255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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[ああ、 隠さねばならないから――― 一口目に伝える謝罪が、 抜け落ちてしまったのだ。]
向こうに布団はねえが、 ちゃんとソファで眠ってるよ。
[虚実を誠らしく告げるのも、慣れた。>>124]
(145) 2018/11/30(Fri) 23時頃
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[弱い癖に、気丈であろうとする>>123
それだけが、アポロは分からない。 パピヨンのように強くない少女が どうしてそんなにしっかり者のふりをするのかが。
どうして――妹を装っていられるかが。
最低>>125 そう形容した妹に、少しだけ目を丸くする。
“アポロがどんなに汚い大人なのか” 綺麗なものしか描きたがらない 夢想家の少女には――――― “わかるはずがない”のだから
見抜かれる事なんて、ない筈なのに。]
(146) 2018/11/30(Fri) 23時半頃
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だって、いつもの化粧のほうがいい。 素顔がいい、って褒めたつもりだぞ。 [取り繕う言葉、少しばかり眉が下がって 困ったように口を歪ませもした。
悪意はアポロの顔にはない。 大切な隣人に接する感覚と同じだから。
この街が好きだ。 この街に住むいのちが好きだ。 心あるものが好きだ。 だからフローラも好き。
家族の一員か 住民かの境がないだけに過ぎない。]
(149) 2018/11/30(Fri) 23時半頃
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[だが、この少女は心を隠そうとするのだ。
幼い頃は、ありのままの心を男に見せてくれたのに。 描かせてくれたというのに。
そこは、少しだけ気に食わない。]
(150) 2018/11/30(Fri) 23時半頃
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[話を促す少女に言葉を悩む。>>126 真実を、言葉には出来ないから。 口にしてはいけないものだと判っているから――]
残念だが…… 召集に掛かったよ。
こればっかりは、どうにも出来ん。
[お前でなくて良かった、という言い分は、 泣かせてしまうと教わったし、 頭を撫でて、抱きしめてやればいいのだろうか。]
(154) 2018/11/30(Fri) 23時半頃
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[フローラが泣くのは、嫌だから そうしたいと思った。 なのに、
やめろ、やめろ、やめろ。 そうやって家族面をするのを! 彼等一家にアポロを含めようとするのを!
アポロは――――、]
(155) 2018/11/30(Fri) 23時半頃
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[…… “男”は、深く息を吐く。]
そうだな、兄妹なのに。 お前には俺しかいない 俺にはお前しか家族はいないのに。
離れたくは、無かったよ。
……一度は救われた命だが 神様に見放されちまった。
[アポロを、殺す。
アポロを殺す男は、手を伸ばして。 妹の頭を軽く撫でた]*
(158) 2018/11/30(Fri) 23時半頃
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あの時は驚いたな。 起きたら水浸しだったしよ。
昨日は大丈夫だ 咥え煙草で寝ないようにしてるから。 お前に迷惑もかけられないからな。
[その言葉は真実だ。>>173
別に焼きたてのパンを 口に突っ込まれそうになった事が>>0:177 迷惑をかけたくない、に繋がっている訳じゃない。
商店街の連中のように必要な時を見極めて 手伝おうかと声を掛けてくれたらいいのに。 治療院の看護師たちみたいに介助するにせよ 他人と他人のラインを弁えてくれたらいいのに。]
(202) 2018/12/01(Sat) 09時頃
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[だって。 半分血が繋がっただけの、他人なのだから。
兄らしくない兄に、足の無い男に 義理立てすることで 優越感にでも浸ろうとしているのか
自分は足があるから助けてやらねばと 可哀想だからと満足感に浸っているのだろうか。 アポロは妹を自称する少女の魂胆が分からない>>171
