105 CLUB【_Ground】
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[決められたのは君のおかげだと、あの日ティーの耳元にだけ囁かれた、ささやかな謝礼。
他の子にも良縁を結んでやってくれと添えた言葉が、彼にとって酷い重圧になるなんて、この時にはまだ気づいていなかった。**]
(11) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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[通信は少しずつ増えている虎からのもの。 先週のあれは、おおいにマズったかと。]
どっちでもいい、悪いんだが虎のとこ行ってくれねぇか。 爪切ってほしいんだと。 俺は世話を、ちょい離れる。
[それは虎だけでなく、単純に愛玩動物全体に対しての事である。 理由を聞かれれば隠すことなく“寮での生活に慣れさせないため”と 淡々とした声で答えるだろう。]
代わりに、接客、シマス。
[そしてとても嫌そうに、眉をしかめてそう言っただろう。]
(@9) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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― 一週間後・広間 ―
……。
[広間の中に、毛布の塊がひとつ。 元々の種族が冬眠をする体質のため、寒さには滅法弱いのである。]
……。
[どこかぼんやりとした意識の中、無意識の内に指先を甘噛みする。 そこに触れたのは――]
……っ!
[小さな耳がぴんと立って、瞳が動揺に震える。 きゅう、と目を瞑って、毛布を全身に被った。 しかし尻尾は隠れきっておらず、先がちょこちょこ顔を出している**]
(12) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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[呼ばれた名前に答える様に唇を肌に落す。 人間の悦ぶ場所に奉仕して。 それから自分の欲求を解放して貰う。
それが常にセットになっていた。
ただ、今だけは何かを振り切るように現実から 逃げるように殊更熱心に奉仕を続けていた**]
(13) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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フランクは、切れた通信に溜息一つ。
2013/12/21(Sat) 03時頃
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─雨の翌朝 研究ルーム─
[出勤後、最初の仕事は、 夜の間に上司が生み出した灰をゴミ箱に捨てること。
いつものように、吸い殻たちをゴミ箱に流し込もうとして そこに、見慣れた銀の鈍い輝きを見つけた。
灰まみれのそれを手に取って、蓋を開いて見るけれど 過去の恋人の顔でも拝めるかと期待して覗いた中には、 誰の写真も入ってはいなかった。]
───……、 フー……?
[なんとなく、それを白衣のポケットに滑りこませ、 吸い殻の溜まったゴミ箱の中身は 燃えるゴミの袋へと移された。
前夜久しぶりに活躍した埃まみれの珈琲ミルは、 昼頃にはもう、早速書類の山に埋もれていた──。**]
(@10) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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− 一週間後・広間 −
[雨に続いて雪ともなると本格的に毛布と共に 移動するようになっていた。 寒いだけなら耐えられるが、湿度が加わるとなかなか 身体の調整が効かない。
それでも白い結晶が珍しくて窓に貼り付いて 上から落ちる華を飽きもせずに見つめていた**]
(14) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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僕じゃないと、駄目……。
[大切な仲間から送られたメッセージ、それを呪文のように唱える。 そうしないと、何かが溢れてしまいそうで**]
(15) 2013/12/21(Sat) 03時頃
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[通信を切ると、ひどく不満げに端末を睨み付けた。
理由は何度も聞かされて、頭では一応理解したはずなのだが、どうしても納得はいかなかった。
しかし、何故、納得いかないのか。 何故こうも、些細なことに苛立つのか。 フーに拘ってしまう理由は……
……それもまた、分からなかった。]
(16) 2013/12/21(Sat) 03時半頃
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[───バリッ。
端末をベッドに放り投げると、溜まったストレスを発散させるかのように、乱暴に、爪研ぎ板に爪を立てた。 バリバリと、硬い板を引っ掻く音は、いつもの数段大きく、廊下にまで聞こえていたかもしれない**]
(17) 2013/12/21(Sat) 03時半頃
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[溜息を抑える方法はたった一つと言わんがばかりに そこに誰が居ようとお構いなく、煙草を一本掴んだ。 数週間前にやってきた、まだ新品のはずの空気清浄機は 2 (1.壊れた 2.瀕死の音を立てている)]
でーぇッ く しィッ !!!!
