18 Orpheé aux Enfers
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[からからと笑っていた口が、ふ、と閉じる。 顔は空を見上げたまま、表情がす、っと抜け落ちる]
だって、ないものはないんですから。 吹っ切るしかないでしょう? 足掻いたって、代わりのものは出てこないし、それに―
[ふっと小さく笑って、そこで漸くラルフの方を見た。 泣きはらして真っ赤だった瞳は、今はおさまっているだろうか―?]
先輩、俺がどうしてあの楽器に固執してたか、知ってます? 聞いたら、くっだらなくて笑っちゃいますよ?
[ふふ、ふと笑みを含んだ]
(175) Cadenza 2010/09/10(Fri) 00時半頃
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だからっ! 関係ないって…言ってるじゃないですか。
[自分のせいだと言うラルフの言葉に、自分の未熟さを痛感した。 結局最後の最後まで心配かけて、困らせて― 伏せた瞳を見て八つ当たりで語気が荒くなるが]
―あ、すいません。でも本当に、先輩のせいじゃない。
[今度は自分が目を伏せ、詫びた]
もう、いいんです。 見つかろうがなかろうが、変わらないものは変わらないから。
[見つかると信じている。そんなラルフの言葉が胸に刺さる。 捨てたはずの希望を揺り動かす。 もう、いい。首を振ってラルフを見る。 泣きそうな表情に一瞬はっとしてその頬に手を伸ばした]
(183) Cadenza 2010/09/10(Fri) 01時半頃
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どうして先輩がそんな顔してるんですか。
[まるで、俺みたいに―
もし、頬に指先が触れたならそのまま掌で覆うように撫でる]
理由?呆れないでくださいよ? 本当にくっだらないんですから。
[くす、と笑って耳元へ口を寄せる]
(184) Cadenza 2010/09/10(Fri) 01時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 01時半頃
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え?
[まだ、先輩として関わっていたい。 その言葉に瞬いて、俯いた。
何かを言いたそうにしたが、それも僅かのこと。 その後で、泣き顔のようにも見えるラルフの頬に触れ、 秘密にしていた理由を告げ―]
確かに、思い出の品―ではありますけど。 プロは楽器に執着しないって、カルヴィンにも言われちゃったし。 何のために音楽しているんだろうって思ったら、よくわからなくて。
それに、先輩は―。
[ふ、と少し前の言葉を思い出し、俯いた。]
先輩、ずるいんだもん。
[口調は軽いが、その表情は見せない]
(193) Cadenza 2010/09/10(Fri) 02時頃
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俺、ずっと追っかけてたのに― 届いたと思ったらするって抜けて手の届かないところに行っちゃうし。
そうかと思ったら、もう最後だなんて言って、 俺が追いかけられないところに行こうとするし―。
で、今度は関わっていたい、だなんて。 俺、どこまで追いかければよかったんですかね?
[俯いたまま、顔は上げない。 ただ、想いを口にした勢いで呼吸はやや荒くなっていた]
だから、楽器無くなったのもいい機会だなって。 たまには、俺のほうから逃げたって、いいでしょう?
[楽器が見つかったとしても、追い続けるのは同じ影なのだから]
(194) Cadenza 2010/09/10(Fri) 02時頃
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―いいん、ですか?俺、逃げちゃっても。
[好きにして、いい。その言葉をそう捉えて、問い返す。 俯いたままの口元が、はは、と乾いた笑みを浮かべた]
先輩にとって、俺なんてそんなもんだったんですか。 追いかけているのを知ってて、逃げて。
立ち止まったら手を伸ばすような、真似して―
[もう一度、乾いた笑み]
もう、先輩の背中は、見飽きたんです。 そろそろ、顔を見せてください。 ちゃんと、俺の方をみてくださいよ―
[俯きっぱなしだった顔を、ゆるりと上げる。 面にはいつものような薄い笑みが貼り付いていた。
(202) Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時頃
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好きにして―いいんですよね?
