88 めざせリア充村3
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―実験室― [アラームの音が鳴る。煩い、煩わしい。一体何なんだと、閉じられていた瞼がゆっくりと上がっていく。 カチリ、と何か鍵のような物が、外れる音がする。 …………外れる、音?]
……………、どこ、ここ。
[一番最初に耳にしたアラームは、どこか実験終了のあの煩いアラームに似ていた気がして。 カプセルの蓋が開けば、意識が覚醒しないまま外へと。]
(+3) 2013/07/03(Wed) 00時頃
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[着ていたはずの青の軍服では無く、研究所に居た時の服装になっているのに気がついて、小さく首を傾げる。 床に足をつけてぼんやりと状況を確認するように視線を走らせれば、 会いたかった人の、姿が目に飛び込んでくる。>>+0]
……夢、なのか。
[目を丸くしながら、それでもゆっくりと近づいていく。]
(+6) 2013/07/03(Wed) 00時半頃
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[名を、少し前までは当たり前のように聞いていた声で自分の名前を呼ばれる。 紺色を、見上げようとして、掴めなかった手を掴もうとして]
ヤ、ニク? なん、で……だって、死んだんだよね? 私、ちゃんと…………やっぱり、夢?何、これ。 ………夢でも、いい。
[自分の幻想か妄想が、ヤニクの姿を作り上げて言葉を紡がせているのか、それとも何なのか。 混乱した頭では上手く物事が考えられなくて。 夢だと思い込んでいるから、ヤニクの行動は拒まない>>+7。 寧ろこちらからも力をこめて。小さな声が聞こえれば、さらにその力は強くなっただろう。]
(+9) 2013/07/03(Wed) 00時半頃
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―――いき、てる………?
[あの戦場での感覚も、銃の感覚も……雷の痛みもナユタを撃った感覚も。 匂いも痛みも全部覚えているというのに。 苦しそうな声も、焼けた匂いも、全部が全部。 ………あっちが、夢だったとしたら現実味がありすぎるし悪趣味だ。 悲しんだ感情も、苦しんだ感情も、……別の、感情も。 全てが実験内でのことでした、と言われても簡単には納得できなかったけれど。]
………誰も、死んでない…… ヤニクも、生きてる………そっか。 あぁ、うん。そしたら……覚めない夢なら……
[段々と俯いて声を小さくして。>>+11 自分の行動に恥ずかしさを覚えたのか、耳は真っ赤で床と睨めっこ状態。 ……それでも、腕の力は緩める事はなかった。]
(+14) 2013/07/03(Wed) 01時頃
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[離れろって、私の手を掴んで抱きしめたのはヤニクの方じゃないかと反論しようとして手を解かずにいると]
う、っわ、ぁ!
[視線が、高くなった。>>+17 状況を理解するのに18秒。理解したと同時に]
ちょ、ヤニク………!!!
[ヤニクに連れられて実験室を後にした。]
(+22) 2013/07/03(Wed) 01時半頃
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―ヤニクの部屋にて―
[降ろして、と訴えるために軽く叩いた腕にヤニクは反応しただろうか。 降ろしてもらう事に成功したら、紺色を見上げて。 そのままでも、きっと目を合わせただろうけれど。 そして、あの時の約束通り、ヤニクの話しを黙って聞いていた。 途中、『ライジの代わり』なんて言葉が出てくればピクリと反応して、眉間に少しだけ皺を寄せただろう。 ……やはり、自分がヤニクにああいう振る舞い方をさせていたのだと気づけば、苦しそうな顔もして。]
[小さな声には、目を丸くさせ視線を彷徨わせるだろう*]
(+26) 2013/07/03(Wed) 02時頃
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[周りの目が無いヤニクの部屋の中だからこそ、普段絶対にしないであろう行動をとったのかもしれない。 こうでもしないと、この男には伝わらないと思ったからこそとった行動ではあったけれど。 人目があったなら、彼女は絶対にこんな行動はしない…多分。]
[低い声が空気を、耳元を振るわせる。 そのまま引き寄せられれば息を飲む音がした、けれど顔を上げる事は無い。 彼の手が背中にまわされれば、胸に顔を埋める。 何度名を呼ばれても、]
………いや。
[要望には応えるつもりは無い。赤い顔が人様に見せられるような落ち着きをみせるまで。 そのつもりだった、のだけれど。]
(+46) 2013/07/03(Wed) 23時半頃
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[自分のとっている行動も十分おかしいとは自覚している。 だって、背中の手は嫌がらずにむしろ心地良いと感じているし、恥ずかしいからといってひとの胸に顔を埋めるなんて本当ならしない。 なによりも、こんなに力を抜いて接する事なんて。 兄相手でもヤニク相手でも、今までならしなかった、はず。 他人の目の届かない場所だからか、それとも。]
[素直になる、というのは案外難しい。 自分の思っていること、感じている事をストレートに言う事を指すと、リッキィは思っているために、それを苦手としていた。 けれど、タイミングを逃せば、素直になるなんて事は滅多にできない。 ……あの夢の中のように。 だから、こうしているだけだと自分に言い訳をするのは、何故だろうか。]
[掠れた声が、撫でられる頭が、とても心地良かったから、か。]
(+53) 2013/07/04(Thu) 00時半頃
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そう、だね。聞いた事ない。
[確かに、ヤニクの口から飛び出してくれば驚くような言葉ばかりで。 少なくとも、共に過ごしてきた中では聞いた事は無い。 ヤニクの動きがぎこちなくなるのは気がつかずに、そのまま大人しく腕の中へ収まっていただろう。拒む理由が今の彼女には無い。 ……触れていられるのが、酷く安心する、なんて言葉には出さなかったけれど、抵抗はしないし機嫌を悪くするわけでも無かった。]
(+59) 2013/07/04(Thu) 01時頃
