219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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―2nd day:サイガワラ駅上空―
[まぁ、仕方の無い話だよね。 空から良く見える、ずらりと並ぶ行列>>#3を見下ろした死神が抱いたのは、そんな感想だった。 この街において、自分の好みはさして重要じゃない。大事なのは、流行りであるか、否か。それだけだ。 新しい流れに乗ることこそが、サイガワラで生き残る唯一の手段だ。
……と、雑誌を手にした過去のファッションリーダーはそんなことを思う。 最新号のページを捲れど捲れど、そこに自分の影はない。 当然だ。過去は今に呑まれ、忘れ去られていく。そこには、自分の存在だって含まれているのだ。]
(@4) 2017/06/13(Tue) 13時頃
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[過去の栄光。記憶はあれど、この街の雑誌にも、写真にも。 或いは自分の頭の中にだって、その姿は見当たらない。 言うなれば、写真が全て抜けたアルバム。 そんなものを抱えながら、死神は今の世界を生きている。]
(@5) 2017/06/13(Tue) 13時頃
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[まぁ、それはさておき。 雑誌をゴミ箱に放り投げて、サイガワラ駅前に陣取った死神は伸びを一つ。 今日の自分のサブミッションも、至って簡単だ。
死神の手にあるのは、いくつかの小型のインスタントカメラ。 或いは、君たちの持っている携帯のカメラでもいいかもね。
それを用いて、 『これぞサイガワラ、という場所の写真を撮ってきてください』 ほら、簡単だろう?**]
(@7) 2017/06/13(Tue) 13時頃
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[携帯の画面に並ぶ、ブログへのコメントは、 SAKAKIへの興味を告げるものから、噛みつくもの、罵詈雑言まで様々だ。 どこかの草の魔術師……もとい、同僚の能力であったなら、 さながら山火事のようになってただろうなぁ、なんて。
そんなことを考えていたから、 かけられた声>>59に、少し目を見開いて、その主を見やることになった。]
(@8) 2017/06/13(Tue) 19時頃
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うん、何でもいいよ。 場所とは言ったけれど、何なら、食べ物でも、人でもいい。 君が真面目に考えて出した答えなら、合格にしてあげる。
[ミッションを告げれば、返ってきた苦笑と問いに、僕はそう付け足して、 必要であれば、彼にインスタントカメラを渡すなりしただろうか。
年の頃は同じか、少し上か。何より、この街に似つかわしくない和服が目を引く。 穏やかなように見える、けれど、隙はない。 下手な攻撃などは、難なく受け流してしまいそうな――]
(@9) 2017/06/13(Tue) 19時頃
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[そうやって、じ、と推しはかるような目線を向けていれば、 もしかしたら少々見咎められたかもしれないね。 それをごまかすように、思い出したかを装って、 僕は彼に問いを返した。
あぁ、不意打ちでノイズをけしかけるつもりはありません。 少なくとも、今はね。]
ところで、パートナーさんは? ブロガーの方でも追ってるの?
[有り得そうな可能性を問う。 手分けしてミッションをこなすというのは 不可能ではなさそうだけれど、賢いとは言い難い。 この青年が、その手段を取るようには思えないし、 さて、どのような反応があっただろうか。*]
(@10) 2017/06/13(Tue) 19時頃
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[お仕事以外ならさておき、お仕事中は参加者と同じだと思うよ、と。 カメラをしげしげと眺める青年の疑問>>86に答えられたのは、 いつだかに自撮りを取ろうとして失敗した名残だ。 それが意味することは考えてはいけません、決して。]
そう、ブログを書いてる人だから、ブロガー。 メール見たよね?あのサイトのリンク先に、記事があったでしょ。 あの人が――
[ここまで言って、はた、と気付く。]
(@28) 2017/06/13(Tue) 22時頃
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その、ブログとかって分かってるよね、お兄さん。 いや、馬鹿にしてるとかじゃないんだけど。
[その答えの如何によっては、 これは世界中の人が読める日記、とか。 ここで読んだ人たちの感想が見られる、とか。 或いは、このボタンを押したら、新しく書かれた日記が読める、とか。 その程度の解説を加えることくらいはしたかもしれない。
非戦闘員とはかくあるべき。 すべての参加者が、平等にゲームに取り組むための手助けを惜しむつもりはない。 ……尤も、僕自分の生命が危うくならない範囲に限るけれど、ね。]
(@29) 2017/06/13(Tue) 22時頃
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[スマートフォンを、ちら、と見る。 未だ、ブロガーに動きはない。 ということは、目立った進展もないということだ。]
一人で得することはないと思うよ。 敵に背中を狙われかねないからね。 そもそも、得をするなら、最初っからパートナー契約なんて させないと思わない?
