145 来る年への道標
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墓
少
霊
全
エフに1人が投票した。
ポーラに2人が投票した。
ポーラは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
村人達は自らの過ちに気付いた。
人狼達は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。
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/* ひゃー、おつかれさまでした! もうちょっと寝ないでいられたらよかったんだけど!! これから出かけつつログ読んできま〜す。
あ、kitchenさんはじめましてどうも。噂・・・?!
エフ中の人は完全に予想通りだなやっぱ・・・・・w他全然わからんかったけど。
(0) hull 2015/01/12(Mon) 08時半頃
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/* クオデイ・オカヨフ=オイデヨフクオカ
お疲れ様でした! そして途中退場まことに申し訳ありませんでした…。 灰ログの使い方もよく分からずにあんなことに。
中の人はとぴさんとはるさん逆に予想してました。
アンタレスとシルクの共有ログ可愛すぎた。
(1) mirry1p 2015/01/12(Mon) 09時頃
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シルクは、アシモフの頭を撫でた。
kitchen 2015/01/13(Tue) 20時頃
シルクは、チェビイに「ごっくろさん」と林檎ジュースを差し出した。
kitchen 2015/01/13(Tue) 23時半頃
[...は、夢の中の寝返りで、星間詩人《ポエティック・インタ−ステラ−》アンタレスを18(0..100)x1回蹴り飛ばした。]
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[ふねのなかで、 おじさんにあって、 おにいさんにあって、 ねずみさんをみて、 えんそうをきいて、 ながれぼしをみて、
長い、長い、 船旅。
おかあさんは、 元気かなあ。 妹は、 元気かなあ。
男の子が、この船に乗った星で、 見送ってくれた二人の姿を、 思い出して、 男の子は、 少しだけ、うつむいた。]
(2) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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― 『スラグ・ライム』 ―
[ガチャガチャ。 大きな荷物を手に持って、 男の子は船から降りる。
一度だけふりかえったけど、 てくてくと歩きだした。]
(3) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[男の子が星におりると、 視界が曇る。
くうきがわるいんだ。
男の子は、 すこしだけ下を向いた。 立ち止まっていたら、 船着き場のおじさんが、 心配そうにしてくれたので、 大丈夫です。と答えて、 ぺこりとまたおじぎする。
がつん、 小さな鉄のカバンから、 小さな紙をいちまい。
地図だ。 それを見ながら、 男の子は、また歩きだす。]
(4) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[ざっ ざっ ざっ がっ うぃー がしゃっ ごしゅんごしゅんごしゅん]
(5) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[星ではたくさんの大きな音が、 休むひまもなく、つづいてる。
がしゅん ごしゅん ふしゅーっ
ふねでの演奏会を思い出すと、 すこし音をくらべてみた。]
(6) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[やっぱりぜんぜん、 ちがうおと。]
(7) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[男の子は歩く、歩く。 いろんなものが見える。
鉱山に、 さびついた宇宙服を着た、 たくさんのおじさんに、 運ばれていく鉱石に、 よく解らないいきものに、 見た事のないいきもの、 それと、]
[すごい、おおきな機械だ!]
(8) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[地図には、あれが目印だって 書いてあるみたい。
おおきな機械の近くに行って、]
すみません
[声をかけたけど、
がしゅん がしゃん ふしゅーっ
機械の音が大きすぎて、 男の子の声はきこえない。]
(9) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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すみません !
[もう一度、 今度はもっと、大きな声で。
すると、奥から、 見た事もない生き物が、 ひゅっと顔を出した。]
「×◎。~∻★??」
???
[生き物じゃ、ないかも。 機械みたいな、声してる。
男の子と、 その生き物?は、 お互いにふしぎそう。]
(10) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[ぬっ]
(11) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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うわっ !?
