158 Anotherday for "wolves"
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
サイラスに3人が投票した。
メアリーに2人が投票した。
サイラスは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ドナルドが無残な姿で発見された。
村人達は自らの過ちに気付いた。
人狼達は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。
捜査官 ジェフは、メモを貼った。
meiji 2015/05/22(Fri) 22時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
hisetu 2015/05/22(Fri) 22時頃
徒弟 グレッグは、メモを貼った。
chiz 2015/05/22(Fri) 22時頃
花売り メアリーは、メモを貼った。
miduno 2015/05/22(Fri) 22時頃
小悪党 ドナルドは、メモを貼った。
natuka 2015/05/22(Fri) 22時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
雨京 2015/05/22(Fri) 22時半頃
手伝い クラリッサは、メモを貼った。
milkxxxx 2015/05/22(Fri) 22時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
helmut 2015/05/22(Fri) 22時半頃
─────カタリ、
(#0) 2015/05/22(Fri) 23時頃
天秤は小さな音を立てる。
両の受け皿に、乗せてはならぬものを乗せ
風に、唄に。
牙に、力に。
恐怖に、憎悪に。
揺らいでは、堕ちる。
(#1) 2015/05/22(Fri) 23時頃
片方には“人”
片方には“獣”
片方には“命”
片方には“心”
片方には“生”
片方には“死”
昨日までは。
限りなく水平に近く。
今日はもう。
限りない水平には戻れない。
(#2) 2015/05/22(Fri) 23時頃
“共存”
(意)二つ以上のものが同時に生存・存在すること。
「動物と人間とが“共存”する。」
(#3) 2015/05/22(Fri) 23時頃
両の天秤は“共存”という矛盾を保つ。
生ぬるく染み渡り、麻痺してしまった共存共栄の中。
ゆっくりと揺れていることを知りながら。
私達は、感じている。
私達は、信じている。
私達は、進んでいく。
───今日とは違う、日を。
(#4) 2015/05/22(Fri) 23時頃
Anotherday for "wolves"
(#5) 2015/05/22(Fri) 23時頃
***CAST
Vespertine ----- master
(#6) 2015/05/22(Fri) 23時頃
Margot=Roland ----- kanko
Steven=Inglot ----- sane
Leonardo・Izquierdo ----- オレット
Josselin=Ventard ----- meiji
Gregg=Sieboll ----- chiz
Johannes=al・naash=Barguest(Alkaid) ----- 雨京
Donald=Raven ----- natuka
Silas=Rauschenberg ----- hisetu
Clarissa Lerwill ----- milkxxxx
Aurelia ----- みう
(#7) 2015/05/22(Fri) 23時頃
Rupert・Carson ----- dia
Ladislava=Cantatore ----- anbito
Bennet・Griffiths ----- helmut
Mary・Carson ----- miduno
(#8) 2015/05/22(Fri) 23時頃
and "YOU" ...
(#9) 2015/05/22(Fri) 23時頃
歪な水平の、昨日。
揺れて傾いだ、今日。
願わくは、明日。
(#10) 2015/05/22(Fri) 23時頃
────やがて訪れる、“今日”とは違う日を。
(#11) 2015/05/22(Fri) 23時頃
/* お遊戯は、おしまい。
どうぞ自由に喋るがいいのよ!!!!
(さっと隠れる、かくれんぼ上手)
/* わわああああああーーい!
おつかれさまでえええええしたああああ!!!!!
みんなどうもありがとうございましたあああああ!!!
|
― 回想:3日目深夜 ―
[その「お願い」を聞いたのは、埋葬の後のことだった。
村医者を呼び出した少女の、さらりとした茶髪が、 花弁のような唇が揺れる。 それだけで見た人は騙されそうなものを 疑心暗鬼に陥った村医者は 殊勝な言葉の裏 隠された意味を探ろうと、冷たい目を少女に向けていた。
少女はお葬式をしたいという。彼女と、グレッグとで。 それはルパートを殺した罪を、改めて認識しろという事なのだろうか。 今も何度も、あの死の光景を、喪われゆく体温を、 繰りかえし繰りかえし思い出しているというのに。]
……わかった。
[村医者はやっとの思いで頷く。 それはまるで、子供の茶番に大人が渋々付き合う図に見えたかもしれない。>>3:*59]
(0) sane 2015/05/23(Sat) 02時半頃
|
|
[集合場所は教会だと聞いた。 何故そんな場所で、と思わないでもなかったが、 村医者はそれにも頷いて、 夜、教会へ誘われるように足を踏み入れた。]
[教会は不気味なほどに しんと静まり返っていた。]
……メアリー、……グレッグ?
[いるはずの彼らを気配で探る。>>3*61 母譲りのヘーゼルグリーンが赤く色を転じ 怨みの如く 炯炯と光ることなど、気づかぬまま。 >>3:-288 「背後には気を付けて、ね?」
[それは――警告、だったのだろうか。 それとも祈りだったのだろうか。>>4:-124 ( ……ラ、……) その声に振り向く前に、少女の怒号が響き渡る。 そちらを凝視した。]
(1) sane 2015/05/23(Sat) 02時半頃
|
|
「先生は罪の意識から逃げたかったんだ。」 メア、 (……違う) 「だから一番にお父さんを殺したんだよね。」 (違う!) 「そうでしょ?」
(――ああ、……「そう」、思いたいんだろ)
[その瞬間村医者は唐突に、 「彼女が自分を殺す為にここに呼んだのだ」という事を悟る そして、少女の絶叫が響き渡った。>>3:*64>>3:*65
『主はかれを許したまわじ、 主の憤怒はこの者に対して燃え盛り、 掟の書に記されし一切の呪いをかれにもたらさん。』
彼女の唯一無二の父母を殺したこの罪。 殺されても恨まれても、きっと仕方が無い事だと 男はいっそ諦めたように微笑み 断罪を受け入れ――…]
(2) sane 2015/05/23(Sat) 02時半頃
|
|
[鼻腔に口腔に満ちる鉄錆の匂いに噎せ返る。
からん、と燭台が落ちて、 闇の中赤い炎がちろちろと舌なめずりをするように 教会の祭壇付近を侵食していく。
どく、どく、と血が流れていく。
唇に胸に炎ではない赤色が伝い、床を満たし 辺りは燃えているのに血が闇を深めていくようだ。
胸を十字架で貫かれた男の 細く残った意識は 「地獄の炎に焼かれればいいんだ。」 そんな興奮交じりの言葉を拾い上げた。>>4:*0]
(……メアリー、)
[血塗れた口元に笑みがこぼれた。]
(3) sane 2015/05/23(Sat) 02時半頃
|
|
[……――噫、かみさま。
私はあなたに赦しも救いも求めません。 何故なら、あなたはこの私の意志など関わりなく 理不尽に命を奪い、人々に悲しみを背負わせ、 その癖罪にはきっちりと罰を負わせなさるのですから。
私を神の試練に耐えられぬ愚か者と、 それよりもっと酷い「悪魔」と謗るならば謗ればいい。]
(動かぬ手を組んだ気になって 最期に一つ祈ろうか。)
[ かわいそうなメアリー。彼らの大切な愛娘。 神様気取りの君の怒りはきっと、 私<悪魔>諸共この教会を焼くのだろう。
許さないと叫んで、自分が罪を背負った事も知らない子。 君に許しは請わない。 溜飲を下げうる絶叫すら届けてはやらない。]
(4) sane 2015/05/23(Sat) 02時半頃
|
|
[どろりと心を怨念で満たし、願うことはただ一つ。 どうか、どうか、――……どうか。]
( きみ は、 生き る といい。 )
[ルパートが。グレッグが。村の皆が。 幸せを願っていた筈の 笑顔の愛らしい子よ。 苦しみの中で生き続けよ。 ]
[ 呪われてあれ。 ]
…………っはは、ハ………ハ、
[焼け落ちていく教会内部。 悪魔が零したしゃがれた笑い声も。 何故あの時ラディの声がしたのか、そんな刹那の思考も。 殺された時の記憶すらも。 ただ、焼かれ、溶け落ちていった。**]
(5) sane 2015/05/23(Sat) 02時半頃
|
|
[───ざらりと、風が流れていきました。]
(6) anbito 2015/05/23(Sat) 04時頃
|
|
─教会─
[私が姿を現したのは、無残な教会の中でした。 焼け爛れた祈りの場所に希望など見出せないのでしょう。 静かなそこは村人達も寄り付かず。 ふわりと舞い降りたのか、すっと浮き出てきたのか。 風にたゆたうほど軽くなった私の姿が 消火のために水浸しになった床にさえ映ることなく けれどもそこに、確かに在りました。
一歩、私が足を進めると じくりと広がっていく死肉色。
足を離せば緩やかに消えていく幻想は 波紋を広げながら、教会の床を染めていました。]
(7) anbito 2015/05/23(Sat) 04時頃
|
[魔女の討伐に隠れ、少女は生きる道を見つけられたでしょうか。
そして誇り高き仲間は、彼女を護れたでしょうか。]
………ふっ。
関係ないわね。
[感慨深く、なってしまったようです。
独り言は頭を振って、振り落としましょう。
彼の、彼女の生き延びる道なら。
いつか誰かが謂った言葉
私が何も反応を見せなかったのは。
きっとそれを口にした人と
似たようなことを、ずっと隠して考えていたからでしょう。]
|
あっけないものね、死ぬのって。 長い二十二年間だったけれど。
楽しくもなかったし。
(8) anbito 2015/05/23(Sat) 04時頃
|
|
[私は頭巾を外しました。 帽子の中で結わえていた、長い髪が風に解けます。
前髪を掻き上げれば。 呪われた色の瞳がありました。 大嫌いな色でした。 大嫌いな両親と同じ色の瞳でした。
中にはきらり、きらり、輝く潰した命の光。
今日は誰が殺されて。 明日は誰が死ぬでしょう。]
(9) anbito 2015/05/23(Sat) 04時頃
|
|
[私は独り、そっと胸の前で手を組んで。 矛盾を両の手に、願うのです。
願いなど聞き入れてもらえぬと判っていても。 祈りなど誰も求めていないと知っていても。
『人』を殺した指先を組み。 業火に焼かれた罪の。 屑折れた十字の前で。]
(10) anbito 2015/05/23(Sat) 04時頃
|
|
どうか、ぜんぶ 壊れてしまいますように。
(11) anbito 2015/05/23(Sat) 04時頃
|
|
[右手を喉に添え、唇を動かしましょう。 けれどそれは音を奏でることはなく。 はくはくと、教会に溶けていくのです。
魔女が唄うのは呪いの文。
希望に満ちた唄なんて 唄えはしないのだから──**]
(12) anbito 2015/05/23(Sat) 04時頃
|
|
[判決は、どのように下されただろうか。 示された結果は、己への言われなき疑いを示すもので。
ひとつ溜め息をこぼしたサイラスは、ベネットの瞳に滲む憤りに気づきながらも、ただ黙って彼を見ていた。*]
(13) hisetu 2015/05/23(Sat) 06時頃
|
長老の孫 マーゴは、メモを貼った。
kanko 2015/05/23(Sat) 07時半頃
|
[>>6:+97屁理屈にも似た、無神経なことば。 じい。 と。
睨めつけたひとみは、 更に、険しく弧を描く。 ]
……寿命だなんだっていうけどさあ。
それじゃあ、天寿を全うして 死神でも来た…… って、 そんなわけじゃあ、ないんだろ。
[連れたのは、たぶん、あの死肉色の衣の魔女。 ギリ、と歯噛みする。
そもそも。遺していってやろうと思った。 代わりに、邪魔にならないよう『苦手』な鴉を 口に加えて連れてってやろうかとも考えた。]
(14) 雨京 2015/05/23(Sat) 09時半頃
|
|
[けど。
―― そんな‟結果”が残るまえに、 あんたは死んだじゃん。
( … そんなの、どうにもできないって。 知ってる。 知ってるけどな、 ) ]
そんなのなら、ぼくだってっ、 酒に溺れてた分、今死んだだけだ。
[ ―― ざまあみろ。 ]
[その台詞は、ぼくの台詞のはずだったんだから。 …… 余計に、ちょっと腹が立った。
溜息が素通りしてゆくのを聞きながら、 スティは悪くない。悪くないのはわかってる。 (悪いのは、あの魔女たちだ。) ]
(15) 雨京 2015/05/23(Sat) 09時半頃
|
|
[ …… けど。
―― けど。
やりきれない感情は、整理がつかないまま。]
[ 伸びる影。 ]
[ 靄の塊が、鴉羽色を撫でる。 ]
[ 俯いた。 ]
[『……寂しい思いをさせた。』
そんな言葉に、顔は 枝垂れる濡れ羽色に覆われて、 天邪鬼と ほんのすこうし。]
(16) 雨京 2015/05/23(Sat) 09時半頃
|
|
[撫でる、大凡ひとのかたちを留めていない けれども、確かなその手の感触に 噛み締めた奥歯の力は、抜けていって。
天秤の秤に、本音が勝る。]
[ ぽかり。 ]
[ 一度だけ。 力もなにもない 拳が、 黒影を そっと、叩いた。 ]
…… 。
…… ごめん。
(17) 雨京 2015/05/23(Sat) 09時半頃
|
|
… スティは 悪くないのは、知ってる、けどさあ。 『ねえさん』も、スティも、
(ずっと、一緒だと思ったのに、) みんな みんな 居なくなってさあっ…、 …… どうしていいか わからなかったんだよ。
… ぼくが死んだなら、 … 生きててほしいだとか、思ったくせにさあ。
――― 面倒臭い噺、だよねえ
[ ―― ……。 ] [ そこで、一度。
言葉は止まって。 涙なんて、出ないはずなのに 目頭が熱くなる感覚さえした。
うしろで、心配そうに見守る少女。]
(18) 雨京 2015/05/23(Sat) 09時半頃
|
|
[ 言おうか。
言わまいか。
逡巡したことばは、 ちいさく ちいさく、
スカイブルーに馴染んでゆく。 ]
(19) 雨京 2015/05/23(Sat) 09時半頃
|
|
[宥めるように 親のように、
撫ぜられれば、拒みはしない。 ただ 顔を伏せたまま。 子供のように 縋りつく。
――― その影のローブを掴めるなら、 ちいさくなった手で、 そっと 掴み。 ] [ そ っと 少女が ワンピースを翻して、場から去ろうとしたとき。
>>+99 交差する 子犬とおなじいろの、エンジェルブルー。
尋ねかけられれば、ぱちり と瞬いて。 また すぐに 微笑んだ。 ]
(20) 雨京 2015/05/23(Sat) 10時頃
|
|
『……ええ。 ”初めまして”、せんせい。
……カイド。 マルガレーテ=カイド=バナト・バーケスト。 アルのなかにいた『あたし』から、 聞いてるでしょうけど。 』
[ しか と、
影をみつめる蒼は、炯々と輝く星のように。 『あたしのことは気にしないで』と、ばかりに、 それが、もう一度瞬き。
顔を伏せたままの、黒い子犬へ泳いでいた。*]
(21) 雨京 2015/05/23(Sat) 10時頃
|
|
[>>6:117>>6:106 サイラスへ決めたというベネットは揺らぐ様子はなく]
まあ、それしかないよな
で、さっきの話だが…「あれば」な
[自分からしたら、人間との縁が深いサイラスが
態々天秤を傾ける必要が何処にあったというのだろう 光を失っていた彼女を その牙にかける必要がどこにあったのだろう
2人の仲間の墓を作る時にも 彼は「悼んでいた」いた様に見え、やはり選べなかった]
(22) natuka 2015/05/23(Sat) 13時頃
|
|
ということで、俺は…メアリーにした
確か、一番怪しいといってたのはジョスだし ヤツがあの有様になった以上
やっぱり…他に思いつかなくてな
[メアリーへの「殺意」と「想い」 それらはどちらも等しく自分の中にあり それ故に、向けざるを得なかった]
…これ、やるよ
[>>6:-3 一旦は返されていた 赤い頭巾に包まれた『古い短剣』を]
(23) natuka 2015/05/23(Sat) 13時頃
|
|
[>>6:101 注がれた銀の杯が曇って見え それを仰ぐのをやめ]
If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
[昔、覚えた言葉を呪文のように唱えてから ベネットへ囁いた]
(24) natuka 2015/05/23(Sat) 13時頃
|
|
[多分、大切な者に囲まれて それを守らねばならぬ彼にはわかり得ないこと]
…まあ、覚悟して生きろな
[ベネットの肩を叩いて、酒場を出た 今日と違う明日を拝めるか自分には分からぬが
"Tomorrow is another day."
