212 冷たい校舎村(突)
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── 夜:2階教室 ──
[ へーき って、素直に信じるには、 理一、おまえ、ちょっと、 ”いつも通り”じゃ、なかったよ。
だから、俺は、ふわりと視線を上げて、 ただ、言ったんだと思う。]
……へーきじゃ、ねーよ
[ そのとき。
”知ってる”って、
心のどこかで、思ってしまいました。たぶんな。]
(21) 2017/03/18(Sat) 00時半頃
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[ …… だけど、そのときは、 それ以上、なんてったらいいか、わかんなくてさ、]
……へたくそ
[ テープのことか、おまえの言動か、 どっちとも言わずに、俺は言う。
平気 じゃ、なかったんだ、俺は。……俺も。 だから、そんな言葉で、片付けないでくれよ。
…… 多分、そのときも、 俺、ちょっと、泣きそうだった。]
(22) 2017/03/18(Sat) 00時半頃
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[ ……そんな、夜 の記憶。
この世界の主に聞くしかないって、 そう言うおまえの顔を見ながら、
教室に向かって、歩きながら、 端っこの寝袋に潜り込みながら、 思う。
ちょっと死んでみて、 どんなに上手に生まれ変わったって、 ”みんな”とは一緒に、歩めねーじゃん な。
顔も見えないままの、この世界の主とやらに、 そう、尋ねてみる ことを、想像する。
みんなと 同じもの に、なれたって、 ”みんな”と生きてけなきゃ、 さあ…… ]
(23) 2017/03/18(Sat) 00時半頃
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”── あのメール見たとき、どう思った?”
(24) 2017/03/18(Sat) 00時半頃
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…… 俺は、さ
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(25) 2017/03/18(Sat) 00時半頃
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## その、瞬間 知ってる と、思ってしまった
それが、正解なのか、 とんだ的外れなのか、 俺にだって、わかんねえよ
わかんねえ……けど、
あのメールを見たときに、 知ってる って、思ってしまって、
ああ、そういう気もちを、知っている
……って ##
(26) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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## でも、なんか、うっすら思い始めてんだ
みんな、帰ってって、なら、 俺もいつか、帰んなきゃいけねーのかな とか、
帰れる って言われたって、 全然うれしくねーけど、 『 帰れよ 』 って、おまえ、言ったろ
なんか、要はさ、 生きろよ ってことだろ …… そう思ったら、ちょっと、うれしいじゃん 小指の爪の先っちょ分くらい …… 嘘。もうちょい
だから、帰んなきゃ かなあ って なにか、予感めいてさえ、いる ##
(28) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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## ……だから、わかる とか、 そんな感覚、すっげー、的外れで、 なんも理解できてないのかもしんない
でも、
もし、この世界の持ち主が、俺じゃなくて、 他に、あのメールを書いたやつがいるとして、 ……ああいう気もちでいるやつが、いる、と して、 ……いた と、するじゃん
そのほうが、もっと悲しい 気がする
寂しいし、悲しいし、辛い と、思う 違うのかな、…… だとしても、いいや
これは、ただの、 俺の、想像と共感 の 話 だから ##
(29) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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…………あ。
##
(31) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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『 人を人たらしめるものとは、何ぞや? 』
一度は投げ出した難問だったけど、
あ。 今、思いついた。 ……って顔を、俺はする。
こんなのは、どうだろう。
A. 想像 と 共感
……俺の答え。 俺が生きた中で、見た、ひとつの 解。
(32) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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…… 答え合わせ、しよう というか、知りたいのかも おまえにとっては、なんだったのか
この世界の主 さん …… というか、 一緒に過ごしてきた ともだち として なあ、 *
(33) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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──── 理一?
(45) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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── 午前8時50分 ──
…… 昴?
