158 Anotherday for "wolves"
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[ もんやり もんやり 違和感だけを詰めて 軽くなったバスケット。
ふたつともあの子と一緒にある花輪。 わたしは銀色の小さな塊を指先で弄って
どこか様子がおかしいまんまの "兄さん"へ話す。]
お兄さん、なんだか今日は静かね。
[ あたりまえだけれど、返事はない。 そのかわりに ジョスの手をぎゅっと握って
ふたりでゆっくり村へ 帰ろうか。**]
(359) 2015/05/14(Thu) 14時半頃
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[村の空気は、もうわたしひとりではどうにもならないくらい "いつも"と変わってしまっていて。 ヒトから刺さる蔑視の視線は、遠慮なく2人と1匹へ降り注ぐ。
けれどわたしは、それを遠巻きな足音でしか視られないのだ。]
ねぇジョス、なにか…へん?
[兄さんの様子、村の様子、ジョスはわたしに変わってしまった村を教えてくれた。
……ヒトが喰われた 族長も……
肉も残らず……
噂はどんどんとかたちをゆがめ、嘘、真実ごちゃ混ぜで。]
(373) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[狼狽えるわたしを、とりあえず家まで、と送ってくれたジョスに御礼を]
ジョス、ありがとう…………
[別れ際、不安な気持ちを押し潰すように手をぎゅうっと握る。
気を付けて、は、言えなかった。またね、も言えなかった。 手も、離せなかった。 あんまりにも……怖すぎて。]
ごめんなさい…わたしったら。
[兄さんをすこうし撫でさせてもらって、大丈夫、と。 無理にわらって家の前から彼を見送る。
……でも、いやだ。ひとりは、こわい。 ]
ばいばい。
[その場で泣きつけるほど、わたしはジョスを知らなかったんだ。]
(374) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[一旦は家に入った。 薄暗い部屋で、空になったバスケットを撫でて 今日はもう部屋にいよう、明日になればきっと、と 着替えようと……した、けれど。]
いや…………うそだよ…きっと うそ……よ…………。
[目を背けるちからも、直視するちからも、足りない。]
…………サイラス…………。
[溢れたのは、いちばん安心できるひとの 名。 一輪しか残らなかったタンポポを胸ポケットに挿して、隣の家へと駆けて行く。
ダン!(扉を叩いても) ]
さい……らす………(応えは無い)
[その場で膝が折れ、玄関の前の石に濃い染みが落ちる。出掛けたって…知っている癖に。]
(375) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[ 呼ぶ ]
(376) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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どこにいるの………
[ 開いた目から、ぼろぼろと 珠のような雫が落ちた。 ]
(377) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[ 声。 ]
…………っ、
[ 鴉よりも真っ暗な目が見開かれる。
ひかりを宿さぬ目が開かれる。
墓地から漂う死臭のように、過去が顔を出す。
あの日が来る直前。「わたし」の村の長は
ころされては、いなかったか。 ]
(382) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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― わたしの家の 玄関先で ―
[別れ際、何かあったら…なくても。 喚べと言ってくれたジョス>>402に眉が下がる。
だって、そんなことを言われたら 今すぐ呼んでしまいそうだったから。]
うん。そうする。……いいのかな。
[ おにいさん、よろしくね。と告げながら 獣をふわりと抱きしめて ぽん、ぽん。
サイラスにだけのぽんぽんを、ちょっとだけ。]
(410) 2015/05/14(Thu) 20時頃
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[獣の毛並みから顔を上げ、上の方にあるジョスを仰ぎ見る。 ほんとうに、優しい村。やさしいひとたち。
――わたしが居た街も、そうだった。]
ネックレスのこと、ありがとう。
[なにごともなければ良いってお願いは したって無駄だと 身を以て知っているから 祈ることはしない。
別離の挨拶のかわりに もういちど感謝を。*]
(411) 2015/05/14(Thu) 20時頃
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[ 起こる惨劇が 外れたピースを埋めるように わたしから過去を掘り起こす。
見たくない、視たくない――。
きっとあの優しいせんせいは わたしのところに来てくれるんだろう。 ただ怖くて どうしたら良いかわからなくて 弱くてなんにもできずに泣いているだけの…
『だから死んだんだよ あんたの親父さんは。』
いや。 嫌だ。 ――見せないで ]
ちがう……おとうさまは、ちがう…… ………皆を信じていたの だもの……
[ 暗闇のなか ひとり譫言のように 繰り返して ]
(432) 2015/05/14(Thu) 21時頃
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[ 地中から湧く記憶という死者の手が ずるりずるりと わたしの腕に、足に、腹に 首に 絡みつき 必死にそれから目を背ける。
覆って塞いで目を潰して、真っ暗にしてしまえば…。
ほう、闇の中に浮かぶランプの光。>>416 ふわり、その向こうに佇む紫苑。>>381