頼んでもいない事を気にしたがる。 この少女は優位性を持ちたがっているのだと
可哀想な家族に尽くしている健気な自分に 絵本のヒロインを重ねているのだと その様に、見えるものにアポロは理由をつける。
見えないから、 ――――分かろうとしないから。]
(203) 2018/12/01(Sat) 09時頃
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…………。
[化粧をしている事なんて知らないだろう、 少女の言うとおりだ。>>174 アポロは些細なことを気づいていても口には出さない。 少女は弱いから、難癖をつければ その日一日を鏡を見て気にして過ごしそうだ。 パピヨンのように強い女なら、 お前の目が腐っているのだと 眼球洗ってもう一度同じ事を言ってみろと 一笑が返ってくる。
同じ反応はしないだろう。 だって、何時も何処か、おびえている。 怯えさせている原因が自分であるように感じているが それだって、この三年で 煩わしいものだと見解が歪みつつあった]
(204) 2018/12/01(Sat) 09時半頃
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だめだなあ。 ミナモトに見た目の変化を 気にかけろって言われたけど。
……機嫌損ねるばっかりだ。 [素顔とは何か。
アポロが知っている限り、 赤ん坊だったフローラや ラベンダー畑で過ごしたあの頃は なにも隠してはいなかった。
俯いて、視線を合わせようとしない彼女に 目を向けて欲しいとも思わないだけに 困ったように深い息を重ねるのみ。]
(206) 2018/12/01(Sat) 09時半頃
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[アポロは、いつものように アポロである事を押し隠す。
この三番街にアポロをアポロと呼ぶ母親は 四十年前に居なくなってしまったから。 この三番街にアポロをアポロと呼ぶ女は パピヨンしか存在しないから。
他人は皆、姓や名前に掠らない言葉で呼ぶ アポロを隠す事に慣れて、 “仮面”を一枚被りなおす。
他人を兄と呼びたがる少女の声に>>176 叫び出したくなる不快感から 逃げるために。]
(207) 2018/12/01(Sat) 09時半頃
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連中の考えている事は分からないが……
俺がこの街からいなくなっても キングスの社会に支障はないからだろうな。
きっと、一番最初に俺が選ばれただろう メールが届いたのも昨日一昨日の話じゃないから。 [数日前には届いていた。
誤差があるのかもしれない。>>0:167 ほぼ確定の誰かと選定の末に確定した誰かとで。
昨日になって世間が騒がしくなったのは 多くの者たちに召集のメールが送られて来たのは 昨日であった、という事だろう。
そんな差異は珍しくも無かった。 三年前も、メールの通達は 皆が同じ日では無いようだったから。]
(208) 2018/12/01(Sat) 09時半頃
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[男が妹の頭を撫でる時。 ピスティオが一瞬垣間見せた緊張感を思い出す>>104 今まで深く考えた事は無かったけれど キングスが徘徊する宮廷で あいつは大丈夫なのだろうかと
一瞬、思考が逸れて。
そうしてまた、返ってくる。 頭を撫でて膝を床に落としてしまう妹に>>178 男は、慌てた様子で腕を引いた 頭を何処かに打たないようにと。]
(209) 2018/12/01(Sat) 10時頃
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[膝に縋り付いて泣きじゃくる妹に>>179 “男”―― 食用ではないにせよ仮面>>59を作ってくれと頼まれた
イアン・エイムズ>>0:470の“顔”が剥がれそうになる。 十年前までこの街に居て、善良な人間の一人だった 男と同い年の、親友の“顔”。
仮面の裏で怒りと不快感を露にする アポロの心が露見しそうになって、
――――でも、大丈夫だ。 そっと被りなおすのは、慣れているから。]
(210) 2018/12/01(Sat) 10時頃
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ごめんな、フローラ。 兄さんにはどうする事も出来ない。
[男は、手のひらをそっと妹の頭へと置き直し、撫でる。 神様はいないと嘆く妹に、目を伏せる。]