明日は、明日の風が吹く**]
(25) natuka 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
|
― さいごのよる (2d-3d) ―
[ 「 またね 」 >>3:+2
確かにそう、言いました。 だからでしょうか。
サイラスの添い寝をねだるほどに夜を畏れていたわたしが 闇の中に鳴り響くノック>>3:*3に、 うすうく扉を開けてしまったのは。]
……ラディ?
[扉を閉めたまま「だあれ?」と聞いても返事はなくて 一度は無視を決め込もうと布団に逃げたりもしたのだけれど
コンコン コンコン。
とまらない 扉をたたくおと。 わたしはそれに小さな小さな心当たりがあったものだから 「ひかり」ではなくて「おと」を失ったひと。]
(26) kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
|
[ ( ちょっと開けるくらいならきっとへいき。 )
――― カタン 。
冷たい夜風にとけていったのは、軽く渇いた解錠音。
軋む扉が斜めになった隙間から舞い込む 真っ暗の部屋を分断する月光と、長くて白い指先。
すらり、触れた場所に書かれた「こんばんは」 それに一度びくりと背中を揺らしたのですが ]
やっぱり、ラディね。 ……どうしたの? わたしといっしょで、夜が怖い?
[ ぎぎぎぎ、 ひと独りが通れる程に口をあけた間口から 流れこむよるかぜを迎えるように、一歩近付き微笑んで ―――それが屠所の羊の歩みだとも知らずに。]
(27) kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
|
[わたしは彼女に来訪の理由を尋ねるけれど、 手に綴られる「おと」はなかなか拾うのが難しく。 こんな時間では間を取り持ってくれるひともいません。
まあ、ひとまずは 困惑に憂いた笑いを溶かしたミルクをカップに入れて、 小さな椅子を薦めましょうか。
何かが”変わって”しまった日の夜ですもの、 みんなひとりは怖いから ……だからきっと。]
……怖い夜はね、うたを唄うの。
[わたしは彼女に寄り添って、 小さな淡いくちびるを開きます。]
(28) kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
|
'Twas grace that taught my heart to fear (神の恵みが 私の恐るるこころを諭して) And grace my fears relieved (神は恐れから 私を解き放ち給う)
How precious did that grace appear The hour I first believed (信じると決めたその時の、 神の恵みのなんと尊いことか)
[ 唄が 声が 彼女のこころを歪めている>>3:-22なんて知りもせず。 窓からの淡い月明かりが差す部屋に、 海に伸びる月柱の光芒が 揺れは消えるようにして
うたは闇に吸い込まれた。]
だいじょうぶよ、2人で居たら怖くないから。
[ そっと抱きしめてくれる腕を>>3:*4包み返したとき ]
(29) kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
|
[ わたしは「おと」も ウシナイマシタ ]
(30) kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
|
―――― …………… 。
[ ひゅう、ひゅう ごぽり
息は意図せぬ所から抜け 血で詰まった気管は泡を吹き 見開いた黒い眼は やはり何も映しません。
何が ”起こったのか” すら 理解できぬまま 小さな手はラズベリー色の服を掴みます。
( い、きが で きな い…? ? )
灼けるような喉を抱えたまま、声を失うと同時に 声を得た彼女の言葉>>3:*6がよぎります。
( だいきらい なら どうして ) ( きらいな子の家には あそびになんて行かないのに ) ( あぁ、これって そっか )
( しぬんだ わたし 。 ) ]
(31) kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
|
[ 真っ暗な視界に 眼前が如く蘇るのは惨劇の夜。
胸を爪で貫かれて倒れる父の躰と わたしを見ている優しいままの瞳 弱々しく伸ばされた おとうさまの 手。
( あの時は 震えてしまって伸ばせなかった ) ( おとうさま、 おとうさま おとうさま )
幻へ手を伸ばし、触れたと思った掌に乗っていたのは
―――眼を見開いたままの 父の首。]
…………!!!!!!!
[ (( >>3:+6 へ。 さいごのよる…end )) **]
(32) kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
長老の孫 マーゴは、メモを貼った。
kanko 2015/05/23(Sat) 13時半頃
|
[目を三角にしながらこちらを睨む子犬を、 どうしていいものやら、迷いながら見ている。]
「 そんなのなら、ぼくだってっ、 酒に溺れてた分、今死んだだけだ。」 ( …… 酷い自堕落をみた )
[此方の言葉に腹を立てていることなんて知らない。 ただ、生前よりもいっそう子供らしくなった彼の 頭を撫でようと掌を伸ばす。
さらりとした黒髪の感触は、死んでも尚変わらない。 うつむく子供の黒髪に、指先をかすかに絡めながら 屈み、上から言い聞かせるように囁けば、 胸辺りを華奢な拳が、力なく叩いた。]
……………………ああ、 君は面倒くさいやつだなあ (僕も、君が先に死んだらそう思ったかもしれないが)
(33) sane 2015/05/23(Sat) 17時頃
|
|
[静かに、彼の独白を聞いている。] [少女が心配そうに少年を見ている。]
[そして小さく零された本音に、握られたローブの端に 目を閉じ、苦くて熱いものを飲みこんだ。
他者から一歩引いた場所にいる男にとっては 誰かからそう大事に思われるのは 酷く不慣れな事だ。 ――……ああ、やはり何といっていいかわからない。]
君は本当に…………。
[ばかだなあ、と呟いて、 ローブに縋る掌を父親のように握る。 そしてわざと、離してみせた。]
(34) sane 2015/05/23(Sat) 17時頃
|
|
…こうして握った掌が離れたとして 君は独りじゃあない。 アルカイド。それをよく覚えておきなさい。
[言い聞かせるように囁く。
ささやきながら、考える。 死して尚存在を続ける我ら。この姿が永劫だとは思わない。 二度目の死があるならば、その時は]
…………君が消えるときは、天に昇るときは。 僕が、今度こそ最後まで看取ってやる。
(35) sane 2015/05/23(Sat) 17時頃
|
|
[ 君というものが消えゆくその瞬間までを この目で見よう。 小道に揺れる紫苑の花言葉のごとく、 「あなたを忘れない」と言おう。]
(それなら、独りじゃない。 独りじゃないだろう?)
[ 黒い靄が一瞬、薄らぎ 安心させるように 柔らかい笑みを浮べた男が 琥珀色の双眸が見えたかもしれない。 ]
(36) sane 2015/05/23(Sat) 17時頃
|
|
[声をかけた少女の黒髪が揺れる。]
……はじめまして?
[告げられた言葉に、首をかしげた。 どういうことなのか皆目わからないが、 それでも少女が「気にしないで」と言いたげだったから それ以上は言及しなかった。]
[村の方をちらりと向けば、濃い鉄錆の匂い。 狼同士の戦いは――共存を巡る争いは ――かなしい同族殺しは
いつまで、続くのだろうか。 黒く焼けた教会を仰ぎ、小さく溜息をついた。]
([教会を見た途端一瞬、過ぎった黒い怨念。 その正体もわからず、 ぐるりと尾のようなものを揺らめかせた]*)
(37) sane 2015/05/23(Sat) 17時頃
|
|
―― 酒場 ――
[さっきの話、と言われて思い浮かぶは ドナルドの示すそれ>>22と同じ。 サイラスと対峙するかたちのまま、 ベネットは一度ドナルドへと視線を向けた。]
「あれば」なんて、またお預けかい? ラブレターの件も聞きそびれてるんだ。 今度こそじっくり聞かせて貰わなきゃ。
[紙飛行機の恋文の件を持ち出し 今度の約束をしようとするのは、 己の中の、大事な者を遺してゆくかもしれぬ不安を 振り払うためでもあり――。]
(38) helmut 2015/05/23(Sat) 18時頃
|
|
[分かりやすい対立関係を作り出した心算でいたが、 ドナルドの選択>>23は、どちらでもなく。]
――…そ、っか。
[一度は牙にかけようとした、友の言葉に ベネットは向けた視線を伏せる。 何かしらの、強い感情を。 忘れられぬほどの何かを向けたかった。 彼から向けられたいと思っていた。 叶わぬのだと思えば些か沈むような音色が混じる。]
(39) helmut 2015/05/23(Sat) 18時頃
|
|
[赤い頭巾の包みがドナルドより向けられる。 包みに触れる指先は躊躇うように小さく跳ねた。]
酒の肴、だっけ?
[彼がそう言っていたのを思い出しなぞる。 彼にとって意味あるものと感じて 一度返したものが其処にある。]
キミにとって大事なものなんだろ?
[何も知らぬまま受け取っていいものとは思えず 訊ねる響きをドナルドに向けるけれど――、]
(40) helmut 2015/05/23(Sat) 18時頃
|
|
[呪文のようなそのフレーズ>>24は、 以前ドナルドと語り合った本の中のそれか。 聞き覚えのある響きに、黒が揺れる。]
――…ドナルド ?
[彼が今、何を思うかが気になり名を呼ぶ。 囁きが落ちれば黒はまあるく見開かれて]
(41) helmut 2015/05/23(Sat) 18時頃
|
|
[向けられるドナルドからの言葉>>25、 叩かれた肩から、ふっと力が抜ける。
これから為さんとするを指してか それとも、これまで為したことを指してか そう感じてしまうのは秘密を抱える身ゆえ]
――……ッ、 ドナルド !
[ベネットは振り返り 酒場を出ようとするその背に、声を投げる。**]
(42) helmut 2015/05/23(Sat) 18時頃
|
|
[採決の刻は間もなく来た。 票には二つの名しかなく、 しかもたった一票の差だったという。 片方は己の名と思っていたのにそうではなく。 サイラスとメアリーの名が記されていた。]
――……。
[誰が誰に入れたかは凡そ知れる内容。 サイラスを前にして、ベネットは大げさに溜息をついてみせる。]
なんで、僕に入れないかな。 サイラス、キミは答えをもう分かっているんだろ?
[彼の疲労も感じているけれど それでも問わずにいれないのは友と見なしているから。*]
(43) helmut 2015/05/23(Sat) 21時半頃
|
|
[迎えた採決の時。 書かれた名前は自身のものと、メアリーのもの。 その中で多かったのは、自分の名前だった。
メアリーのものよりひとつ多いそれを記したのは、ベネットの傍らに立つと決めたクラリッサだろうか]
何でだろうな。 好きな娘の友達の方が、俺の中では疑いやすかったからじゃねぇの?
[自分が、友人だと思っていた者より。
疲労の滲む顔で、ほんの少し笑って。 大げさな溜め息>>43に答えた。]
(44) hisetu 2015/05/23(Sat) 21時半頃
|
|
[己の命が絶たれるという採決と、それを下した中にいる、おおよそ味方であったと思われる、馴染みのある女性。 それは裏切りや背信とも詰れた筈なのに、疲労の色を滲ませる顔にサイラスはほんの少しの笑みを浮かべていた。
自分は喪ってしまったけれど。 ベネットの傍らには、傷を癒すかもしれないひとがいてくれるのが理解出来たから。
友人だと思う者に、そんな存在があるのが嬉しくて。 こんな時なのに、男は薄く笑っていた]
──……結果は決まったんだし、とっととやっちまえば?
言ったろ、疲れたって。早いとこしてくんねぇと、俺自分で適当に死ぬぜ。
ま、その方がお前さん方には都合がいいかもだけどなぁ。
[何かの糸が途切れて。 言い終えた途端、くぁと小さなあくびが洩れた。
ベネットを見る双眸がわずか、水気で揺れる。*]
(45) hisetu 2015/05/23(Sat) 22時頃
|
|
[サイラスの答え>>44に表情が歪む。 苦さを堪えるようなそんな心地になるのは、 彼の優しさを友として知っているから。 その優しさの一部を自分に向けて欲しいと思いながら 彼にお節介を焼かずにいたのは――、 友と思うのは己の一方的な感情なのだと思ったせい。 それを言い訳に裏切りの汚名をきせようとしている。
茶番だ、と自嘲する。 けれどもう、後には引けない。]
――…ずるい答えだね。
[己の方が、彼よりもずるいと知りながら 泣き笑いの表情を一瞬過ぎらせた。]
(46) helmut 2015/05/23(Sat) 23時頃
|
|
[サイラスの浮かべた薄い笑みが 己の事を思いながらのものとは知らず。]
……なんでこんな時にそんな顔するかな。
[命を奪おうとする相手を前に笑みさえ浮かべる彼に 行き場のない感情がそんな言葉を零させる。]
ばぁか。 自刃なんてしたら、堕ちる。 会えなくなるかもしれないよ。
[誰に、と言わずとも彼ならわかるだろう。 サイラス自身が言う“好きな娘”の事と。]
(47) helmut 2015/05/23(Sat) 23時頃
|
|
[あくびで揺れた視界。 そこに飛び込んでくるのは、何故か歪んだベネットの表情>>46。 その表情が歪んだ理由を問う言葉は、飲み込むことにする。
互いに最後まで──……最期まで道が交わらないと、そんな結末が見えたのだから。 見えた結末が、またひとつ、男を臆病にさせて本心という言葉を封じさせた。
代わりについて出たのは──……]
ずるい、ね。 女たらして味方につけたほうが、よっぽどじゃねぇの?
[鼻を鳴らして出た、悪態]
(48) hisetu 2015/05/23(Sat) 23時半頃
|
|
──さぁて、な? 気でも狂ったって、そういうことにしときゃいいんじゃねぇの。 そのほうが、お前さん『達』には都合いいだろ。
[本音は墓場に持っていく。 そう決めたから、>>47問われた表情の理由は最期まで封じ込み。 行き場のないベネットの感情を、掬おうとはしなかった]
……は、確かに。 どの面下げて会えばいいのか判らんが。
でも、せっかく逝くんだ。 自分から会わないでいる道を捨てるなんて、そんなこたぁしねぇよ。 普通に暮らしてる時より、諦め悪いな、俺。
[名前の出されない、犠牲者の一人。 彼女を殺した罪を背負わせながら、彼女に会えなくなると、甘い誘惑をベネットが言外にちらつかせてくる。
それには一瞬だけ泣きそうな顔をして、そうしてすぐに肩を竦めれば、装う悪態を引き戻した]
(49) hisetu 2015/05/23(Sat) 23時半頃
|
|
[友としてあればサイラスの臆病な部分も知っていた。 見ていれば知れるほどの好意を光失う彼女に注ぎながら 想い伝えずにいたのもその性格のあらわれのように思う。
けれどベネットは彼を臆病とは思っていない。 無様な姿を晒し逃げ惑う臆病な獲物とは違う。 彼もまた同じ一族のひとりで、友と認めた男なのだから。]
僕一人なら甘んじてその言葉受けても構わないが 花のように可憐ながらも凛と芯のある女性が、 たらされる、なんてこと、あるわけがないだろう?