[――現に、こうやって一人で行動している君は、 僕の気まぐれ一つで、命を落とすことだってあるんだ。
流石にそこまでは言わなかったけれど、危険であることは何となくは伝わったかな。 僕個人にしても、一人で行動することはおススメしない。これは本心だ。
だって、そんなの、余りにもつまらないじゃないか。]
(@30) 2017/06/13(Tue) 22時頃
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どう?お兄さん。パートナーさんとは連絡が取れた? 1時間なんてあっという間だからね。急いだ方がいいと思うよ。
[と、話の切りがついたところで、そう急かすくらいはするだろう。 何せ、こういった時間が過ぎるのは、とっても早い。
それに、と。見遣ったのは、少し遠く。 駅の雑踏に紛れる、参加者の姿>>103。これまた一人らしい。 殺意はない。かといって、放っておくわけにもいかないし。 さて、どうしよう。思案するように、死神は腕を組んだ。*]
(@33) 2017/06/13(Tue) 22時頃
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[人混みから出てきた制服の少女に、死神は緩い笑みを向けた。]
そーだよ。死神のサブミッション。 クリアしたら、青いバッジのプレゼントをあげよう。
[>>@7を告げたら、すこぅし目つきの悪い女子高生はどんな反応をしただろう。 それよりも先に、おや、と彼女に興味を示したのは、僕の方だったかもしれないね。]
怪我でもしたのかな。見せてごらん。
[破れた袖>>131に目ざとく気付いた死神は、 不躾ながらも、女の子らしい細腕に手を伸ばす。 あぁ、勘違いしないでほしい。危害を加えようとしたわけじゃあなかったけれど、 さて、彼女からはどんな反応が返ってきただろう。*]
(@36) 2017/06/13(Tue) 23時頃
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[>>164ひゅ、と視界が切り裂かれたものだから、 反射的に仰け反ったのは正しい判断だったろうと思う。 その切っ先が、無礼を働こうとした僕の片腕を締め上げたものだから、 僕は驚きの後に訪れた痛みに、顔を顰め――
るでもなく、はは、と笑い声を漏らした。 顔には、変わらず緩い笑みを貼り付けて。]
そっか、それは良かった。 昨日だったら、もらってあげられたんだけれど。
[警戒を滲ませた少女のその言葉通り>>165、怪我をしている様子はない。 日付のリセットと共に、肉体の損傷が取り除かれるというのは、 中々に便利なシステムだ。嫉妬すら覚えるほどに。]
(@52) 2017/06/13(Tue) 23時半頃
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で、どうかな。 君も、ミッションを受けてみるかい?
[腕を締め上げられたまま、死神は話をもとに戻す。 尤も、先程までとは多少空気も異なっていただろうから、 彼女は、さて、どういった返事を返してきたんだろうね?]
