人狼議事


252 Aの落日

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【人】 独尊隊 ツヅラ

[見下ろした手は、人のものだ。>>12
 爪の血の色まで失せた手が
 縋るように俺のシャツを握っていた。
 犬はそんなことはしない。
 従順に「マテ」を守るだけの犬なら。

 やっぱり笑ってるだけのいぬじゃないんだなあ、お前は
 そのことに安堵を覚えてしまう俺は、
 やはりオトモダチに向けるべき感情を
 間違えている。



 ――昼にさえいけなくて、勝手に傷ついて、
 こんな無様な負け犬を笑ったり
 哀れんだりするだけの奴は沢山いた。

 お前がそういうやつだったなら、
 俺はお前に興味を抱かなかっただろうに。]

(15) さねきち 2018/10/19(Fri) 03時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


     (でも、――仕方ねえかなあ。)

[いつか陽射しが見えない夜に溺れることがあるなら
 浮き輪を投げるだけじゃなくて一緒に沈んでやろうか。
 ……黒くて、不気味で、おそろしい海の中に。>>11

(16) さねきち 2018/10/19(Fri) 03時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

[伸ばされた手をふり払うだけの元気はなく>>12
 支えてくれる人間の手指に、やっぱり安心した。
 ここに誰かがいる。じゃあなくて、
 ここに洋次郎がいてくれるので。

 普段なら「なんでもねえよ」と無理して逃げる体で
 しゃがみこむ無様さをさらしてしまう。>>13>>14

 ( 安住だって、はやく、そうすればよかった 
   苦しいって泣き喚けばよかった      )

[……いや、
 安住にとって周りの人間が
 それをするに値しなかっただけ、かもな。
 それはそれで、いやな気持ちが胸に広がるってもんだが

 …………………なんか、いいや。
 難しい事は。今の俺にはちょっと重い。
 頭上で どした と喚いている洋次郎がやかましい。
 俺はうるせえなあ、という言葉を口の中で噛み潰した。]

(17) さねきち 2018/10/19(Fri) 03時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

    しなねーよ。ばーか


[残念ながら、まだ死ねない。
 少なくとも俺自身は死ねない、と思っている。
 体はキツいけど。

  体が焼けて走れなくなった襤褸人形のくせ
  苦しいのを知りつつ死ねないのは
  アディショナルタイムではないと思いながら
  試合を去れないのは
  こうやって慌てる馬鹿のツラが笑えるからだ。]

(18) さねきち 2018/10/19(Fri) 03時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


   つか。
   はやく謝れやタコ
   ま、……いーや

[まだ謝らない犬以下の洋次郎を見上げて
 ひきつった笑いを見せた。

 それから、歩き出そうとして心配げにこちらを見るので、
 屋上の階段降りきるまでつきあえ、って笑った。
 あとは自分で帰れるさ。]

(19) さねきち 2018/10/19(Fri) 03時半頃

【人】 独尊隊 ツヅラ



   ……よーじろ、う、さぁ。
   あいさきが心配してたぞ。
   元気なカオみせてやれよ

[俺はけらりと笑って、
 四階の踊り場で洋次郎と別れただろう。
 「またな」と呼びかける言葉は、
 信頼の分ちょっとだけ重い。

 どこかに消えてしまいそうな「人間」のお前への、
 ちょっとした呪いです。
 引きちぎるなら引きちぎれるくらいの、重しです。]

(20) さねきち 2018/10/19(Fri) 03時半頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


[ふらふらと野良犬は校舎を出る。
 ここに混ざれる場所はない。

 ないのだけれど、
 未練がましく視線はサッカーのゴールを見遣る。]


    ……帰ろう。


[あの一年が何をいおうが、知るか。

 なんて強がるように呟いて、
 俺はその日はひとり、帰路につく。
 潮田からのメールに気づいたのはその後のことだ。**]

(21) さねきち 2018/10/19(Fri) 03時半頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

