212 冷たい校舎村(突)
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[でも、そーだな、確かに通の言う通りだ。 あン時の俺は、ただ、 俺の意思で通と仲良くしたかったんだよ。
真剣そうに話す通に、 俺はまた、眉を下げて、笑った]
……通、案外怖ェこと言うなァ。
でもアンタならやりかねねェって、 今なら思うわ。
[死に近いって意味なら、ここも地獄も同じだろ。 実際、こうして殴られてるし、言われてるし]
(197) 2017/03/19(Sun) 14時半頃
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[ ……この手も、離してくれそうにねェし ]
[殴られる直前に掴まれた胸倉はまだそのまま。 なァ、こーいうのって 殴ったら離してくれるモンじゃねェの?
なんて、思ってたんだけどサ。 不意に、視界が滲んできて、手の甲でそれを拭う]
あれ、なんで俺……。
[泣いてんだ?って、 泣いた事なんて、今までなかったのに、 なんでだって、思うけど、 その時、ふいに入間が聞いてきて、>>187]
(198) 2017/03/19(Sun) 14時半頃
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……かも、なァ。
[ずぅっと笑ってたつもりだったけど、 どこかでずっと生きづらいと思ってた。
仲間外れにするような目が、嫌で。 みんなにそんな目されるのが嫌で。
だから隠してたのに。 最期だから話したのに。
話したからには帰らないつもり、 ……だったんだけど。
入間の言葉に、顔を歪める。>>188>>189]
(199) 2017/03/19(Sun) 14時半頃
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[俺は、自分が不完全だから、 人になりたいだなんて大層な事願ってた。
でも、ホントはさ、 それでもいいよって、ただ誰かに言って欲しかった。 でもそれが無理だって思ってた、のに、]
(200) 2017/03/19(Sun) 14時半頃
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アンタ、案外男前だなァ。入間。
……いいのかよ。俺、帰ってもさァ。
知らねェぞ。 俺、アンタたちに平気で 物騒な物、向けられる人間だってのに。
[滑っていったはずの包丁は もうどこにあるか分からない。 多分、雪に埋もれちまったんだろうな。
早くこいつら帰して、 俺はここに残るって気持ちと一緒に。
訳も分からず滲む涙を拭いながら、 俺はまだ、拗ねた子供みてェな台詞を吐くんだ]*
(201) 2017/03/19(Sun) 14時半頃
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[羨ましかったんだよ。アンタらが。
ちょっと悪戯しただけで怒ったり、 ぼろぼろ泣いたりする那由多が。
パンケーキバカスカ食って怒って、 人の胸倉掴んで火山みたいに怒れる通が。
笑ってばっかじゃ疲れないかって、言って、 人のために怒れる入間が]
(202) 2017/03/19(Sun) 14時半頃
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[ ……あーあ。やっぱ俺、怒らせてばっかだなァ ]*
(203) 2017/03/19(Sun) 14時半頃
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[ 理一、おまえ、聞いてきたよな。 おまえが泣いたら、びっくりする? って。
びっくりするよ って、俺、言ったけど、 今、声震わせてるおまえのこと見て、 泣いてる、おまえのこと見て、
つられてるのか、嬉しいのか、 ほっとしてるのか、なんだか、 わかんねえまま、俺もなんか、 また、泣きそうだ って、思ったりも、したけど。
びっくりは、しなかったんじゃねえかなあ。
思ったほど、なにもかも、 ダメになるわけじゃ、なさそうだ。]
(204) 2017/03/19(Sun) 15時頃
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バカ、いいも、なにも、 俺らが迎えにきたの、 全部、何もかもひっくるめて、 俺たちが、今まで一緒に過ごしてきた、 おまえ なんだって、理一
[ 俺は、多分泣きながら、笑ってて、
帰ろうぜ、さみーよ って、 おまえの世界 に、やってきたときみたいに、 身体を震わせて、もっと寒そうな古辺に気づいて、 あいつのブレザー、被せるみたいに返しながら、
今度はさ、座り込んだままの理一に、 俺が、右手を差し出して、 そろそろ立てば? 濡れるだろ って、笑った。 *]
(205) 2017/03/19(Sun) 15時半頃
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[差し出された右手と那由多を交互に見て、 俺も多分、那由多と同じよーな顔してた。
「どうしたいの」って入間が言った事。>>172 そんなの最初から答えは決まってた。
“みんなと一緒に居たい” たったそれだけの事って思われるかもしれねェけど、 俺にとっちゃ難しかったんだよ。
でもサ、アンタらがそんな俺でも いいって言ってくれるなら、赦してくれるなら、]
[ 俺は、]
(206) 2017/03/19(Sun) 16時半頃
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…… クッセェんだよ、バカ。
[言葉とは裏腹に、 下手くそな笑みを浮かべながら、那由多の右手を取った。
いつか、取られなかった右手の代わりに。
それから、まだ掴まれたままの通の手を 左手で掴んで、立ち上がる。
あーあ。ズボン濡れちまったよ。 アンタのせいだぞって、笑って、 それから、三人を見た]
(207) 2017/03/19(Sun) 16時半頃
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…… 帰るよ。俺も。
じゃねェとこの会計様が 地獄の果てまで追って来そうだからなァ!
