253 緋桜奇譚・滅
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―前日の六道珍皇寺―
[刻、逢魔。 大人に紛れて足の遅い童が訪れた。 桜の樹の周りは参拝客が集っていたが 方位から鬼門に近い井戸の様子を見に。]
……妖気の吹き溜まりじゃのう。 自然に開きかけているというよりは、 作為的にも感じるが。
[これは早いうちに手を打つに越した事はない。 ――神隠しとの直接関与があるか否かは 事実検証はないにせよ、明白な違和を感じる。]
(15) 2018/11/08(Thu) 08時頃
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[住職に進言しようと僧房に声かけをしたが 頃合悪く留守であった。
仕方なく筆を取り、文を綴り僧に託す。
緋桜樹木の周辺と凶方位にあたる井戸付近に 封じを施すようにと。
廃仏毀釈と大火が原因で取り壊された 鞍馬寺院の実印を添えれば 冗談の類ではないと知れよう。
―――かくして。 その報せは明くる日に通じる事となった>>#0]
(16) 2018/11/08(Thu) 08時頃
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―翌朝―
[穴だらけの畳に布団を敷いた転寝から目覚め、 いつもの様に縁側で茶を啜る。 一日経てばいくらか湿気ったあられだが、 茶の伴にする分には困りはしない。] これを啜ったら発つとしようかい。
[ずずずと音を立て、煎茶を味わう。 小姓にしている木の葉天狗が淹れた茶だが 茶屋よりは薄まった渋み。
落ち着いた後にでも京の町に出るとしよう。 酒屋に丸薬を届ける用事がある。]
(19) 2018/11/08(Thu) 08時頃
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こッ……これは……!?
[ ――カッと目が見開かれた。
かの寺の桜の根元に染みる血の色――を見た訳ではなく 湯の中にたった茶柱…でもなく。]
(20) 2018/11/08(Thu) 08時頃
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白……!
[風に煽られたもだんがぁるのすかぁとの中身に 天狗爺の双眸は釘付けであったそうな]**
(21) 2018/11/08(Thu) 08時頃
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[さて出向こうというところで、 腰を立てたのがいけんかった ぎっくり腰…ではなく、 昨日走り回った反動がやって来た。]
あだだだ…… 慣れん事をしてもうたわい。
[曲がった腰と足に蘆薈、生姜、花薄荷を 煎じ練った薬膏を小間使いに塗ってもらう。
歳を取ると遅れて痛むからいけない。 昨夕のうちに按摩を呼び止めていれば>>0:219 跳ねっ返りも幾分和らいでいただろうに。]
(35) 2018/11/08(Thu) 20時半頃
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[なに、天狗爺の好色理念も大半ではあるが この歳では如何なる生薬も精力にならない。
不埒に手を出すまでには至らず>>0:234 儂は脱がんがおぬしは羽織を脱いで施術をと宣ったり 小袖の下を妄想してせいぜい鼻の下を伸ばしたり 鼻血を垂らす程度の害悪でしかない。
さりとて若い頃は―――]
はぁ……あと200年…いや300年若ければのう 目隠し鬼やとらとらで一晩遊びほうけても 屁でもなかったというに……。
[年甲斐もない追いかけっこの末路に苦しむ爺より 年寄りの昔語りに付き合わされる上、 せっせと薬膏を塗る木葉天狗こそ一番気の毒かもしれない 天狗の縦社会は非情であった。]
(36) 2018/11/08(Thu) 20時半頃
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[腰を叩かせ、葛湯をいただき、 薬膏が浸透するまで身体を休めれば いくらかも塩梅は和らいだ。
出歩くにも今の大きさより大きく身を変えるは 歳のせいかしんどく、童子の様相で廃寺を発つ。 短き足は酒屋を目指してはいるが、 足腰の重さが常より相俟って牛歩の歩みゆえ、 京の町をゆるりと眺めるも天狗爺の日課。
時折立ち止まり、耳を澄ます。 神隠しの噂は変わらず立てられていた。]*
(37) 2018/11/08(Thu) 20時半頃
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さす儂の薬膏よ、腰もあったまって来たわい。
[目立つ鼻をさすりながら得意げにしていたが そうではあるが今はそうではない事に 目の前を駆け出す火だるまの男>>44で悟った。]
なっなんじゃあ――……!?
