
……もう、終わりにしたかった。 こんな殺しあいは。こんな哀しみは。]
(+93) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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|
[押し黙っていると、マーゴットの睫が震えた。 >>20 闇夜の中、重いものを背負い行くその姿は、 教会にかかっていた磔刑の像を思い起こさせた。
その影がサイラスのものだと理解するのと 彼が背負う獣が恐らくはグレッグだと把握するのは ほぼ、同時のこと。
ぱた。と黒髪揺らしマーゴットが己の背に隠れる。 何故、と思うたは一瞬。 震える掌は、黒い男の手へと向かう。>>+90]
( ……マーゴット )
[乙女の心が二つに引き裂かれている事など知らなくとも 求められていることは、ただ一つだと理解した。]
(+94) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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……会いたい、かい?
[婚礼の時の父親のように「幸せにおなり」と その掌を彼に渡す事は―― 彼が冥府の住人でない以上、できないけれども]
大丈夫さ。……大丈夫。 そんなに湿っぽくては――カビてしまう。
[そうして、何度目かわからない「大丈夫」を塗り重ねて 震える彼女の掌を、そっと包み、握り締める。 何かから守るように。]
(+95) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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|
[そうして静かに、サイラスが墓穴を掘るのを見ている。 見守り続けている。
彼には、辛い思いをさせている。 彼にも、村の皆にも、そしてアルカイドにも。 落とされた呟きを拾って、 口の中で小さく「すまない」と呟いた。]
…………願わくは……。
[あの真っ直ぐな薬屋の若者は生き残ってほしいと思う。 その一方で、こんな辛い仕打ちを受け続けるならば、 もう、とも思う。
わからなかったから、小さく ほんとうに小さく 彼が進む先に光あれと、願うのだ。*]
(+96) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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|
[ここならば宿屋からの音が聴こえないと。 男が再び姿を現したのは村の傍の河原だった。
小さい頃、遊びに来た場所。 幼馴染達と駆けて回った、 転んだ従妹を必死に掬い上げた場所。
一歩、躊躇いもなく水に足を踏み入れる。 せせらぎが聴こえるばかりの穏やかな地。 男の足音も水の跳ねる様子もない、生の世界。
自分が死ぬ覚悟はできていた男は、 他の村の者がこれ以上死ぬ覚悟はできておらず、 喧騒から離れてひとり、耳を閉ざすことにする。]
(+97) 2015/05/20(Wed) 23時半頃
|
|
[見下ろすのは己の手、爪を短く切ったその指。 視界の隅で、岩に引っ掛かった流木が まるで天秤のように不自然に揺れる。
人間と『共存』する為の均衡、 水平に保たれていたはずの『天秤』、 そもそも天秤は、はじめから水平だったのか。
[男の知る『天秤』は―――… はじめから、水平なものではなかった。 人間との『共存』は、 いつだって人間に重きを置かれた歪なもの。]
(+98) 2015/05/20(Wed) 23時半頃
|
|
(人間がこわがらないよう… 獣の型をとらないように心掛けた。)
(人間がこわがらないよう… その肌を傷つける事がないように爪も短くした。)
(人間がこわがらないよう… 牙を見せない笑い方を覚えた。)
(人間がこわがらないよう…)
[少しでも人間をこわがらせれば均衡は崩れる。 ひとつ、またひとつと 人狼が本来の在り方を人間の為になくして。 そうしてようやく『共存の為の均衡』が成り立つ。 それが男の知る『天秤』の本当の形で。]
(+99) 2015/05/21(Thu) 00時頃
|
|
[人間は、好きだ。 人の姿でいれば人狼とそう変わらない。 気が合えば友達として想うこともできる。]
けれども、
人間は、こわい。 ちょっとした過ちですぐに均衡は崩れる。 そしてその信用は一度崩れれば 同族の血を以て償わなければならない。]
(+100) 2015/05/21(Thu) 00時頃
|
|
―――…いっそ、みんなで… この村を出れば…よかったのかな。
[人間のことを気にしなくてもいい人狼だけの場所へ。 どれが、何か、何かが違っていれば。 別の未来もあったのではないか―――… そこまで考えて、緩く首を振る。 きっと何も変えられず…いつか、どこかで、 同じ問題は起きていたのだろうとも思った。
決断は下されもう戻ることはかなわない。 なら、男が願う結末は―――……**]
(+101) 2015/05/21(Thu) 00時頃
|
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っふふふふふ。 ――聞こえた?
