266 冷たい校舎村7
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[ 再び、足になにかが触れる。 目を開くと、教室の中には汰風流が、 文字通り溢れていた。 ]
ぁ、や、……ひっ
[ どこから湧きだしているのか不明だが、 どんどん数を増やしていっている。 教室から出ようとするも、 身体が思うように動かない。 できたことと言えば、 両腕で自分を抱くことだけだった。
足に纏わりついていた汰風流も、 段になり段になり、胸の高さまで来ている。 ついには、額に肉塊が触れた。 ]
(293) 2019/06/15(Sat) 23時頃
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[ 救いをあげよう。 ]
(294) 2019/06/15(Sat) 23時頃
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[ そんなものは、要らない。 私は何にも、 誰にだって、縋ることはない。 ]
(295) 2019/06/15(Sat) 23時頃
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[ 声が聞こえた気がして、 小さな子供のように首を横に振る。 否定をすれば、 瞬間、怜奈は汰風流の群れの中に埋まった。 ]*
(296) 2019/06/15(Sat) 23時頃
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[ 五度目のチャイムが鳴る。 ]
(297) 2019/06/15(Sat) 23時頃
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[ 四階、生物室。 部屋の前には、 黒い顔料を踏んだような足跡が一筋のみ続いている。
足跡を辿った先の扉、 なにかが引っかかって簡単には開かない。 無理に扉を開けたなら、 そこにはマネキンが一体居るだろう。
自分を抱きしめるような恰好だ。 力を入れすぎたのだろうか、 指先はところどころヒビが入っている。 触れたなら、崩れてしまうだろう。
きつく編んだ長い三つ編みが、 田所怜奈を模していると示していた。 ]**
(298) 2019/06/15(Sat) 23時頃
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