[多分、ラルフはそういう意味で言ったのではないだろう。 わかっていたがわざと歪曲して言葉を捉え、にこりと笑む。
一度ラルフの頬に触れ、今は離れていた手を再び頬に添えて、 ぐいとこちらを向けさせようとした]
ずっと、俺だけを見てください。 今まで見えなかった先輩の顔、ちゃんと見せてください。
[そう言って、ゆっくりと唇を寄せていく]
(203) Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時頃
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――……。
[寄せた唇は、拒まれることなく重なった。 片手をラルフの顎に添え、片手を彼の肩に伸ばして引き寄せる。
始めは重ねているだけだった唇。 しかしやがてはその中心をこじ開け、さらに奥へと]
先輩……っ。
[呼ぶ声を染める熱は、降り注ぐ日差しよりもずっと熱い。 このまま溶け合ってしまえばいいのに。 そんな言葉も重ねたままの唇からでは音にはならない。
何も、考えなくていい。 ただ俺だけを見ていれば、それでいい。
瞳に浮かぶのは、今まで抑えこんでいた欲望の色。 このままいっそ― 干乾びそうだった体が、満ちてゆく]
(212) Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時半頃
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[息をすることさえ許さぬような、貪欲な口付け。 それはどのくらい続いただろう。 唇を離した瞬間に、息を大きく吸い込んで荒い呼吸を繰り返す]
先輩。俺―ずっと、好きだった、先輩のこと。 だから―もっと一緒に、音を紡ぎたいんだ。
[ラルフの瞳をまっすぐ見る。 ジャージにぼさぼさの髪のままでは告白もへったくれもないけれど―]
もっと一緒に、居たいんだ。
[肩を抱き寄せたままの至近距離で落とす声は囁きとなって零れた]
(215) Cadenza 2010/09/10(Fri) 04時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 04時頃
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[揺れるラルフの瞳を見るたびに、鼓動が早くなる。 押し寄せるような鼓動の波に、気付けば恍惚とした笑みを浮かべていた。
縋るように服の裾を掴まれたのを契機に一度離していた唇を再び重ね、 コンクリの床へ押し倒す。 そこはちょうど貯水タンクの影。照りつける日差しが途切れ、空気の温度が僅かに下がる]
先輩がそんな顔するなんて―知らなかった。
[いやらしい人。まるで俺を煽ってるみたい。 耳元で低い囁きを落とし、目尻に溜まった涙を舌で掬う。 どろりとした欲が、身体を伝って降りて溜まってゆく]
こんなことしたら…嫌われちゃう、かな。
[そっと片手で抱きとめ、片手を下肢へ伸ばす]
こっち、向いて。俺だけ見てないと、だめ。
[伸ばした指先であやすようにしながら、啄ばむように口付けた]
(232) Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時頃
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先輩、好き―…。
[理性はとうに消え去っていた。 そうでなければ、物陰とはいえこんな行為に及べる筈がない。
繋がった部分を揺らせば、ラルフの口から甘い声が漏れるか。 それをうっとりとした表情で聞き、耳朶を噛む]
は、あ、うっ…せんぱ、い……す、き…… もっと、お、れに……らる、ふ……
[感情と本能に操られるままに腰を叩きつける。 二人の息と肌が絡み、コンクリにぽたぽたと雫が落ちた―。 若い交わりは、興奮した欲望が収まるまで続くかと思われたが、 不意に訪れた空腹によって理性を呼び戻されてやがてフェードアウトした]
(233) Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時頃
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……先輩。 俺、もいっかい楽器探してみるよ。 やっぱり、ここで終わりになんかしたくない。
[貯水タンクの裏に寄りかかって座りながら、言った。 重ねた肌。感じた吐息に―ひねくれていた何かが削げ落ちて。 ただもう一度共に音を紡ぎたい、音楽を創りたい、と素直になっていた]
そういえば、カルヴィンは気付いてないんだろうか。 俺は爆睡しちゃってたみたいで何も気付かなかったんだけど、 もしかしたら何か見ているかもしれない。
[落ち着いたら中へ戻って楽器探しと、犯人を見ていないかカルヴィンに聞こう。 けれど今は―。もう少し、寄り添った温度を、感じさせて**]
