266 冷たい校舎村7
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[人は誰しも変わってゆく。 同じままではいられない。
幸福だった頃の象徴であるその犬は、 まばゆい光の中に消えていった。
幻影が消え去った後、 昇降口の向こうに見えているのは、 抜けるような青空だ>>368]
(379) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[ああ、確かに。 ここはお前の作った世界だろうよ、拓海]
(380) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[成績のことも、家のことも、何にも考えずに ただ無邪気に遊ぶことができた餓鬼の時分]
(381) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[その幸せだった頃の幻影を、確かに俺は見た]
(382) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[幻影に免じて、 いつものすかした態度は封印してやろう。
らしくもない……いいや、あの頃の俺みたいに いかにも餓鬼っぽい満面の笑みを浮かべて。
両手を伸ばす拓海>>366に、その光の中へ 俺は手を伸ばしたんだ]
(383) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[すごいやつなんだよ、拓海は。 追いかけっこで、いつも敵わない]
(384) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[でもね、今日は俺の勝ち]
(385) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[――――つかまえた]*
(386) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[ 頬を書いて言い直す養くんを見て私は それでよろしい!とばかりに 満足そうに微笑んだ>>359 ]
え、何?
[ 近付く口元に耳を寄せて ]
(387) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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………… うん、分かってる
(388) 2019/06/17(Mon) 22時半頃
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[ それから私も導かれるままに校舎を歩く
冷たい校舎の床は歩くたびその場所から 積もった雪を溶かすように何かが広がっていく。
辿り着いた昇降口 差し込む光の向こう 1匹の犬がわんと鳴いて消えていく。 私にはそれが、W早くこっちにおいでWって 引っ張ってくれているみたいに聞こえた ]
(389) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ ビクともしなかったシャッターの向こう 夏のような陽射しと、広がる青色 ]
(390) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ 帰りたいわけじゃなかった ]
(391) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ 未来なんて 真っ暗だった ]
(392) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ 逃げ出して 消えてしまいたかった ]
(393) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ だけど 約束したから ]
(394) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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みんな、待ちくたびれてるかな。
(395) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ 彼の明るい声に笑顔で応えて頷く。
蛭野くんと、高本くんにも目配せをして 大きく息を吸い込んで、光に手を伸ばす ]
(396) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ 雪解けは もう目の前 ]**
(397) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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[ざんねん。ランドセルにバッタを入れるより きっと悪質ないたずらです。 覚悟しとけよ、悟。
……なんてな。 ヨーコねーさんと笑みを交わしながら 俺はただ「わかってる」に頷いた。>>388*]
(398) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[出口へと皆がやってくる。 だから俺も、行かなくちゃいけない。]
(399) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[出て行く直前に振り向けば 冷たい校舎がまだそこにあった。
再び戻るまい、と思うことはあれど 俺も人間だ、あそこに戻って 再び閉じこもることもあるのかもしれない。
けれども、その日が来るまで―― 俺が時計の針をもう一度止めていいと思える、その日までは かの校舎に「さようなら」を言っておこう。]
(400) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[昇降口から外へ出てから、 光の中で捕まえてくる手を握り返した。強く。>>386 君たちが俺と真っ暗な校舎から出て行けば 子供の頃幸せに遊んだ>>382青空が光に変わる。
逃げ場はもうどこにもない。>>393 潜む暗がりもなければ、 深く積もっていた雪>>397も、今はなくって
どこに辿り着くかもわからない光の中で 俺は最後にひとりずつ抱きしめた。
……ちゃんと抱きしめられたかは、 まぶしくって見えてないから、わかんないんだけど
犬の体温くらい? ……それくらいのちょっとばかしの暖かさは 感じてくれると嬉しい。
ありがとう、って心ばかりの礼だ。]
(401) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[……大丈夫。 最後に少しまぶしいけど、 怖くないよ。>>373]
(402) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[真っ白い光の中で、 この言葉が聞こえているかどうかはわからない。 だけれども、三人に向けて言うだろう。]
またな、ともだち。 さようならじゃなくって 「また会う」ことをいつまでも願ってる。
だからさ。 今ここで君たちを止めたりはしない。 時計の針を止めることはしないでおくよ。
[君たちと見る明日は、どんな景色だろう。 俺は、ずっとそれが見ていたくって 君たちをここに閉じ込めた。]
(403) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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あのな………… きっと滅多に言わないから、 今言っとく
…………君たちの事が、大好きだ。
(404) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[だから、どうか]
[願うことはひとつ。]
[おはようのその先で、君たちの笑顔が見られますように。]
(405) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[冷たい校舎の時は――――――。]*
(406) 2019/06/17(Mon) 23時半頃
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[冷たい場所に置き去った痛みを、
青春時代の痛みを、
きっと俺は、ずっと忘れられずにいるのだろう。
写真のように傷のように、何度も見つめ返すのだろう。
……きっとさ。
生きることって、そういうことだから。
自分の一部として、
ここに招いた君たちの「最期」ごと、……]
R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/17(Mon) 23時半頃
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