14 学校であった怖い話 1夜目
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―4階廊下→渡り廊下入口―
その言葉、信じてます。
[間際に見えたアイリスの笑みに、一つ頷き、口を引き結んだ。 それからは一度も振り返らず、あまり周りを見ないように、懐中電灯の灯す先だけを見つめて駆け抜ける。 常より長い距離と思ったのは気のせいか否か、息が切れた頃に見えてきたのは、渡り廊下に続くスライド式の扉]
……っは、 しまって、る?
[非常口は渡り廊下を越えた先にあるとホリーは記憶しているのだが、外と接するその場所は、闇が広がっていてよく見えない。 息を整えながら、固く締め切られた扉に手を添えて、動かそうとする。 びくともしなかった]
(191) 2010/07/20(Tue) 02時頃
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―4階廊下―
[後ろからの足音。 それに気付いたらしいアイリスの声に、振り返る]
っやっぱり、追って来てる。
[じわじわと距離を縮め、靴箱のドアは開いていく。 ここはどうすべきかと必死な様子で悩みつつ、 ホリーから手を伸ばされれば拒否する事などあるはずない。 ぎゅっと彼女を支えるよう力を込め、アイリスを見る]
せ、先輩……!!
[残ろうとしているのかと、緊迫した声が出る。 しかし後から追うという台詞に、顔を歪め悩むようにし、 ぱっと一度暗闇に浮かぶホリーの姿を確認し小さく頷く]
(192) 2010/07/20(Tue) 02時頃
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ホリーを外に出せたら、こちらに戻ってきます。 アイリス先輩が向かってくるなら絶対に会えますから……!
[彼女の瞳に視線を合わせる。 そして携帯で連絡しようという提案には目だけで頷き、 離れないようホリーの手を握ると、非常口へと走り出した]
(193) 2010/07/20(Tue) 02時頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2010/07/20(Tue) 02時頃
ノックスは、息を飲んで。何も起こらないことを祈りつつ、構えているだろう*
2010/07/20(Tue) 02時頃
キ――――ン
コ――――ン
カ―――― ン
コ――――ン
(#17) 2010/07/20(Tue) 02時頃
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お、おにいちゃん、……。 いやだよ、いやだよ。あぶないことしちゃ、だめ!
[兄は、まるで死地へ赴くような様子>>189に見えた。暗闇の中、優れないだろう顔色までは見えないけれど。 子供みたいに言いながら、ノックスの後ろから出てきて兄の手を取る]
……ほ、本当?
[殺されることは無い、とのノックスの言葉>>190に、敬語も忘れて半泣きの視線を向けた]
(194) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
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再度錆びついたチャイムのざらつきを伴った嫌な音が校内に響き渡る。
放送室に人の姿はないままに。
「はぁい、皆出口を探しに行っちゃったの?
そんなものここには存在しないのよ?
鬼退治が終わるまで物語に終わりは来ないの。
ウフフ、皆は桃太郎さんってワケね。」
愉しげな女生徒の声はどの場所に居ても響くように聞こえてくる。
「ああ、それから私を探そうとしても無駄よ?
私はすでにこの学校の一部だもの。
通常の方法で貴方達に接触してるわけじゃないの。
それとマリアンヌ……?
ずっとそこにいても何も進展はしないわよ?
私は死んだ、それは貴女だってよく知ってるでしょう。
あの頃の私なんてもうどこにも居ないの。
今の私はこの世界の一部であり、ただの水先案内人。」
(#18) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
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ここからじゃ、どっちかはわからんな。 …本物ならヤバいだろうが、小道具なら…。 威力はともかく、最悪立てこもる時のつっかえ棒ぐらいにはなるか?
[ノックスが自分の案に同意したのを確認すると、一度だけ頷いて再び室内に視線を戻す。 制止するメアリーの声には振り向かないまま、彼女に取られた手を優しく握り返した]
大丈夫…何もいない。それを、確かめるだけだ。
[そして―――
繋いだ手をやや無理やり振り払って、足を踏み出し飛び込むように室内に入る]
(195) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
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「子供たちに夢を与える教師になんて死者がなる事は叶わないわ。
けれど子供たちに死を与える存在にならなれる。
皆一緒になってしまえばこの世界について教えてあげられるの。
ある意味では教師ではなくても教えるという事に専心出来るわね、アハハ。」
嗤う、嗤う。
女生徒は本当に愉しげに嗤い声を響かせて。
「それでね、今回のお知らせでは鬼の容赦のなさを
皆にも教えてあげようかなって思って。
特別に皆に見えるようにしてあげまーす。
近くの窓を見てごらんなさい?」
窓の側に居る者がその蠢く闇の先を見つめればどの階に居ようとも同じ光景が映りだす。
「サイモン=ジョン君、かな?
こんな危ないところを一人でウロウロしてたから保護しちゃいました。
これから私たちの仲間になるために、鬼の皆さんに殺してもらいまーす。」
(#19) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
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うっ、うわぁっ!?