[ナハハって、笑って、 ああ、なんか久しぶりにちゃんと笑えた気がする。
吹きすさぶ雪風は相変わらず冷たいし、 ズボンも濡れて冷たいけど、 掴んだ手は暖かくて、それだけで大丈夫だと思えた]
(208) 2017/03/19(Sun) 16時半頃
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…… ありがとな。
[ 照れくさくて、風に掻き消されそうな小さな一言が、 みんなに届いたかは、知ーらない ]*
(209) 2017/03/19(Sun) 16時半頃
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[>>+63声のしたほうを振り向けば、能久くんが手を振りながらこちらに向かってくる。 軽く手を挙げて返事をしようと思ったら、横断歩道を勢いよく駆けてきて、>>+64 ぶつかりそうになる前になんとか止まって一安心。]
おかえり、能久くん。 みんな病院にいると思う。
[わたしがロビーで見かけた人たちと、 ここに来るまでにすれ違った元賀くんも含めて、 たぶん戻ってきた人はみんな病院に集まりつつある。はず。 つばさ氏が手当たり次第、連絡を入れているし。
わたしはこれからコンビニに買い物に行き、すぐに戻るということを告げる。]
うん。きっと帰ってくる。 橘くんだもの、いつもみたいに楽しく笑いながら目を覚ましてくれるよ。
[それは確信でもなく、願望というか、祈りだけれど。 現実的に五分五分なら、希望を持つのがいいに決まってる。]
(+65) 2017/03/19(Sun) 18時半頃
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そうだね、能久くんのパンケーキが待ってるんだから、 帰って来ないなんて勿体無いもの。
わたしに手伝えることがあれば、なんでも。
[きっとそれは、あの文化祭の時みたく楽しい集まりになるに違いない。 時間は少し経ったけど、誰一人欠けずにいれたなら。 わたしだって、それを期待してる。
そこに、わたしの居場所もあるって、そう思っていいんだよね。
忙しない能久くんに、少しの微笑みを返し、 病院に向かうのを見送って、コンビニへと足を運ぶ。*]
(+66) 2017/03/19(Sun) 18時半頃
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— コンビニ —
[>>+47上須賀くんに頼まれたものはレジ横のドーナツとコーヒー。 >>+59莉緒ちゃんに頼まれたものは飴。新製品のマロン味があったので、これにしよう。
パンケーキの話をしていたら、あのふわふわの食感とクリームが恋しくなってきたので、 デザートコーナーでわたしのぶんを探し回る。 シンプルなクリームカステラもいいし、隣に並んでいるカフェオレ風味のケーキもいい。 深夜のコンビニは目移りしちゃうね。 体型を崩さないように、カロリーは控えめのものにしなくちゃ。]
……。
[商品を手に取って、カゴに放り込もうとしたその時、 やっぱりわたしは薄情なのかなって、過る思考。
みんなで一緒に気を張り詰めたら、それこそ参ってしまうから。 適度に息抜きするのも大事だと思うから。 ……って、本心からそう言えれば良かったのだけど。]
(+67) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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[こういう時はこうするべき、っていう考えはあるんだよ。 みんなに合わせて、一緒になって心配そうな顔を浮かべていれば、角も立たない。 でもそれがすごく息苦しいって感覚、分かってもらえないかな。
……ね。 そんな言い訳をしている時点で、やっぱりわたしは、 死の淵にいる橘くんのことを、そこまで深刻に思っていないのかも。
どうでもいい、ってわけじゃない。 けど、わたしはわたしのことが一番大事で、他の人のことは二の次で。さ。
こういう突発的に浮かび上がる自分の内面に、 息が詰まって、息をしようとすればどろどろとした腹の中のものが出てきそうになって、嫌になる。]
(+68) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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[——病院に戻らずに、帰ってしまおうか。
なんて思いついてしまった、クラスメートへの裏切り行為は、 レジ袋の中に入れたおつかいの商品が思い止まらせた。
コンビニの明かりを背に、息を吸い直して、 運命の時が近付いてきているであろう病院へ向かう。*]
(+69) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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[少し、図々しいかと思いましたが どうやら、コートは借りる事が出来た様子>>+55。 借りたコートは、私には随分と大きくて 脱いだばかりだからか、温もりも残っています。
何となく照れくさくて、へらりと笑い ぱたぱた、莉緒の方へと駆けていきました。 学校で>>+56 って その言葉を、背中に受けながら*]
(+70) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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[腕の中に収まる体>>+60。 それに、やっぱり、安心するのです。
外ですし、お互い、温かいとは言い難いものですが 強く抱き締めると、内からあたたまる様。 すりりと一度擦り寄って、 知らず緩む口元は、どうしようもありません。
おかえりって言葉>>+61に、もう一度。 ただいまって返して、私も笑いかけるのです。
彼女が泣きそうな顔をしていなくて、良かったです。 折角また会えたのに、 悲しそうな表情なんて残念ですものね]
(+71) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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…………ほんと、良かった。