わたしをつないでくれている、ひと。 ]
、サイラ ス…………
[ 大きな手が、わたしをあったかい場所に入れてくれて 詰まる喉が邪魔をして うまく言えない。>>417]
(433) 2015/05/14(Thu) 21時頃
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さっ…… …… ぅ………。
[ サイラスの腕が強張っていることを感じられるほど わたしに余裕があったならいいのに ここにある温かい光が 来てくれた奇跡と安堵に
恐怖に光が当たって、かたちがみえてくる。]
さい らす……… わたし こわ、くて…
[ 背中に感じる赤子をあやすようなリズム>>420 いつもわたしの手とつながっているそれが いまは髪を撫でている。
髪の波が彼の手で ゆっくりゆっくり整っていって わたしのこころも少しずつ、融けていった。]
(434) 2015/05/14(Thu) 21時頃
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[ 落ち着いて、呼吸も無事にできるようになった頃。 サイラスがわたしの様子を伺った>>429頃。 わたしはサイラスの背に腕を廻して ぽん ぽん。
もうだいじょうぶ そう言うように。 そうして腕の力がすこし 解けたなら 彼の腕に抱かれたまま 顔を上げて ]
サイラス、 ……せんせい。 ごめんなさい……。 ありがとう。
[ そう、告げた。 視えないはずの「せんせい」の存在へ わたしが声をかけたことに サイラスは気付くだろうか。]
(435) 2015/05/14(Thu) 21時頃
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………聞く。
[>>430 たぶん、だけれど。 それはもうすでに ”知っている”こと。
気が付きたくないし、思い出したくないけれど ひとりのわたしに突きつけられるよりは 余程。
サイラスの首にもう一度きゅうっと抱きついて 彼が話す ”昨日とは違う” 村のはなし。>>431
噂の嘘と真、そして 村の誰かが 族長様とオーレリアを殺したのだろうという。]
うん。 たぶん、そう。 ”わたしのとき”も… そうだった。
[ 蓋をしていた わたしの故郷の はなし。 ]
(442) 2015/05/14(Thu) 21時半頃
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うん。 わたしがせんせいに、来て って。 サイラスをつれてきて って、お願いしたの。 ……だから、わかるの。
[ たぶん いやぜんぜん、わけがわからないだろうけれど 時におんなのこはそういうものなのです。 目元に触れる指>>439に 頬を擦りつけて 猫のように首をかしげて 体温と 優しさを貰う。]
なんにもしてないなんて。 わたしの泣き声をいっつも聞きつけてくれるのは せんせいでしょう?
[ まだ腫れた目元を彼へ>>440向けて、 眉間に皺を寄せていた 昨晩のせんせを思い出した。]
(448) 2015/05/14(Thu) 21時半頃
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[困惑声のサイラス>>451に、わたしはやっと くすっとひとつ わらうことができた。]
サイラスだったら、きっとわたし 甘えすぎてしまうから。
[同じようなことを、重ねて言って。
重くて昏い話題>>430>>431>>442がはじまったのは、 たぶん その後。]
(453) 2015/05/14(Thu) 22時頃
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首の……? あ、ああ。
[わんわん泣いて、すっかり頭から消えてしまっていた。 指で探せばさっきと同じ場所にある 硬い感触。 指先で ころりと転がして ]
これね、さっきメアリーに貰ったの。 花かんむりの御礼に、だって。
メアリーね、何か様子が変で しんぱいなの。 わたしに「いちばんなくすのが怖いもの」は何 って 聞いて……きたりして。
[もごもごと、歯切れの悪い返事を2人へと>>455>>467]
(475) 2015/05/14(Thu) 22時半頃
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[ 街を纏めていた市長さんが亡くなったと報せがあった。 市長さんとお父様とは仲良しで、 わたしもよく遊んで貰っていたから すぐに執り行われた葬儀には わたしは黒いワンピースで よく事情もわからないまま参列して。
わんわん泣いていた、市長さんのかぞく。 困った顔の市政の職員さんたち。 どうしてあいつが、と悔しがるお父様と同じ 歳の頃のひとたち。
その中でひときわ泣いていた ―――市長さんの おくさま 。]
で、ね。 はじまったんだ。 せんせいの言ったみたいな………魔女裁判が。
[ 覚えのあるそれ>>472に 声はひとつ 落ちて ]
(485) 2015/05/14(Thu) 23時頃
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おとうさまは、そんなことはしないって…。 街のひとを信じるから 誰も殺さないって言って
ころされて しまった。
[ 俯いて、涙は溢れないけれど 薄らと開いた目は とおく とおく 焦点は合わず
深淵を 見下ろす 。
そのまま 言葉は続いて ]
………だから、そう。 せんせ、 ひとりで抱えないでね。 わたしも もう せんせがああなるのも サイラスが ああなるのも 嫌なの。
[ 語尾は微かにつよさを帯びて、彼>>474の背を押した ]
(486) 2015/05/14(Thu) 23時頃
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うん……メアリーのお墓参りが終わったら もう一度宿屋に会いに行こうと思ってた。
なんだか 辛そう……だったから。
[ ぎゅ、と袖を引く。 ]
いっしょにきてくれる?