[京の都は寒空ながら陽も出ており>>7 雪もちらついてはおらず、 冬季特有の乾燥した空気が流れている。]
(51) 2018/11/08(Thu) 22時頃
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ぶあっちゃっちゃ!! 危ない危ない…翼を出しておったら 焦げておったところじゃて
[呆然と駆け回る男を見守っていたのも束の間。 ――どうも後ろが温かいと思ったら 地面で火の粉が揺れていた]
うむぅ……八咫烏に似ておるか? 何にせよ穏やかではないのう。
[火炎を纏う鳥が火元であるようだ。 一羽が悪戯に火の粉を撒いているのなら 妖力を得たばかりの新参の悪童と見做すも 群れ為して飛び回っている限り おそらくそうでは無いと知る。]
(53) 2018/11/08(Thu) 22時頃
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ええい、春でもなし。 浮かれる阿呆は何処のどいつじゃ!
[人の火消しもこの有様ではまともに機能していない。 木造住居の並びをまるごと燃やす火力ではないにせよ…
八手団扇を懐から取り出し、 天に向け、大振れば。
雲ひとつ無き空が急激に黒雲を増して ぽつぽつと雨が降り出した。 ―――雨足は次第に早まり消火に導く。
全盛期であれば鞍馬山の規模まるごとであったが 年老いた天狗爺が操れる天候の範囲は局地的であり、 せいぜい一角が限度であった。 京の町全域を囲いたがる火鳥の勢いを 皆まで消すほどではない。]
(57) 2018/11/08(Thu) 22時頃
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この程度しか『呼』べんか 儂も老いたものよ……。
[牛歩の歩みでは入り組んだ町の作りと 広々とした盆地のあちこちで上がる火消しに 追いつきそうにもない。
このてんやわんやならば隠さじとも 注意は火の鳥にばかり注力されよう。 変化を解き、天狗爺の身なりを取り 黒翼を広げ――――――飛翔せんとしたその刻。
思い当たる節を幾つか並べたうちで、 火と鳥を結ぶ妖に立ち会い>>60 地を蹴ることなく、山伏装束を揺らがせた。]
(63) 2018/11/08(Thu) 22時頃
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金鳥のか。
さてはおんし……
[いや、しかし。 遠目に見る限りでは火鳥を射ていたようにも。>>59 神使いともされる来歴>>40と 照り合わせてもこの様な騒ぎを 急に起こすかといえば確証に至らず 口に仕掛けた言葉は長鼻の下で飲み込む。]
(67) 2018/11/08(Thu) 22時半頃
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いや……。 妙なことになっておるが、 おんしは何者の所業が知っておるか?
年寄りの散歩を邪魔立てならともかく 町中を騒がすなぞ滅多もなし。
[ざぁざぁと雨の降りる雑音混じりだが 派手な髪と目の色ながら 書生じみた相手へと問いかける]*
(68) 2018/11/08(Thu) 22時半頃
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[天狗爺の咎めようとした気配は 悟れていそうなもの>>71
顔を赤くして怒り出すわけでもなければ 往来や茶屋、菓子屋で時折見かける金鳥の 飄々とした気配と離れもしない。
京の人――ひいては妖怪すらも 無差別に脅かそうとする事態に 巻き込まれている割には変わらなすぎるともみえるが 京暮らしの年月が口ぶりから察せるほどには 上方に馴染み過ぎている様子でもあり。
京の住人には安閑とした気質持ちが多い――― 妖だけは例外、とはいわない。 変に謝るのもそれはそれで、結局は口を封じたまで。]
(77) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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そうじゃのう。
大陸――清から移り住んでおるものや めりけん蒙れの童女…… 実態が不定の怪に比べればな。
[古来の妖怪も様々ではあるけれども、 京に感じる妖気の『質』の類からして 珍妙さでいえばこのあたりか。
どれもこれも京の町に動乱を起こす 火鳥と仲良しこよしとは思えないが。
火を吐き出す鳥と名のつく妖怪なら 頭を揺らせば候補は限られない。 まして、天狗爺が京に潜む魑魅魍魎の全てを 網羅しているわけでもなし。]
(80) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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こうして世間話をしているのもな。 火消しに参らねば
おんしはどうする。
[小道から橋に通じるこの一帯を 飛び回っていた火鳥どもは 湿気に負けて火を出せなくなっている。
向こう岸から先は今も火に集られた住民が 亡者のような唸り声を上げていたり 叫び声と共に誰ぞが何処かへ駆けてゆくし>>76 心当たりが立ち話で潰せないと分かった今、 黒翼を広げ、舞い上がろうか。
天狗爺の進行方向と共に雨雲は後に引く。 『呼』んだ雲もまた、天狗の後を追いかけているのだ]*
(83) 2018/11/08(Thu) 23時頃
