105 CLUB【_Ground】
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―広間―
[端末に届く声。それを確認して、配膳口から手を出した。 狭く作られた配膳口は、こうして壁際に立てば覗きこんでも顔の見えない高さ]
ヤニク、
[食事を待つ他の動物たちもいない。モニター越しの客の目もない。 ただ触れたさで伸ばす両の手]
(@2) 2013/12/23(Mon) 02時半頃
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[駆け寄る気配。重なる手。 ずっと端末から聞こえていた不安げな声とは真逆の、穏やかさに満ちた声]
ヤニク……、
[壁に額つけて目を閉じて、手に触れる感触だけに意識を注ぐ]
(@3) 2013/12/23(Mon) 03時頃
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[本当は、もう一度尋ねようと思っていた。 自分のしようとしていることが、本当に間違っていないのか。
けれど、もう、]
好きだよ、ヤニク。
[何より先に溢れ出る想い。 愛しい頬を両手で包み、少しでもその表情を読み取ろうと]
(@7) 2013/12/23(Mon) 03時半頃
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[頬を、耳を、擽るように撫でながら、ヤニクの弾む声に耳を傾ける。 ずっと聞いていたい。寂しさや不安に沈む声でなく、ずっとこんな、明るい声をさせていられたら]
(@10) 2013/12/23(Mon) 03時半頃
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[溢れる想いのままに、言い募る言葉。 それに返される、まっすぐな言葉。
一度同じように、ここで聞いた時には動揺してしまったけど。 今、ようやく、その言葉をきちんと受け止めることができる]
(@11) 2013/12/23(Mon) 03時半頃
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[頬に触れ、手を重ね、そっと囁き落とす言葉。 まるでプロポーズだなと、心の裡で思いながら]
今すぐ、じゃねぇんだけど。 そうするための手続きをきちんと踏めば、大手を振ってお前を迎えることができる。
だからそれまで、お前が待っててくれるなら……**
(@12) 2013/12/23(Mon) 04時頃
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うん、待ってて。
[今すぐに抱きしめて口づけたい衝動に駆られ、壁の存在を疎むと同時に感謝する。部屋で目隠し一枚だけなら、何しでかしたかわからない。 ヤニクの頬を流れる温かな涙を何度も拭って、笑み浮かべて]
(@35) 2013/12/23(Mon) 13時頃
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[それから無事、ヤニクを買い取るための申請は円満に受理されて、一週間後の受け取りが決定した。 UGグループの買い取り期間に関する報告書の作成やら、次のグループを受け取る準備やら、残務処理はてんこもりで、目の回るような日々。仲間のいない寮はヤニクひとりには広すぎて、暇を見つけては足を運んだ。
そうして2人、残りの日数を数えて、 やがてついに*その日を迎える*]
(@37) 2013/12/23(Mon) 13時半頃
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―研究ルーム―
………。
[ホレーショーを愛称で呼び、手伝いをさせる上司の様子を無言で見つめる。 最初はどうなることかと思ったが、ホレーショーの頭を撫でるその横顔は、ずいぶんと穏やかに見える]
ショック療法? 荒療治?
[それが良いことなのかそうでないのか。 判断するのは自分ではないけれど、ここ一週間で少しずつ見えるようになった変化は、自分は、好きだ]
(@39) 2013/12/23(Mon) 14時半頃
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―研究ルーム―
[ぼんやり考えていた言葉は音になって零れ、しっかり聞かれていたらしい。じと目で睨む上司に、鼻歌まじりに目を逸らす]
準備……、まぁ、できてるっちゃできてる……かなぁ。
[返す刀の言葉に、小さく頬を掻く。 実際の所、何をどう準備すればいいかいまいちよくわからず]
とりあえず食器は買ったかな……。
[先行き不安である]
(@46) 2013/12/23(Mon) 16時頃
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[仕事にかまけて滅多に帰ることのないアパート。 引き払う作業すら面倒で家賃を払い続けていたが、 とりあえず「家」と呼べるものがあってよかったと思う]
少しずつ、一緒に選んでいこうかと。
[しばらくはアパート住まい、服も自分と共用で、寝床はスプリングの固いシングルベッド。富裕層に買われていった他の仲間たちに比べて、苦労をかけることになるが]
気持ちか……。
[上司の言葉に、視線を落とすのは自分の手。 あの日、柔らかな頬と温かな涙に触れた記憶]
それなら、ばっちり。
[肩を竦めた上司の、揶揄混じりの言葉に、 ニシシ、と満面の笑みで返した**]
(@50) 2013/12/23(Mon) 16時頃
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―研究ルーム―
[上司から、立ち合い人として同僚が指名される。 軽い調子で引き受ける同僚の返事を聞きながら、少し、考え込む。
自分がヤニクを買い取ると決めたことは、自分から報告するより先に、業務連絡のようなものでティーに伝わっていた。それ以来、なんとなくその話題を直接しづらくなっていて]
……、
[思いだすのは、ひまわり色の笑顔。 最後に託されたお願い事]
(@70) 2013/12/24(Tue) 00時頃
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[モニターに映っている影が、何かの通信を受けたのだろう、ぴしりと固まった。 上司の目線に、平常の笑顔をキープしたまま汗だらだら。なんだよ、何吹きこんだんだよ、ええいこっち見るなぁ!……とはさすがに叫ばないけれど]
いってらっしゃーい。
[ホレーショーはヤニクに挨拶をしに。 上司はシャワーを浴びに。
ふいに、2人きりになった研究ルーム]
(@72) 2013/12/24(Tue) 00時半頃
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あー、なぁ、ティーさん?
