158 Anotherday for "wolves"
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メアリー。 ──殺すなら、殺せよ。 でも、これは多分、族長が言った過ちの現場だ。
[一度弾き飛ばされた身を戻して、そうして低く唸るようにしてわめき散らす少女を静かに恫喝する>>359。 彼女にかけた言葉で、男のグレッグを手にかける意思は伝わるだろう。 そのまま、わめく彼女の華奢に肩を押しどけるつもりだ。
大人と子供の力ならば、抵抗されても男の思うままになるのはそう時間はかからないだろう]
メアリーを押さえてくれ、はさすがに荷が重いか?
[クラリッサを託したベネットに視線を向けてみるが、どうだろうか。 取りあえず男は、目的を果たすためにメアリーを押しのけた。 どんな抵抗を受けても、男はそれを果たすつもり。*]
(364) 2015/05/19(Tue) 01時頃
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[未だ低く唸る声に>>360、怯えを隠せずに。 いつ向かってきてもおかしくない獣の瞳を捉えて離さなかった。
集まる人々の目を気にする余裕もなく、 ただ]
どうして……
[唸る、人であったはずの獣に問いかける。>>360*]
メアリーを、大事にしたいんじゃなかったの…?
(365) 2015/05/19(Tue) 01時頃
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[クラリッサの呼ぶ声>>363に案じる眼差し向けるまま頷く。 重なる手からはぬくもりが伝い、 そのことに微かな安堵が過ぎった。
縋るような彼女の手が、身体が震えるに気付けば 彼女の身体を支えるベネットの手に力がこもる。 ぎゅ、と抱きしめるは、無事を確かめるように]
クラリッサ、怪我はない? ――… 、……、
[無事でよかった、と心から思う。]
(366) 2015/05/19(Tue) 01時頃
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[抵抗を試みて、それをサイラスに封じられて、 幾度か繰り返していくうちに獣は大人しくなっていった。
連日、あまり寝れていないこともあった。 それから、 足の噛み傷から地面へと少しずつ流れていく血も 少しずつ、獣の姿の男を弱らせていく。
その自分が流す紅い色を見ながら伏せて、 誰かに話しかけられれば低く威嚇の返事を返し
そして決して人の姿に戻ろうとはしなかった。*]
(367) 2015/05/19(Tue) 01時頃
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[掟破りの人狼が現れたと、 騒ぎを聞いた人間の村人達が陳情を出したか、
それとも宿の隅で起こったことと 内密の話で済まされることとなったか、
今はまだ―――定かではなく。**]
(368) 2015/05/19(Tue) 01時頃
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いや、持ち帰りたい訳じゃないし。 そんなにクセが悪いなら置いて帰ろう。
[>>361吹き出したドナルドに怪訝そうな顔を向ける。 普通に飲み合うだけだったのだけども、 変なことになったらどうしよう。]
暴れる前に潰そうか。
[二人がかりなら、まだ何とかなるだろうか。 猫はとても強いだろうけれど。*]
(369) 2015/05/19(Tue) 01時頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 01時半頃
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ッ…――!!
[「過ちの現場」と言われれば返す言葉もなく。 ただただ、獣の姿のままの兄を掻き抱いて。
サイラスに肩を押しどけられたらややも抵抗するが やがて叶わぬことと悟ると、不本意ながら身を引いて。]
[怯えた目のクラリッサと 弱弱しく呻き押さえつけられる兄を見て。 ただ、声を押し殺して泣くことしかできなかった。]
(370) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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[サイラスの声>>364が聞こえて、 ベネットはクラリッサを抱く腕を緩める。 案じるように彼女に視線向けてから、 メアリーの方>>370を見遣れば、身を引くが見えた。]
メアリー……
[声を押し殺す彼女の姿が痛々しく感じられ 胸が痛むのは、思いあうふたりの心を知るからで。]
(371) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 01時半頃
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[ベネットの案ずる声に、顔を上げて。 その瞳の色を確かめたなら、微かに頷きを返す。
サイラスの声に>>364、 メアリーへと目を遣れば、 憤り、グレッグを庇っていたその瞳が揺れたことに気づき]
ありがとう、もう、大丈夫…。
[そう、弱く笑って身体を離した。]
(372) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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なにが…大丈夫なの…。 全然大丈夫じゃない。 全然!大丈夫じゃない…!! ふ、とうっ…!もらったのに…! …ごめんなさ、い…!わたしが… 困らせたから…。 [降り積もる言葉を うわごとのように吐き出して。
もう泥だらけになってしまった封筒を視界の端に。 ぐったりと横たわる兄が段々ぼやけて映る。
涙で見えなくなる視界がブラックアウトしていき まもなくわたしの身体はしな垂れ落ちた。]