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清はえげれすにいいようにされるのが嫌で 近場のこの國にでも逃げてきたんかのう。
おん?めりけんはめりけんじゃ。 黒船を率いて妙な文化を持ち込んだ連中よ。 ゃッ やめい! 儂がおなごの尻に夢中のようではないか!! [『あめりかん』がこの國の民族は耳慣れなれず 聞き違いが発端でそう呼ばれてはいるが 天狗爺も流行りに馴染んでいる。>>89 意外にも流行を追いかける粋な爺…というより 正しきを知らないだけであった。
派手な着物の娘を追っかけていたのは確かだが 本意ではないと弁解しかけ――、 今はそれどころでは無いと悲鳴が言っている。]
(100) 2018/11/08(Thu) 23時半頃
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[眼鏡をかけていられなくなる程度に、>>71 冬の雨はざぁざぁと一帯を絶えず濡らしている。 止めることは出来るけれども、 それはわざわざ呼んだ雨雲を追い返す訳で またすぐ呼びなおすのは妖力が勿体無い。. 空気を一時的に温めずぶぬれを脱した妖を さらに濡らすは嫌がらせも良いところ――、]
そうじゃのう。 水も滴るなんとやらといくには風も冷える。
なれば逆方面の騒動を潰せば手を分けられる。 儂は一先ず酒屋の方へ翔ぶとしようかい。 あっこは燃えるもんの宝庫じゃ。
――向こうは任せたぞ、金鳥の。
[金鳥が何処を目指すかは知らないが そう言い残しはして、天狗はあまを駆けていく。 黒い雲を背後に引き連れて]*
(103) 2018/11/08(Thu) 23時半頃
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[酒屋のあたりまで飛んで向かうは早い。 地に足をつけて老いた足で よぼよぼと歩くのに比べれば一瞬のこと。
酒屋の娘が在宅であれば水妖であると口にした身、>>95 火気への抵抗手段は持ち合わせているだろうし>>98 取り越し苦労で通過するところであったが 両親>>0:48は店前で立ち往生していても、 妖の目には白髪赤眼の娘の姿は見当たらなかった。]
留守なら寄った甲斐もあるというもの。 それ、それ。
[――黒雲は煙幕とまでいかずとも 多少のめくらまし程度の役は有り……雲隠れ。 急な雨に店内へ引っ込んでいく背を見守る。 小火程度の火や新たな火を灯そうとする 火鳥そのものの鎮火をも済ませれば ――次に向かうは、]
(109) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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やはり、彼処かのう。 [あの文>>16で結界を施してはあるだろうけれど>>#1 木造物の多い六道珍皇寺は………… 別の寺とはいえ寺院に祀られていた『もの』として 様子を見に行かない訳にもゆくまいて。
神隠しの噂――― 京に充満する危惧の聲。
この騒ぎが神隠しと関連付くかは兎も角、 乗じたものではないと切って捨てる事も出来ない。]
(116) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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[――上空よりいでて。
引き連れた黒い雨雲が六道珍皇寺一帯を覆う。 桜樹を仰ぐものの鼻頭にも雨は落ちるやもしれぬ>>10 汚したら目玉を食うべべの袖も重くなるやも>>54 祝言を迎えたばかりの娘が>>113 動く亡者に成り果てる今、 雨垂れが髪を張り付かせたやもしれぬ>>114]
(118) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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[それら全てを天狗爺が見ていた訳ではない。
追っているのは本堂や境内、
あちらこちらを
陽気に舞う火鳥であるからして。]
やれやれ……骨が折れるわい。 ……とはいえ、懐かしくもある。
[京の町に移り住んだのは外来文化の到来後。 この地に来てから天候を操ることは無かった。 自然のまま、―― いや、出来心で旋風を吹かせることくらいは いつでもやっているのは確かだけれど。]
(120) 2018/11/09(Fri) 00時半頃
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―――ふぅむ、案外賢いのぅ。 鳥頭というが妖なれば――
[天から雨を降らせても――。 火鳥も阿呆ではないようで、 逃げ延びた群れは雨に曝されぬよう 屋根に潜み、様子を伺ってもいる様子。]
鉄砲水を呼んだら 逆に大惨事じゃもんなぁ。
[確かに火は消せるが、水害で大変なことになる上 老いた天狗爺が長々と制御できるものでもない。]**
(122) 2018/11/09(Fri) 00時半頃
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[参拝客は既に逃げおおせているようで>>127 暫く雨を降らせたまま軒下に隠れた火鳥を 妖力の源である八手団扇で薙ぎ払い 潜んで過ごせないように屋外へと散らす。
合間に桜や井戸の近辺を凝視した所 自然なものではなく『呼』んだ雨雲から 降りしきる雨を弾いているのが解る。
本来の天候ではない雨雲>>128は天狗爺の神通力で 呼び寄せたものであり 包囲網が敷かれていると感知する。>>#1]
おう?
