266 冷たい校舎村7
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[ 分かち合う火も、大まじめな言葉も、 向けてくれる優しさすべてを、 正面から素直に受け取れないくらいに。 ]
(330) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[ そのマネキンは、3階男子トイレにある。 ]
(331) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[ ぽっかり空いた身体の中心部。 いわゆる、心臓があるであろう辺りに穴がある。 探れども、鼓動を刻む筈の心臓はそこにはない。 空いた穴からは真っ赤な血が滴り続けており、 制服下の真っ赤なパーカーと同化している。
傍らには、真っ赤なハートのぬいぐるみ。 ちょうど猫が抱えるのに程よい大きさだ。 継ぎ接ぎにある縫い目を隠すようにと、 紺のリボンで覆うように結ばれている。 しあわせの象徴は、どこにも見当たらない。 ]
(332) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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肺に煙がゆき渡るように、満たされたかっただけ
(333) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[ そして、幾度目かの合図が示す意味は── ]**
(334) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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―― 保健室 ――
そうだよ。性格悪いんだ。 気付くのが本当に遅かったな。
[ふん、と鼻を鳴らす。 付き合っているときは こんな言い争いすらしたことがなかった。
感情を剥き出しにして、本心を語る]
(335) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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分からない、そんなの。俺にだって。
[眉を寄せて、胸を押さえる。 苦しげに息を吐き出した]
ただお前が傷付いていると、 俺も苦しいんだ。 どうにかしてやりたいって思うんだ。 俺が傷つけたのにな。 おかしいだろ。
(336) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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そんなに傷付いてるっていうのに 俺にはなにも望まないって言われて。
お前も、性格悪いよ葉子。
俺の逃げ道、どこにもねえよ。
[くしゃり、と顔を崩した。 もう余裕など、どこにもない]
(337) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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あっさり別れて。 でも委員長と副委員長として 普通に上手くやっていけていて。
お前の俺に対する思いも、 そんなもんだったんだなって。
そう思うじゃないか。 聞いてない。今さらになって、好きだって。
そんなこと言われたら――……
(338) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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俺だって、お前のこと気になっちまうだろ!
(339) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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[顔を真っ赤にして、叫んだ。 きっと俺の瞳は潤んでいたように思う。 しばらく、荒い息を吐き出していた俺は]
……ばかばっか。
[小さく、独り言ちた。
周りを馬鹿と蔑んでいた俺自身も、 馬鹿だったのだろう。 そのことに、ようやく気付いた。 踵を返す。葉子に引き留められなければ そのまま保健室を後にしただろう]*
(340) 2019/06/15(Sat) 23時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/15(Sat) 23時半頃
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──夜:3年7組──
[ シャワーを浴びてから教室に戻る。
何も考えず、昨日と同じ位置に陣取り、 毛布にくるまって、今日も眠ろう。
養拓海>>314が教室で眠ろうとするのに、 一言、「保健室行かないの」と声をかけ、 ……けど、それだけ。
床に寝っ転がって見上げる窓の外。 相変わらず、ごうごうと白が舞っていて、 ただ白いばかりの空を仰向けに眺めているうち、 きっと、僕は眠りに落ちている。*]
(341) 2019/06/16(Sun) 00時頃
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[誰しも何かを抱えていたって、 それが同じとは限らないし。>>+48
母から買ってもらったものだけならいざ知らず、 生みの親に似てしまった顔、それを抱えた自分。 それらを捨てたい、だなんて、きっと、傍から見れば親不孝者にもほどがある。
だから、わかってもらおうだなんて思ってなかったはずなのに、 ちっぽけな己は口にしかけてしまった。 灰谷彩華はこういう風に――人間ができていないところがあると]
(+54) 2019/06/16(Sun) 00時頃
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[だから、沈黙>>+49を塗り替えてくれる存在は実のところかなりありがたかった―― ということを本人に伝えることはなく、 イロハはすぐには自販機を目指さず、 夜の病院敷地内をうろうろしていた。
見送ってくれた宇井野>>+50の言葉には頷いた。 その時ばかりはいつものイロハらしく笑えたと思う。 冷たく凍った場所で朽ちるつもりはない。 ただ、少しばかり、頭を冷やす時間なら欲しかった]
(+55) 2019/06/16(Sun) 00時頃
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ここはまぎれもない現実。 死んでしまったってマネキンが残るわけじゃなくて、無残なあたし自身が残る。
水面から顔を出せなくなったあたしは再び苦しさの中に戻る。 死んじゃった時の虚無感も、生きて、呪いのようなものに付きまとわれようとする息苦しさも、 よくよく考えてみれば重さは変わらないんじゃないかな。
……ねえ、どう思う?**
(+56) 2019/06/16(Sun) 00時頃
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