さ ―――っびい。
[くしゃみと寒さが体を駆けたのは、煙を吐き出すと同時。 一週間前とは違い、煙草の消費量は緩やかに元に戻っていた。 とはいえ今日も今日とて、灰皿は山のように煙草の死骸を溜め込んでいる。]
(@11) 2013/12/21(Sat) 03時半頃
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[>>11謝礼には、困ったような、照れたような微笑が返事。
いつかシーシャを海か川に連れて行ってやって欲しいと 頼んだことを本人が知れば 別に見たくねーですし、なんて言いそうだけれど。
他の子の良縁を願う言葉には、頷いて親指を立てて見せ、 客のいなくなったVIPルームで、微かなため息を漏らした。**]
(@12) 2013/12/21(Sat) 03時半頃
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─冷え込む夜>>@6─
受けたのは、オレだしぃ、 オレが運ぶよー。
[フーが印刷したきり散乱させておく研究資料を 几帳面にファイルにはさみながら、 シーシャの引き渡しに手を挙げる。
決意させたのが自分なら、 引き渡しまで見届けるのは自分の役目だと。
あの日からフーの首から消えた銀。 誤差程度だけれど確かに減った煙草の量。 ティーの白衣のポケットで、銀は物言わず眠っている。**]
(@13) 2013/12/21(Sat) 03時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/21(Sat) 03時半頃
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[まさか、捨ててしまったロケットが拾われているなど(>>@10) ましてやティーの白衣の中で眠っているなど知らず(>>@13) 微かな重さを失い涼しくなってしまった首に、男が指を伸ばすことはない。]
そうか。 じゃ、もう一匹決まった時はサミュに行かす。 ああいうのは、経験しとくべきだからな。
[目の前で目隠しが外されるという儀式めいた、それ。 一種の心的外傷(トラウマ)にもなりかねないもの。 “男”としては味わわせたくない事だが、“上司”としてはそういうわけにもいかず。]
つわけなんで虎の方はサミュ、よろしく。 ティーは蛇頼んだ。
[ぴらぴらと手を上げた。 男はまだ研究ルームを出るつもりがないらしい。]
(@14) 2013/12/21(Sat) 04時頃
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[引っ切り無しに印刷を続けるプリンターの音と、死にかけの空気清浄機の悲鳴。 ずぞぞ、と珈琲を啜る。 先週淹れられた引き立てのドリップに敵わないインスタント。 煙草と相俟って、口の中は泥臭く感じた。 モニターを確認すると、其々の動物達が見える。 広間には使い慣れたであろう三つのボール。 所々に散らばった10冊の本。]
――――――。
[思いだしたように、机の中の奥底から取り出したのは 怪獣が表紙に描かれていたものと同じ絵本。
ぱら、と捲る。]
(@15) 2013/12/21(Sat) 04時頃
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[ティラノサウルスがアンキロサウルスの子供を拾う、話。 はじめは餌にと捕まえたそれが、奇妙な親子関係となり。 そこに幸せを見出し、けれど結局結末は――――。]
やっぱこれ“は”好きだな。
[他を読んだことがあるわけでもない。 新作を書くらしいが、中身はどんな内容になるのやら。 ただのラブエッセイとかありえるんじゃないか、なんて鼻で笑いながら。 絵本を数度読み返す間、煙草の煙が静かに *揺れた*]
(@16) 2013/12/21(Sat) 04時頃
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【_Ground】
[ここに初めて足を踏み入れたとき、 同じコートで、だが足取りははっきりとしていてもう少しがたいがよけへれば振動でも起こるかという具合]
あれから一週間。か
[研究員を探し端末を操作した]
(18) 2013/12/21(Sat) 06時頃
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あ゛ーーーーー…。
[端末から聞こえた客からの声に、ずると鼻を啜る。 部下たちに声をかけてから少し思案顔のまま。 まだ暫くは *研究ルームに*]
(@17) 2013/12/21(Sat) 10時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2013/12/21(Sat) 10時半頃
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さてと。 基本的にはこの家の中でテッドは自由だ。 何を使ってもいい食ってもいい。 ものを使ったら元に戻す、くらいか。
まあ、キッチンは危ないんで刃物とか火とかは俺が居るときに。 あと仕事部屋へは、入るとき気をつけろ。 たばこ臭いぞ。
締め切り前にイライラしてたら、あと煮詰まってたら
……頭撫でてくれ。
そんくらいかな。わかんなかったら、また聞け。 何度でもいい、自信ないなら確認が大切だ。 んで、外出するときはまた別だ。
[照れ隠しでルールをざーっと話し出す]
(+7) 2013/12/21(Sat) 10時半頃
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家族、…群れ…… ……皆、“しあわせ”に暮らしてるのか
[ミナーを見て、頷き]
挨拶、わかった。
[家に入る前は、こくりと緊張で 唾を飲み込んで。 くん、と鼻を鳴らすと煙草の香りが鼻腔を擽る]
―――、あぁ、わかった。
[>>+2両手を広げて おいで、と誘われれば、薄く頬を染めつつも、そっと体を預けるより他はない]
(+8) 2013/12/21(Sat) 10時半頃
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さーな、他がどうかは知らんけど。 今日から、俺とお前で家族だ。
[多分フーとはちがう銘柄の香り、それでも減った]
おかえり。
[体格が近いから飛び込まれたら倒れていた、 そんな心配もなく腕の中にテッドを捕まえて ぎゅむ、っと抱きしめる。 挨拶なので直ぐに解放するが]
(+9) 2013/12/21(Sat) 10時半頃
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[きょろきょろと辺りを見回して、調度品や見慣れないものに瞳孔がくるくる動いた。]
……確かに
[少し、違う臭いがする、と呟きつつ]
なんか、寮になかったものがたくさんあるんだな…… 仕事部屋では、 ずっと煙草か?