[悪態つく彼>>48に笑み絶やさぬまま言葉を返す。 笑みで繕わねば虚勢を張り続ける自信がない。 けれどそんな弱さを奪おうとする側が見せるわけにはいかず 常と変わらぬ調子で在り続けようとする。]
(50) helmut 2015/05/24(Sun) 00時頃
|
|
[裏切り者がひとりでないと彼はもう分かっている。 サイラスの提案>>49はベネット『達』には都合が良いものだろう。 負担が減る、とわかるけれど、己と思い考えただろうことが知れて]
――…お節介め。 僕の心配なんて、いいんだよ。 また『共存』の檻に閉じ込められるのは真平御免だ。
[彼の厚意を受け取らぬとベネットは笑う。 この村に未練があるわけではない。 未練があるとすれば、共に過ごした者にあり 今、対峙するサイラスにもまた同じだけ――。]
(51) helmut 2015/05/24(Sun) 00時頃
|
|
もっと諦め悪ければいいんだ。 欲しいものに、手を伸ばせばいい。
[もっと早くに言えていれば違う結果があったろうか。 後悔は、きっと消えないもの。]
(52) helmut 2015/05/24(Sun) 00時頃
|
|
…面倒くさいことくらい、 飼ってるうちに分かってたでしょ。
[>>33指に絡めとられる髪を、 遊ばせたまま 崩れるように。 胸元の白い靄の部分へ、顔を埋める。
ローブの端を、振り払えそうなくらいの 力無き力でつかみこむ手に、 ]
[── ふわり、 ]
(53) 雨京 2015/05/24(Sun) 14時半頃
|
|
[形を辛うじて覚えているだけの 父親とはまた違う、
影が、手を握る感覚。 けれど、まるで本当の父親のように。 触れれば安堵して、 ]
……ばかで、わるかったね。
(でもそんなあんたも、 …… ばかだ。 )
[声なき声を心で零すのも束の間。 手が離れればぱちり、瞬き 埋めた顔を ぱっ とあげた。]
(54) 雨京 2015/05/24(Sun) 14時半頃
|
|
[>>35言い聞かせるように。 宥めるように。
閑に 囁きかけることばが、 こころに空いた空洞を そっと埋めてゆく。 … 上げた顔を。 また蒼をさざめかせて 下げた。]
…… そんなこと言ったって、
[結局、皆。
…手が離れてしまえば、 ぼくを置いてくんだろう。
『一度目の死』みたいに。 ]
(55) 雨京 2015/05/24(Sun) 14時半頃
|
|
[ ちら。
睫毛が上を向く。 迷うように まだ、不安そうに。
――― 親に置いてかれるのを怖がる 子犬や 子供のように。]
…… 。
[ じ。
ひとみを凝らしながら、 影の 琥珀色が浮かぶべき場所を おおきなひとみで、 『探す』。
>>35届いた音に、更に衣を掴んだ手は 力を強まらせて うなずく。]
(56) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時頃
|
|
…… 嘘ついたら、 今度は本当にぶん殴ってやる…。
いいや、……。 ぶん殴っても許してなんかやんないから。 [ ただし零すのは。 先程吐いた『素直』とは変わって、 また 可愛げもない文句に戻っていた。]
…… ついでに、 『また』ぼくが死ぬときになったら。
―― 今度はちゃあんと、 道連れにしてやるから。
(57) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時頃
|
|
[たぶん、天国なんてあったとしても
神を嫌い 人を大量を殺めた手では 行くことも出来ないし、 堕ちる場所だって違うだろう。 それでも。と。
完全に消えてしまう前に、 またどこかへ行く前に。
すこしでも、誰かの、(スティの、) 温かさを感じたいって、そう思った。 そう思ってしまった。]
[ 弱々しいいろを水瓶に 張ったエンジェル・ブルー。 ]
[ 三日月が、また天に昇る。 ]
(58) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時頃
|
|
[その瞬間。
蒼に 琥珀色が。 夢や 幻じゃあなく、
本物の月のように浮かんだような、 そんな気がしたけれど ――。 ]
[ ごしごし。 ]
[瞼を擦れば、 それは、 その柔らかい笑みは、 すぐに戻ってしまっていた。
―― それでも。 また 心からの微笑みが、 に、と 光を取り戻すよう、
爛々と 明瞭に星は耀いた。 ]
(59) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時頃
|
|
[長くたなびく黒髪の少女は、 >>37疑問符を浮かべた医者に ただただ 微笑むばかり。
――― 『一度』会ったのが、 本物でないこと。
そんなのは 片割れに聞かせる気もなく。 また 伝える気も、なかった。]
[ 落ち着いた片割れの姿に、 安堵を浮かべれば、
少女のその色素はますます薄らぎ、 輪郭すらあやふやになってゆく。]
(60) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時頃
|
|
[けれど、その存在の薄らぎに 『気付きながら』 留めることもなく。
――― その『弟』も、また気付かない。]
[ よっつの蒼が、 鉄錆の臭いを同じく嗅ぎ取った方。 黒影が向く 教会の方を見つめた。]
[ 祈りのような。 呪いのような。 ]
[ 仄暗い情念。
死んだ今でも、 二重に増えた意味で あの黒く焦げた教会には寄り付きたくなかった。 ]
(61) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時半頃
|
|
[ ――― ぱ と、掴んでいた 黒いローブの裾を、離す。
揺らめき 風を掻きまわす 尾の動きを 幼子のように見つめながら、]
…… 気になる?
[ ぽつり。 ]
…… ぼくは、行きたくないけど、
[スティが行きたいなら。 行ってきてもいいよ。
と。 惜しむように手を見つめながらも、 ]
(62) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時半頃
|
|
[ さっき言われたことばを。 言ったことばを、
思い出して。
今度は、一方的な宣言じゃあない。 『約束』があるから。
見上げ、微笑みを象ったまま、 ちょん、と首を傾げてみせた。 * ]
(63) 雨京 2015/05/24(Sun) 15時半頃
|
|
― 紫苑の小道にて ―
[置いていかれることへの怯えが ありありと見てとれたので>>55 向けられた視線にはこくりと頷いた。>>56]
ハ。君は心が狭いねえ。
[許してやんないから、にはそう肩を竦め]
道連れに……? ……ははあ。
[きっと自分は、天国へは行けはしないだろう。 今際に抱いた真っ黒な怨念を覚えていなくても それは予感としてしっかりと存在していて だからこそ、「道連れにしてやる」という言葉に 小さく 初めて会った時の嘲笑とは違う笑いを零した。]
(64) sane 2015/05/24(Sun) 18時頃
|
|
[一端にあの世の案内でもしてくれるのだろうか。 ヴェルギリウスでもベアトリーチェでもないくせに。
ばかだなあ、と内心零した言葉。 向けたのは果てさて己か彼か。]
年寄りよろしく手を引かれるというのも癪だが……。 地獄の道も、君みたいなばかと一緒なら 飽きないかもしれないな。
(65) sane 2015/05/24(Sun) 18時頃
|
|
[ふわりと揺らぐ黒と蒼の色彩に気づいているのは どうやら、男だけだったらしい。>>60 存在感があやふやになる「カイド」の姿を見ては 伝えるべきか悩み、視線を向けた先が教会だった。
膨らむ黒い情念の正体がわからない。 わからないが、教会を見るとき胸に抱いた感情は
こんな惨劇を引き起こした不条理への 水平だった天秤を傾け 殺さずとも良い者まで殺した彼ら/己への
憤り、悲しみ、憎しみ、……そんなものが泥水のように ぐるぐると心の中で粘ついては噴き出して 男は知らず、ゆらりと尾のようなものを揺らめかせていた。]
(66) sane 2015/05/24(Sun) 18時頃
|
|
[ぱ、と離れる感覚に、視線を戻す。]
…………。いや。
[微笑み首を傾げてみせる様子は 今の姿だと一層幼く見える。
男は小さく溜息をついた。 その頭をぽん、と撫でて、手を広げ肩を竦めてみせる]
僕は教会で殺されたからさ。 もう一回あそこに行ったら――…… ”神罰”で今度は全体焼けちまうかもしれない。 そうなったら村人だって困るだろう?
[前は祭壇あたりが全焼で済んだようだが、 飛び火しないとも限らない。……そんな冗談を吐いて]
(67) sane 2015/05/24(Sun) 18時頃
|
|
見届けてくるだけだよ。 ……君も、別れを言いたいひとに会ってくるといい。
[そっと姉の方をみたが、 流石に「君のお姉さんが」とはいえなかったのか 彼女が黙っているならと、口を閉ざしておくことにした。
離れ際、アルの後ろ頭に手を添えて、先ほどされたように 白い靄が零れる胸のあたりに彼の頭を抱きしめ、 ひとつ撫でると
(揺れるAsterの花々を、ちらりと一瞥。)]
……全部終わったら、村の出口で待っている。
[ そう云って、そっと彼から*離れた* ]
(68) sane 2015/05/24(Sun) 18時頃
|
|
[己の悪態に、笑うままベネットがクラリッサについて告げる>>50。
普通の友人であればこの瞬間、間違いなく惚気だなんだと揶揄に混じって、祝福の言葉やサイラス自身が覚えた安堵を伝えられただろう。
奪う者としての態度を崩さないベネットの繕われた笑みに、言葉を返さないと決めた代わりに一度だけ、悪態や皮肉めいた笑みとは違う微笑を向けてやる。
それはほんの一瞬で、すぐに悪態の笑みに戻るのだけど]
(69) hisetu 2015/05/24(Sun) 21時半頃
|
|
心配なんてしてねぇよ。 ただの性格由来の、お節介なだけだ。 自惚れんな、阿呆たれ。
[まだ鼓動を続ける心臓が、ほんのひととき図星で跳ねた。
>>51拒絶された通りではあったが、それを悟られるのは己の感情を封じると決めた男には悔しく。
『共存』を『檻』として落とした言葉は、今この時初めて聞けた、ベネットの真実の欠片なのだろう。 同族を牙にかけた一匹の誇り高い獣の、真実の欠片。
それはやはりサイラスには理解出来ずにいたが、それでも友人であると思った男の真実として、あの世に向かうための餞を得たような気がした。
彼の真実を何も知れないよりは、うんとマシだったから]
(70) hisetu 2015/05/24(Sun) 21時半頃
|
|
[それからふと、思い出したようにしてベネットの黒目を見つめ、男はぽつりと告げる]
手は、出来るだけ傷つけてくれるなよ?
逝く場所にいるかもしれねぇ、欲しいモン(>>52)に伸ばせなかったら御免だからな。
(71) hisetu 2015/05/24(Sun) 22時頃
|
|
[サイラスが一瞬過ぎらせた表情>>69、 それは友として祝福するかのような色に見える。 夢か幻、もしくは己の願望が見せたものかもしれない。]
――――……、
[半ば開いたくちびるは目の前に居る友の名を綴ろうとするけれど 音出る間際に飲み込んで、ニヒルな笑みを浮かべなおす。]
………… どっちが 、さ。
[心配でなくお節介だとしても。 それは情が伴う行為ではないか。 サイラスはきっと己よりも甘い。 だからこそこの状況で思うのは己よりも相手で]
(72) helmut 2015/05/24(Sun) 22時半頃
|
|
[思い出すように告げられたそれに、 ベネットは視線を下げてその手を見遣る。]
わかってる。 自分のものにならないものは、いらない。
僕がほしいのは、――……
[赤い包み持たぬ利き手がサイラスの胸元へと伸ばされて 指先が指し示すは、彼の、心臓*]
(73) helmut 2015/05/24(Sun) 22時半頃
|
|
[蒼の双眸に映りこむのは、狩る者としての貌を見せるベネット>>-359]
……どこまで悪趣味なんだ。 理解できねぇなあ。
忘れろ。 少なくとも、俺の味は。
(74) hisetu 2015/05/24(Sun) 23時半頃
|
|
ああ、くれてやらねぇよ。 俺の手は、彼女のだからな。
[視線が絡むのは、ベネットがいらないと言った己の手>>73。 悪態を返せばすぐに、ベネットの利き手が狙う獲物を指し示した。 そこは、今はまだ生きた鼓動を鳴らす心臓。
男は一度溜息をこぼし、そうして指し示された場所を捧げるように、服を脱ぎ捨てた。 上半身だけ晒せば、まだ奏でる心音を確かめるように、少しばかり薄い胸に片手で触れる。 マーゴの体温より低い己のそれと、どうしても感じる死への不安への不規則な音。
それらを確かめて、そうして手を離した]
(75) hisetu 2015/05/24(Sun) 23時半頃
|
|
[それだけ言えたら、最期の時を待つように。
そうして、蒼の双眸を閉じるだろう。*]
(76) hisetu 2015/05/24(Sun) 23時半頃
|
|
[その場に、まだ誰か残るであれば、 惨い場を見ぬように、と、離れるよう声を掛け。]
(77) helmut 2015/05/25(Mon) 00時半頃
|
|
[悪趣味と言われても笑みを深めるだけ。 サイラスが繰り返す言葉>>74にゆるく首を傾げる。]
僕が覚えておきたいから覚えておく。 それだけの話だ。 サイラス、キミが気にする事じゃない。
[やんわりと諭すような響きで、 『共存』の天秤が釣りあう頃の穏やかさを滲ませる。]
(78) helmut 2015/05/25(Mon) 00時半頃
|
|
[彼女の、と言われたその手に未練はない。 奪う者が願うはおかしいと思いながらも、 サイラスの望むものがその手に掴める事を祈る。
彼の動き>>75に、示す指先を軽く引く。 露となる上体を一瞥した後、蒼を見詰め]
脱がす手間を省いてくれたのか、 それとも脱がす楽しみを奪ってみた?
[何処か愉しげでそれでいて寂しげな音色を向ける。]
(79) helmut 2015/05/25(Mon) 00時半頃
|
|
[眸閉じる気配を感じる。 ベネットはサイラスの胸に己の手をそっと重ねる。 トクリ、鼓動を感じる。 生きている証を軽くなぞり]
――…一瞬で終わらせてやる。
さよなら、サイラス。
[利き手のみを、獣のそれへと変化させて、 彼を貫き、その心を、奪う。**]
(80) helmut 2015/05/25(Mon) 00時半頃
|
|
[それは友人の声だった>>78。 やんわりと穏やかで、男の日常の欠片を構成するひとつの存在であった声]
サービス精神旺盛、だろ? 判断はご自由に。
[愉しげな中に淋しげな音色が混ざるのを感じながら>>79、男はにっと唇の端を持ち上げてみせた]
(81) hisetu 2015/05/25(Mon) 00時半頃
|
|
──……っ
[視界を閉じて、最期の時を待つ。 まだ音を立てる心臓を覆う胸に触れるベネットの手の感触>>80に、一瞬だけ息を詰めた。
さよならと告げる声に返そうとして口を開きかけ、それをやめて、男は唇を閉じた。
獣の爪が己の皮膚を切り裂く感触は、焼けるような痛みと共にそこから血を溢れさせる。
けれど与えられた言葉通り、感じた痛みは一瞬で。]
(82) hisetu 2015/05/25(Mon) 01時頃
|
|
[ 愛した女を抱く身体を、自分の血で汚してくれるなと。
そんな最期のお節介は言葉にならずに、止まる呼吸とともに──……
*闇に呑みこまれたとか。*]
(83) hisetu 2015/05/25(Mon) 01時頃
|
|
サイラス…… サイラス… さいらす…。
[ 海に浮かぶ月のような 歪んだひかりが くらり ]
……… ねえ
[ 焦点の合わない目は、泪のせいで余計に霞んで ]
めを あけて………。
[ 歪みきった世界の中で 僅かに「見えた」 きらりきらり 空のような蒼。
見つけた宝石は、指の間をすり抜けて 堕ちてゆく 閉じてゆく。わたしの歪んだ願いのままに]
ごめんなさい ……
[ 額にかかる金の糸のような毛束へ ぽたり 見開かれた漆黒の目から しずくが落ちた。 ]
(84) kanko 2015/05/25(Mon) 01時頃
|
|
[ 触れられもしないで抱きしめていた彼のからだが
次第に”モノ”に変わってゆくことを証明するように わたしの腕の中で感触を帯びる。
薄汚れているけれどまだ赤みの残る頬、 金色の睫毛と伏せられた瞼 その下にあった そらのいろ。
私はその上に堪え切れぬ懺悔を吐き出しながら ]
サイラス……………。
[ 今見えている彼を 今見ている死を ]
[ ひとつ残らず 瞳の硝子に刻み付けた **]
(85) kanko 2015/05/25(Mon) 01時頃
|
|
[サイラスのくちびるが描く弧>>81を黒に映し]
折角だから僕の為と思っておこう。 ……ご自由に、なんてキミは軽く言うけど 自由なんてものは、僕にはとても縁遠いものだった。
[言葉交わすがこんな状況でなければ。 後悔ばかりが胸に募る。 ゆるやかな響きが別れ惜しむかのように感じられ 遣る瀬無さにまた痛みを感じるけれど 少しでも長くあればと言葉の間に余韻をもたせ]
(86) helmut 2015/05/25(Mon) 02時半頃
|
|
[息を詰める気配。 再び触れる吐息もまた生きている証。 何か言おうと開かれたくちびるは音を紡がず。 結局彼が最期に何を言おうとしたかは知れない。]
――――…ッ、
[サイラスの胸に埋めた手の内には脈打つ鼓動。 ぐ、と力を込め、彼の命に幕を引く。 ぷつりと爪で繋ぐものを断ち、 掌にのる未だぬくもり失わぬ紅を口許に引き寄せる。
彼の身体から溢れた血は 距離つめたままのベネットと床を同じに染めた。]
(87) helmut 2015/05/25(Mon) 02時半頃
|
|
[ドナルドから預かる包みを置き、血で染まらぬ方の手で 首筋に添えられていたサイラスの手を支える。 命握るその腕を彼の背にまわし その身体を床へと預け寝かせ]
彼女に差し出す手は、 濡れていない方がいいだろう?