でも、一度死にかけてから三年も傍に居れたんだ。 神様が俺の寿命を伸ばしていてくれたんだ。 だから、感謝しねえとな。
[抑えていたものを抑えられなくなった妹が 膝を濡らすのを (耐えて) 止める事なく、慈悲で生き延びたのだと言い変える]
フローラ、頼むから泣かないでくれ。 お前の顔を思い浮かべても、 泣き顔しか思い出せなくなるのは、悲しいからな。
(211) 2018/12/01(Sat) 10時頃
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そら、イルマが焼いてくれた菓子が冷めるぞ。 化粧だってやり直しになっちまう。
[車椅子と自身の身体を固定する腰のバンドを外し、 しっかりと筋肉のついた両腕を伸ばして 膝に顔を埋めていた妹の身体を抱き返そうと。]
お前が兄さんの分もたくさん生きてくれ。 そうすれば、俺は救われるさ。
[それは偽りではない。 善良な人間の“顔”にとっては、嘘ではない 心から―――心は、何処にあるのだろうか]*
(212) 2018/12/01(Sat) 10時頃
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[アポロが少女を理解する事はない アポロは妹だと自称する少女に理解されたくない。
だって、他人なのだから。
それでいいのだ。 他人を構成するものを理解するのではなく 少しでも共感出来る出来ないで判断すればいい 共感出来る相手はとても好きになり 共感出来ない相手でもアポロにとって嫌いではない。
この三年は、自分の心の中に仕舞いこんでいた 鬱々としたものを探す手立てとなった。>>213 知りたくなかった、認めたくなかった 父親が他の女と結ばれ、新たな家庭に変わって そして人として欠落することで 自分の本質を突きつけられ この一家と過ごすことの違和感、 それによる怒り、苛立ちに気づく。]
(223) 2018/12/01(Sat) 14時半頃
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[アポロは少女を別の何かとして見て>>214 正しい“心”を探して描くから 幼い頃の絵しか描けない。 妹はきっと兄を描けない 兄だけを描けないか、までは知らないが。
水彩画は風景や静物画を描くのに適している だから、綺麗なものを描いていればいい。
アポロのようにヌヴィルの一員でありながら “この一家”の異端を、異分子を 分かろうとしても、“この一家”の娘が 理解することなどは出来ないと思っている。>>215 そうさせない為に、仮面を被って 家族ごっこをずっと続けているのだから
―――知られたくない。]
(224) 2018/12/01(Sat) 14時半頃
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昔みたいに化粧してなくてもいいけどな。
でも、皮膚が紫外線がどうとか、あるんだろう? 俺ぁ、お前の肌が荒れちまうのは嫌だから 保湿はちゃんとしておけよ。
…それにしてもミナモトのアドバイスは駄目か、 飲みに行った時にでもクレームつけてやらねえと。
[優しく、少し女心に疎く。 でも、“家族を大切にしている”仮面は 本当に仮面として機能しているのか。 アポロは――男は分からない
義母の遺言だって分からない。>>217 “他人の”少女に無理な話なのだと 交点を避けて、穏やかで(――穴だらけの) 嘘が詰まった食卓で二人、過ごす。]
(225) 2018/12/01(Sat) 14時半頃
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しょうがないんだ。 それに、歴史の教科書で読んだだろう? 今はこうして…自由は足らないが生きれる 運が良けりゃ、死ぬまで此処で暮らせる。
ご先祖様の頃はそうじゃなかったって考えりゃ 俺たちはきっと、恵まれている。
[キングスに人間が降伏する前と してしまった今では、本当に何方が幸せなのか。 ……分からないが、 父や義母がこの地で死ぬ事が出来たように 骸がきちんと埋葬出来たように 今生まれて良かったのだろう、が客観の意見。]
(226) 2018/12/01(Sat) 14時半頃
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隠してたのは…解るだろう。
お前に言いづらかったんだ。 いつも笑っていて欲しいから 傷つけたくなかったんだ。
[愛すべき隣人に願うことと同じ。 嘘ではない。
愛すべき隣人たちもそうだろう。>>218 伝えたい、伝えたくない、意思は幾つもある でも、笑っていて欲しくないなんて 誰ひとり思わないと。]
お前をひとりにして、すまないと思っている。