[ 呆れた溜息、苦笑、ちょっと怒った?どうかしら。
くるり、鳴らない踵をひとつ打ち、 風の無い夜へスカートを翻しながら 笑みを向けた先のせんせ>>+92はきっと 口をへの字に曲げているだろう、なんて思う。
確認するのに口元に触れたらきっとまた、おんなしように怒られてしまうから わたしは自分の口元に手を当てて。
くすくす。 くすくす。
村でいちばんしめっぽいひとを、 ちょっとでも乾かしてやろうと肺に吸い込んだよるかぜは、 どうやら無事にその役目を遂げたようだ。]
(+102) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[ 「あなたを忘れない」>>+93 そんな素敵な花言葉を知っていたのなら、 怖いもの知らずの幼さを武器に「せんせ、恋人いたの?」 なんて聞いただろうに。
せんせから、小さな小さな漏れるような吐息を感じて わたしははたり、と動きを止め 疑問符をひとつ。 頬の横に?を浮かべることしか出来なかったのは、 彼にとっては幸いだったのかもしれない。
わたしの触れた花に、せんせの低い声が重なる。 あかい あかい まっかなアネモネ。
指を擽るかすみ草と、分厚いフリルのカーネーション。 >>4:252白は亡き母へ。桃は感謝。 いつかの母の日、クラリッサに花言葉を教わって 川へ流した花束を思い出す。
贈り主がそこまで知っているかを考えては、 微かに頬を緩ませて 包むように 花束を抱いた。]
(+103) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[グレッグと、彼の命。両方を背負った影がゆらめいて 確かな足音と重さでもって墓地へ近づく。
怖いんだ。どうしようもなく。 あの手に触れたくなってしまうことが。
そんなわたしの恐怖なんかお見通しだとでもいうように 掛けられる声>>+95は、低く、優しく。 背中に額をすり、と寄せて 金色の優しい光から目をそらす。
( うん。あいたい。)
無責任に頷いてしまいたい。けど。いけないこと、だから。 首が縦に動こうとするのを必死で繋ぎ止めれば 奥歯がぎちりと嫌な音を立てる。]
…………せんせ…。 …もう、かびてるかも。
[大丈夫、大丈夫。繰り返されるまじないと、包まれる手。 わたしは「父」の背中に顔をうずめ、幸いにも与えられる愛情に縋りつきながら 淀んだこころにフタをした。]
(+104) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[ 不便なもので。 見なくても 視えてしまうもの。
サイラスの重い足取りと苦悶の息遣い、 ざくりざくりと 昏い夜のさらに深くへ続く 虚のような墓穴が拡がる音。 そのなかに”なにか”が置かれ また土の振るおと。
微動だにせずそれを見守る背中で それを聴く。
( おやすみなさい )グレッグ( おやすみなさい ) ( きっとまたちかいうちに いつものとおり ) ( おはようをいうから ) ]
だからサイラス、泣かないで――。
[わたしはせんせの影からようやく離れ 触れることができないひとの頬を、指先で探し 彼は誰時の空へ、絵の具のように 届かぬ言葉を溶かした。**]
(+105) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[>>137河原にまで届く人狼の遠吠えに、 男は不安げに空を仰ぐ。
願うならばもう誰にも来てほしくない。
けれどもそれが既に叶わぬ願いであり、 生者をまた選ぶことになるのだろう。
なら、
来て欲しくない、と思い描く姿は3つ。
その声が、聴こえないように。 届かぬ向こう側に在るように。
祈るように、目を閉ざした。**]
(+106) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/21(Thu) 01時半頃
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>>+104 そりゃあ、……乾かさなきゃな。
[ぽん、と背中に額が押し当てられる。 がちりと歯を食いしばり何かに耐える様子なのも 彼女が口にしなかった何もかもも、 深くは追求しないで、そっと掌に触れ包む。
距離は出来るだけ、二歩以上あけて 必要なときだけ寄り添えるように在る事。 医者の役目はただ、それだけ。
暗い空の下掘られる墓穴は 地獄にでも届きそうに見えた。 離れていくマーゴットの掌をそっと離す。 サイラスの涙を拭おうと、宙を彷徨う白い掌を見守った。]
(+107) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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[視線を転じるはキャサリンの墓。 捧げられた花冠――否、花輪>>2:501も。 カーネーション>>2:591も。 闇の中では蒼褪めて見えてしまって
(……。)
ふと、辛さを表情に出したのは マーゴットには見えないで幸いだった。 折角湿っぽさを払ってもらったのに、これでは意味が無い]
何かあれば、泣きたい時でもなんでもいい。 また呼びなさい。 ……さっきのような大きな声じゃあなくていいから。
[そう、マーゴットに静かに呼びかける。 それから、そっとその場から足を踏み出した。*]
(+108) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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― やがて ―
[焼け焦げた教会の一角。 落ちていない屋根の上。 村での出来事を見守り続けていた。] >>129 「……こが選んでくれないから、……。 ……八つ裂きか、喉笛を潰すか……。
……一番滑稽な串刺しにでも?」
( ……君だったのか。素敵な贈り物をありがとう。)
[―― 静かに目を伏せた。]
[ 今日になって何故、と思った。 このまま上手くすれば、他の者だって欺けただろうに。]
[続く声に、ぐ、と胸が痛む。]
(+109) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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>>135 「…………四肢を食い千切った後、 死なないように止血してから ―― 、 そのまま『魔女』を火炙りにかけるってのは、ねえ!」
…………もう、止せ。アル。(猫の癖にらしくもない。) 大馬鹿野郎。
[小さく呟いた声は風に消えた。 彼が己を殺した誰かを恨む姿も、殺す姿も見たくはないが、 この村を離れることもまた できないでいる。
そうして、いつしかまた体は真っ黒へと沈みこみ はたはたと揺らぐローブの音だけが、やけに煩くなる。]
(+110) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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[――”Oh ! La belle nuit pour le pauvre monde ! Et vive la mort et l'égalité !”
そう云ってけらけらり、あざ笑うのは誰だろう。 悪魔? 死神? それとも、自分自身だろうか。
それでも「今日も」やがては来る投票の時間を、 「終わり」が来ることを 死刑宣告でも待つように待っていた。**]
(+111) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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