(234) Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 13時頃
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― 屋上 ―
[見上げる太陽はもう朝ではないことを告げている。 熱にうなされたような時間は、あっという間だと思っていたが―。
やらかしてしまったことに今更ながら困惑して、 ぼさぼさのままの髪に手をやった。 そこを、撫でられた時の感覚が蘇って、鼓動が一つはねた]
―ん。ありがとう。 見つかれば、いいんだけど。
[音が好きと言われて嬉しそうに微笑んだ。 しかし、サイラスの一件を聞けば表情は強張った]
あの人は、確かに昨日―ぽかりと空いた時間はあったけど そういうことをする人じゃない気がする―。
[だって、犯人なら自分に空白の時間があるなんて言わないだろうし]
(266) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時頃
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カルヴィンが?怪しい? いや、そりゃ…一番持って行きやすいのはあいつだろうけど―
[何のメリットが? 楽器への執着を否定しているように感じた彼が、 他人の楽器を持ち出してどうするというのだろう。 髪をくしゃくしゃとしながらわかんねーと呟く。
ラルフから携帯を見せてもらってカルヴィンの居場所を知れば]
考えるよりも、聞いたほうが早いですね。 あぁ、俺制服に着替えてきますよ。 流石にこの時間でこのカッコはまずいでしょう。
先輩、先に行っててください。 俺も後から行きますから。
[そうして、緩く手を振って先にラルフを送り出した]
(267) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時頃
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― 屋上 ―
[後で追いますから。 言っておいてまだそこにいた。
さっきまで明るかった表情はそこになく、 かわりに不安げな面持ちがあった]
あぁ、俺、ばっかじゃねえ、の……。 また困らせてるじゃないか…。
[その最中、自分の口からは想いを告げる言葉が 熱にうなされるように、何度も出ただろう。 ―けれど]
勝手に押し付けて―返ってくるわけ、ないよな。 おめでたい奴だな、俺ってば。
[はは、と気落ちした息が漏れた]
(271) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時半頃
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― 部屋A ―
[誰もいない部屋で堂々とジャージを脱いだ。 タオルで汗を簡単に拭いて、Tシャツを着て― 制服のズボンを穿き、白のワイシャツを羽織った]
――やっぱ、ないよな。
[寝る前に楽器のケースを置いた場所を見る。 一瞬メタリックシルバーが見えた気がしたのは、気のせいだった]
―――………。
[深い、深い溜息。 見つかる、そう期待をすればするほど、叶わなかった時の反動は大きい]
誰だってなんだっていいから、楽器返してくれってんだよ…
[返さないなら、金をくれ。 それが今の正直な素直なキモチ]
(275) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時半頃
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― →練習室E ―
[足早に練習室の方へと向かう。 途中食堂の方をかえりみて、腹減ったなあとぽつり。 けど、身体の欲求と心はシンクロしてなくて。 そのまま練習室の並ぶ廊下へ]
――!
[ラルフとカルヴィンの姿が見えた練習室Eへ入ろうとして、 締まりの悪い扉の隙間から聞こえてきたカルヴィンの声>>277に はっとして手を止めた。
そのまま、少し開いた扉の横―に立って、 壁に背を預けたまま聞こえてくる声に耳を向けた]
(283) Cadenza 2010/09/11(Sat) 00時頃
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ヤニクは、思いっきり眉間に皺を寄せる。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 00時頃
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― 練習室Eの前 ―
――……。
[溜息をついて首を振る。 警戒していなかったのは事実だ。 しかし、そこまで愚かだとは思っていなかったのだ。
昨夜の会話を思い出せば、楽器そのものに何の感情もないのだろう事はわかる。 しかしそれが彼の素性なのだろうか?