――帰ってから――

[文字は、こういう時楽だ。
すぐに答えを返さなくてもいいから。

布団に沈みながら俺はぼんやりとそう思った。
きていたメールはまるで告解のように、とりとめもなく潮田の感情を描き出していた。>>2:269

ごめんなさい。
そういって、許してもらいたい相手は、俺ではなく
きっと潮田が暴言を吐いた先――安住英子なんだろう。

「何か聞いていたの?」
何にも聞いてねえよ。

「後悔で、いっぱいなの。」
俺もそうだよ。

考えたって苛立ったって悔やんだって泣いたって苦しんだって、例えば安住が生きながらえたって、この呪いは消えやしない。どうすればよかったんだろうな。]

(24) さねきち 2018/10/19(Fri) 21時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ



 ( 答えなんかどこにもねえ、よなあ )


[馬鹿らしい呪いだと、思う。]

(25) さねきち 2018/10/19(Fri) 21時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

─────────────────
To 潮田
From 葛
─────────────────

何を言ってしまったのかは知らないです。
あと、俺は安住から何も聞いてないです。
潮田さんのせいか、そうではないか、
それを察するのは 俺には難しいです。

でも
潮田さんが安住のことで悩んでいたことは、知っています。
強く悩んで苦しんでいたことは知ってます。
俺が「なんで安住を部活に誘わないのか」って聞いたとき あんなに思いつめていたこととか

人間って、案外単純で気にかけてくれる人が一人いれば
少しは救われてしまうものなので
安住にとっての潮田さんも、少しくらいそういう存在だったら、いいなあって思います。
居場所を奪うばかりじゃなくて
ちゃんと心のよすがであればいいと思います。

(26) さねきち 2018/10/19(Fri) 21時半頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


てか。
そうでもなければ、わざわざ会いにいってから自殺しないだろうと思いますし。かわいさあまってにくさ百倍、っていうじゃないですか。
だめだ。
とっちらかってきた。

なんというか。
事故。だと思うんで。人付き合いの大体って

俺が潮田さんをゆるすので
潮田さんは安住と自分をゆるす努力をしてください
俺にゆるされるのじゃたりないっていうなら
潮田さんにとって気の許せるあいてにゆるしてもらってください

それだけです
─────────────────

(27) さねきち 2018/10/19(Fri) 21時半頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


  無理。

[文を整える気力すらなかった。送信ボタンを押しながら布団に額を押し付ける。たかが事故のせいで呪われて一生傷を背負うなんて馬鹿げてる。そんな馬鹿、少ないほうがいい。

俺はただそう思っただけで、思ったことを綴っただけで、メールの内容に深い意味なんかなかった。
几帳面な奴なら、もう少し文体整えるだろうよ。**]

(28) さねきち 2018/10/19(Fri) 21時半頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

―― 翌日 ――

[冥々と暗い夜道を駆け抜ける。
どこまでも、どこへでも遠くへいこうとするのに――
どこへもいけないまま、焦燥だけが心を焼く。

俺の後ろには誰かが乗っている。
誰だろう。誰であれば……嬉しいだろう。

そんなことを思ったのだけれど、バイクを走らせるのに必死で振り向く余裕などなかった。
ヘルメットをしているはずの頭に、髪の毛をすりぬけ指が触れた。女だ、と理解する。]

        「 九十九はさあ、 」

[夜風の中静かに笑い声が聞こえた。

 ――目を覚ます。]

(56) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


[がらんとした部屋で目を覚ました。
 ぴぴ、と鳴る目覚まし時計を黙らせて俺は呻きながら起き上がる。部屋の中には誰もいない。不思議と、母さんが帰ってこない日々を思い出したが、その思い出を静かに思考から閉めだした。

 身体が熱い。塗り薬を探したけれど、切らしていることに気がついて舌打をする。そもそもこれが火傷の後遺症なのかどうかも不明だった。風邪めいた倦怠感が全身を支配していて、熱病のようにも感じられる。]

  ……、

[自分の世話くらい、もうできる。
 ちょっとばかし金を稼ぐには力が足りないくらいで
 何も勉強せずとも点数を稼ぐにはちょっと馬鹿なくらいで
 料理だろうが裁縫だろうが生きていくためならできるし一人で病院に行くことなんて簡単だ。
 学校があったかどうかはさておいて、身支度を整え病院へ赴くのに時間はかからない。

