45 哀染桜 〜届かなかったこの想い〜
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[また1人、2人。 その場から人が消える。 翠はそれを見止めてから、一度銀と橙へ、微笑んだ]
もう、一人じゃなくなるね。 …よかった。
[橙から、そっと手を離す。離した手は少し冷えた感覚。 けれど青年は、今はその手を伸ばすことはない*]
(+0) 2012/03/16(Fri) 00時頃
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[人の気配…いや、魂の気配が増えたその場。 青年は、そっとそこから少しだけ、離れる。
僅かに離れた場所から桜を見れば、綻ぶ蕾は、涙色]
……
[会いたかった。伝えたかった。気付きたかった。 全て、過去形。
気持ちは波紋のように、広がっては静かに消える。 大きくも揺れ、小さくも揺れ。 形は長く、保たないそれ。 花弁、ひらり落ちる様に悲しさと愛しさの表裏を見る。
青年は、自分の願いを口にしない。 口にしても願っても、もう叶わないと知っているから*]
(+7) 2012/03/16(Fri) 06時頃
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…桜…さくら……
[かすかに音に乗せて呟く言の葉は 異国の詩に似る]
(+12) 2012/03/16(Fri) 22時半頃
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[青年はじっと手を見る。 確かに一度は手にしたぬくもり。 そっと離したそれ。
そして彼女は知っている。 お互いの境界線など、最初からない。 お互いは、別の存在。
それは最初から判りきっていたことで 夢の中では滲むように曖昧。
桜はその揺らぎを逃がさない]
(+15) 2012/03/16(Fri) 23時頃
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[ひらり。はらり。 零れる花弁は悲しみと喜びの表裏。
奏でられる音楽のまま、桜は人の悲しみを 花弁を以って現す。
そっと手に取る桜。 望んでもいいのだろうか。 望まなかった罪は、それを許すか]
(+17) 2012/03/16(Fri) 23時頃
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[青年は薄紅の花弁を手にしたまま。 やわいそれは、けれど色を失うことはない]
……。 俺の、望みは……もう……
[目を閉じて。つむりをふるり。 さくりと足跡は桜に向ける]
……。 俺の言葉も、望みも。 もう、君のもの。
[差し出した手には薄紅桜。 対となるそれに、手は伸ばされる]
(+19) 2012/03/16(Fri) 23時半頃
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うけとって くれるなら。
[伸ばした手は、女性の手を、確かに取る]
(+23) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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もう、魂があっても、なくても。 俺は、ここにいたい……
[彼女の隣。互いにすれ違う魂のいろ。 触れた指先から、ひらりと零れる薄紅桜]
君の隣に、いたい。
[伝えることも、気付くこともできなかった青年。 青白い光は、また、足りないものを補うようにざわめいて]
(+24) 2012/03/17(Sat) 00時頃
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