じゃあ何で、お前はそこで楽器弾いてるんだ…
[パルプフィクションのことを嬉々として告げた声は芝居だったのか? あの時2人で合わせた音も―]
わっかんねえなあ。
[意味がわからない。眉間の皺は深くなるばかり。 一度諦めた楽器、今更ないと聞いたところで虚しさが増すだけ]
(291) Cadenza 2010/09/11(Sat) 00時半頃
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ヤニクは、扉の前からは動かない。多分、顔を見たら黙って殴るから。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時頃
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― 練習室Eの前 ―
物置?
[届いたメールに首を傾げる。 副部長がそんな場所に一体何の用だろう?]
ってか、場所知らないんだけど。 物置ってどこだよ…
[知っていたらそこだって探したはずだ。 参ったなと顔を顰め、それでも今は中で話している2人のことが気掛かりで。 自分が出て行くと無駄に詰問してしまいそうだから―せめて話の中身だけはと。
部屋を出てきたラルフに立ち聞きしていたことを詫びるような視線を向けてから]
…あいつの他にも誰かいるってことですよね。 ずいぶんご大層なことで。
(303) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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[瞬いたラルフに向かって、軽い口調で言って肩をすくめる。 怒っていないはずはない。けれど、最大限にそれを抑えようとしていた―]
俺、なんだか知らないけど副部長に呼ばれてるんで、行って来ます。
[携帯をひらひらとさせ、連絡があったことを示す]
なんかあったら、連絡しますから。 心配は無用ですよ。
[―って言っても心配性の先輩は心配してしまうのだろうけど― それだけ言って、適当に歩きだした]
(304) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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― 物置付近 ―
俺の気が変わる前に。 って、どういう意味だ?
俺なんかやらかしたっかなあ…
[わけがわからない。 けれど、メールの最初の言葉にとても引っかかっていた。 おまけに食堂でかけられた言葉もある。
その上、ゆうべから一番疑念を抱いている人物でもある]
で、物置って、どこなんだよ…。
[立ち止まって辺りを見回した]
(305) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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―ん?
[かすかに聞こえるのは―]
フルート?
[なんで?と首を傾げて数秒後。 ようやく副部長とフルートが繋がった]
感情、が―。
[音色に首を傾げ、それから音の方向へと歩き出す]
――……。
[開いたままの物置の扉から中を覗く]
バーナバスさん。
[物置の戸口のところに立ったまま、声をかけた]
(308) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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― 少し前、練習室Eの前 ―
あいつが俺の楽器を持ってった…って辺りからですかね。 結構、聞いてたみたい。
[はは、とバツが悪そうな表情を向け]
いいんですよ。 もう。
あとは、あいつの問題でしょ? 俺や先輩がとやかく言ったところで…聞いてくれそうにないし。
[ちら、と練習室の方へ視線を向けた。 副部長に呼び出されたことに考え込む様子を見て、再度大丈夫だから、と。 もっとも、怒りを抑えている状態で大丈夫も何もあったものではないが―。
ともあれ、ラルフが引き止めようとする前に、 それじゃ、と言葉を残して歩き出していた]
(310) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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― 物置 ―
[声をかけても止まらない音。 それはどことなく何かを拒絶しているように聞こえ、眉を寄せた。
こちらを見る竜胆に、何の用?と首を傾げたが、 ふと逸らした視線の先に見覚えのある、メタリックシルバー]
………………どういうことですか。
[戸口に立ったまま、棘のある声を向ける。 探していて見つけたというなら、こんな態度になるだろうか? 気が変わる前にとか、言うだろうか?
抱いた疑念は消えない。 向ける視線は、射抜くように鋭い]
(314) Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時頃
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[途切れた音の余韻が残すのは、拒絶し果てる鳥の声。 昨晩とのあまりの差に、寄せた眉の間に皺が刻まれる]
―は?
[唐突に告げられた、事態の顛末に眉間の皺は一層深くなる。 楽器を持ち出したのは―カルヴィンのはずだ]
そいつ持ち出したの、うちの後輩だと思ってましたけど。 あんたがそそのかしたのか?
