260 【R18ペア村】“Bloody Curse”
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……まあ、そりゃそうだよな。 自分ちも覚えてないんだ、此処がそうだって言われても 知らない場所で落ち着けるワケないもんな。
良いよ、案内する。 扉は立て付け悪くなってるから気を付けてネ。
[まあ、そうなんだろうなと胸の内。>>3 この状況で一人家に放り出したとして、また外に 彷徨い歩いて行く事だろう。
それなら、せめて此処が彼の在るべき場所だと 知らせておいた方が良い。 ピスティオは表向き元気に頷いて、家へ入って行く。]
(22) kazashiro 2019/03/14(Thu) 08時頃
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まず、ヘイタは魔法道具屋の人なのよ。 変な道具が色々並んでるでしょ? おじさんが持って来たんだっけかなあ、これ。
其処の機材使って、時々近所の婆ちゃん用に 薬作ったりもしてる。
[まるで自分の家であるかのように慣れ親しんだ家を、 順繰りに歩いて説明して行く。
……とは言え、大変簡単な説明の為 きちんと理解してもらえたかは不明だ。]
(23) kazashiro 2019/03/14(Thu) 08時頃
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[そうして、つい先日語り合った奥の工房へと向かい、 テーブルを指した。]
それで、こっちが休憩やらお客さんに説明する時に 入る工房。あれならちょっと茶飲む? てか朝メシ食った?
[今彼を正面にしても、恐らく恥じらいなどは 飛んでしまっていから彼の顔は見られるだろう。
ただ、彼からの目線が“見知らぬ人”を見るものだと 思うと、少し……怖い。**]
(24) kazashiro 2019/03/14(Thu) 08時頃
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あー……っと、そういえば俺名前言ってなかったね! 初めましてなのに名乗ってないって変なの。
[解っていた事だが、いざ自分が何者かなのかと 問われると、胸に刺さる。
その割に名を告げていなかった事に気付いて、 何と無くでも覚えている所があるのではないかと 無意識に思い込んでいたことに、眉を下げて笑った。]
(50) kazashiro 2019/03/14(Thu) 23時頃
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俺はピスティオ。ピスティオ・クロイス。 この近所、大通りからちょっと外れた所にある 雑貨屋やってんだ。ヨロシクネ?
こっちのお店にゃ小さい頃から世話になってるんだ。 そりゃもうしょっちゅう通ってたからね! 詳しくもなるよ。
[嘘は言っていない。 何一つ。]
(51) kazashiro 2019/03/14(Thu) 23時頃
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―あの日から に落ちた―
[初めて会ったあの日から、憧れは確かに存在した。 会う度にその背を、顔を目線で追い掛けて 目が合えば誤魔化して笑った。
幼い頃はそれで済んだ、 今思えばなんとも羨ましい事か!
女の子には興味が湧かなかった。 珍しい事に、何度か告白された事があるが 全部首を横に振って、そうして殴られた。
大きくなってしまえば、ヘイタロウに抱いていた 憧れが何であるかを正しく理解して、 二度と出て来るなと胸の内の箱の中に閉じ込めた。]
(52) kazashiro 2019/03/14(Thu) 23時頃
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[有り得ない。 あってはならない感情だと。
だから、ヘイタロウが自分の事を忘れたことで 何もかもを諦める決心が付いた。
でも、本当に? 自問は今も胸の内で続いている。*]
(53) kazashiro 2019/03/14(Thu) 23時頃
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[想いが揺れて、予定していた通り道を外れる。 初めましてを貫く筈が、昔から知っていた事を つい告げてしまった。>>51
そんな大きな矛盾に気付かないとは思えない。]
ん?あ、うん。大丈夫。心配ないよ。
[何の事だろうと考えるが、今自分の置かれた現状にか 或いは呪いに苛まれていないかという点か。>>61 何れにせよ『大丈夫』の他に返すつもりは無い。]
本当は両腕の地獄のような筋肉痛は継続中であるし、 ヘイタロウを前にして現状を受け止めるのは かなり無理がある。
抗えるだけの強さなんて、何処にも無い。]
(88) kazashiro 2019/03/15(Fri) 22時半頃
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んぇ? あー……これ?途中で壊しちゃったんだよなあ。 良かったら頼んでも良い?