 ……そういえば。
 安住が運び込まれたのは、ここだったっけ。
 ぼんやりと病棟を見上げ、現実感のないままに踏み入る。
 予約した時間まではまだまだある。俺はぼんやりした頭のまま、入院病棟に赴きナースセンターを覗いた。]

(57) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ




   「安住栄子ってひと、ここに運び込まれたと聞いて……」

[なんとナースさんに問いかけたかは覚えちゃいないが、凡そそんな言葉をかけたと思う。
 明らかに容態の悪そうな不良を見上げたナースさんは、視線をさまよわせてから、同僚といくつか、言葉を交わし、]

   「個人情報になりますし、面会は……」
   「けれど意識は取り戻したみたいで」
   「あなたは、学友さんですか?」

[ほんとうに意識を取り戻した直後なのか、面会については断られたが、ナースさんは確かに俺にそういった。
 目を丸くして息を呑む。
 それから落ちた溜息は、なんの色をしていただろう。]
 

(58) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


   ……そう、ですか
   ありがとうございます




     ( 生きていてくれた。よかった。 )
     ( ああ、生きてしまったのか。お前 )

 

(59) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ



[軽く頭を下げ、俺はそこを後にする。
 相反する二つの思考に頭を抱えそうになりながら、本来の目的へと向かう。

 病棟の外で、俺は端末を手にとった。――いくらか迷ったようにあて先を探すと、その名前を見て、ほ、と息をついた。]
 

(60) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

 
─────────────────
To 潮田
From 葛
─────────────────

安住、目を覚ましたってナースさんから聞きました。

─────────────────
 

(61) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

[それから――これじゃあいつみたいだ、と洋次郎の顔を思い出しながら、違うメールで付け加える。]

(62) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

─────────────────
To 潮田
From 葛
─────────────────
これから書く事、流してくれていいんだけど。

これから大変だと思うんです安住。
だから、過去に何をいって、何をいわれたとしても
潮田さんにそのつもりがあるなら一緒にいてやってください。

安住って 悪ぶって夜遊んで、吹奏楽もやめて
でも昼の学校にも吹奏楽にも未練たらたらな奴だと、
少なくとも俺は思っていて

そういうやつって、潮田さんみたいな
吹奏楽にいっしょうけんめいで、
ひとに、優しくできる人
やっぱり羨ましくて眩しくて、嫉妬して嫌って
でも見つめずにはいられなくって
そういう自分も嫌いになってくと思うんですよ

(63) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

─────────────────
なんか、どうしようもないやつだと思うんですよね。
そんな安住が夜に逃げたりしないように傍にいてやってほしいんです。
安住の「好きだけど嫌い」がまた安住自身に向かないように。
それって、潮田さんができることかなって思うんで。

潮田さんが、なのか、潮田さんにしか、なのかは俺には判断つかないけど。
思い当たって頼めるのは、潮田さんだけなので、お願いします。

なんか、長々とごめんなさい。
それじゃ。
─────────────────

(64) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ



[そこまで書いて、病院の天井を見上げた。
 熱はまだ下がらない。

 爺とババアがちらちらとこちらを見てくる。うぜぇとガン飛ばすだけの元気もなく、俺は自分の名前が呼ばれるのを待っていた。**]

(65) さねきち 2018/10/20(Sat) 16時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

―― ――

[病室の前で足を止めていた。

パーカーを被った柄の悪い男が自殺未遂をした患者の病室の前で、入るでもなく躊躇って、傍目には扉を睨みつけている。
それだけで世間様からすれば不審ではあるのだろう。
ちらちらと通りすがるナースさんの視線が突き刺さる。

けれども俺はそれに睨み返すことすらせずに、真っ白な病室の扉を見つめていた。
首裏を掻く。まなざしを移す。「安住英子」の名が冗談のようにそこにある。]

(88) さねきち 2018/10/21(Sun) 02時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


   ………


[思う事はたくさんある。]

[例えば、結局縋れるものになれなかった俺のふがいなさだとか。
会いにいっても迷惑なだけじゃないのか、だとか。
そもそもそんな資格があるのか、だとか。

結局潮田に安住を託したように
……俺も洋次郎と似たようなもので
安住が昼の世界にきちんと戻ることを願っているので
会いに行くべきでは、ないのかも、とも、思ってしまった。]