[彼の大事な手は血に染まらぬように置き 別れを惜しむかのようにその場で暫し立ち尽くす。**]
(88) helmut 2015/05/25(Mon) 02時半頃
|
|
[ 死の痛みは一瞬。感謝の囁き>>-446は、男が聞いた最後の声。
ブラックアウトした意識の中で、確かに覚えたのは安堵だった。 記憶を探るのは、もはや魂となった己だろうか]
(89) hisetu 2015/05/25(Mon) 02時半頃
|
|
( 忘れたのは? )
[手に触れていたぬくもり]
( 覚えているのは? )
[ 顔。 ]
[こちらの声に反応して、見えない目を合わせようとしてくれる愛らしい顔。
覚えている。 思い出せる。 ]
(90) hisetu 2015/05/25(Mon) 02時半頃
|
|
[ 吐息を聞いた気がした。安堵から洩れる吐息を]
( 死んだのにか? )
[ 苦笑して。
それはもしかしたら、己の死を見つめ続けた愛しい少女に伝わったかもしれない、唇の動き]
声は──……
[ 記憶を探った時。
呼ぶ声が、響いた。 記憶が残る脳に。
まるで己の鼓膜を震わせるように>>85。]
(91) hisetu 2015/05/25(Mon) 02時半頃
|
|
[ そうして、気づく。
両の頬に触れる感触>>-431が、いつの間にかあることに。 額にかかる髪を濡らす感触が、あることに>>84。]
(92) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
|
|
[ 男はその感触に誘われたように、ゆっくりと瞼を上げる。 ]
──……マーゴ?
[まるで長いまどろみから覚めたように視界はぼやけていて。 でものその先にはおぼろげにだが、長い黒髪を垂らす少女の姿が見える。
忘れる前に止めた鼓動。 そのおかげで残る記憶の姿と、視界の中のおぼろな姿が重なり合う。
蒼の双眸をぱちりと見開いて、男は数度、瞬きをした]
(93) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
|
|
[そうすればようやく、己の視界ははっきりと目の前にある人の姿を映してくれた]
……マーゴ
[合わさっていた額を離し。 触れていた手に、頬ずりをしたのは一度。 そっと自分の手を伸ばし、両の頬にあった白いもみじを包み込む]
──っ、
[はっきりと見えたその姿が、またおぼろに滲んでしまう。 瞼を上げて彼女を映した蒼色の瞳が揺らぎ、目尻からぽたぽたと涙を溢れさせたから]
(94) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
|
|
[止まった筈の息が、堪える嗚咽のせいで苦しかった。 それでも、紡ぎたかったから。 堪え、声を出すために、唇を開いた]
──マーゴット……
[包み込んだ手に、縋る力を込めたのは一度。
震える涙声で愛しいひとの名前を紡いで、そうして彼女の手を離した]
(95) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
|
|
お前さんは、何も悪かねぇだろ。
[いつも彼女の手を握っていた己の片手。 血に染まることのなかったその手>>88で、自分の涙よりも先にマーゴの頬に伝う涙を拭う。
白い丸みを帯びた頬から、人差し指を上へと滑らせ。 そうして、今度は親指で彼女の目尻を拭ってやる]
悪いのは、俺だろ。 守れなくて、傍にいてやれなくて、ごめん。
[マーゴの最期となった夜のこと。 >>3:+3ねだられた添い寝を誤魔化すようにして、額に口づけて別れた。
彼女がねだったままにしていれば、もしかしたら結果は変わっていたかもしれないと。
喪失がくれる忘却の恐怖の中には、そんな後悔が混じっていた。 だから、懺悔をするのは己のほうだと。
涙で震える声で謝って。]
(96) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
|
|
[片手を、ふわりと波打つ黒髪が垂れる頭の後ろに添える。
あの夜のように一度、額に口づけ。]
これからは、一緒にいる。 ……いさせてくれ。
[魂が行くべき場所へと、導かれるその時までは]
(97) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
|
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
helmut 2015/05/25(Mon) 14時頃
|
[サイラスの命を半分だけ己の糧とし、 もう半分は身を隠す末の妹へと託す。 最初から彼女の為の狩りで本来ならば喰う必要などなかった。 思うがゆえに喰らう業。 一生負う覚悟など疾うに出来ている。
「“過ち”は一族の手で、正さねばなるまい。」 そう一族の者に言い渡した族長もこの手で屠った。 一族を纏める者を選出するにどれだけの時を費やすだろう。 混迷の間に、埋葬を済ませ“正した”事にして、 後は誰も襲わねばそれで事件は終結する。 終結させる心算で、ベネットはこれ以上ひとを襲わぬ決断をした。
ドナルドから預かるものはベルトへと挟み両手使えるようにして 宿の備品であるシーツを拝借しサイラスを包む。 墓地まで運び穴を掘り、これまでの犠牲者たちと同じように埋葬して 安らかな眠りを祈りながら祈りの言葉を口にせず立ち去る。 再び宿屋に戻ると水場を借り着替えを済ませて、 クラリッサと話すために、彼女の姿をさがす。*]
(98) helmut 2015/05/25(Mon) 15時頃
|
本屋 ベネットは、メモを貼った。
helmut 2015/05/25(Mon) 15時頃
|
―宿屋― [男が再び宿屋に姿を現した時、 住み慣れていたその家屋の中は赤く、 同族の血の色で染まっていた。]
――――…、
[数日前まで皆がここで集まって、飲んで、笑って。 酒場が、村が、このような姿になってしまうなんて 考えもしなかった。
目の前で、男の命に裁を下したサイラスが ベネットの手によって殺される―――…、 立ち尽くす、ベネットの、その表情に。 従妹の共犯者の最後の1人を見つけた気がして。
小さく、彼の名を呼ぶ声は彼自身には届かない。
2人の様子に傷ましげに目を伏せて、 サイラスを運ぶベネットの姿を見送った。]
(99) chiz 2015/05/25(Mon) 16時頃
|
|
[彼の、彼らの行き先を追う事はなく、 誰かの姿を探すように赤く染まった場を仰ぐ。 この場に生き延びて欲しいと願った、 ラズベリー色の色を纏う赤い瞳の幼馴染の姿はなく。 それもまた、辿りつくひとつの答え。
男が進むのは、その奥――…従妹のいる場所へ。*]
(100) chiz 2015/05/25(Mon) 16時頃
|
|
[ 10年ぶりに瞳を焦がす光は ちかちかと瞬いてうまく像を結んでくれない。
それでも、これだけはと見続けた空色は 伏せられたいまも鮮明に脳裏で揺れて、 わたしの目線を引き寄せるんだ。]
……さい、らす……。
[ ふわりと笑む目の前の口元>>91
( ああ、人ってこんなふうに笑うのだっけ )
だんだんと視界は広がり、二重になるひとのかたち。 「きんいろ」の髪にからみつく鮮血の「あか」 「薄めの肌」にぼっかりと空いた深淵の「くろ」
むせ返るような血の香りが 抱いた掌にまとわりつくのに
( わたしはすこしも 悲しくないんだ )]
(101) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
|
|
[ 「彼」は目をとじたまま、「影」がゆっくりと目を開く。
( 気がついて、わたしを見て、名前を呼んで )
わたしが願ってしまった通りに響く声>>93 先生にすら隠せなかった>>5:+95、わたしの本心>>5:+104
聞きたかった声がわたしの名前を呼ぶたびに 頬に添えた手が、包み返されることに 嬉しさと自責が 津波のように押し寄せて 開けたばかりの瞳から泪が溢れて止まらない。
( ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ) ( わたし、あなたに会いたいって思ってた ) ( それってつまり 死んで欲しいって 思ってた )
( みんなみんな しんでしまえばいいのに って )]
(102) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
|
|
……………。
[ 目の前の蒼い宝石がわたしを射抜いて 滴る罪を拭うように、優しい指が頬を滑る>>96
どうしようもなく、嬉しいんだ。 それがどうしようもなく つらい。
悪いのは俺だと、守れなくてごめんという彼の謝罪が わたしの耳に刺さるのを避けるように、 ぶんぶんと 大きく頭を横に振るって]
……いいの。 …サイラスはなんにも、わるくない。
[ 「お前さんは、何も悪かねぇ」そうだったらいいのに。 守りたかった人を守ることが出来なかったことと 大切にしてくれた人の死を願うこと。
どっちが「わるいこと」か、そのくらい子供でもわかる。]
(103) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
|
|
[ ぎちり、と噛み締めた下唇は 血が浮くこともなく 吐き出せない「罪」は、体の中を喰い荒らす。
優しく添えられた手も、 「もういちど」降ってきた口づけも 耳をくすぐるやさしい言葉も>>97
わたしの望むものが与えられるたび、 まるでおなかの中に石が詰められたように、重くなる。
どんどん どんどん 尖った石でいびつにふくらんだ腹部は垂れ下がり
「愛」>>-456は迷いなく その腹を裂いていった。]
(104) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
|
|
[臆病のままに、蓋をしていた感情。 その蓋を取り去り、身体から自由になった魂に任せるように吐き出した想い。
死と生で隔てられていた、そう長くはない間。 少女の中に根付いた罪のせいか、吐き出した想いは彼女の中を重く石のように蝕んでいく>>104。
それを知らない男は、マーゴがぎちりと下唇を噛み締めたことに気づいた時、わずかに蒼の瞳をまたたかせた]
(105) hisetu 2015/05/25(Mon) 22時頃
|
|
[額と同じように届けようとした口づけは、拒絶の言葉>>-476に止まる。 振られたか? と思う間もなく、顔を寄せた少女の目尻からは花びらのように涙が溢れ出した。
それに目を瞠らせて、涙をまた拭ってやろうとしたのだが、それより先に髪に鼻をうずめるようにしたマーゴに逃げられてしまう]
……くすぐったい。
[そうして嗚咽に混じる繰り言と一緒に、耳朶が涙で濡らされる。 その感触に思わず静かに呟けば、彼女の華奢な腕が抱きついてきた。
続くのは、己の身体に抱きつく少女にとっては懺悔の言葉なのだろう。]
(106) hisetu 2015/05/25(Mon) 22時頃
|
|
―― 教会 ――
[ さくり。 さくり。 土を踏む。 歩む先は暗くとも、その足取りに迷いはない。 時折、パキリと乾いた音が鳴る。 乾燥した木の枝を、踏み分け行き着いた先は、 焼け焦げた、教会の残骸。]
――……。
[辛うじて建物の名残である事を伝えるような入り口を潜り抜け、 中へと足を踏み入れる。 半身を失った教会は、屋根も残さず焦げ落ちて、 見上げれば闇を彩る瞬く星が、天井の代わりとなっていた。
村の唯一の医者であった彼の人を埋葬する為に、 避けられた建物の残骸と、辛うじて形を残した長椅子の合間を縫い、 今はもう跡形も無くした聖母を見上げた。]
(107) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
|
|
[静謐な空間だった場所に、さざめく森の音。
もう、サイラスはベネットの手に掛かった後だろうか。
彼らの会話が終わる前に、席を立った。 二人の会話を邪魔せぬように。 先に席を立ったドナルドの後を追う為に。
サイラスの最期を、見ない為に――。]
(108) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
|
|
[紅い石を持っていた手に今あるのは。 自室に戻った時に洗面器から拾い上げた 紅く染まったマーガレットの花びら達。
その足で墓地に向かおうと思っていた。 墓地に並んだ墓碑に花を手向けて、弔いたかった。
行くことは、出来なかった。 私は――]
(109) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
|
|
[夜風が頬に当たる。 掌を開けば、ふわりと。 風に紅く染まった花びらが舞い散る。
聖母を失ったこの場所で。 紅く染まった『信頼』の名の花が
ひらり、ひらりと
夜空に舞い上がり、夜闇に溶ける。
その行く末を見届けながら、弔う事の出来なかった同胞へ]
『 』
[口にした言葉は音を為さず。 最期の一枚までその花を見届け、別れを惜しんだ。*]
(110) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
|
|
[サイラスを手に掛けて立ち尽くす男の脳裏には 集会のあった夜にドナルドと訪れた酒場の光景がふと過ぎる。 あの時飲んだ蜂蜜酒の甘さが、 サイラスの血肉の甘さと重なったせいかもしれない。 ひとの血肉も酒と同じ嗜好品で己にとっては無くとも困らない。 美味いと思えど贅沢を好む方でもなく、 ただ、共に過ごす者との時間を彩るものに過ぎず。
血に酔うたとしても案じる酒場の主人も、 手伝うグレッグの姿もなく掛かる声は無い。
ふと耳朶を掠める風が懐かしい声を思わせる。 呼ぶ声は失われた。 助けられなかった自責が、望みが顕れたに過ぎない。]
――…平気だ。
[己に言い聞かせるように呟き、酒場を離れた。]
(111) helmut 2015/05/26(Tue) 00時頃
|
|
[夜風はほのかな冷たさを孕む。 村を巡れど探す彼女の姿はなかなか見つからない。 ふと目の前を過ぎる小さな紅く染まる花弁。 足を止めた其処は、焼けた教会の前。
どうしてこんな場所に、と過ぎる疑問。 祈りを捧げる場所は焼け落ちたはず。
不思議に思い、花に誘われるように門を潜る。 薄雲の切れ目から月が覗き、 教会にいるそのひとのもとへと柔らかな光が降り注ぐ。 ふわと風に揺れるその裾、ひらり、ひらりと舞う花弁。 その向こうに見える彼女は探していたそのひとで]
此処にいたんだね、クラリッサ。
[サク、と足音たてて、男はクラリッサへと歩み寄る。]
(112) helmut 2015/05/26(Tue) 00時頃
|
|
[口にした言葉は音を為さず。 最期の一枚までその花を見届け、別れを惜しんだ。*]
[名を呼ぶ声が耳に届いて、その声の主を探す。 夜の闇に紛れた姿が、月の灯りを借りてその姿を映し出し、 その眼に留めれば]
――ベネット。
[確かめるように彼の名を呼んだ。 花びらを送り出した手を丸め、彼が歩み寄るのを待つ。 月夜の中でその表情を捉える程に近づいたなら、さくりと一歩音を立て。 胸の内に収まるように歩み寄る。 顔を上げて見上げたなら、その瞳を覗く。]
(113) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 00時半頃
|
|
[何と言葉を掛ければいいのか。
躊躇いに、目を伏せる。 うまく言葉にすることは出来ずに。 丸めた拳を開いて、そっと彼の頬に手を伸ばして]
……終わったの?
[そう一言、口にして彼の答えを待った。*]
(114) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 00時半頃
|
|
[ とおもいかぬ幼子のように、ぐすぐすと鼻を鳴らして いま いちばん安心できる場所に縋りつく。 あの日玄関先で貰った安心と、寸分違わぬそのかたち。
ぽん ぽん
背中から染みこむおとが、失った心音のように響いて わたしのからだに血を送る。
体温が戻るような錯覚と、あたたかな声。 そんな言葉を紡ぐサイラスのかおの形を想像して
( 見ればいいのに。見られないってこともあるのね )
目元から鳴る小さなリップ音>>-488に目を瞑った。
腫れてしまった目を、ぽんやりとひらくと 目の前のだいすきなひとの顔をみて ゆっくりと説き聞かせるような「おはなし」を聴く。]
(115) kanko 2015/05/26(Tue) 01時頃
|
|
わたしは…なんにも傷付いてなんかないよ。
[ ふわり、視界から消える彼の顔。>>-489 目はどこかへ彷徨って、抱きとめていてくれた背に落ちる。
生きていているのが怖いと 忘れてしまうのが怖いと、そう紡ぐ声が愛おしくて わたしは 思ったよりも大きかった自分の手で 見つめた背中を ぽん、 ぽん と。
6歳のままでどこか止まった記憶を塗り替えるように 自分の手のひらを一度見て、男の背中を包み込む。]
わたしも、怖かった。 サイラスを見ていると あなたをこっちに引っ張ってしまいたくなるから。
……サイラスを連れてくるためなら わたし おおかみにだって、なれたかもしれない。
[ 眼前の首筋に小さな犬歯を押し当てて、直ぐに離した ]
(116) kanko 2015/05/26(Tue) 01時頃
|
|
サイラスが嬉しくても…… でも…
[ やっぱり死んで欲しいなんて 思っちゃいけない。 でも…… 忘れられるのは 触れられないことよりも、何よりもきっと つらい。]
…………うん。 わたしを忘れちゃ、いや。 わすれないで。 …おぼえてて。
[ 「わすれること」は生きるために、必要な事だけれど 死んでしまえば、全部抱えていたって いい。 両腕に力をきゅっと込め、その人が居ることを確かめて]
ん、っちょ っと、 ………ぅぅ…
[ 目元を弄られて>>-491小さくぱちぱち、と瞬き。 蒼い宝石と目が合うけれど、 生きた彼のものの色とは 確かに違っていた。]
(117) kanko 2015/05/26(Tue) 01時頃
|
|
[同胞の命を奪ったその手を彼女に伸ばすのは躊躇われた。 名を呼んで、互いの距離を縮め]
待たせたね。 ひとりで心細くなかった?
