241 The wonderful world -7days of KYRIE-
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— Unknown・2 —
「黒牧の遺骨は、屋外に保管されているか?」
NO。
「黒牧の遺骨は、持ち運びが可能か?」
YES。
「黒牧の遺骨は、一般人が触れることができるか?」
……YES。
(414) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時頃
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「黒牧の遺骨は……“名物”として有名だな?」
……。
……YES。
「最後の質問だ。 黒牧の遺骨は……盟海喫茶店の中にあるなァ?」
…………。
……YES、だよ。
(415) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時頃
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「チェックメイトだよ、船馬。 黒牧の遺骨は、盟海喫茶店の……食器の中、だ。」
(416) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時頃
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[玉座に座っていた男は、立ち上がる。
そして、仮面を外して——床に叩き付けた。]
……ここまで辿り着くかよ。
見覚えの無い死神がいきなり現れて、全て知った顔でゲームを持ちかけてくる。 ……厄日だな。
(417) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時頃
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「ぎゃはッ、そりゃあたまたま出張でこっちに来てたせいだなァ。 昔の未解決事件。行方不明の容疑者。……UGを知る者なら分かる。 これは、死神……いや、それよりも上の輩が噛んでいるヤマだってなァ。」
[女は、下品に笑いながら。 仮面の男の鼻先に、蹴りを——食らわせようとして、止めた。 一寸の狂いもない、ハイレベルな寸止め。]
(418) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時頃
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「“船馬”……プネウマ、ねェ。 それが偽名であることはどうでもいいがよ。
あの店で飲んだ珈琲、変な気配が視えた気がしたからなァ。 刑事の勘は当たるモンだ。
御用だぜ、盟海珈琲店のマスターさん。」
[仮面の下の素顔を剥き出しにした男は、 ……バッジのコレクションを趣味にしていた、喫茶店のマスターは、 その表情に怒りの筋を滾らせて、無言のまま立ち尽くしている。*]
(419) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時頃
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— Unknown・3 —
[——磁器の種類のひとつ、骨灰磁器。 すなわち、ボーンチャイナ。
それはかつて、その名の通り、 “牛の骨”を砕いて作った灰を入れて作り上げられたもの。
それと同じこと。 俺は、黒牧の遺体を回収してから、その骨を取り出して、
……俺の店にある、自慢のコレクションの1つに仕上げた。]
(427) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時半頃
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[……黒牧だけじゃない。 俺は、あの連続殺人事件で死んだ被害者の骨を拝借して、 残りの残骸を、持ち主に返した。>>6:85
この街を彩った哀しみ、恐怖、死をモチーフに。 この世で唯一しか存在しない、究極の作品を作り上げた。
6人の犠牲者と、それらを殺した犯人。 ……しかし、それだけじゃあ足りなかった。 完璧な作品にするには、あと1人分、骨が欲しかった。
だから、最後に惣城 碧衣の命を頂いた。>>6:88
勿論、タダで頂いたわけじゃあない。 俺なりに対価を支払ったさ。 黒牧が望む世界のリセットを、実現するまでの取っ掛かりを作ってやった。
その結果、死んだ子供にどういう変化が起こったかなんて、>>1:@44 俺にだって分かりゃしなかったがな。]
(428) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時半頃
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……この街は、“死”で満ちている。
RGでのうのうと平和に暮らしている奴らは、想像もしない。 だから、俺が、作り出したのさ。
大衆の間に横たわる、見えざる“死”の姿を!!
(429) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時半頃
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「……まァ、詳しい話は署で聞こうか。 つっても、署に連れてけねェけどな、てめェは。 キリエ区の今後は、誰か偉い奴が考えるだろ。 ただのヒラ刑事のアタシにゃ、知ったことじゃねェや。」
[目の前に正体を晒した“犯人”は、全てを自白して。 女は白いコートを翻し、どこかに電話をかける。
……後の話はもう、RGやUGでは誰も知ることのない出来事。
後日、盟海珈琲店が、 忽然と閉店し、蛻の殻になったという、その事実が残るのみ。*]
(430) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時半頃
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— それは、もしもの話 —
[何もない、荒涼とした世界を彷徨っていた。
ここがどこかも分からない。 どれだけの時間が経ったのかもわからない。 どこを目指しているのかも分からない。
そもそも、行く当てなんかないのかもしれない。 生前に大罪を犯し、罰を受け損ねた者は、もはや何にもなれないのだろう。
意識はずっと、朦朧としていた。]
(438) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時半頃
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[>>407誰かが、どこかからやってきた。 それは誰だったのか、思い出せそうで思い出せない。 しかし、僕はこの男を知っている気がした。
男が問いかける。 後悔はしているのか、と。
僕は、何も迷いはしなかった。]
(439) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時半頃
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……してるわけ、ないだろう。
[それは、いつかの日に返した答えと全く同じ。>>4:173
僕が生きた意味がどこかにあったのかさえ、覚えていないけれど。 それだけは、——断言できた。*]
(440) myu-la 2018/05/31(Thu) 00時半頃
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