(@53) 2017/06/13(Tue) 23時半頃
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[腕に巻き付いた蛇が取れたか、或いは、少女から返事があったか。 コン、と響いた木の音に視線を向ければ、来たときと同じような自然さで 彼は去ろうとしていた>>193から、その背に僕は声をかけた。]
サブミッションもよろしくね。 ……君から見えるサイガワラの光景、ちょっと興味ある。
[この言葉、嘘じゃあない。 やけに落ち着いた物言いといい、風変わりな出で立ちと、 少々古めかしさを感じる言い回し(と情報機器の知識)。
見た目の若さとのギャップは、昨日出会った少年やら、 気の置ける少女のこともあるので、 まぁ、そういうことなのかもしれない。 確信は持てないけれどね。]
(@69) 2017/06/14(Wed) 00時半頃
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僕は三ヶ峯 縁。 見てのとおり死神だけど、どうぞよろしく。
[君の名前は?と着物の彼に問い返せば、答えは返ってきたかな。 何にせよ、パートナーさんにもよろしく、と付け足して、 死神はその背を見送っただろう。*]
(@70) 2017/06/14(Wed) 00時半頃
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[ぎり、と締め上げられた腕が悲鳴を上げる。 服の下の無数の傷跡、包帯を巻いた箇所とは離れていたから、 血がにじむなんてことはなかったけれど、 それでもやっぱり、痛いものは痛いわけで。]
それがエントリー料?羨ましいね。
[率直な賞賛は、怪我をしても、死なない限り動けるという彼女の言に対して。>>201 どれだけ傷を負っても、痛みを感じない。 ――なら、きっと。 浮かんだ仮定は、しゅるり、解かれた鎖>>205によって妨げられた。
腕をさする。せき止められていた血液が流れ始めたからだろうか。 じくじくと熱が渦巻いている気すらする。]
(@80) 2017/06/14(Wed) 01時頃
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なに、簡単なミッションだよ、りょうちゃん。
[先程名乗っていたお名前を付け足して、死神は再度へにゃりと笑みを浮かべる。 そうして告げたミッション>>@7に、さて、彼女の仏頂面が動くことはあったか。]
写真を撮ったら、僕まで見せに来てね。 バッジをあげるのはその時ね。
[さて、そんな風に説明やらをしていれば、時計の進みというのは早いもので。 彼女が去ろうとする前に、死神は思い出したように手を打つことになる。]
(@81) 2017/06/14(Wed) 01時頃
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りょうちゃん。
[内緒話をするように、少し声を潜めて、彼女を呼び止める。 彼女は振り返ったかな。死神は言葉を続ける。]
君は、自分のエントリー料について、どう思ってる? 不便とか、或いは、便利とか。 まぁ、どっちでもいいんだけど。
何にしても、この世界って一蓮托生なんだよ。だから――
(@82) 2017/06/14(Wed) 01時頃
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[そうして、死神は穏やかに 嗤った。]
じゅうぶんに、気を付けるんだよ。
[――パートナーを、殺してしまわないように。
それは、かつてパートナーに死を押し付けて、 未だ生きながらえている死神からの、せめてもの忠告。**]
(@83) 2017/06/14(Wed) 01時頃
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なら、パートナーを信頼するべきだよ。多分ね。
[素朴な疑問>>248に返したのは、簡潔な答え。]
そもそも、大切なものを取られてる時点で、 生きてた時の君とは違うんだからさ。
足りない部分は、お互いに気を配って、 補い合うしかないよね。
[僕だって、人の子だ(った)。 剥がれ落ちた鉄面皮の下、普通の女の子の顔に対して、そんな言葉をかけるくらいはする。 し、こればかりは本心からのものだ。]
(@112) 2017/06/14(Wed) 19時半頃
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[補ってくれていた支えの喪失は、 ある意味、どんな傷を負うよりも、ずっと――。]
(@113) 2017/06/14(Wed) 19時半頃
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それとも、君のパートナーは、 それすらも出来ないくらい、頼りない?