(373) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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[弱い笑み>>372に困ったように眉を下げる。]
大丈夫そうには見えないよ。 ……家まで送らせて。
[離れる温度を名残惜しく思う。 けれどそれは口にせぬまま、 乱れた髪を整えようと、クラリッサの髪に手を伸ばして]
(374) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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いい子だ、メアリー。
[やがて不本意ながらも身を引くメアリーに>>370、男はほっと胸を撫で下ろした。 いつもの調子で投げた台詞だったが、きっと彼女からしたら反吐が出るような言葉だっただろう]
……なぁ、グレッグ。 どうして──……
[メアリーを押しのけ、大人しくなったグレッグである獣の傍らに屈み込む。一応はその背を両手で押さえることは忘れない。
静かに語りかけてみても、威嚇するような呻きしか返ってはこない>>367]
(375) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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怪我、してるぜ。 スティーブンが亡くなったから、薬を使えるのは今んとこ、この村には俺しかいねぇ。 そっちの身体じゃ、毛ぇむしったりと手当てするには不都合なんだ。
そのまんまだと、噛んだメアリーだって気に病むだろ。
[だから人の形を取らないかと勧めるが、返ってきたのは威嚇の呻きだけだろうか。
その頑なな態度に男は諦めの溜息をこぼし。 そうして──……]
(376) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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[封筒も、その中身も、既に託したもの。 メアリーの言葉>>373にゆるく目を伏せる。
返してもらうという考えなど最初からなく、 グレッグが受け取らねば、それはメアリーに委ねられ。]
(377) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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──グレッグを。 過ちを犯した者として、手にかけてもいいだろうか?
[男は静かに、ベネットとクラリッサを見て問いかけた]
(378) 2015/05/19(Tue) 01時半頃
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[耳を塞いでくれりゃあいいなぁと願っていたメアリーの身体が、しなだれ落ちていく>>373。 いっそそのまま、気でも失ってくれればいいのにと思うくらいに、彼女にとって酷なことを告げているのは理解していた。
村において、後から来た自分よりも親しまれている働き者の青年に限ってまさかとか。
そんな迷いも頭の中にぐらぐらと湧きながら。 それでも、目撃したのはクラリッサに牙を向けようとした姿だ。
ベネットとクラリッサに静かに問う瞳には、内心の迷いや弱さなんか滲ませないもので。
返る二人の答えがどんなものなのかは、今はまだ判らない。**]
(379) 2015/05/19(Tue) 02時頃
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[サイラスの問い掛け>>378に目を瞠る。]
グレッグは、軽率な行動をとったと思う。 けれど、人を、同族を喰らう過ちは犯していない。
今回もメアリーを思ってしたことなんだろ? 兄として守ろうとする気持ちはわかるから――… メアリーから、大事な家族を奪いたくない。
[ゆる、と首を振る。 クラリッサはどう思うだろう、と視線を移し]
(380) 2015/05/19(Tue) 02時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 02時頃
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― → 宿 ―
[ 先に向かうよう、二人に告げると 足取りは、皮肉にも羽根のように軽く、 それでいて どこか、
空に紛れて、消えそうな。 昨日が海の泡のようなら、
今日は、吹き抜ける風のよう。 ]
[ 足取りは、すこし悩み。
――― 花屋に向かおうとして、 ひとつのはなし>>351が、風に聞こえてくる。]
『宿の方で、獣のような唸り声が…』 『やあねえ。火事といい、またなにか…』
(381) 2015/05/19(Tue) 02時頃
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じゃあ、訊くが。
どうしてグレッグは、そう言わなんだ? 妹を守りたいからと。そも、クラリッサを襲うことがどうしてメアリーを守ることになるんだ。 その辺り、俺にはよく判らない。
ベネットが言う通りなら、グレッグはどんな状況ですら、言葉を尽くしてくれんるんじゃねえのか。
言葉を自分から塞ごうとしてんのは、つまり。 “言えない何かが”あるんじゃねぇのか。
[>>380目を瞠るベネットには、短絡的だが男なりに考えがあって、そう口にしたことを伝える。 首を振った彼の視線の先、クラリッサを見たのはそれからのこと。**]
(382) 2015/05/19(Tue) 02時頃
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[サイラスの問い>>382に言葉発さぬグレッグを一度見遣り]
――疲弊すれば言葉を尽くす気力も失われる。 身内が疑われて追い詰められたら、 出来なくなることもあるんじゃないか。
昨日、グレッグが相談にきて、 今日も、――…、だから、
クラリッサを襲ったのは、……誤解から、と思う。 メアリーが疑われているんじゃないかと、 ずっと警戒してたから。
[ベネットの知ることを言葉とし、理由とし]