[射抜くような視線は一瞬圧を高くする。 すたすたとケースの傍へ寄って、ケースを持ち上げた]
すまなかったって言われてもねえ。 あんた、食堂で煽るようなこと言ってたよな。 ―からかってたのか?
[相手が年上である事に対する敬意を怒りが超えた。 努めて冷静に言葉を放とうとすれば、トーンが低くなる]
(319) Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時半頃
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そんなもん?!
[カルヴィンをそそのかしたのか、否か。 はっきりしない答えにちらと竜胆を見る]
そりゃ焦るだろうよ。お蔭様で。
俺をそんな目に合わせて、あんたは何がしたかったんだ? スコア盗んだ犯人探しはじめた腹いせか? まさかあんたも演奏会ぶっ壊すつもりだったとかいわねえよな?
[さっきカルヴィンが口にしていた、盗んだ理由。 2人が結託しているようには思えないが―]
スコアは?
[片手を出す。 別に、ちゃんと自分の手で返すというならそれでいいけれど]
(323) Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時頃
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――てめえ。
[表面上冷静を取り繕っているだけ。 裡は怒りでいっぱいの状況では掛けられた嘘には気付かない。 ぎりりと睨む視線は続く理由に呆れ、軽蔑の色を濃くする]
はあぁ?? あんた、昨日の合奏の時は根性入ってたじゃねえか。 俺のことだって走りすぎってどやしたよな? それがステージもオケもめちゃくちゃに…って意味わかんねえよ。
奪う方はどうだか知りたくもないけど、奪われた方は最悪だったよ。 200万もする楽器盗られたんだからな。
[吐き捨てるように言い、楽器のケースを背負った]
(327) Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
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俺に取って音ってのは命と同意だ。 あんた、俺が楽器なくして悲観して死んだら、責任とれんの? それくらいの覚悟でやったんだろうな?
[カルヴィンに、お前に取って音とは何だと聞いた。 自分の答えは、命だ。 心臓が脈という拍(リズム)を刻む限り、 身体に流れる音は消えることはないから。
じろりとバーナバスを見て、溜息をついた。 溜まり溜まった怒りは何を言っても消えることはない。 それに、相手も一応は詫びているわけで]
ま、楽器が返ってきたなら、もういいや。 ぐちぐち言ってすまんでした。
[ケースを背負ったまま、ぺこりと小さく頭を下げ―]
カルヴィンにもちゃんと謝ってよね。 本当にあんたがそそのかしてやらせたなら。
(328) Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
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ヤニクは、いい?と言うように首を傾げて小さく肩をすくめた
Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
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[彼が本当のところ何を想ってどうしたかったのか。 関わりが薄ければ察しようとする気持ちも薄い。 語られることが全て過去形であることが意味するものなんて、 わかるわけもない]
やっすい楽器で、やっすい命で それでも必死で音楽やってんだよ。 あんたみたいナご立派な音大生にとっては カスみたいなもんかもしれねえけど。
[逸らされた竜胆。 そして寂しい、と聞こえふ、と口を一瞬つぐんだ]
……だったら、くだらねえことやってんじゃねえよ。
[皆に謝ると聞けば何も言葉を返さず]
じゃあ。
[何もかもスッキリしない心持を抱えたまま、物置を後にしようとした]
(334) Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
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ヤニクは、大袈裟に肩をすくめながら物置を出て行った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
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― 廊下 ―
[なにこの気持ち。 どういうことなの?責めた俺が悪いの? あいつなんなのいい奴なの悪い奴なの?
返ってきた楽器ケースを背負いながら廊下を歩く。 思いっきり憮然とした表情で。 それはもう、全く釈然としてませんと言葉なくとも判るくらい]
―あ。知らせておかなきゃ。
[ポケットから携帯を取り出してメールを打つ]
(342) Cadenza 2010/09/11(Sat) 06時頃
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