[互いに謝意を告げれば、 それ以上の告解はない。>>219]
(227) 2018/12/01(Sat) 14時半頃
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…………。
[少女は――妹は、 時折、勘のいい事を言う。>>220 なにも分からないで居てくれるように なにも言わないのに。>>215]
そんな事はない。
[神様が居るかは分からない。 絵では描けない。 でも、死神はいるじゃないか。]
(228) 2018/12/01(Sat) 14時半頃
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[手を伸ばす妹が顔を上げたなら>>221 少しだけ、男は――アポロは 変な顔をしていただろう。
それも、髪に指が触れるまでの束の間だったけれど。]
(229) 2018/12/01(Sat) 15時頃
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[だって、妹なんて居ない。 妹がいないから、 死ぬ寸前に思い出せるかなんて。]
(230) 2018/12/01(Sat) 15時頃
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馬ぁ鹿、思い出すなんて痴呆扱いするな。 お前と過ごした時間を忘れる訳がねぇだろう。
[一瞬、生まれた空白を満たすように。 アポロは――男は肯定する。
肯定? いぃや、すり替えたのだ。
妹をお前、と。 フローラという少女との半生を、と。]
(231) 2018/12/01(Sat) 15時頃
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[妹が兄を兄さんと呼ぶことがあっても 兄が妹を妹と呼ぶ時に妹さんとは呼ばない。
だから、仮面を被れる。 少女が半分は自分と血の通う存在だという事を 肯定する機会は少なくて済むのだ。 同居している他人だと、概念を歪める事で アポロは、仮面を被っていられる―― 平穏で穏やかな、住人のひとりとして 今も、羊を飼える。 生きている羊ではなく皮――“仮面”を従えて。]
(232) 2018/12/01(Sat) 15時頃
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って言っても作ってもらったのは昨日だからな。 温め直して貰って、時間は経ってねえから 硬くなる前に食べよう。
[誰が温めてくれたのか。 電子レンジではなく炊飯器で水分を飛ばさずに ふっくらと温め直してくれたのか。 態々口に出す事はしなかった。
テーブルに置いた包みを開き、妹に託す。 あとついでに――
絵や粘土を拭う為の毛羽立ったタオルではなく ハンカチは持っていけと書置きがあったから 伴に置かれていた女性もののハンカチを ジャケットのポケットから取り出した。
いい香りのする、明らかに男の私物ではないものを 妹の手に握らせ、使えと促して背を見送る。]
(233) 2018/12/01(Sat) 15時頃
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そうだな、二つ頼む。
[妹を自称する少女は コーヒーに入れる砂糖の個数を知らないが パピヨンは望むとおりの分量の 焼酎をグラスについでくれる。 酔いが回ってくれば自動的に薄められるが。
―――― 安心している。 アポロを理解している女は、 この街に一人だけであることを。
だからこそ、安心して逝ける。
死を意味する伝達を受けたというのに 震えておびえているのは 死を突きつけられていない少女だけで 実際に突きつけられた男は、 何処か幸せそうに、目を細めた。]*
(234) 2018/12/01(Sat) 15時頃
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[何故ミナモトが言えば良くて男が告げると駄目なのか。 その評価は解らず、首を傾げもした。
いくら肌に粉をはたいたって 揚げパンより旨くならないと そういえば良かったのだろうか。 化粧が濃すぎるといえば最低と言われるし 化粧が要らないくらい瑞々しいといえば 何故か発案者の肩を持たれるし、謎だった]
どっちだ。 覚悟させられるのは嫌なのに 隠されたくないなんて。
[妹の言葉を繋げるとすれば>>252>>253 事前に知らされようが恵まれておらず 隠されるのは嫌だから早く教えて欲しいという]
(271) 2018/12/01(Sat) 19時頃
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