[胸の内へと収まるクラリッサの肢体。 躊躇いは薄れて、彼女の背をそっと抱きしめる。 見上げる眼差しにゆると目を細め見詰めていれば 頬に彼女の手が触れ、微かに口許を緩める。]
――…終わったよ。 ああ、違うな、終わらせてきた、だね。
[さらと向けた言葉の意味は彼女なら正確に理解できるだろう。*]
(118) helmut 2015/05/26(Tue) 01時頃
|
|
[背に回る腕に身を委ねながら、 問い掛けには緩く首を振り揺らす。]
どこかで。 貴方が来るような気がしていたから。
[怖くはないと。あの時伝えたように、 そう告げたなら、声が返るのを待った。
静かな彼の言葉が夜の闇に落ちて。 言い換えられたその言葉に、意味を悟る。 迷いのないその言葉に、彼の決意が見えた気がした。]
(119) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
|
|
[ゆっくりと瞬きを一つ、肯定の代わりに返す。 労う言葉も、悼む言葉も。 きっと今彼が求めるものではないのだろう。
彼が浮かべた笑みにつられたように、淡く笑みを作る。 笑みを形作るその様子が、どこか憂いているようにも見えたから。 指の腹で、見えない涙を拭うように。 彼の頬を撫でたなら、驚かせてしまっただろうか。]
(120) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
|
|
ねえ、ベネット。 貴方の今までの話を聞いたら、 これからの話をしましょう?
.
(121) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
|
|
[終焉を迎えたこの騒動にピリオドを。 そしてこれから始まる物語を。
童話のように綺麗なものではないけれど。 貴方が望んだ道ならば、共に歩みたいと切に願って。*]
(122) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
|
|
― >>110 ―
[――……掌に、誘われるように舞いこむ赤い花弁が一つ。]
……マーガレット、か。
[言い当てると同時に、 サフラン、桔梗にスイカズラ、ライラック。 墓地の一角に見たそれらの花々を思い出した。
静かに花弁を見下ろしてから、 男は夜に沈む焼け残った教会を見上げる。]
……やっぱり、 ”また” すぐに枯らしてしまったんだよ。 (診療所のマーガレットも、”彼ら”も、)
(123) sane 2015/05/26(Tue) 06時頃
|
|
医者だったってのに、 どうもね……駄目みたいだ。
[ひとの命を花と例えるならば、 男は花を枯らしてばかりだった。]
[呟きと共にそっと赤い花弁を握り 村で起きた騒動の顛末を ただ見守っている。]
[生き残った彼らが、 これからどの道を信じて進むとしても どのような花を咲かせるとしても。 路傍の石の如き亡霊はそれを見送るのみ。 それ以外に道はなく]
(124) sane 2015/05/26(Tue) 06時頃
|
|
[掌を開く。 風に、「信頼」の花が舞い上がり、消えていった。**]
(125) sane 2015/05/26(Tue) 06時頃
|
|
[クラリッサの動きにあわせて長く艶やかな髪がさらと流れる。 彼女の応え>>119に頷きを返し]
逢いたいという思いが通じたのかな。 ――…もし、キミに何かあったら、と、
[離れる間不安だった、と微かな声音で告げる。 瞬きを肯定の応>>120えと受け取り、 落とした視線の先には淡い彼女の笑み。 いたわるようなぬくもりが頬へと触れる。 彼女には泣いているように見えたのかもしれない。 拭うような動きに僅かな驚きを過ぎらせながらも 思い受け取るように彼女を包むまま、そっと目を伏せた。]
(126) helmut 2015/05/26(Tue) 12時頃
|
|
[今までとこれからと。 未来(さき)を思わせるクラリッサの声>>121に 少しだけ考えるような間を空け、もう一つ頷く。]
僕が殺したのは族長、ジョスラン、それから、サイラス。 『共存』を壊したくて、というよりも――… 隣村で禁を破ったのが妹、だったから、 家族を罪人として引き渡す事は考えられなくて、 “過ち”として正そうとする族長を、手に掛けた。
[はじまりを語る。 罪と知りながらの行為。 彼女が知りたいと望むなら、 ベネットの知ることは全て彼女に伝える心算で 残酷で救いの見えぬ闇を、晒す。]
(127) helmut 2015/05/26(Tue) 12時頃
|
|
[なんにも傷ついていない。 そんな声に>>116、男はほっと安堵のままに胸を撫で下ろしていく。 それはきっと、マーゴにも伝わる動きだっただろう。
己の臆病さを吐露した背に、久し振りに感じる ぽん、 ぽん というリズム。]
……お前さんが俺を連れてってくれる狼なら、喜んで、だ。
喜んでその牙にくれてやるし 喜んで、その手を取るよ。
[背中を包み込んだマーゴの手の感触に目を細め。
自分の命を摘み取る猟犬にだってなれると言われれば、それには鼻を鳴らしながら、言葉通りの感情を滲ませる笑みを向けた]
(128) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時頃
|
|
[嬉しいと言った己に、マーゴからは躊躇いめいた言葉が返る>>117。
やがて彼女の中で躊躇いよりも、サイラスが嬉しいと言ったことに天秤が傾き、『おぼえてて。』と言葉にしながら男がいることを確かめるように、きゅっと両腕に力が込められた。
それを受け入れながら、そうしてマーゴの涙を拭って>>-491。]
(129) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時頃
|
|
[愛の言葉を贈った人の指が、下がった眉に伸びてくる>>-515。 癖のある前髪を避ける動きの好きにさせれば、あわらになった額に柔らかな唇が寄せられる。
その唇から落ちてきた言葉を耳から脳、そうして己の全身に染み込ませているうちに、気づけば蒼の瞳がじわりと滲み始めていた。
飽いたと思ったし、枯れたとも思っていたけれど──……。
喜びの涙なら、悪くはないだろうか。
ゆっくりと頬を伝う雫に、そんなことを思った]
──ああ、こっちこそ。
こんな時に泣いちまう、情けない野郎だが。 傍にいてくれ。
[その姿が傍らにあると気づいて告げた言葉を、もう一度。 悪くないと思いながらも、ほんの少しばかり頬に涙を伝わせる己の不恰好さに苦笑と後悔をするのは、後でもいい。]
(130) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時頃
|
|
[そう決めて、くしゅりと丸まった真っ黒い瞳を見返して。 引き寄せる力に身を預けながらも、自らもマーゴの背を抱く力を、愛しさのままに強くして。
重なる影と同じように、愛しい人と唇を重ねた]
(131) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時半頃
|
|
─ 暫しの後 ─
[そうして死してからの睦み合う時を過ごし、ふと男はマーゴの身体をやんわりと離した。
背に触れていた手を、生きていた時と変わらずにマーゴの手へと滑らせ、握る。 せっかくだからと、指と指との間に己のそれを絡めながら。
変わらない手の位置、変わった繋ぎ方。
その照れくささのままに、もう片方の手で、薄く涙が滲んでいた己の目許を擦った]
必要のなくなった手ではあるかもだが、お前さんが行きたいとこなら、一緒に行くぜ。
どこに行きたい?
[日常を取り戻した錯覚は、一瞬だけ。
己の目には、ベネットがシーツに包む己の身体が見えたから>>98。
それでも変わらずに、マーゴに首を傾げてみせた。*]
(132) hisetu 2015/05/26(Tue) 14時半頃
|
|
― 紫苑の小道にて ―
……海のようにこころが広いほど おひとよしならね
とっくに、ぼくは殺されてたよ
[ ばーか。 ]
[>>64スティがいつものように 肩を竦めるなら。
黒い毛並を揺らし、 見上げた蒼い硝子玉をゆるりと細める。 まだ 惑うあおいろを 無理矢理 わらわせ。
ゆるやかな、煽るよな弧を描いて 親鳥の真似をするよう 掴んだ手とは反対の手で肩を竦めた。 ]
(133) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
[ぼくは、 (ぼくらは)
ヴェルギリウスでも ベアトリーチェでもない。
……でも、ねえさんが 罪から救う乙女<マルガレーテ>なら。 ぼくは 魂を連れる悪魔<メフィスト>になろう。]
[ はじめて会ったときのようで あの自棄になった誘いとは異なるよに。 零されるわらいも またちがうみたいにみえた。]
… 実際、年寄りくさいこと言ってるくせに。
[ 今更、何を言ってるの。 ]
(134) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
[ 擦られたまぶたが瞬き、 皮肉った響きに 調子を取り戻してゆく。 それに呼応するよう
少年のような あどけなさは、 まだ器にはすこしとおいけれど
…… ちょっとだけ、 少年の背が伸びるよう 『成長』する 。 ]
[ 靡かぬはずの髪を
ゆらり ゆらり、
宙に 弄ばせて。 ]
(135) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
ぼくも、 きっと
… スティみたいな変わり者になら 案内しがいが、あるよ。
…いや あるはずだもの。
[ きっと 面白おかしい道中になるといい。
―― 哀しみも 寂しさも ぜんぶ ぜんぶ 忘れられるほどに。]
[ ここちのよい、 低い囁きが掠めていけば、
その柔らかさに つられるよう。
…… 『悪魔』であろうとする 天使のひとみも わらった。 ]
(136) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
[ >>66揺れる尾をふしぎそうにみつめ、 やがて 問い掛けたなら 答えるように、
離れた視線が手元にもどってくる。 ぽん と 頭をまた犬猫のよに 撫ぜられたなら、 ]
…… っふ、 [ 擽ったそうに 目を細めた。 ]
どうかなあ。
…… いっそ 全部焼けちゃったなら 直すよりも建て直した方が案外楽かもよ。
[ くすくす ]
(137) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
[ わるい冗談をひとつ。 ]
[ ゆるやかな、またたきを。 ]
…… わかった。
――― じゃあ、ぼくは……。
( …… 会いたい、ひと )
[ 浮かんでは消える 泡沫。 その言葉に 空をみあげる。 ] ぼくは、いいや。
(138) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
[ だから すこしの間逸れた視線は。 逸れた意識は。 >>67ねえさんを向いた影のいろに 気付かない。気付けない。 ]
( …… 別れを告げるのは、 きらいなんだ。 )
[ それは、 死に際に 姿を晦ます猫と、 おなじように。 ]
(139) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
( でも それでいい )
[ 『離れた手は 別れ 繋ぎ直され、 また 別の手へ繋がれていくんだから。』 ]
[ 役目を果たしたかのように 薄れていく存在の少女は、
同じ空を見上げながら 、
ほほえんで
…… ふたりが一時の別れを成すまえに。 意識の残滓はのこせど 形は 完全に霧散しきった。 ]
(140) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
[ひとつが天に融けたそば。
…… 空を、最後に。 蒼に焼き込み
ほんとうの空と同一にさせていれば ]
…… わ、
[不意に ふより、
漂う白い靄がめのまえに。 開いた目は おどろいて、 … でもすぐに 閉じて。 ]
[暗くても 昏くない (怖くない) 影の心地のよさに身を任せて、 そのまま なでられた。 ]
(141) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
……うん。わかった。
なら また、『あとで』ねえ。
( …… 絶対。 )
[横目に咲き誇った
ゆれる ゆれる 紫の星<Aster>が映りこむ。
あの花をいま 摘もうとしても きっと すりぬけるだろうけれど、
『 ぼくは この花を (このことを。 ひとを。 )
忘れない。 』 ]
(142) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
[感じぬはずの温もりが離れたなら、
――― その闇色の背を しばし。 じ と 見送って。
小路の奥に 紛れてしまえば ふ と 、
振り返る。 ]
…… ねえさ、 …… 。
[ …… そこにあるはずの姿は ない。 ]
(143) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
――― …… 、
[さあ と、
花弁を散らす疾風が直後 奔っても 揺るがぬ姿は、
花吹雪がすぎたなら 少年と青年の狭間まで その輪郭を取り戻し、
ぼう と。
気配だけが残る、 なにもない虚を すこしの間見つめていた。 * ]
(144) 雨京 2015/05/26(Tue) 15時頃
|
|
―採決の刻―
[「メアリーにした」
そう告げる赤毛の男の言葉>>23に 一瞬、びくりと肩を震わせ それからゆっくりと そちらを見やる。
ベネットへと何やら 古めかしい短剣を渡す男と 目が合っただろうか。
合ったところで反らすことしか できないのだが。]
(145) miduno 2015/05/26(Tue) 16時半頃
|
|
[立ち去る男の背、そして 後を追うようにクラリッサも宿屋を出た>>108 その後だろうか。
男から追及がなかったことに安堵して ふう と嘆息していると とうとう、その時が来た。]
(146) miduno 2015/05/26(Tue) 16時半頃
|
|
[友人より選びやすかった、そう言わんばかりのサイラス>>44に]
……マーゴゆってた。 マーゴの宝物。メアリーとサイラスって。 マーゴの宝物を、サイラスは疑えるんだね。
[そんな言葉を吐き捨てる。
かくいう自分も彼に兄と同じ目に遭わせたい。 などという思いを抱えているのだが。]
(147) miduno 2015/05/26(Tue) 16時半頃
|
|
[ベネットとサイラス。
二人のやり取りを さして興味もなく、ただ待っていた。 己の欲望が叶う時を。 復讐という、みにくい欲望を。 しなる木に積もった雪がいっぺんに 音を立てて落ちるような そんな瞬間を。
──ただ、待っていた。]
(148) miduno 2015/05/26(Tue) 17時頃
|
|
[ベネットから、離れるようにと声を掛けられれば>>77]
見てる。
[そう一言告げて、その所業が見える位置、 少し離れた席に腰かけたまま。]
(149) miduno 2015/05/26(Tue) 17時頃
|
|
[片時も目を離すことなく
焼き付けるように
静かに、その最期を
見届けて。
少女は表情ひとつ変えず、何を考えていたか。
わかる人はあるのだろうか。]
(150) miduno 2015/05/26(Tue) 17時頃
|
|
[シーツを借りるというベネットに、短くどうぞと言うと リネン室へと向かったベネットの背を見送って サイラスの遺体へと向き合う。]
死んじゃったら、もうどうしようもないね。
[ベネットが穢れぬように、と 血だまりを避けるように置いた手。
じっと見ていた。
頭によぎる。ひどい考え。]
(151) miduno 2015/05/26(Tue) 17時頃
|
|
[ ─踏みつけてやろうか─
それから
もうひとつ、湧き上がる感情。]
[不気味なその感情は何というのだろう。 自分の考えについてでる、否定の感覚。
─こんなことをしても何にもならない お父さんもお兄ちゃんも 帰ってこない─
本当はうっすらと頭の端でわかっていた。 無意味。無価値。 激情のままに、欲望のままに。 そんな行動に何の意味があったのだろう。
そのことに、その感情に気付くやいなや、 目頭が熱く、喉はひりつき、視界は歪む。]
(152) miduno 2015/05/26(Tue) 17時頃
|
|
[すぐに戻ってくるだろうベネットに、 そんな様を見られたくなくて 溢れる涙を拭う前に 宿屋から飛び出した。]
(153) miduno 2015/05/26(Tue) 17時頃
|
|
違う、無意味なんかじゃない。 だって、あいつらが殺したんだ。 お父さんもお兄ちゃんも。 そうだよ、だから当然のむくいなんだ。
[自らを正当化しようとする呟きは 深い漆黒に吸い込まれる。 次に浮かんでくるのはたられば。 あの時ああしていれば、こうしていれば。]
[段々と闇に目が慣れて、そのまま 暗い夜道をあてどなく彷徨う。 それが村人が見た、最後の少女の姿だろう。]
(154) miduno 2015/05/26(Tue) 17時頃
|
|
[こつ、こつ。いつのまにか居なくなっていた足音が、白い布を抱えて帰ってくる。>>98 音の前に目を瞑れば、蘇るのはたくさんの書籍の香り。
( ああ。ベネットさん…… )
血に汚れた衣服が、さっきまで聴いていたことを真実だと物語り もの悲しげな暗い瞳が、彼の抱えた決意を映すようで。
得られる情報量に くらり、目眩に襲われながら 血とアネモネの朱い花畑に横たわる「彼」が抱き上げられてゆくのを見つめた。
サイラスはすぐ傍に居るけれど、胸はぎりぎりと痛んで 血の足跡が彼を遠くへつれていく。 きっと、見えなければこれほど辛くはなかったのだろうに。
( ………さようなら。 )
音を紡がず投げた別離は「彼」へか「此岸」へか。 サイラスの腕の中に身をうずめながら見上げた彼は、同じように顔に陰りを浮かべていて。 わたしはそんな彼の気を引くように、小さく頬にキスをした。]
(155) kanko 2015/05/26(Tue) 18時頃
|
|
[はっとしたように、ぽやりと顔を赤くする。
視線はうろうろ 周囲をさまよって 脱いだままになっている上着と目が合った。
体を縮こまらせながら逃げるように腕の中から離れていって 強張った肩のまま 彼に背を向けて、ぽつり。]
……そのう…… お、おようふく、着てください…。
[ ああ、もう。
見えてなければこんなに恥ずかしくもなかった筈なのに、 自分が恥ずかしいと思っていることがはずかしい。
今ならルパートさんに負けないくらいの目玉焼きが わたしのほっぺたで焼けそうだった。*]
(156) kanko 2015/05/26(Tue) 18時頃
|
|
― 暫しの後 ―
[背を向けたわたしの手が、ゆっくりと攫われていって 指の間にすべりこむわたしのよりずっとおおきな手が ごつごつと当たって なんだか…変な感じ。
繋いだ手がみえるだけで恥ずかしくて必死にごまかしたのに 見上げた人の顔>>132も、なんだかすごくはずかしそうで。
( なぁんだ、ふふふ。)こらえきれない、笑いをひとつ。]
わたし、この村が見たい。 わたしの家も、サイラスの家も、村いちばんの大きな樹も いつも行ってた花畑も……。
[死んでしまっているし、わたしの目も開いているけど 繋いだ手は離すつもりはないから、 自分からもう一度握り返して 外へと誘う。]
(157) kanko 2015/05/26(Tue) 18時頃
|
|
……きれい……!