[瞬間、響くチャイム音。 同時に今までついていなかったモニターが、ミキサーが、狂ったように点いたり消えたりを繰り返す。]
ほ、放送…なん、で
[悪寒が足元から這い上がってくるような感覚―― 両足が、全身が、傍から見ても分かるほど震えている。
それでもふらふらと危なっかしい足取りで奥に進み、部屋の奥にあるスタジオの扉に手をかけた。 防音ガラスの向こうに人影は見えない。見えない、が――]
(196) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
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蠢く闇に捕らえられたサイモンはまるで自分がこんな目に逢うわけがないといった表情で何かを喚いている、けれど誰にもその声は届かない。
手足を闇に捕らえられ、大の字になっているサイモンの左腕が強引に引きちぎられる。
声が届けばサイモンの絶叫が聞こえてきた事だろう。
次に右腕、左脚、右脚と引きちぎられ、ダルマのような姿になったサイモンは涙を流し、芋虫のように這いながら――嗤っている――
(#20) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
「こんな感じかしら、ここは便宜上鬼――
というよりも私たちと言うべきね。
これが私たちのやり方よ。
直接的に鬼の皆が襲いかかるなんて古典的な方法は一切とりません。
みーんなこうやってわけのわからないままに死ぬの。
これが鬼のやり方。
どう?素敵でしょ?」
芋虫のように這いずるサイモンの頭が何か大きな闇に潰されピクピクと痙攣をおこしている。
その様子をまるでファッションショーかなにかのように自慢げに語るセシルの声。
(#21) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
「あは、きったない。
サイモン君はそっちにお返しするわね。
そうね、さっき君たちが居た部室に返してあげるから、
マリアンヌがそこに居たいならサイモン君と仲良くね。」
パチリと指を鳴らす音が響き、マリアンヌの残るミステリー同好会の部室にサイモンの無残な死体と腕や脚が降ってくる。
「で、皆はそれじゃあどうやって鬼を探せばいいんだ!
って思ってるんじゃないかしら。
私の見立てだと、君たちの中には人と鬼を見分ける事が出来る霊能者が
混じっちゃってる感じなのよね。
ちょっとつまんないけどその子の話を聞けば鬼が見つかるかも。
けど一人じゃないかもね、見分けられるって言い出すのは。
それに、見分けられる子はすぐに死んじゃうかもしれないから
下手にその事も口にしない方がいいのかも。
アハハ、どうしたらいいかわからないわね。
皆で一生懸命考えなさぁい、それじゃあバァイ。」
それだけ一方的に告げるとブツリと音を立て、再びの静寂が訪れる**
(#22) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
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―渡り廊下入口―
……どうしよ。 他の階に回ったほうが……。
[何度かがたがたと扉を揺らして、オスカーの方を見たその時。 例のチャイムが鳴り響いて、びくりと肩を揺らした]
また、悪戯……?
[不快そうに眉を顰めた、けれど]
――っ!?
[手を掛けたままだった扉から、不意に違和感を感じ、飛び退く。 そうして映し出される映像に、はたり、目は瞬いて――ゆっくりと、見開かれた]
(197) 2010/07/20(Tue) 02時半頃
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セシル…。お前は何に取り憑かれた!何を求めこんなことをする!
[分かった唯一のこと。『セシルは変わってしまった。』信じたくない。それだけで、名前を呼んだ。
ただ、セシルはもういない。いるのは……鬼だ。]
こんな酷いこと…。
[惨状に目を向けられず、うずくまる。
もう、セシルは…救えない。サイモンの悲鳴はそう彼女に訴える。]
(198) 2010/07/20(Tue) 03時頃
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―渡り廊下入口―
くそっ、開かないか。
[普段しない口調で、ドアノブを乱暴に回す。 鍵は内側から開ける事が出来た。 なのに、外から押されているかのようにドアは動かない]
チャイムだ。
[ホリーと目をあわせた瞬間、再び鳴り響くチャイム。 警戒するように辺りを見回しながら聞いていたが、 その内容を理解し、窓ガラスに映る映像を認識して――]
……サイモ、ン、先輩……?
[声は掠れ、ひゅうと喉を息が通っていく。 ホリーの目を塞ごうというように手を動かすが、無理だった]
(199) 2010/07/20(Tue) 03時頃
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[思わず、悲鳴を上げる。悲劇としか言えない…サイモンの姿。]
何で……。
[サイモンの恐怖に大きく見開いた目を閉ざす。それだけが、私にできる弔い。]
可哀想に。鬼に取り憑かれ、裏切られたサイモン…。
[彼女の中で思わず、セシルとサイモンが重なった。]
(200) 2010/07/20(Tue) 03時頃
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オスカーは、セシルの"霊能者"という言葉に息をのんだ。
2010/07/20(Tue) 03時頃
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[スタジオの扉を開くと、中から生暖かい風が噴出してきた。 まるで、中から何かが這い出てきたかのようなその感覚に、 ラルフは思わずその場で尻餅をついた]
っは、うぁ…… …見るな…メアリー、見るな!
[床に座り込んだまま、自分の肩を抱えその場でガタガタと震える。 その間もどこから放送されているのか分からない言葉が耳から流れ込んできていたが、振り向くこともできない。 ただ、「サイモンを殺す」と告げた放送で見えない窓の状況を察して、そう叫ぶのが精一杯だった]
(201) 2010/07/20(Tue) 03時頃
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