[引き留めて欲しいし、そのまま帰らせて欲しいとも 相反する願いがぶつかり合う胸の内。 ただ、このまま別れると終わってしまいそうで]
頑丈に直してもらえたら助かるなあ。
[わざと手間が掛かるように籠の修理注文を出した。 直してもらった籠は、引き千切らないように 大事に抱えて持って帰るつもりだ。*]
(89) kazashiro 2019/03/15(Fri) 22時半頃
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ピスティオは、ヘイタロウにジャンプキックした。(お出迎え)
kazashiro 2019/03/15(Fri) 22時半頃
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[別れ際、出来る限り笑って家路に就こうと思ったが、 一歩一歩離れる毎に目からはぽろぽろと涙が 零れ落ちて行った。
明日になれば、彼は今日の事すら忘れているのでは。 またしても「誰」と問われるのでは。
……だとすれば、何度でも初めましてを繰り返すし 何度でも間違った常連客を主張するつもりだが、 いつまでも同じ事を繰り返せる筈が無い。]
(109) kazashiro 2019/03/15(Fri) 23時半頃
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……誰でも良いから、ヘイタを助けてよ!!
[とぼとぼと歩く、ゆっくりと走り出す、そして全力。 家路を急ぐ中、どうしようもなくて腹の底から 力を込めて叫んだ。*]
(110) kazashiro 2019/03/15(Fri) 23時半頃
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[ヘイタロウの家から戻れば、物凄い形相の父親に 出迎えられた。 配達の帰りが遅かったからではない、 異様な腕力の原因が呪いだと感付かれたからだ。
そんなピスティオの背後には、鉄屑と化したドアノブ。]
……はは、えーっと、バレちゃった?
[これだけ街の中を次々と新しい噂話が駆け抜けて 行くのだから、もう只の噂話ではないと 認識を改めるべきだと考えていたのだとか。
その為、午後は自室で安静にしているよう告げられた。 正直な所労働に勤しむ気分では無かったので、 両親のその指示は有難く受け取ることにした。]
(147) kazashiro 2019/03/16(Sat) 22時頃
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―翌日 自室にて―
[朝日が窓から差し込む頃、ピスティオは既に目を 覚ましていた。
ただ、腕の痛みが激化していて、両腕を動かすのも ままならなくなっていた。 更に脇腹に点在していた痣が急激に広がってもいる。
その為に安静にしていろとの指示は継続、 昼頃まで自室で唸り声を上げていた。]
……ヘイタんとこ、行かなきゃ―――。
[しかし、呪いは深刻だと判断はするが、何より記憶の 消滅によって自分の意思で動く事が出来ないだろう ヘイタロウを思えば、自分が行かなければと踏ん張った。]
(148) kazashiro 2019/03/16(Sat) 22時頃
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呪い、治ったら……記憶戻るのかなあ。
[痛みに呻きながら腕に湿布を貼り、包帯で確りと固定して 出掛ける準備を進めるが、ふと気になった事ひとつ。
ヘイタロウの記憶が取り戻せるなら、嬉しい。 その後に自分が死んだとて何も問題は無いのだから。 ……後は幸せに花嫁を迎えて過ごせば良いと思う。]
(149) kazashiro 2019/03/16(Sat) 22時頃
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そうだ、ヘイタは女の子と付き合ってたっけ……。
[いつだったか女の子と関わっていた頃があったなと ぼんやりと思考の端で過去を辿る。>>-123
あの時は悔しくて悔しくて、彼らの視界に入らない所から 覗き見ては、乾燥人参の欠片を投げ付けていたものだ。 今にして思えば、それは一体何の意味があったのだろう?]