[重い音をたててひらいた酒場の扉の向こう側は 空があかく染まる逢魔が時。彼岸と此岸が近づくとき。 眼前に広がった あめいろ硝子でできた世界。
わたしはあたたかな光を傍らに、秉燭夜遊へ足を踊らせ 紅差す右手の糸を、空へとかざす。
ああ、 ああ。 ]
(158) kanko 2015/05/26(Tue) 18時頃
|
………せんせ。
今日の夕焼け、すごく綺麗ね。
[ こぼれた声は 朱い空を彩る筋雲の隙間へ ]
|
[振り向けば、繋いだ手の先のひとの髪がきらきらと輝き 青いスピネルは赤色を吸い込んで、紫色に揺らめく。
髪も瞳もまっくろなわたしは ( ずるいなあ ) なんてほんのちょっぴり おもって ずいっと腕を、引き寄せます。]
サイラス、わたしよりきれいだから きらい。
………っふふふ。 ほんとだけど、うそよ。
[ くすくす。 くすくす。 エスコートの手を握ったまま くるり回って ちいさな悪魔は天使をからかいながら、踊ります。
伸びるはずの長い影は地を這わず 響くのは、楽しげな少女の笑い声。**]
(159) kanko 2015/05/26(Tue) 18時頃
|
|
―深夜―
[生ぬるい風が村中を撫でていく。
ざわり ざわり
墓地に向かう道の途中。 赤毛の男を見かけたのはそんな場所だった。]
(160) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[わたしが生きていることで
自分の投票先は無効になったこと、 手に掛けられた相手は誰か、
特に言葉を交わしたわけでもないのに それらをなんとなく悟ったようで。]
[それから降ってくるのはあの時のような 責めの言葉。
自分には理性があるそう言わんばかりに 浴びせてくるのは暴力ではなく言葉。]
(161) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[後から後からついて出る言葉の語彙は回転の速さは どちらも少女には持ち合わせていないもので。
言い返せない悔しさから 咄嗟に──
こちらへと伸びる手に噛みついた。]
(162) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
おとなは卑怯だ! 何でも知った風に言う! わたしのことなんて… 何にも知らないくせに! 何にも知らないくせに!!
[“おとな”に対する諦め。 助けてくれない“おとな” 守ってくれない“おとな” 信じてくれない“おとな”
聞かずには信じられないと言い 聞けばそんな話信じられないと言い。
全ての村の大人に対する負のイメージが そのまま目の前のドナルドへと注がれる。]
(163) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[勢いよく噛みついた腕は 幼い歯型を残しただろうか。
そのまま森の奥へ奥へと逃げ出す。
後から聞こえる声、枯れ木を折る音、葉の揺れる音。
追ってくる男は何を思っていたのだろうか。
息を切らせ、たどり着いたのは 行き止まりの崖の切っ先。]
(164) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[男の口が開く。
何かを言っているが、それがどんな意味か。 耳には入って来ず。
きっと、村に連れていって “正す”そんな内容だったろう。]
[死んでたまるか。 そう思ったのは何故だろう。
一度は死を覚悟した身。
それが今は必死に運命に 抗おうとしている。]
(165) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[じりじりと近づく相手と揉み合うも 力では押し負ける。
噛みつこうにもさっきの今で 警戒からかうまくいかない。]
[抱きかかえられて、俵担ぎされそうになって 刹那、その身を亜麻色の獣へと転じると
眼前にぬっと伸びている筋張った首筋に
勢いよく噛みついた。
場所が場所だけに、バランスを崩した男は そのまま少女ともども、崖下へと まっさかさま。
風は凪いで。 あたり一面静寂の中。*]
(166) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
─明朝─
[目を開けたら枯葉と土くれと 目を開けない男の姿。
男の身体を下敷きにするように 獣の身は男の上に横たわっていた。
上を仰げば元居たらしき崖は 頭上よりもずっとずっと高いところにあり。
自分とドナルドの身に起きたことが わかると身を翻すように人の形をとり 高らかに叫んだ。]
(167) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
ふ…ぁははっ! これでわたしのこと悪く言う奴はいなくなった! みんな…!みんなだ…!!
[無事だったことへの高揚感。 しかし後から湧くのは、サイラスを見たときと同じ感情。]
[冷めやらぬ興奮と背けたい虚無感。 ぐちゃぐちゃに掻き混じったままの頭で もの言わぬ隻眼の男を見つめる。
触れてみると 思った以上に冷たく、硬いその身体に 一瞬たじろぐも、そのままそっと 胸に触れてみる。
音のしない心臓。]
(168) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[食べてみたい。
急にそう思った。 そういえば隣の村にでた獣は人を食べたのだという。 そんな話もあったなあと随分昔の話のように 想起しながら、己もオーレリアの死に細工した時 わずかながらその肉を口にしたことを思い出す。]
どんな味だったか… 忘れちゃった。
[あの時は夢中だったもんね。 と、鳴りやまぬ動悸が今も鮮やかに残る 記憶を思い出し。]
(169) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[落ち着いた気持ちのまま、 またひとつ
食べてみたい。 と思った。]
(170) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[ ぐちゃ ぐちゃ ぼとっ ぐちゃ ぐちゃ びちゅ ぐちゃ ぐちょ ぐちゃ
あの時と同じように。 あの時より硬く、血も固まった身体に歯を立てる。 肉よりも臓器の方が幾分食べやすいか。 そんなことを考えながら、オーレリアの時の感覚を 記憶から引き出すかのように咀嚼し また一口。
気が付けば、ドナルドであった身体は、 いつかの首輪をもっていた少女と同じような状態に。]
(171) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
─川のほとり─
[キレイな川の流れに小さな手を沈めて 少し水を掬う。 口を漱いで“口直し”をすると 口を拭う。]
…よくわからなかった……。
[確かに美味しかったような気もする。 しかしオーレリアの時のような興奮と 湧き上がるナニカはなかったような気もする。]
(172) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[ここに来るまでの間どのくらい歩いたろう。 見たことのない川。村からは大分離れているのだろう。
…もう、村には戻れない。 わたしも居場所はどこにもない。 わたしの家族もどこにもいない。
わたしは独り…。
[昨日あたりから頭が痛い。 口を漱いでもひりつく喉は治らずに。
ただ、外敵がいなくなった。 その安堵から緊張の糸が 一気に緩み
そのまま記憶を手放した*]
(173) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
[後からそこで倒れていたと聞いて 意識を失ったのだと知った。]
(174) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
─その後─
「可哀想に。」
[玄関先で花を届ける人が口々にそう告げる。 それは家でささやかなおそう式を執り行う 生まれてくるはずだったわが子のための。
小さな棺には人形が一体。 まるで赤子のような大きさで。
それを見つめるわたし。 乾ききった目からは ついぞ涙は出なかった。]
[その背丈は村にいた時よりも伸びて その頭髪は村にいた時よりも伸びて。 その身体は村にいた時より丸みを帯びて より女性の身体へと。]
(175) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
─同時刻・井戸端─
「キャサリンさんだろ?身重なんだから 診療所なんて先生に任せておけばいいのに」
「でもキャサリンさんの子って、相手がわからないんだろ? 何でも相手は先生だって噂もあるっていうじゃないか。」
「いやだよ、そんな話題ばっかり食いついて」
「それにしてもねえ。流れたのはもう何人だい?」
「たしか、三人目じゃないかねえ」
「つくづく子どもに恵まれない人だよねえ」
「よっぽど記憶をなくす前の行いが悪かったのかねえ。」
「奥さんを早くに亡くした先生とチビたちも面倒見てるし 良い人そうに見えるんだけどねえ」
(176) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
|
「わからないよ、腹の中でどんなバケモノを飼ってるか」
「それこそあの何年か前に話題になった 村を襲った人狼みたいなサ」
「やめとくれよ物騒な」
「そういやさ、あの村の話題とんと聞かないねえ」
「今はどうなっているのやら」
「ま、あたいら平和でよかったやね」
(177) miduno 2015/05/26(Tue) 19時半頃
|
ね、せんせ。
[彼にだけ聞こえる声で囁く。
身体がこわばるのが重ねた肌越しに伝わる。]
[怯えている。愛おしい。]
ほしい。
柔らかい肉が。
新鮮な肉が。
[あの時のような。
無我夢中で食べた、あの時のような。]
次は“誰と”にしようかしら。
誰と作る子が
いちばん美味しいと思います?
ねぇ、せんせ?
[鈴のようにコロコロと
かつて聞いたことのあるような『笑い声』
「せんせ」と短く
かつて聞いたことのあるような『口ぶり』
今のわたしには7人の弟たち
かつて見たことのあるような『家族』
愛する父であり夫である医師
かつて会ったことのあるような『人物』]
[かつて仲間から言われた言葉
「 ──…キミのお父さんはキミを守ろうとしていただろう?
彼はキミが生きることを望んでいると僕は思うよ。
グレッグも、かなしむよ。」
「 残される彼(グレッグ)の気持ちも考えないの。
殺された彼(ルパート)の思いも考えないの。」
それらは呪いのように
『生きなくてはならない』
少女であったメアリーの胸にしこりのように
残りつづけた。まるで誰か()が後押しするかのように。
“キャサリン”と名乗るかつての少女は
その呪われた生を重ねて、今日も
妖しく溢れんばかりの美を纏って。
生きる**]
―― 回想 ――
[「見てる」とその場を離れずに居た少女に、
応も否も唱えず、「そうか」と一つ零すのみ。
シーツを借りる為立ち去るその場で、
彼女が何を思い何を口にしたかは知らない。
グレッグの事もあり彼女の思いも聞いていた。
だからこそ、見るなとも言えず、
さりとて友との決着を他に任せる気にもなれず。
サイラスの亡骸の前に戻る頃には少女の姿はなかった。
ふ、と吐息を零す。]
狩りを誰かに見せるのは
今日が最初で最後――……。
[特別なのは、彼女が最初に味方と言い出したルパートと
己の中に深い傷跡を残して逝ったグレッグが大切にした存在だから。*]
|
―夜明けの崖の下― [従妹の足取りが消えて、それを探して。 男が次に辿りついた場所は村から離れた崖下だった。
枯葉と土に塗れて倒れた2人の人狼。 そのどちらもがよく知る顔で。
1人は、もう死んでいるように見えた。 1人は、まだよくわからなかった。
死した身では触れることも叶わず、 祈るのはこのまま眠り続けてしまうのではなく、 夜が明ければ起きて欲しいという事。
それは1人に。―――…本当は、2人に。]
(178) chiz 2015/05/26(Tue) 21時半頃
|
|
[やがて目を覚ます1人…メアリーの姿に安堵して。 もう1人…ドナルドが目覚める気配はない。 確認せずとも、気付いてはいたのだ。 彼はもう、隔たれた世界の此方側にいることを。
動かぬ骸となった兄貴分の姿を、 男は目を逸らさずに見つめ続けて。
死した彼に想う気持ちは、言葉で表すのは難しい。 決して死ぬことのないと思っていたドナルドが 死んでしまった、その事に対しての少しの失望と 彼も自分と同じようにただの人であったことへの安堵。 もう従妹に手を掛ける者はいないという安心と、
それから―――…、やはり、とても、哀しいと思った。]
(179) chiz 2015/05/26(Tue) 21時半頃
|
|
[視線は逸れて、生き残った従妹へと向く。
人間の命を吸い、 父の命を吸い、 友の命を吸い、
仇の命をその手で屠って。
血の繋がらぬ従兄の命を吸い、 庇う仲間の命を吸い、
また、ひとつ。
少女の前で、少女の為に、少女の所為で。 幾つも散っては消えた同胞の命。]
(180) chiz 2015/05/26(Tue) 21時半頃
|
|
[そして今また、もう、ひとつ。 少女の所為で、死んだ村の男の骸。
>>168高らかに叫ぶ少女の姿、 滲む虚しさに思わず手招きたくなる想いは裡に隠して。 男はドナルドだった肉を口に含み食べ始める 従妹の姿に足音も無く、歩み寄る。]
(181) chiz 2015/05/26(Tue) 21時半頃
|
|
[一晩置かれた死肉から鮮やかな血が滴ることはなく、 口の周りを凝固しかけた同胞の血でべたべたにして。 手を伸ばして拭おうにも男の手はもう従妹には届かない。 そっと頬をなぞるように血にまみれた口元を指で追えば 幼い唇から零れ落ちるドナルドの赤黒い血が、 従妹のワンピースへと1滴の染みを作った。
死肉を齧るメアリーの姿は他の者からはどう映るだろう。 男は、その姿に瞳を細め―――…]
(182) chiz 2015/05/26(Tue) 21時半頃
|
|
[やはり従妹には赤が一番似合う―――…と、 人狼の元在るべき姿が其れであるかように、 兄貴分であった幼馴染の死肉を租借し続ける 赤いワンピースを着た従妹の姿に、破顔して。]