[ チャイムの音が鳴り響いて、 身体を起こして、それで。
隣、はいた。
そいつが、”らしくない”勢いで、 跳ね起きた、とか、それも、分かったけどさ、
それより、 その向こうも、更に向こうも。 いない。 ]
(46) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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[ ── ぐしゃり と、なにかが壊れる音>>12がした。 ]
(47) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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[ それから、なにもかも。
この世界、まるごと、壊れてくみたいに、 ずうっと、鳴っていた、音も、 点きっぱなしだった、カラフルな光も、全部。
砕けて ゆく。]
(48) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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[ ── 壊れたなにか は、この世界そのもの だと思った。]
(52) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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[ ── 多分、返事もしないまま。
追いかけるように、廊下に、飛び出して。
そしたら、すぐそこで、 古辺が、スマホ見てる>>51から。]
なっに してんだよ、あいつら──、
[ 探さなきゃ って、言おうとして、 なんかもう、がむしゃら で、 肩、つかもうとして さ。
── 古辺、おまえ なに見てんの?*]
(55) 2017/03/18(Sat) 01時頃
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── 現在:2階 ──
[ 肩掴んで、振り返らせたとき、 古辺、おまえ なんつー顔してんだよ。
おまえの祈り>>67 なんて、知らないまま。 俺、戸惑って、数度まばたきをした。
前髪の奥、覗き込むみたいに。
── おまえ、怒ってんのか な。
古辺が、スマホの画面を差し出しても、 そこに 魔法みたいに あらわれた名前、見ても、
保田那由多の胸の裡にこみ上げるのは、 なんていうかさ、 痛み にも似た、いき苦しさ である。]
(76) 2017/03/18(Sat) 11時半頃
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── うん 残った なあ
でも、俺らさ もう、ここにはいられねえんだな
[ かるうく 見上げた先で、 前髪のカーテン越しに透けて見える眸は、 物騒 というか、なにかを 決めた 人間のソレだ。
だから、俺も前を向いて、 ちかちか 暗闇と光が交互にやってくる廊下を、 なんだか、さみしく 思いながら、口を開く。]
見つける に、決まってんだろ どこにいても
[ 最後まで、めちゃくちゃで、はちゃめちゃなのは、 確かに、ちょっと、おまえっぽい とか。 床で、きらめく光の破片を見て、思うよ。]
(77) 2017/03/18(Sat) 11時半頃
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[ 時間がないなら、走ろうか。 というか、駆け抜けたほうが、ダメージ低そう。
そう思った矢先、視界がかげって>>72、 俺は、その意味を察したとき、
あほか と思って、それから、 なんかさ、くつくつと、笑っていた。]
── じゃあ、ほら おまえがこっち使え って、
これじゃ、ただの貸しあいっこじゃんか
[ 自分のブレザー、被せるみたいに、押し付けて、 ああ、でも、ポケットの飴玉落としたら、しばく。]
(78) 2017/03/18(Sat) 12時頃
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[ 降ってくる破片 よりもさ、 靴下で、踏み抜く廊下に散るかけら。
この世界の断片 と思うと、 砕けてくそれも、なんか少し悲しいと、
うつむいた先で、俺は見つける。 細かく砕けた 世界のかけら。>>15
── みちしるべ の、ようだと。
顔を、上げた 先。
横たわるマネキン>>4:244と、 その先に続く階段 割れたガラス片。]
(79) 2017/03/18(Sat) 12時頃
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[ ── どこまでつづくのだろう なんて、 ]
(80) 2017/03/18(Sat) 12時頃
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[ あまりにナンセンスな考えが過ぎって、
そのとき、古辺、おまえまだ隣にいたかな。
なんにも、言わない 言えないまま、 俺、黙って、勢い良く、滑りやすい廊下を蹴った。 階段、二段飛ばしで、駆け上がってく。
砕けた光 を、みちしるべ として。**]
(81) 2017/03/18(Sat) 12時頃
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[ 隣に と思っていた声は、 背を押すように、背後から飛んだ>>90。
ぱちん と、 なにかのピースがはまったみたいに、
俺、その一瞬、確かに、 ひとり が、風を受けて、屋上に立つ、 そんな光景を見た 気がしたんだ。
── 靴下で走る廊下は”すべりやすい”から、
俺は、踊り場の手すりをつかんで、 身体を反転させる そのとき、 目が、合ったと思った。 あいつの声、震えてた。>>91]
(97) 2017/03/18(Sat) 16時頃
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── 大丈夫 だから! 待ってるから あいつと
[ 俺は、叫んで、
手すりをつかんでた 手を上げて、 親指を、空に向けて、突き立てた。
任せとけ って、言うみたいに。
俺、先に行くから、 大丈夫だから、なんとかする から、 ちゃんと、言いたいこと、言いにこいよ。 話しに、きなよ。 *]
(98) 2017/03/18(Sat) 16時頃
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[ ひかりのかけら は 続いて、 明暗。点滅を繰り返す廊下、階段を、 ただ、上へ 上へ と、駆け上がった。
段々、空気が冷たくなる。 なにもかも この校舎ごと、 凍らせてしまいそうに、寒い。
ふと、頬に、濡れるような冷たさ 感じて、 開けっ放しの扉>>83から、舞い込む雪に気づいた。
顔をあげる。
白く 凍った 世界に、 おまえ、ひとりで、立ってた。>>83
世界を隔てるフェンスさえもない 淵で、 おまえ、今にも、吸い込まれていきそうだった。]
(101) 2017/03/18(Sat) 17時頃
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[ その姿 が、あんまりに さみしく て ]
(102) 2017/03/18(Sat) 17時頃
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──── 理一 !
(103) 2017/03/18(Sat) 17時頃
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── 屋上 ──
[ 叫んだ。
遠く 遠く の地面なんかじゃなくて、 こっち、振り向いてほしくて。
なのに、出てきたの、名前だけだった。
理一、寒いじゃん、ここ。バカじゃねえの。 屋上も、白くて、俺は、あとを追いかけるように、 足あとをかさねるように、おまえの背中を追った。]
(104) 2017/03/18(Sat) 17時頃
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[ やっぱり、今もさ、 泣きそうなの、俺のほうだったのかな。
大丈夫 なんて言った割に、 俺、やっぱり、全然大丈夫じゃねえし、 動揺、しまくりだった。泣きそうだった。
おまえが死ぬの、こええよ。]
(105) 2017/03/18(Sat) 17時頃
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