[結果、ピスティオの周りには小鳥の楽園が形成された。]
(150) kazashiro 2019/03/16(Sat) 22時頃
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[ヘイタロウの記憶が戻らなければ、それはそれ。 彼の幸せを願って日々を暮らすのみだ。]
その為に、まず呪いをなんとかしなきゃ……!
[そうして昼過ぎ。 普段なら両親は一度店を閉めて休憩に入るのだが、 なんだか店の方が騒がしい。
何か揉め事だろうかと床に降りて耳を付けていると、 父親が血相を変えて自室へと駆け込んできた。]
(151) kazashiro 2019/03/16(Sat) 22時頃
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何!? 俺土下座の練習してるだけだよ!!
[訳の解らない事を言って誤魔化そうとした矢先、 呪いの根治の法が発見されたと告げられた。
魔術師もあちらこちらを周っているとの事で、 此処にももうじきやって来るらしい。]
―――だったら、俺より先にヘイタの方!!
[……そうして、後に両腕に包帯を巻いた痛々しい姿の ピスティオが魔術師を引っ張って走って行くのを、 見かけられたりしたとかなんとか。*]
(152) kazashiro 2019/03/16(Sat) 22時頃
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ピスティオは、ヘイタロウの足元に麩を撒いた。
kazashiro 2019/03/16(Sat) 23時頃
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―マスミ魔法道具店―
[腕が痛いのは押し込めて、魔術師の手を引いて 急ぎやって来たマスミ魔法道具店。
振り返れば、袖が引き裂けた哀れな魔術師の姿が在るが 事態は急を要するのだからと一言だけ謝っておいた。 ピスティオの方も加減が効かなくなって居るようだ。]
ヘイター!!居るか、ヘイター!!
[呼び掛けるのももどかしいと、厚い扉に拳を叩き付ける。 その度に激痛が両腕を苛むが、止めない。]
(162) kazashiro 2019/03/16(Sat) 23時半頃
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[ずどん、どがん!!]
[およそ拳で殴る音ではない衝撃が、扉を揺らす。 そして最後には]
あっ。
[めきり、と木が折れる嫌な音がしたと思えば 扉が木目に沿って割れて行った。 扉は正しく開いた、二枚に。]
(163) kazashiro 2019/03/16(Sat) 23時半頃
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や!ヘイタ、俺の事覚えてる!?
[扉を壊したのは後で謝ろう。 多分立て付けが悪い(という事にしていた)のも 忘れてしまっているだろうし。
それよりも、彼がちゃんと生きていてくれた事に>>166 喜びを露にし、脂汗の浮かぶ笑顔を向けた。 ……気持ち、包帯が赤く色付いている。]
呪い治す方法が見つかったんだよ!! 先に治してもらって、な!
[未だ寝衣のままの姿を見つけ、ずかずかと 店内へと足を踏み入れる。 魔術師もどのような症状かを理解したか、後に付いて来る。]
(168) kazashiro 2019/03/17(Sun) 00時頃
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[処置は直ぐに行われたが、ピスティオはその内容を 覚えては居ない。 痛みに耐えかね、意識を飛ばしてしまっていたものだから。
身体が筋肉の動きに付いて行かず、所々が切れて 血が滲んでいるが、それには本人気付いておらず。]
……ふが。
[少し眠れば、呪いも解けた後。 地獄の筋肉痛は継続中だが、もう馬鹿みたいな 腕力は発揮されないし、しばらくそっとしておけば 治まって行くだろう。*]
(171) kazashiro 2019/03/17(Sun) 00時半頃
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―???―
[一枚の画用紙に、クレヨンで誰かと誰かが描かれている。 片方は白いタキシード、もう片方はウェディングドレス。 良くある新郎新婦の姿である。
タキシードの方は黒髪、ドレスの方は短い金髪。 それに気が付いたか、 近づいて来た大人に何事かを尋ねられると]
へいたとぼく!!