…ここ数日ろくに食べれてなかったからな…。 次、またいつ食べれるかわかんないんだから、
もっと、ゆっくり食べて大丈夫だよ。 こんなとこまで、きっと誰も探しに来ない。 それに―――…
[それが生きることへと、繋がるのだから。
憧れていた男の血肉が少女の生きる糧となる様子を、 大事にしていた従妹がその血肉を食べ尽くすまでの間、 変わらない少女の姿を、変わり果てた少女の姿を。 飽かずに、兄の貌で。傍でずっと眺めていた。*]
(183) chiz 2015/05/26(Tue) 21時半頃
|
ドナルドは、放浪の白狼伝説メアリーのその後に期待()
natuka 2015/05/26(Tue) 21時半頃
|
[そうして。 己の肉体が運ばれていく様に視線をやったことに気づいたらしい。 傍らのマーゴの仕種に苦笑し、彼女の目が本来の機能を取り戻していたのを、男はここでようやく確信した。 >>155腕の中にうずめ、こちらを見上げるマーゴに気づけば、ほんの少しだけ力のない笑みを]
……大丈夫だよ。 不思議な感じだが、まぁ。 お前さんのを見た時よりは、──よっぽどいい。
[笑みを作るよりも先に、頬に小さく口づけられ。 その感触に、ようやく微かに笑い返すことが出来た。 気を引こうとしたそれは、まさに成功というところで。
仕返しとばかりに、男もその白い頬にひとつ、キスを返した]
(184) hisetu 2015/05/26(Tue) 22時頃
|
|
ん、どうした? マーゴ。
[返せば、ふと腕の中のマーゴが挙動不審になる>>156。 白かった頬に赤みが差して、視線がちたぱたと忙しなく彷徨う。
ふと、男は自分の死ぬ前の行動に思い至る。 腕の中からマーゴが逃げ出したのは、それとほぼ同時]
ああ、悪い、悪い。
せっかく見えてんのに、こんなの晒してさ。
[腕から離れ、肩を強張らせて向けられる背中に苦笑を向けた。 そんな謝罪をしながらも、あんなふうに赤くなってしまう反応の微笑ましさを味わえた喜びなんか持ってしまうもので。
馬鹿につける薬と、死者につける薬はないな。 なんて、薬屋だからこそ理解出来る呆れと一緒に衣服を抱えた。
それを纏う前。 もういいぞなんて言いながら赤い顔を覗き込みたかったのは、内緒の話。*]
(185) hisetu 2015/05/26(Tue) 22時頃
|
|
[不安を零す声を聞いたなら、また一つ。 ふるりと首を揺らして]
何も。……何もなかったわ。
[不安を取り除くように、微笑う。
かつての同胞達が、居なくなってしまった今。 何かあるとしたならば、それは。 人狼族を怖れた人間の手によるものだろうかと。 そんな考えが頭を過ぎったけれど。 今は未だそのことは口には出さずに。
瞬く黒の瞳に、自身の瞳を重ねて、 彼の罪の告白に耳を傾ける。 彼が手を下した名を連ねれば、 震えそうになる手は彼の頬から肩へと下り、二の腕へと落ちて。 やがて、事のはじまりを知ったなら、 見つめていた瞳が、僅かに揺らぐ。]
(186) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 22時半頃
|
|
[言葉を紡ぐ彼の言葉に耳を傾ける中で、 二の腕へと落ちた手は、掌に重なって。 数多の同胞を手にかけた指先に触れ、その手を覆い、掬い上げる。
巻き込んだという彼を否定するように、首を振り]
違う。違うの、ベネット。 巻き込んだなんて、言わないで。
[再び重ねた瞳は、俄に滲んでいた。
平和を望む気持ちは確かにあった。 族長に渡した花は、教会と共にきっと形を無くしただろう。 先生に渡した花も、水が与えられないまま枯れてしまっただろう。
残った花は、貴方に託した物だけ。]
(187) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 22時半頃
|
|
[今はまだ傍にある、遠い場所にある、 近くに居る、これから遠い場所へ向かおうとする 従妹の血に塗れた姿に手を伸ばす。]
……メアリー、
[爪の切り揃えられた手は、もう届かない。]
此処にはもう…、戻らない方がいい。
[噂の槍玉に上がり続けた少女を、 無事だった村人達が快く迎え入れてくれるとも思えない。 その命が続くのであれば従妹は村にはもう戻らず 知る者のいない遠くへ逃げた方がいいだろう。]
(188) chiz 2015/05/26(Tue) 23時頃
|
|
だから―――…
…………いってらっしゃい。
[数日前、花畑へ向かう従妹に告げた同じ言葉も。
もう何も届かない。
やがて川へと向かい歩いていくメアリーの背を 村から離れることのできない男は追う事はできず、
何もできない―――… 何もできなかった男が、 最後に従妹の為にしてあげられることは何かないか、 思い浮かんだのは、ひとつだけ。]
(189) chiz 2015/05/26(Tue) 23時頃
|
|
…メアリー、生きるんだ。 ……ルパートの分も。
……俺の分も。…ずっと。
[口にするのは従妹を生へと縛り付ける言の葉。
それも届かぬままとなるか、 それとも呪詛となって彼女を蝕む言葉となるか。
遠く、独り、見えなくなっていく従妹の姿に つい望んでしまうのは、いつかの話。 ……いつか、また。 ゴミ箱に捨てられてしまった赤いルージュと 同じ色が似合う頃にその姿を見ることができれば。 成長した従妹といつかはまた再会することができればと。
叶うかもわからない願いは、裡へとしまいこんで。]
(190) chiz 2015/05/26(Tue) 23時頃
|
|
……大丈夫だよ。
[この先、どれだけその手を赤に穢しても。 醜い姿に成り果てようと、心壊れてしまっても。 男とルパートが、 メアリーのことを大事に想う気持ちは変わらない。]
(191) chiz 2015/05/26(Tue) 23時頃
|
|
…だって、俺たちは…、
[呼び方を変えれなくても、「家族なんだから。」 >>2:427メアリーに伝えるはずだった言葉は、
最後まで彼女には届かず、
男の姿と共に風の中へと消えた。**]
(192) chiz 2015/05/26(Tue) 23時半頃
|
|
─ マーゴの手を繋いでから ─
[こちらの照れくささは、どうやら悟られたらしい。 ひとつだけ洩れた、堪えきれないといった笑い>>157にそんなことを思う。
訊ねたリクエストに応えるマーゴが、もう一度と握り返す手。 それに頷くのは、彼女の手があることへの確認と、リクエストへの応。
重い音を立てる扉を二人で開いて、外へと向かう。 生きていた時に感じた、村に生きる人狼としての暗い未来から解放されて見た景色は、暫く目にすることを避けるようにしていた夕暮れの色。
それを見ることを避けていたのは、もしかしたら血の色を思い出させる色が空に広がって、心が潰されるなんて錯覚しそうだったからかもしれない。
いや、上を見る余裕なんてのがなかっただけだろうけど]
ああ、綺麗だな。 あかい空は、──綺麗だったんだな。
[マーゴが上げる感嘆>>158に、男は静かに頷いた]
(193) hisetu 2015/05/26(Tue) 23時半頃
|
|
嫌いとか言われたら、潰された筈の心臓が変に騒ぎそうだ。
[見上げていた空から、こちらを振り向いたマーゴが笑う>>159。 それに眉を寄せて、少しばかりの不機嫌を滲ませて言って。 次に男が吐き出したのは、溜息]
俺なんかより、お前さんのがうんと綺麗だぜ。 惚れた欲目だけどな。
[腕を引き寄せた、黒い髪と黒い瞳の悪魔を装う少女に、溜息と同時にこぼしてやる。
夕焼けの空のおかげで、どうせ自分の頬なんて既に赤いだろうから。 だから素面で言ったように見えるだろうと、そう願って]
夕焼けの光り浴びた黒髪だって、うんと綺麗だよ。
[空の赤を受けて艶めいた、波打つ髪と。 楽しげに笑う少女に、眩しそうに目を細めて]
(194) hisetu 2015/05/26(Tue) 23時半頃
|
|
[手を握った少女がくるりと回れば、紳士としてはいささかぎこちない仕種で、そのターンをきちんとエスコートした。
騎士なんて村の人々の中で言われていた男には、そのぎこちなさこそが似合うだろう。 騎士の手なんてものは、姫の手を取り、ダンスの相手を務めるように出来てはいないのだから。
そう出来ていない手でも。 伸ばしたいと願ったから。
だからきちんと握り。 指を絡め。
楽しげな少女の声に誘われるまま、影を失った二人は歩いていくだろう。
悪魔を装う少女の、楽しげな笑い声の赴くままに。]
(195) hisetu 2015/05/26(Tue) 23時半頃
|
|
ねえ、エル。 そのよく利くお鼻でメアリーを探せない?
[ ふわりふわりと揺れるたんぽぽの隙間 傍らでくだをまく、黒い獣の首に できたばかりの花輪を通して鼻頭を撫でる。]
ジョス、今日のお昼ごはんはなぁに?
[ バスケットに指先をひっかけて、中をのぞいて ] ねえねえ、これ。どうおもう? サイラスに似合うと思う?
[ ころり、黄色い絨毯に寝転がりながら見せたのは 太陽に重ねてかざした蒲公英とマーガレットの胸飾り。 降ってきたのは”オンナゴコロ”とズレた微妙な返事で
ああ、やっぱり。 お花摘みは女の子同士じゃなくっちゃつまらない。]
(196) kanko 2015/05/27(Wed) 00時頃
|
|
[ 来たり給え、来たり給え、創造主なる精霊よ ]
Hostem repellas longius, (視えぬ敵を遠ざけて) Pacemque dones protinus;(いま安らぎを与え給う) Ductore sic te praevio (導き手なる汝がもて) Vitemus omne pessimum.(我らを邪悪から遠ざけ給え)
[ 黄色の蒲公英が咲き乱れる花畑は どれだけ季節が巡ろうとも枯れることなく。
わたしは成長を止めた手のひらを翻しながら 幾つ目とも知れぬ花飾りを編み続ける。
うたが抜ける先は蒼穹。 風が抜ける先は渓谷。
今日は「おかあさん」のめいにちだから 祈りを唄いながら わたしは待つ。 赤いワンピースを翻して 疾風のように駆ける足音を。 いつか、あの子の花のような笑顔を「見たい」と夢見て。*]
(197) kanko 2015/05/27(Wed) 00時頃
|
|
[物語の狼に対してのクラリッサの言葉>>1:-159を思い出す。 優しい彼女に手を差し伸べて欲しいと仄かに願った己>>1:-177。 けれど実際は叶わぬものと諦めていた。 守るべき大事なものの為に、己の為にそこまでする義理はない。 そう思えばこそ声に出して彼女に伝える事はしなかった。
彼女の微笑み>>186に不安は軽くなる。 たおやかな彼女を知るたび惹かれてゆくのを感じた。 惹かれながらも一生伝える事はないと思っていた。
もし、何かあったら。 守れなかった過去が歯止めを掛けていたのに、 それを彼女は少しずつ解いてゆく。]
何もなくて良かった。 キミに何かあったら後悔してもしきれない。
[見詰める彼女の眸の揺れを感じながら 頬から肩へ、滑るように落ちる手の動きに 微かくすぐったげな音で咽喉を震わす。]
(198) helmut 2015/05/27(Wed) 00時頃
|
|
[指先に触れるクラリッサの繊手。 包み込むような動きにされるままあれど 彼女の応え>>187と眸に宿る水の気配に 僅かに困ったような表情を一瞬浮かべる。]
――…もう言わない。
優しいキミは孤独に森に彷徨う狼に、 自らの意思で手を差し伸べて呉れた。
[巻き込まぬ道もあったはずなのに、 結局巻き込んでしまったと思いながらも 童話のもしもになぞらえて 選んでくれたことへの感謝と喜びを滲ませる。
花は今も本屋で静かに咲いているだろう。 けれど今一番欲しい花が己の手にある。 包む彼女の手をそっと握るは壊れ物を扱うように。]
(199) helmut 2015/05/27(Wed) 00時頃
|
|
[攫うという言葉通り、 クラリッサの背と膝裏に手を滑らせひょいと抱き上げて]
必要なものだけ持ってこの村を出よう。 仮令追っ手が来たとしても――… 何があろうとキミを守るから。
一緒に、旅をしよう。 遠い場所を、広い世界をみてみたい。
[常より明るい口調でそんな未来を語る。**]
(200) helmut 2015/05/27(Wed) 00時頃
|
|
[――――…それから。 メアリーを見送った後村へと戻った男の姿は、 同じく村の中、"此方側"にいるであろう姿を探した。
……宿屋、 ……裏手の小屋、 ……大きな樹の下、
声は聴こえない、唄はここまで届かない。
幼い頃追いかけっこばかりしていた男が かくれんぼの得意な幼馴染を探しだすのは そう容易いことではなく。]
(201) chiz 2015/05/27(Wed) 01時頃
|
|
[それでも男は村を仰ぎ、 新たな場所へと探しに向かう。 男の予想が正しければ、 今はもう隠さず露わになっているであろう赤い瞳を。]
…ラーラ。
[かくれんぼが得意なことを知らなかった。 その瞳の色を隠す理由を知らなかった。 声を隠すその理由も知らなかった。 家に帰る彼女が、何時から独りだったのかも。
―――…何も。
今更、 知ろうとするには遅すぎているのだろうけれども。]
(202) chiz 2015/05/27(Wed) 01時頃
|
|
[探すのを諦めていた男の姿は消えかけて、 けれども留まりまた新たな場所へと足を向ける。
幼い頃、共に遊んだ遠い記憶、 少年が無理に引っ張る手を振りほどかなかった 幼馴染のあの手は偽りではなかったと思うから。]
…ラーラ。 もしも見つけることができたなら――…
…少しでいい、 少しずつでいいから… 話をしよう。
[ずっと声を殺し裡の言葉を堪え続けてきた赤い瞳。 今は見つけられず、手の届かないその姿を 見つけることができたのなら。その時は――…]
(203) chiz 2015/05/27(Wed) 01時頃
|
|
[そっと、手を差し伸べてみよう。 幼き日の、楽しかったと信じていたあの頃のように。
彼女もまた―――男にとって、 大事な存在の1人であることに、違いはないから。**]
(204) chiz 2015/05/27(Wed) 01時頃
|
|
[私を優しいという貴方に。 浮かんだ笑みは少し自嘲の意味も含めて。]
私も、狼の子よ?