[火にのまれてはいないけれども、 顔色の悪い若い女や>>114童女>>129が 横たわっていたり、 覚醒しても人では無くなった事も理解する事なく 不安そうに雨の中、往生をしている。]
(140) 2018/11/09(Fri) 08時半頃
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あり…。 ……あり中のありじゃのう……
[童女は兎も角、若い女が雨に濡れ、……… 体型が解るような姿であるものだから 思わず鼻下を伸ばし。
この一帯における火鳥騒動は 一先ずのところではあるが終熄したと見る。
桜に誘われて寺に近づく女が訪れる頃か否か>>125 寺を囲むように一帯へぞぞりと広がった雨雲を このまま帰すことにした。
纏をひきいて半纏を羽織る火消し達の姿も見えた。 あちこちから上がっていた悲鳴も 龍吐水の噴射音と共に収まりつつある。 火傷に悶絶する声は絶えやしないが…。>>117]
(141) 2018/11/09(Fri) 09時頃
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[寺の小坊主らが彼女らを保護している。 介抱がいちばんおいしい所ではないかと 雑念に揺れはしたが…ここは耐えておこう
一見、顔色が悪いだけで常人の挙動を取る娘らが 月いでる頃には殭屍に身を変えるとも知らずに。
廃寺のつゆ払いをしていた木葉天狗が翔んで来た。 住居は多少焦げたが無事である事を伝えに。]
(142) 2018/11/09(Fri) 09時頃
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他所が燃えるよりは良いといえば良いが あの場所に居れんとなれば 此処やどこぞの神社の 食客に成り下がるもやむ無しじゃからのう
[大天狗は平安の世では 騒乱を好む魔王とも恐れられた妖怪だが、 天変地異を諌めて貰うように、と 人間たちに祀られ、 天狗道に属す神の一種とされている。
即ち、生き物からの信仰によって 存在を繋ぐものと成りつつある。
ひいては寺や神社といった信仰の集まる場所にしか 人間界で定住を果たすは難しいのだ。]
(143) 2018/11/09(Fri) 09時半頃
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[あのような荒れ寺でも長年通った地域の者が 時折奉納酒や米を置きに来ている。
あぶく程度の信仰であっても 昔のように血気が盛んな年頃を過ぎたのが幸いし わずかながらでも糧となっている。]
……火傷の薬膏は作り置きが 未だ残っておったな?
町医者だけでは手も足らぬじゃろう そちは町人らの手当てに回るように
[木葉天狗に任を与える。 若造に姿を変えた下級天狗は天狗爺の命に従い 廃寺へと引き返して行った。]
(146) 2018/11/09(Fri) 09時半頃
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[爺も廃寺に引き返して新たな薬を練るとしよう―― そう思い立ち、本堂の屋根へと降りて 瓦を蹴り、寺院の中庭へと降りてから 人目憚り童子に身を変える。
若いおなご>>125に提灯娘の姿>>145を 見かけたのはその頃であったか。]
なん・・じゃと・・。
[暖琴の母親(化け提灯)とは 過去に面識はあったが 天狗爺の好色を聞き及んでいたのか 提灯からかたちを変えることは無かったように思う。
年頃から見れば人妻>>0:71であっても可笑しくはない だが…あの女とじゃこうなんちゃらが交わって 菓子に目がない女童が生まれるのだろうかと 勘違いであるとも知れず邪推を巡らせていた。]**
(147) 2018/11/09(Fri) 09時半頃
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