[なんとなく、このままじゃいけないと感じていた。 それはたぶん、自分の一方的な感情だと思うけれど、それでも。おめでとう、と声をかけられた時の、逸らされた目線が忘れられない]
その、今日は、よろしくお願いします。
[珍しく敬語。そして、不自然な沈黙が落ちて]
(@73) 2013/12/24(Tue) 00時半頃
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あの、ですね。
[言葉に詰まる。ひまわり色の笑顔が背中を押す。 あの子の言葉をそのまま伝えるのでは意味がない。 伝えてくれと頼まれたわけじゃない。自分自身が、託された]
あの、俺、今日で正式にヤニクの飼い主になるわけですけど、
[どうしよう、なんて言えばいいんだろう]
(@74) 2013/12/24(Tue) 00時半頃
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[もごもご口ごもっていると、ティーが椅子ごとこちらを向いた]
いや、その、
[目が合って、つい、慌てて]
(@77) 2013/12/24(Tue) 01時頃
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[酷くしっちゃかめっちゃかな台詞を吐いた。 吐いてしまって、その酷さに自分で顔を覆って沈没した]
(@79) 2013/12/24(Tue) 01時頃
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なんすかアボリジニ式って……
[顔を覆ったままツッコミを入れた]
(@80) 2013/12/24(Tue) 01時頃
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[いっそ殺してくれ。
顔を覆ってしゃがみ込みながらそう思う。 お茶噴かれた。ため息つかれた]
(@84) 2013/12/24(Tue) 01時頃
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………、
[みんなに好かれている。その言葉に眉を下げる。ティー本人が、それを自覚できているなら、それで……]
……っ っぉぉおおい!!!!
[あけすけな言葉に、思わずデタラメな右フックを繰り出した(当たらない]
(@89) 2013/12/24(Tue) 01時半頃
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ッハー、ハー、……
[興奮しすぎて荒い息。 勝てない。この同僚には恐らく一生勝てない。 ぐぬぬ、となっていると、「そろそろ……」と促されて顔を上げる]
……そっすね。 もう挨拶も、済んだ頃だろうし。
[ちらりとモニターを見遣る。 もうすぐ、その時が。そう思うと、また急に落ちつかない気持ちになってくる]
えーと、俺、先にあの部屋行った方がいいスかね
[小部屋で待つか、共に寮へ向かえに行くか。返事がどうあれ、その指示に従うつもり]
(@90) 2013/12/24(Tue) 01時半頃
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[アーイ アーム チャンピオーーーーーン!!!! なんて音声が脳内に鳴り響いたとかいないとか。
お亡くなりになった空気清浄機から目を逸らし]
っぁあ、はいはい、わかりました!
[急かされるまま、逃げるように研究室を出る。 立ち去り際、シャワー帰りの上司と擦れ違えば]
ん。行ってきます。
[明るい笑み残して、小部屋への道のりを走っていった]
(@96) 2013/12/24(Tue) 01時半頃
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―教会―
[狭苦しい小部屋の椅子に座って、ひとり、その時を待つ。 落ちつかない。とてもとても落ちつかない]
今までのお客さんもこんな気持ちだったんかな……
[今更になってそんなことを思う。 今までの自分はどうしても偏った目線で物事を見ていて、 視線は常に動物寄り、客の心を想像することなどほとんどなかった]
今ならもうちょい上手く接客できるわ……
[深い、ため息。 迎える方も、覚悟が要る。自分の選択で、ひとつの命を預かるのだ。 受け取る宝物の重たさに、手が震えそうになる]
(@97) 2013/12/24(Tue) 01時半頃
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[扉に気配を感じて思わず立ち上がる。 ティーに連れられ現れたヤニクは、視界の中で輝いて見えて]
ヤニク……、
[名前を呼ぶ。心臓の鼓動が煩いくらいで、早鐘のようだ。 そしてその鼓動は高揚につながる]
……ありがと、ティーさん。
[同僚に視線を向けて、笑みと共に礼を送り。 改めて、間近にヤニクと向き合う]
(@99) 2013/12/24(Tue) 02時頃
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