[へにゃり、笑って、焚きつけるような言葉を投げつければ、さて、反応はあったかな。]
(@114) 2017/06/14(Wed) 19時半頃
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[そうして、サブミッションの話だ。 ぴ、と突きつけられた人差し指>>249に、 僕が反射的に取った行動は、 自転車に乗った宇宙人さながらに、 同じ指を突き返すこと。 流れたのは、壮大なBGMでなく、奇妙な沈黙だったか。
あぁ、でも、そんなことより。 続いた少女の問>>250に、肯定を返す。]
そりゃあ、どこでだって人は死ぬからね。
[世界は広い。 問答無用で銃火器をぶっぱなしてくる死神や、 或いは、どこぞのメリーさんよろしく、 傘で飛ぶ死神もいる、とか。 小耳に挟んだだけの噂だけれどね。]
(@115) 2017/06/14(Wed) 19時半頃
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[けれども、流石にこればかりは想像すらしなかった。 彼らならともかく、僕に向けられた携帯のレンズ>>250に、僕は呆気に取られたように目を見開いて。
苦笑と共に、小さく首を横に振った。]
死神だって、参加者と同じUGの存在なんだ。 少なくとも、仕事中はね。
だから、確かに僕はここにいるけど、 サイガワラの光景のひとつとは言えない。
[向けられるレンズに感じたデジャヴは、 きっと、モデルをやっていた時の名残。 悲しいかな。目の当たりにする今の今まで、その感覚すらぼんやりとしていた。]
(@116) 2017/06/14(Wed) 19時半頃
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……ほら、サイガワラは広いんだ。 それ以外にも、いっぱいあるだろう?
[そうやって促せば、彼女の首はどちらかに振られたかな。
あぁ、でも、或いは。 思いつかないと言い張るのであれば、 少しばかりオマケをしてあげてもいいかもしれないね。
死神は掌で、青いバッジを弄びながら、彼女の答えを待つ。*]
(@117) 2017/06/14(Wed) 19時半頃
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そっか。
[降参、と言いたげに、ひら、と挙げられた手に。 見つからない、と振られた首>>409に、 僕はひとつ、頷いて。
ぽい、と。無造作に。 掌にあったバッジと、それから、小型のカメラをひとつ、 彼女に向って放り投げるだろう。]
(@140) 2017/06/14(Wed) 22時半頃
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なら、特別ミッションにしよう。 ゲームが終わるまでに、りょうちゃんにとってのサイガワラを、 探して、このカメラに収めること。 あぁ、物であったら、僕のところに持って来てもいい。
[バッジは先払いだよ、と。 そうやって再び緩い笑みを浮かべたら、めぼしい反応はあったかな。
こればかりは少々変則的ではあるけれど、偶には許してほしい。 だって、彼女自身、一度は真面目な答えを出したんだから、 僕だって、それに見合った評価を返したい。そう思うのは、当然だろう?]
(@142) 2017/06/14(Wed) 22時半頃
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ほら、そろそろミッションに行かないと。 取り返しがつかなくなるよ。
[ほら、ここにだって広がっている。 拡散される、悪意、虚像、群集心理>>#15
タイムリミットの時間は、そろそろ近い。*]
(@143) 2017/06/14(Wed) 22時半頃
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―回想:1stDay/Mey-F前にて―
ボ……じゃない、ニッキー君は、バスケが好きなんだね。
[それにしては、ちょっと。 視線がなぞったのは、彼のつま先から頭まで。 要するにアレだ。 ダンクが出来そうだとは到底思えなかった訳です、えぇ。
尤も、そんな年ではない>>22、と反論されれば、 今の彼が仮初の姿であることには思い至っただろう。 とはいえ、今のところはどう見ても子供にしか見えない訳だから、 ニッキー君という呼び名は定着することとなったし、 多分、彼の目つきの悪いパートナーと比べたら、 ニッキー君への対応は甘くなっていたかもしれない。多分ね。]
(@150) 2017/06/14(Wed) 23時頃
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ニッキー君。 君は、パートナーのこと、信頼できそうって思う?
[桐生が建物の中に消え、赤い靴と共に戻ってくるまでの6分の間、 沈黙を追い払うようにして、死神は口を開く。 その最中に問うたのは、靴を求めて建物に消え、後に赤い靴を持ってくることになる少年のこと。
どちらにせよ、今日は初日、と。 少年から答えがあったなら、そっか、と。軽い相槌を打って、 死神はカプチーノを啜っただろう。*]
(@153) 2017/06/14(Wed) 23時頃
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