……――
[きょとん、としたが 尻尾を揺らし、うん、と頷いた]
任せろ。
[立て板に水のルール説明、耳を動かしながら聞き入って]
(+10) 2013/12/21(Sat) 12時頃
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――家族。
[なんだか、くすぐったい気持ちになる。口のなかで繰り返して]
……ん
[照れくさそうに、はにかむように小さく笑む。]
――ただいま
[練習、といったところか。ささやくみたいに謂って、――離れた時には、照れくさそうに眼をそらす]
(+11) 2013/12/21(Sat) 12時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2013/12/21(Sat) 12時半頃
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− 広間 ー
[ふわふわと空から落ちる白は映像でしか見た事は無い。 ただとても冷たくて儚いものだと教えてくれた]
何で雲からいっぺんに落ちて来ないの?
[華より暗い灰色の雲。 雨雲よりは白くて、何故そこから少しずつ落ちてくるのか 不思議で、怖かった]
(19) 2013/12/21(Sat) 12時半頃
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綺麗だけど冷たくてすぐ消えちゃうから嫌なの。
[のそのそと窓から離れると同じく寒さに弱いだろう シーシャの毛布に潜り込もうと試みた**]
(20) 2013/12/21(Sat) 13時頃
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―回想・雨の日の―
[>>9 わからない。困ったように笑うヤニクに、寄り添いながら笑みを返す]
いつか、わかるようになるんかな……。
[抱き寄せる腕は力強く、迷子の道で握りあう手のように。
肌を這う舌。落とされる唇。主にするように捧げられる奉仕。 研究所員の“世話”は道具の代わり。快楽がなければ生きられぬ動物が、自らを慰める手の延長上。 ヤニクが「奉仕」の方法を教え込まれていることは聞いているから、止めはしない、けれど]
……っ
[吐息の零れそうになるのを呑みこもうとして、余計に熱がくすぶっていく]
(@18) 2013/12/21(Sat) 13時頃
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[教え込まれた人間への奉仕。けれどそれ以上の切実さを伝えるヤニクの唇。 苦しげに眉根を寄せて、零れる吐息は宙に消えゆく。
奉仕の後に与える欲求の解放は、寄り添いながら深く、静かに。時折耳元で名前を呼ぶだけで*]
(@19) 2013/12/21(Sat) 13時頃
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適当に、あれこれさわってみたらいい。 そこまで危ないものはない、はずだし。
仕事部屋では、うん。 これでも減らしたんだ、まだ。
[空気清浄機も買ったが、効果はあるのかどうか]
でー、だ。
[堅苦しいコートとスーツを脱ぐ、 ネクタイまで緩めてやれやれと一息ついて]
着替えてくる、ソファー座ってろ。 ついてきてもいいけど。
[指さすのは寝室の扉]
(+12) 2013/12/21(Sat) 13時半頃
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―雪の日、研究ルーム―
[それからの一週間も、滞りなく過ぎて。 上司の首元からあの銀色がなくなったことには気付いていた。 あの手紙に書き添えられた言葉を問いたくとも、昼も夜もなく仕事に埋もれる上司にそれを聞く機会もなく。
また客の訪れる日が来た。 上司から「蛇」の購入希望が出たことを告げられる]
……へ? 引き渡しに?
[どっちが行く、と問われてポカンとした表情。 先週のことから、引き渡しは連絡を受けた所員がいくものだと思っていた。 違和感を感じつつも、同僚がそれを引き受けたので話はそのまま。もう一匹が出た時の引き渡しを命じられ、経験した方がいいと言われると、納得するしかない]
(@20) 2013/12/21(Sat) 14時頃
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もう一匹か……。
[もともと動物の世話役として入って、客とのやり取りの経験は少ない。引き渡しの場面は、知識でしか知らない。 自分がUGグループの、最後の一匹を引き渡す。 それを想像してもうまく実感はできないまま]
了解っス。爪切り行ってきます。
[上司命令に従い、デスクを離れて]
(@21) 2013/12/21(Sat) 14時頃
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[倉庫から研究ルームへ戻ると、新たな購入希望を伝えられた。爪切りを上司に託して、研究ルームを出る。
入った通信に、物思いを抱えながら通路を歩く**]
(@22) 2013/12/21(Sat) 14時頃
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