[ なんだか今日は、この温度>>479と 離れていたくなくて。 ]
………サイラス………
[ ほんとうに彼が此処に居る事を確かめるように もう一度 首元に顔を埋めた *]
(498) 2015/05/14(Thu) 23時頃
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[ ゆらり ゆら 胸ポケットでひとりきりの蒲公英が揺れる
さっきもらった温度>>504を保つように 取ったサイラスの手を、いつもより強く握って わたしは宿屋を訪ねに行く。]
メアリーーー!
[ 朝と同じ、裏の勝手口で彼女の名前を呼んだけれど 返事はなくって。
とっても大きくて悲痛な声だったものだから 部屋に居るラーラ>>500が もしまだ居たのなら 聞こえたかも、しれません。]
(512) 2015/05/14(Thu) 23時半頃
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[ ……??? >>525
わたしには、このゆっくりと勝手口をひらく音の主が わかりません。 ルパートさんならもっと大きな靴音ですし グレッグなら勢いがあってちょっと硬い靴音ですし メアリーが黙って出てくるはずはありません。
けれどさっき、サイラスが言った「あの子」>>515 ってだあれ? と聞いていたのと、すかさずサイラスが教えてくれた>>532のには、顎をぴくりと上げて]
………ラディ?
[喋れないらしい、と誰かから聞いたことはありましたが 実際のところを確かめたことはなくて ……ほんとうなら、たぶんわたしとお話するのは 大変かも なんておもいながら、声をかけました。]
(533) 2015/05/15(Fri) 00時頃
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[かさ。かさ。ひとが近づくおと。>>543 わたしは耳をそばだてて それを聞きます。 綿毛が地に根をおろすおとを 聞くように。]
…………。
[吐息のおと、隙間、 母音と子音。 わかりそうで、わからない、…わかる? わたしは思わず顔ごと耳を近づけてしまいます。
あまり知らない人からしたら、ちょっとぎょっとする距離。 手に触れた感触>>543は、その頃でした。]
(こんにちは) うん。マーゴットっていうの。
[掌のうえで踊る、やさしいゆび。 どんなひとなのだろうって、むくり、心が騒いで]
(561) 2015/05/15(Fri) 00時半頃
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……うん、サイラスがいるから、だいじょうぶよ。 ラディ は……?
ねぇ、ラディ。 ……あなたに触っていいかしら?
[ どんなお顔で どんなすがたなのでしょう。 同性だから、せんせいにお願いした時よりも勇気は少なめ。
彼女が頷いてくれたのなら、手から服、頬にくちびる 駱駝色のカーテンの下にまで、 振り払われぬ限り、 小さな指がお邪魔するはず。]
(562) 2015/05/15(Fri) 00時半頃
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……へえ、 ふぅん いいなぁ…
[ 感嘆符達と一緒に歩く、ラディのからだで動く掌。 かたちのいい爪だとか、長い指だとか とっても細い手首に 折れそうな首… どれもわたしには無いものです。
さらり、手の甲に触れる前髪。]
わ、 前髪…長いのね。
[ するり、その下に滑りこむ小指。 目元をかすめて 固く閉ざされた ――瞼。>>581
( ―― 腫れてる。)
ぽっぽと熱を孕む目元と、不自然にぶあつい瞼。 あぁ わたしと… おんなしだ。]
(584) 2015/05/15(Fri) 01時頃
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わたしもね、さっきまで泣いていたの。
[跳ね上がった肩>>581の理由を知らないわたしは 泣いていたことについてだと誤解して
彼女は視えているっていうのに、わたしはラディの手を取って、自分の瞼の上に重ねます。 きっと、とくとくとまだ熱を持つ瞼が ゆたんぽのように 彼女の指を温めることでしょう。]
つらいね。 ………わたしも。 オーレリアおねえちゃん、大好きだった。
[じわり、またにじむ涙。 でもこの泪の樹は ”過去”に怯えたものではなくて 優しいおねえさんにもう会えないさみしさから生えている。]
(586) 2015/05/15(Fri) 01時頃
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ラディ……?
[ 詰まった息>>582 どうしたの?と 名を呟いて 突然強張ったように感じた空気と彼女のからだに
わたしは疑問符を浮かべました。 ]
(587) 2015/05/15(Fri) 01時頃
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[ わからないけれど、 謝罪の声>>611が聞こえた気がして
首の薔薇の元の持ち主を知らないわたしは 彼女が怯える理由がわかりません。 そして何を「視て」彼女が「そう」なったのかすら 見ることはできないのです。
困惑も、不安も、嫌疑も 「なにか」は視えるのに 「なにも」見えない。 ]
ごめんなさい……。
[立ち入りすぎてしまったかと、反射的に零れた声。 現場を見て倒れてしまった彼女の前で、 オーレリアの名前を出してしまった事を 悔やむ。
惨劇を聞いただけのわたしと、惨劇を見てきたわたし。 彼女の滲んだ泪は多分じぶんのせいだから、これ以上触れてはいけないかもしれない。 彼女の傍から距離を取るため 数歩下ろうと**]
(636) 2015/05/15(Fri) 02時頃
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