(89) さねきち 2018/10/21(Sun) 02時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


[けれど。
 自分のやりたいこともできない、負け犬見てる。って、
 その言葉が耳の奥で震えて、弾けた。]

[病室の扉に手をかける。――開ける 
白いカーテンがゆらりと風になびく。
窓から落ちた陽射しが、白いベットをさらにほの白く染め上げていて、眩しさに目を細めた。

俺は一瞬、投げかけられる言葉を期待したけれど、落ちるのは静寂ばかり。ああ、と安心か落胆か、なにかわからない溜息が漏れた。]

  なんだ、寝てんのか。

[――何の夢を、見ているのだろう]

[願わくば、酔いしれられるような夢を、見ていてほしいと思った。
できればその時だけでいい。現実は酔えない夢ばかりだ。浅い夢を歩ききるには人間はあまりにも花のように脆いから。]
 
  ちったあ元気になれよな……、
 

(90) さねきち 2018/10/21(Sun) 02時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ


[そいつの生に苦を願ったのに、
皮肉なもんだと、小さく笑う。]



[・・・
 えいこ、と呼びかけたくなって、
 俺は静かに口を噤んだ。

 お前をその名で呼ぶ事は、きっと、これからもない。]


[何も言わずにベッド脇の机に小さな包みを置く。
添える言葉は何もない。
誰が来たかも知らせまい。

青空の色をしたタオルケットが一枚。
俺が安住にあげられるものは、それだけだった*]

(91) さねきち 2018/10/21(Sun) 02時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

―― 学校 ――

[安住の自殺は学校の中にどんな影響を及ぼしたのか、
翌日登校することがなかった俺は知らない。
新聞で何かしら書かれていたかもしれないが――……。
かったるい授業の合間。
休み時間に廊下を歩けば、ふとこんな噂話をきく。
つきささる眼差しの意味を理解する。]

   「この前自殺しようとした生徒って
    不良と関わってたんだって
    ほら、そこ歩いてる、あいつだよ」
   「ああ、あいつね」
   「――あれなら納得だよねえ、」

[淡々とまなざしをそちらに移せば、噂をしていた女共がびくりと肩を震わせて逃げて行った。ウケんな。と思った。不愉快を煮詰めてスープにして飲まされたような心地だった。
かける言葉を噛み潰す。溜息にして逃がした。]

(92) さねきち 2018/10/21(Sun) 02時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

  クソみてえな場所だな、やっぱ。
  ビョーインより。

[――馬鹿らしい。どいつもこいつも他人事だ。
一回くらい同じ目にあってしまえばいいのだと思う。
 
同じ舞台にくることがないのなら、勝手に賞味していればいい。*]

(93) さねきち 2018/10/21(Sun) 02時頃

【人】 独尊隊 ツヅラ

[潮田に送った文面は――
その中で語った安住のことは、
多分、俺の、俺自身の投影でしかない。

(ほんとうの安住はもっと違っていて
 真実はもっと最低なものなのかもしれない。)

友達に馴染めず、周りにいい顔をして、落ちぶれた不良に声をかけ――
そうしてその速さに無邪気に笑っていた安住に、
俺は自分の姿を見ていた。

例えば、あの日母さんを起こしにいかなければ。
例えば、あの日運悪く火事に巻き込まれさえしなければ。
例えば、二年の頃きちんとサッカーをできていたならば。]

(111) さねきち 2018/10/21(Sun) 06時半頃

【人】 独尊隊 ツヅラ



[   例えば、が積み重ならなければ
    夢み、まどろむ犬のごとく

    毎夜母さんが帰ってこない現実だって
    強制され矯正されて
    「いい子」にされていた自分だって
    自覚せずに、済んだのかもしれなくて

    子供のままで笑っていられた>>109
    のかもしれなくて……

……安住も、俺と同じで
そういう例えばが積み重なって
追い詰められていったように見えていた

    ・・・・・・・・ 
 いや、見ようとしていた のだろう。俺は。
勝手に投影して、勝手に哀れんで、苦しめばいいのにと思う半面、救われてほしいとも思っていた。]

(112) さねきち 2018/10/21(Sun) 06時半頃

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