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…っ、ふふ。うん。有り難くきいておく。
[まるで甘えているように頬を寄せるヤニクに小さく笑って>>+63。 ヤニクは笑った事に怒ったかもしれないけれど、自然な笑みをしまう事は無い。 その顔は、彼の胸に埋まったままだから、見られる事は無かっただろうか。 ヤニクが満足するまで…それかヤニクから離れていくかするまでその状態のまま。 恥ずかしかったけれどそれに勝る感情が、確かにリッキィの中にあった。]
(+76) 2013/07/04(Thu) 20時頃
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―ヤニクの部屋→実験室―
[どのくらい、時間が経っただろうか。 随分と長い間だったかもしれない。 ヤニクに手をひかれながら部屋を出れば、ほんの少し後ろを歩いただろうか。
着いた先の扉を見上げれば、一瞬だけ立ち止まり。 どこから何処までが悪趣味な夢の中だったのだろうかと、ぼんやりと考えながらと扉を潜った。 残りのカプセルを順々に見つめ、ある一箇所へと歩み寄る。 その中で悪夢に魘されている人を、心配そうな顔で見つめた。]
………、嘘でも、死ぬ場面なんて見たく、ない……
[それだけ呟くと、カプセルから離れる。 オスカーとケイトを見つければ、近づきはしただろうけれど、なんと声をかければいいか分からずに黙ったまま。 後から入ってきたであろう、志乃とナユタが目に入れば……特にナユタの方に視線をやれば気まずそうな顔をして。>>+69]
(+77) 2013/07/04(Thu) 20時頃
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ただいま、って言うのも……変。
[一言、ぽつり。]
(+78) 2013/07/04(Thu) 20時頃
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ん。おはよう、志乃。
[眠る前とはなるべく変わらない声で志乃に返す>>+81。 彼女の足元に抱きついている幼子をみつければ、視線を合わせようと膝を折り。 叶うのなら、その子の頭を撫でただろう。無言で。]
で。これは誰かの隠し子?
[淡々と、そう訊ねた。さて、こたえはなんと返って来るだろうか。]
(+83) 2013/07/04(Thu) 20時頃
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[モニターにはなるべく視線をやらずに幼子へと注がれる。 それでも音は聞こえただろうか。ソフィアの声、チアキの声。 モニカの声、兄の声。 志乃が幼子の頭を撫でる手を止めても、画面だけは見ないように。 ……見れない、が正しかったかもしれないけれど。 何かしら先ほどの問いの答えが返って来れば薄く、または何やら楽しそうに反応をしめしたかもしれない。 そして、ミナカタを視界に入れると。]
ねぇ。どこからが夢?私が眼に何かされたのは、現実?
[気になっていた事を、そのまま声にしただろう。]
(+84) 2013/07/04(Thu) 20時半頃
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[お母さん、という単語に反応して志乃を見つめる。>>+85 話しを逸らした姿を見ると、なにやら関係はありそうで。 オスカーの楽しそうな笑い方を見ると>>+94、納得したように頷きそうになったが、 幼子の視線を追えば、目に飛び込んだのは。 ………世の中には、分からない方が良いこともあるのかと、変な結論に着地した。混乱したようだ。]
(+100) 2013/07/04(Thu) 23時頃
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……ん。ナユタも、……
[返事をする以外にどう彼と接していいか分からなくて視線は空中を彷徨い、結果的に床へと落ち着いただろう。>>+95 口を小さく動かして、結局彼女が選んだ言葉は。]
………ごめん。
[伝えるべき言葉は、選択した言葉は正しくなかったかもしれない。 けれど、リッキィからは今は、これしか出なかった。]
(+104) 2013/07/04(Thu) 23時頃
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[じっ、と怪しむような視線をミナカタに浴びせながら。 頭を撫でられれば、直ぐにそれを止めただろう。]
現実………。 ………そ、う。それじぁ、あの光景は。
[焼けた野の匂い、火薬の匂い。鉄の匂い、雨の匂い。 あの場所の風は様々な物を運んできた。それも、現実に近い形で。 おそらく、あの光景は。風が貫いた、あの画は。 思わず言葉を飲み込んで、自分の右手を見つめた。 言葉にしてしまえば、音になってしまえば。本当に現実になってしまうような気がして。怖くなった。]
(+105) 2013/07/04(Thu) 23時頃
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[きっと、そう遠く無い未来。 自分は、大切な人さえもこの手にかけるのだろう。 それが、今回の実験で彼女が得た収穫でもあった。]
(+106) 2013/07/04(Thu) 23時頃
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なんで……ナユタが……
[どうして彼が謝るのかと。>>+112 謝っても、いくら詫びても死んだ時の感覚、恐怖は夢だったとしてもはっきり残っていたはず。 それを、与えてしまったのは、自分だ。]
……謝る、必要無い。
[ナユタの手に、思わず泣きそうになってしまい必死に床を睨みつけた。]
(+115) 2013/07/04(Thu) 23時半頃
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[息を飲んで、はいて。吸って、はいて。 もう一度深呼吸をしてミナカタを見上げる。>>+111]
眼を、元に戻す事は、できないの?
[きっと戻す方法はあるのだろうけれど、戻さないに等しい事を彼女は知っていた。 知っていてもミナカタに訊ねる。ほんの少しの希望を持って。 一瞬だけ、ミナカタがあの歪んだ笑いを浮かべた白衣の男に見えてしまい、震えるが。 静かに、返答を待った。]
(+116) 2013/07/04(Thu) 23時半頃
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