(383) 2015/05/19(Tue) 02時頃
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メアリー……
[土を払うことも忘れ、メアリーの元へと向かおうとしたなら 傍らで唸る狼が、一際大きく唸り声を上げる。
手負いの狼も、メアリーもどちらも痛ましげに見えて、 その後の言葉はとても口にすることは出来なかった。
サイラスの問いに>>378 集まる周囲の村人達の視線に。 出せる答えは限られていて。
心を落ち着かせるように、目を閉じる。]
(384) 2015/05/19(Tue) 02時頃
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…… ? ――― …… まさか、ねえ こんな、昼間から なあんて。
[家畜の、喚き立てるおと。 ――― それから、女性の悲鳴。
波紋のように広がるはなしから 耳に入ったパーツに、 宿、というひとつの収束点。 さっき教会で話していた、一人の少女が浮かぶ。]
…… 、
[野次馬精神とも、事実確認とも。 どっちでもあるけれど、後者を盾に。 足取りを、 宿の方へ向ける。
さっき放り投げられたひとつの形を、 外套の上から、指でなぞった。 ]
(385) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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―9歳の記憶―
[わたしの大事なルージュの話。
真っ赤なルージュはおとなの証。 その赤はとても魅力的でドキドキした。
試しに塗ってみたら、幼い顔に 真っ赤な唇だけが変に浮いてて お世辞にも可愛いとも綺麗ともいえない顔だった。
でも今よりおっきくなったら。大人になったら。 わたしはこのルージュをつけて今よりも おっきいお胸で綺麗な服を着るんだ。 自分の将来に思いを馳せて。]
(386) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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[ その日兄はとてもうろたえていた。 わたしにけっこんをせがまれたから? わたしが机の裏にお父さんの絵を描いたから?
配送するハズのルージュがなくなったから。]
[ わたしの嘘はすぐにバレて 机の上にコトリと一つ置かれるルージュ その時ばかりは険しい表情で見下ろす兄 俯くわたし。]
[ 兄は理由を問うた。 わたしは泣いた。 さらに理由を問う兄に告げた。]
(387) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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「昔お母さんゆってた。 いつかわたしが大きくなったら お母さんのルージュくれるって。」
「でも、お母さんのもの…… 全部燃やしちゃったから…。 なくなっちゃったんだもん……。」
[兄はその表情を一層険しくし 隣で聞いていた父は視線を外した。]
(388) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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[集まる視線に、震える身体を叱咤して]
これだけの村の人に知られてしまったのなら、 ――…私の一存だけではもう決められません。
今夜の投票の前に、今あった事実を伝えて それから皆の判断を…、仰ぎます。
[人の姿に戻らないその獣を、じ、と見つめ、 絞りだすような声で言葉を紡ぐ。
これから仰ぐ判決は、彼にどの結果を齎すのか。 結果次第では、この小さな少女は壊れてしまうのではないかと。 そう、危惧しながら――。**]
(389) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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[ 少ししてから兄がわたしにゆった。 その口紅、メアリーが持ってていいよ そんなような言葉を。]
[ わたしは素直に喜んだ。 その日家畜が数匹いなくなったし しばらくご飯が質素になったけど わたしは特に気にするでもなく。]
[その日 わたしは大切なことを学んだ。]
(390) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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[ その気がなくても人を傷つけてしまうことがある。 その気がなくても人を傷つけることができる。]
(391) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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[絞りだすようなクラリッサの声>>389に僅かに目を伏せる。 グレッグにも、メアリーにも情がわいていた。 何処かで己と弟妹を重ねていたのもあり、 ベネットの判断は甘くなってしまったのだけど。
真実を伝え判断を仰ぐという彼女に、小さく、頷く。 彼女から見た真実を知りたいと思いながら、 グレッグとメアリーが心配な事には変わりなく。]
(392) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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グレッグ、如何して――…
[推察するだけで彼の言葉は聞けていない。 グレッグの口から理由を聞きたいと 獣の姿のままある彼を見詰めた。**]
(393) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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