莉緒が消えちゃった時、 すごい、びっくりしたんだからね。
[そっと体を離して、 ちょっとだけ、咎めるみたいな言い方。 それと一緒に浮かべた拗ねた表情も、 すぐに笑みに変わっていって]
でも、気にしてないよ。 ……ちゃんと、奢ってくれれば。ね。
[戯けた口調で付け足してみせたら、 本当に気にしてないんだって、伝わるかしら]
(+72) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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[実際、彼女が居なくなった時は、 心底びっくりしました。 ……びっくり、というか、動揺、というか。
"帰った筈"って思わなければ、 他の級友達の目が無ければ、 崩れてしまっていたかもしれません。 でも、今こうして目の前に居てくれるのなら それでもう、充分でした。
体は離しても、手は繋いだまま。 そこに居る存在を確かめるみたいに、握り締めて]
(+73) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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……私、一つ、 莉緒に言わなきゃいけない事があるの。
[そっと、視線を下ろして 声は震えてはいませんが、少し、詰まってしまうかも]
莉緒さ、文通してるって、言ってたでしょ? 字が似てるって言われた時、 私、似てるだけって言ったけど……あのね、
あの、ね。 文通相手、……私、なの。多分。
[きゅっ、と。握る手は、震えてしまったかも。 なんて言われるんだろう。がっかりされるかな。 でも、気付いてしまったなら 素知らぬ顔で文通なんて、続けられませんから]
(+74) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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文通相手、のぞみ って名前でしょ? ……違うんだったら、良いんだけど…
[深く、息を吸って。ちらり、様子を見つつ。 きっと、あんまり良い顔はされないだろうと、 つい眉が下がってしまいます。
学校では、何にも出来なくって、ごめんね。
無邪気にヒーローの存在を求める彼女>>2:486を思い出し 付け足した言葉は、酷く小さく*消えていきました*]
(+75) 2017/03/19(Sun) 19時頃
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― ロビー ―
[病室からロビーへ戻ると人が増えていた>>+56]
よ、健士郎、お前も帰ってきたのか。 おかえり。
[車椅子を滑らかに動かして、すぐそばまで。 そして、上着を持っていないことにきづいて]
その格好で寒くねーの?
……って、向こうでも同じようなこと聞いたな。
[思い出して苦笑した]
(+76) 2017/03/19(Sun) 20時頃
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な、健士郎、 お前さ、あの世界。 理一の世界、どうだった。
[ほかにロビーに人がいないことを 見渡して確認してから口を開く]
俺は、あの世界にもっといたかった。 だって、あそこにいた俺は 入院前の俺で。 今みたくひどくなってなかったから。 最後には今の状態に戻ってたけどな。
……また、感覚がなくなっていくのを 体験したくなんてなかったんだ。
[うつむいて、小さな声で。 ただ、聞いてほしくて話していた]
(+77) 2017/03/19(Sun) 20時頃
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あそこが、理一の、じゃなくて 俺の世界だったらよかったのに。
[いってもしょうがない言葉が 口からこぼれた*]
(+78) 2017/03/19(Sun) 20時半頃
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うるせえ 誰のせいだよ アホ、へたくそ
[ おまえ、意外と表情取り繕うの下手だなって、 その新発見は、なんだか、愉快だったし、
掌 にかかる体重を、引っ張り上げる瞬間、 失いかけていたものの重みに、ぞっとする。
けど。 今、掴んでいる手は、 きちんとあたたかい、人の温度だ。生きてる。
その、温度にも、重みにも、 よかった って、あふれそうになるし、 きっと、これからもずっと、覚えてる。思い続ける。
生きようかなって、生きていけるかもって、 確かに思えた瞬間 の記憶として。]
(210) 2017/03/19(Sun) 20時半頃
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[ だから、
ここに来たときの、俺みたいに、 みっともなくズボン濡らした おまえ を見て、 俺、笑いながら、
一度指摘されるとさ、やっぱり恥ずかしいから、 おまえの笑い声>>208に、紛れこませて、言っておく。]
ずるくても、クサくても、なんでも いいよ それで、おまえ と、帰れんなら
[ ケラケラと笑って、 こっ恥ずかしい空気もなにも、吹き飛ばしてしまおうぜ。
上履きを左手に携えたまま、 俺、入間 のほうを振り返って、手を振り上げた。]
(211) 2017/03/19(Sun) 20時半頃
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さみいだろ! ほら!
[ 返す って、笑う俺も靴下なんだけどさ。 ほんとふざけんなよな、寒いというか痛い。
とにかく、フツウにはしゃいでる高校生みたいに、 右手は、じゃれあったまま、 俺は、一歩、二歩と、白を踏み分け、入間に近づいて、 さっさと履けーって、手を差し出して、 ── 聞こえた声>>209に、振り返った。
その口の動きを読み取るのに、 きっと、1秒だって、かからない。
目が、合う。俺は、まばたきを一度だけして、目を瞠る。 それから、口を大きくあけて、笑った。
── その笑みは、きっと 幸福に満ち満ちて。*]
(212) 2017/03/19(Sun) 20時半頃
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