[答えた子供の声は、迷いが無い。]
(200) kazashiro 2019/03/17(Sun) 10時頃
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[対する大人は困惑気味に笑って返す。]
ピスティオくん、男の子はねー 男の子と結婚出来ないんだよー?
[どうして? その問いには大人は「女の子と結婚するもの」ばかりで 明確な答えは返って来なかった。
周りの子供もくすくす笑って、そのやりとりを見て居た。 おかしいよね。変だよねと。 だから、絵はその日の内に破いて捨てた。]
(201) kazashiro 2019/03/17(Sun) 10時頃
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[ピスティオの幼少時にはこのような経験は無い。 これはただの夢、しかし根底にある「おかしい」という 常識の棘が見せたものなのかも知れない。
ヘイタロウは、きっと普通の人のように 女性と一生を共にしたいと願っている筈だ。
なら、親友兼幼馴染として その幸せを笑って見守ってあげたい。]
(202) kazashiro 2019/03/17(Sun) 10時頃
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苦しいなあ。 なんでかなあ、ただヘイタが好きって ただそれだけの事なのに。
[どれだけ誤魔化しても、見ない振りをしても 何も変わらなかったしこれからも変わらない。
だからと言って想いを告げて幼馴染の関係すら壊して しまいたくは無い。 気付けば、夢の中で棘だらけの縄で宙吊りになっていた。]
(203) kazashiro 2019/03/17(Sun) 10時頃
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[痛い、痛い。全身のありとあらゆる箇所が軋む。 終わりの無い激痛にもがけばもがく程、棘は食い込んで 痛みは増した。]
[その中で、ほんの一片……それでも確かな温もりが 掌を包んだ気がした。 まるで沈んで行く身を繋ぎ止めるかのように。]
……あったかい。
[何故だか、それで全てが救われたような気分になって 意識はふわりと引き上げられて行った。]
(204) kazashiro 2019/03/17(Sun) 10時頃
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―ヘイタロウの自室―
[薄く目を開いて、少しばかりの考え事。 自分は何故横になっているのか? そして身体が動かせないのは何故か?]
ここ、何処……?
[呪いからの疲労や寝ぼけのせいもあって、今ひとつ 現状を把握出来ずにいる。 すぐ傍に居るヘイタロウの事も、だ。**]
(205) kazashiro 2019/03/17(Sun) 10時頃
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ヘイタ? あれ?大丈夫って……。
[何故彼の部屋で眠っていたのか、少し考えてみる。 そういえば、彼の呼び方が戻っているような?>>219 ピスティオではなく、いつもの……。]
そうだ、呪いだ。 覚えてる?色々?俺が扉壊したのも覚えてる?
[自宅への連絡は済ませてくれているらしい。 それなら安心して横になって居られるというものだが、 何かこう、今までのヘイタロウと違うような気がして]
(226) kazashiro 2019/03/17(Sun) 17時頃
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ヘイタ……? い、いや、ほんと何とも無い?
[穏やかで落ち着きのある、思慮深い普段の態度よりも 何処か吹っ切れたものを感じる。>>220
何しろ自分に触れる事など滅多と無かったし、 触れたとしても直ぐに手を引いていたのに。]
ほんっとに大丈夫……?
[彼の指先が唇から離れて行くのを、大きな瞬きで見送る。 その先にある微笑みは普段のものよりも近くて、 慌てて顔を背けた。]
(227) kazashiro 2019/03/17(Sun) 17時頃
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[欲しいもの?今のこの状況だけで十分。 二人同じ空間で居られること、それが一番なにより。 胸の内で答える、声にはしない。]
[……まあ、嘘だが。**]
(228) kazashiro 2019/03/17(Sun) 17時頃
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