彷徨う貴方を探すためなら、 森を駆けることだって出来るもの。
[流れる血は貴方と同じだと告げるように、小さく鳴いた。 赤い頭巾を被った少女は人の子。 狼の私は物語の主人公にはなれずとも、狼と共に森を往きましょう。
頬に触れる手は温かく、確かに血が通っている事を伝える。 それは誇り高き狼の血。
彼の優しさの奥に、気高きその血を見たのなら、 その血を守るため、自らの身を捧げましょう。]
(205) milkxxxx 2015/05/27(Wed) 01時頃
|
|
[想いを口にしたなら、じわりと頬を持つ熱に俯いて。 不意に持ち上がる身体に]
きゃっ……。
[小さく悲鳴を上げ、咄嗟に肩口に手を添える。 驚き、瞬いて彼を見つめたなら、 紡がれるのは未来の言葉。 ふわりと、自然、口元が綻んで笑みを作って]
――はい。 貴方となら、どこまでも一緒に。
私も、貴方を守るわ。
[今は一抹の不安を胸に隠して、彼との旅路を夢に見る。 彼との秘密を共有して、これからは二人で生きるのだと。 誓うように、彼の頬へと口付けた。**]
(206) milkxxxx 2015/05/27(Wed) 01時頃
|
|
[声が聞こえたから、足元ではなく空を見た。
空は茜色に染まっていた。 鉄錆と、焦げ臭さと、寂しさに満ちた色。
――あの色に似ている、と、思った。
それがあの石の色だったのか ルパートやレオと遊んだ日の夕方に見た空の色だったのか それとも魔女の瞳の色だったのか 判然としない。]
(207) sane 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
――……ああ、綺麗だな。
[騒動の顛末を見届けながら、言えたのはそれだけ。
空は人の心も、何もかも、
置き去りにして色を変えていくから
喉に詰まって、言葉も何も出やしなかった。]
|
[さく、さく、と草を踏み分け、歩いていく。 川辺に出るとふわりと風が舞った。 別の場所へと飛んでいく白い綿毛の数々に目を細める。 蒼い火を川に一つ落とし、流れていくのを見ていた。
別れを告げる。 かつて生まれ、育ち、そして死んだこの村のすべてに。 学者の家を一瞥し、宿屋の前で足を止める。 かつて動物たちやひとおおかみたちが 賑やかに過ごしたその場所は 今や死のにおいに満ち満ちていた。]
…………。
[……また会えたら、とも思うし、 彼には彼を待つひとがいることも知っている。 だからその時だけは 三度目の「さようなら」も、何も、言わなかった。*]
(208) sane 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
|
― それから ―
――またせた。
[紫苑の花が揺れる道。 また姿を少し変えた青年の前に、その男は現れた。
星々が咲く夜空の中、 エンジェル・ブルーは少し沈んだ青色に見えただろうか。
彼の姉の姿が見えない事には、少し口を閉ざした。 代わりに、頭を一つ撫でようと手を伸ばす。 天に瞬く蒼い星を見つめ呟いた。]
……アルカイド、か。
[それがあの星の名だったように思う。 記憶は曖昧だが。]
(209) sane 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
|
[彼から何か言われただろうか。 話もそこそこに、黄泉へ向かう旅へ一歩を踏み出す。
この旅路を照らすは燦然と照る太陽でも月でもなく 明々と輝く星明かり。 北天に煌めく七つの星の その一つ。
最早男は村の方を振り返らない。 振り返ればきっと、立ち止まってしまうから。 あの苦しくも愛しい記憶が眠る場所に 囚われてしまうから。]
(210) sane 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
|
─ とある薬屋の帰還 ─
[村にいるひとおおかみ達が過ちを正すため、疑心にまみれて殺し合ったことを、薬屋を営む中年の男は知らない。
ただ、村へと帰る道の途中。 見知った常連の、ひとおおかみの娘の姿を見た気がした。 その連れは、薬を託したが許婚を死なせた本屋の誇り高き人狼な気がして、ダン・ラウシェンバーグはひとつ、重い溜息をこぼした。
どこか幸せそうに見えたのが、気のせいでなければいいと。
そんな願いを、村に続く道の中溶かしてゆく]
(211) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
|
[そうして男が村へと戻れば、共存をしていた人狼達が全て姿を消したことを知る。
友人だった学者 先ほど見た気がした花屋の娘 無力になった力を貸した本屋の長兄 時折配達に来てくれる、宿屋の本当ではないけど確かに息子だと呼べる青年 美味い料理を振舞ってくれた宿屋の主 その娘だった天真爛漫な風の精 薬に関しては、本業の薬屋よりも村人には信頼されていた医者 その家に住まう、猫みたいな黒い狗 本当に黒い獣を連れた、男の息子の友人 赤い髪の鴉と呼ばれたひとおおかみは、時折夜中に店である自宅の扉を叩き そんな彼と幼馴染みだったと記憶している、いつしか声を聞かなくなったラズベリー色のスカートをたなびかせた娘も。]
(212) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
|
[引っ越してきて以来、明るい声を聞かせてくれた隣の盲目の少女
その彼女の明るさに手を引かれたように、口数が増えていき、妙なお節介気質まで備わった、息子として迎えたひとおおかみ。
それらを束ねる銀糸の髪を垂らす族長も。
村に住まうひとおおかみは
あの世に逝ったり、姿を晦ましたりして、だれ一匹も姿を消していた]
(213) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
|
[ 薬屋の男は、息子も眠る墓へと膝を折り、そこに眠るひとおおかみ達へと祈りを捧げていた。
そうして、気づく。
眠る墓の中、今も村にいる気がする、死した者達の魂の色の数は、なんと『白い色』が多いことかと。]
──嗚呼、そうか。 前に留まってた村での騒動なんてなけりゃ、俺の目も役に立てたかね。
息子も死なせずに、済んだだろうかな。
[ 死した者の魂の色が視える、人間の薬屋は。
人狼である息子の墓の前で、騒動の結末を一人知り。
臆病な息子とそっくりな姿で、涙したという。*]
(214) hisetu 2015/05/27(Wed) 01時半頃
|
|
─ 宿屋 ─
[───かつて村の宿屋のカウンターの片隅には、 小さな花束と花の輪が掛けられていた]
『……おとうさん、はい!』
[明るい愛娘の声が、かつて響いた。 娘の手には、笑顔と同じに咲き誇って揺れる花束。 その傍らには黒髪のおとなしい少女がひとり。 はにかむような表情で、リボンのついた花輪を差し出していた。
お礼のつもりだったのだろうか。 それとも娘に付き合わされただけだっただろうか。
うちの子になってしまうかい?と、 戯れめかして半ば冗談のように口にしてより少し後のこと。 宿屋を出るより前に贈られたその小さな花束と花の輪を、 宿屋の主人は大切に、カウンターの片隅に置き続けた──*]
(215) dia 2015/05/27(Wed) 02時頃
|
|
─ 村にて ─
[男は、じっとその姿>>154を目で追っている。 少女が歯を食い縛るように涙を零しながら、暗闇を駆けている]
メアリー、
[愛娘の名を呼ぶ声は、風の音にもならぬ。 涙に向け差し出す指は、頬を撫ぜることもなく]
( …… …してるよ。)
[夜闇を行く赤いワンピースは、一輪のアネモネのよう。 生なき密やかな気配に、闇に沈む梢がざわりと鳴った*]
(216) dia 2015/05/27(Wed) 02時頃
|
|
─ 崖にて ─
[娘が”ひと”を喰らうところを、はじめて見た。 思えば自分も妻も”ひと”を喰らったことはない。
少し可笑しなものだと思った。 結局のところ、獣の仔は獣である。 ならば娘のこの姿は、とても自然な姿だということになる]
きちんと…聞いてやれば良かった、なあ。
[小さく零す、 それは娘がはじめて血の匂いをさせて来た時のこと。 父は結局、娘が何をしたのかを聞きはしなかった]
(217) dia 2015/05/27(Wed) 02時頃
|
|
[分かっていたのは、人間の娘と族長が死んだこと。 そして娘が己以外の血の匂いを纏って帰ってきたこと、それだけだ。 彼女が実際に誰をどう、何故殺したのかを生前知ることはなかった。
知りはしなかった。 ただ、とても怯えていた娘を守ってやりたいとだけ思っていた。 彼女が何をしでかし、何を間違えたのか知ることはなかった。 知ろうともしていなかった。
───知ろうとしていたならば、或いは。 別の道、別の未来があったのかも知れないけれど]
( ……いしてる。)
[闇に幻の如く、紅い花弁が舞い落ちる>>110]
(218) dia 2015/05/27(Wed) 02時頃
|
|
[何を血に染めても構わないのだ。 誰を──我が友を殺して、この心までも血に染めようとも。
あいしてる、あいしてる。 血に染まって一層赤く広がる、赤いワンピースの花。 キャサリンの好きだった花。 毒持つその花の花言葉は、───”君を愛す”、と>>4:222]
(219) dia 2015/05/27(Wed) 02時頃
|
グレッグ、
[囁いた音が、甥に届いたかは分からない。
ぱくりと裂けた喉からは、かふりと空気が抜けたから。
構わず甥を後ろから抱きしめた。
いつか、この子を本当の息子と呼ぶ…夢を、見た。
もうずいぶんと昔の話のようだ]
…─── あ い してるよ 。
[お前を、お前たちを。
呪縛のようにずっとずっと…そう永遠に]
|
メアリー、大丈夫。…だいじょうぶ。
(傍にいるよ)
お前を愛してるよ。 私もグレッグもみんな…みぃんな。
(だからこれ以上の愛など──…あるはずが、ない)
あいして る よ───…
(幸せにおなり──…)
(220) dia 2015/05/27(Wed) 02時頃
|
|
─ 宿屋 ─
[かつて宿屋であったという小屋がある。 寂れて久しいその場所に、寄り付く村人はいない。
幽霊屋敷と呼ぶ者がある。 実際のところ、荒れ果てたその家の屋根は既に破れ、 朽ち果てた窓は崩れて傾いている。
立ち入る者とてないその小屋の奥、 かつてカウンターであったと思しき場所に枯れ草が在る。 辛うじてリボンだったかと思える布が、汚い草に絡み付いている。
───かさり。と、音がした。 床に落ちたかつての花を、風が静かに*吹き散らしていく*]
(221) dia 2015/05/27(Wed) 02時頃
|
|
─ いつか ─
マーゴットを死なせたのは僕だと…言ったらどうする?
[鳶の双眸に、興がるような光を浮かべ。 男はくるりと振り返って琥珀の瞳を見つめた。 他の表情は慎重に今も消してある。 あの時>>2:+150と同じように]
正確には止めなかった…、かな。
[琥珀に憤りの色は浮かぶだろうか。 その矛先を逸らすかのように、ついと視線を上へと外す。 思い起こすように視線は暫し宙へと向いた]
(222) dia 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
”あの子”が彼女を殺すと言って、 あの子はそれを止めはしないで──…
……、メアリーには可哀そうだったけれども。
[一度、かすかに低く声は落ち]
(223) dia 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
…………。 マーゴットに票が入るなんて、おかしいと思わなかったか?
[く。と、唇の端が上がる。 視線は再び、旧い友へと向けられた。 冷たい刃を押し当てるように、薄く微笑む]
(224) dia 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
僕が入れた。…殺したんだよ、あの娘を。 止めることなく見殺しにした。 ”出来なかった”んじゃない、”しなかった”んだ。
…そう、かつての君のようにね。
(225) dia 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[少し滲んだ自嘲の色は気付かぬ振りをして クラリッサの頬>>205を撫でる。]
それは頼もしいね。 けれどもう森を独り彷徨う事はない。 僕にはキミが居るから。
[大丈夫、と呟いて、小さな鳴き声に獣の声を重ねた。 ベネットにとって物語のヒロインはクラリッサだった。 けれどその物語の主人公は己でないと思っていたけど、 今はもうそう思うことを止めて彼女と共に歩むを決める。
誇り高き人狼の血は次代へ繋がる。 その力を振るうは特別となった彼女の為にのみ。 彼女を守る為ならその身も流れる血も惜しむことなく。]
(226) helmut 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
どのみち、マーゴットは長く生きなかっただろう。 あの状況ではとても…、ね。 だから仕方なかったとは思っているが。
(227) dia 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[抱き上げたクラリッサから小さな悲鳴が上がれば 「驚かせてごめん」と素直に謝り 此方を見つめる彼女の可憐さに口許を緩ませる。]
ありがとう、クラリッサ。 けれど守られるより守らせて欲しい。
物語でも姫を守るのは騎士の役目だろう?
[血に塗れた己が王子の役割を担えるとは思えない。 けれど彼女を守りたいがゆえに騎士と口にする。 ドナルドから預かる包みの中身をしれば よりそう意識するかもしれない。 身分違いの恋もまた悪くない、そう思うけれど 誓いのような彼女からの口付けに肩書きなど必要ないのだと思う。
これから紡ぐ物語は、本には綴られぬ二人の歩む未来。]
(228) helmut 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[村を出て暫く行けば、ひとりの旅人と擦れ違う。 見覚えのある顔は、以前世話になった薬屋の主。 ふと過ぎるは、友と思いながらも手をかけた彼の姿。]
――…手は、届いたかな。
[ぽつと呟き空を仰ぐ。 隣を歩む彼女の視線に気付けば柔らかな笑みを浮かべ]
友人のことを思い出していたんだ。
[そう言って、彼女の手を取り直し再び歩み始める。**]
(229) helmut 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
……だからね、スティーヴ、
[親しげに旧い名を呼び、男は笑みを深める]
(230) dia 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
─── おあいこさま。ということなのさ。
[笑みを零して、そっとそのまま目を*伏せた*]
(231) dia 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[ ひとり、離れ ふたり 消え 村の中に居た彼岸の影も、いつしかゆるりと数を減らす。
何処へ行くのかと聞いたこともなければ 逝ったかどうかも定かでない。 確かなのは「ここ最近見かけなくなった」という事実だけ。
わたしを村に迎えてくれた 「おとうさん」 わたしを彼岸でも迎えてくれた 「おとうさん」
あのひともまた あれっきり。]
……ルパートさん……。
[ 何泊もした部屋の壁紙は何色だったのだろうとか 皆で囲んだ食卓は、一体どんな様子だったのだろうとか 見ても見ても見足りないわたしは
思い出に、色を塗らんとさまよい歩く。]
(232) kanko 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[ カウンターの片隅に丁寧に掛けられたドライフラワー。 覚えのあるリボン>>215にわたしは目を細めて 小さな指先でそっとなぞる。
( おとうさん、よろこぶかなあ!) ( メアリーの作ったものならきっと、なんだって。) ( ねえ今度はわたしも花輪つくりたい!) ( うん、じゃあ約束。とびっきりのをつくろ!)
もう何年も前のことなのに、耳元で鳴るような声は 花の色が褪せたいまでも鮮やかに わたしのこころに響き続ける。]
かぞく、だったもん ね。
[ 少なくともわたしにとって、この場所で過ごした時間は 喪った「かぞく」を取り戻した日々。
「おとうさん」とはさすがに呼べは しないから 「父の日」にメアリーと一緒に贈った 感謝の花 *]
(233) kanko 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
─離れた村に往診へ─ [どうやらその村には医者がいないようで。 わたしが転がり込んだ家主である医者の元へ 往診の依頼が来たのは少し前の話。
その村の名前を聞いたとき わたしは同行を願い出た。 「あなたと遠く離れるのは寂しい」 そんな言葉を投げかけて。]
[病床にあるというのは、とある薬屋の主人。 なんでも数年前に息子を亡くしたのだとか。 彼はわたしを見て言った。
「宿屋のとこの嬢ちゃんによく似てる。 あの子も生きていたらあなたのように」
その先は咳で途切れたから、 わたしは言葉を返さずに済んだ。 だからわたしはこう告げる。]
(234) miduno 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
大丈夫ですよ。
[しわがれた男の手をとって、 わたしが知る最大級の安心の言葉。
いつも送ってもらった 優しい言葉。]
[医者に断り先に外に出ると 村にふわり、優しい風が走る。 身体を撫でるような 包むような。
柔らかくて暖かくて。 この感覚は幼い時に受けたことがある。
そう、──愛。]
(235) miduno 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
ただいま。 ……大丈夫、元気にしてるよ。
[誰に、というわけでもないけれど 何となくそう呟きたくなって ぽつりと言葉に遺すと
懐かしい記憶を頼りに宿屋の方へと歩みを進める。
家と呼ぶには老朽化が進んでいて、見る影もない その残骸にはうっすらとかつての面影が残る。
床に散った枯草の上に 日光と雨に晒されて色あせたリボンが ひとつ。]
……お父さん。 マーゴ…。
(236) miduno 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[呟く声は風に消えただろう。しばらくして 医者が遠くの方から呼ぶ声がした。 診察が終わったのだろうか。]
お兄ちゃんも、またね。
[家族に村に別れを告げる。 大丈夫、わたしには この身に受けた愛がある。 思い出がある。
それだけで、この先も ずうっと]
生きていける。
(237) miduno 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
― 小路にて ―
…… 遅かったじゃあないか。 待ちくたびれたよ。
[ゆらり ゆらゆら。
紫苑が揺れる道で。 流れないはずの滴が、
クリアカラーが 一筋。 頬に纏わりつくのをごし と拭って。]
[夜に融ける色彩で くるり 、 降り向いた。 ] [ 頭を撫でられれば、…無言で。 天幕を 帳に躍る星々をながめ。 ]
(238) 雨京 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[ ――― 中央にかがやく、 指標の星と。
それを示す 死を司る娘たちの柄杓を。 >>209瞳とおなじいろの星の名を
(ぼくらの名を)
呼ぶ、ひくい声に 、
静寂が うなずく。 ]
…… ――― ぼくらの、星だ。
(239) 雨京 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
… カイド・バナト・アル・ナアシュ。 ――― ベネトナシュ。
[ ちいさく、『アルカイド』でない 異国の名を つぶやいて。
それ以上はなにも言わず、 とてり と 、 踏み出した。
黄泉へ。 北天の 死者たちの棺の、目印へ。 ―― 案内するよう、 先頭をあるこうとして振り向く。 ]
(240) 雨京 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[薬屋の男は、時折隣の家を眺めていた。
喪失を抱えながらも、家主のいない家を見つめていると、不思議と心が、ほんの少しばかり軽くなる気がしていた。
その理由は、なんとなく理解しているが]
たまぁに、夢枕にでも出てきてくれりゃあいいのになぁ。
[臆病な所のある息子が、隣の家に住む少女に心を傾けていたのを知っているから。
もし己が感じる気配が、死した魂達の幸福であれば。
男が知る、彼の大切な者の物語の結末は、結構救いのある*物語だ。*]
(241) hisetu 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
|
[ 村ではない。
影を 、 否 琥珀色を。
見つめて ふ、 と、 潤いを帯びる破軍星のいろを 綻ばせて わらう。 ]
( かなしいときほど、わらおう。 )
[ 透き通る あしおとは、ひびかない。 ]
(242) 雨京 2015/05/27(Wed) 03時頃
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る