[その次に出てきたのは、 おおきなおおきなおじいさん。
男の子は、 おどろいて、 ポカーンと、 おじいさんをみつめてる。]
「何か、ようかい」
[おじいさんは、 ジロっと男の子をにらんだから、 男の子はあわてて、 がさごそと鞄の中から、 一通の手紙をだして、 おじいさんへさしだした。]
(12) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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あっ あの えっと、その、こ、これ
[おじいさんは、 その手紙を受け取ると、 ジロっとした視線のまま、 ジロジロと手紙を読んで、]
「ああ、なんだ、お前、 新しい働き手か」
[おじいさんの言葉に、 男の子はこくこくと頷いた。]
(13) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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「お前のお父さんもな、 ここでそりゃあ、 すばらしく、 りっぱに、 それはもう、 すごく、 よく、 働いてくれたもんだ」
(14) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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・・・・・ 「あんなことに、 ならなきゃあなあ…」
(15) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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「お前のそれ、 お父さんの、おさがりかい
よくにあってるぞ」
[おじいさんは、 そういって、 男の子の頭を、ぽんぽん。]
あ、ありがとう あの
(16) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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これから、 よろしく、 おねがいします
[男の子は、 そういって、 ぺこりとお辞儀。
見た事もない生き物が、 また何かを喋ってる。 もしかして、 よろしくっていってるのかな。]
よろしくね…?
[男の子がそう話しかけると、 見た事もない生き物は、 首のような場所を、 こくこくと縦にふった。
やっぱり、 よろしくっていってたみたい。]
(17) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[こうして男の子の、 新しい生活がはじまる。
大きな機械がある、 ふしぎな生き物と、 おじいさんが住む、 鉱山のふもとのおうち。
使っていいよと言われた部屋の、 本棚の中に、 そっとしまわれたのは、 おじさんにもらった本。
おにいさんに教えて貰った、 おじさんのはなし。]
(18) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[いつかいけるといいなあ。 男の子は、そう思いながら、
ぎっ ぎっ
*宇宙服の、バルブをまわす。*]
(19) taru 2015/01/14(Wed) 02時半頃
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[星先案内人の声とはべつの、 ウマヒツジ15号からの、アナウンスが聞こえました。
―― まもなく ブルー・ダイヤモンド です 。
船内のあちこちに、到着までの時間が ポンというあかるい電子音とともに表示されました。
空っぽになった液状食糧はもうダストボックスの中です。 エフが睨んでいたモニタや、通信端末も机の上にはありません。 体温をわずかに残した椅子も、いまは机のそば、 次のお客さんを待っています。
エフは、ポーラやアイライトに 「ありがとう」とお礼を述べてから 客室に戻ってきていました。]
(20) gekonra 2015/01/14(Wed) 04時半頃
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[もう、相部屋をしていた乗客もおりません。>>5:-3 ソファをみると、寝坊をしかけたナユタを起こした時の、 少し焦ってみえた表情をついつい思い起こして >>5:-20 誰が見るわけでもないのですが、口元に手をやって、 こっそり、短く、と思い出し笑いをしてしまいます。
彼とは、互い寝る間も惜しんで暮らしていた者同士でした。 聞いた所、仕事が忙しいらしいのですが、 それで捻くれた人柄になるでもなく 爽やかな好青年という印象をうけました。]
(21) gekonra 2015/01/14(Wed) 04時半頃
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[ナユタに「無事に星に辿り着けるといい」と言って貰った際 エフも「何とかする」と頷いたのですが、 それは、安心を与えるためでもなんでもなく、 ほとんど自分を鼓舞するためのものでした。
何とかしなければなりません。 乗り継ぎはかなり慌ただしいものになりそうです。
エフは、部屋に残したものを全て片付けます。
別れ際、ふたりとも音楽にいまいち疎いとわかったことを なんとなく思い出しながら客室を出て、 ナユタの透明な足あとに続くように エントランス方向へ、歩みをすすめます。]
(22) gekonra 2015/01/14(Wed) 04時半頃
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[到着までには、まだ時間がありそうです。 エフは年代物の……いいえ、この手の年代物にしては 妙にまだ新しい腕時計に、癖で視線をやりました。 時間まで……と考えて、廊下の途中の椅子に腰掛けます。 それは、シルクと並んで話した椅子でした。>>2:68]
(23) gekonra 2015/01/14(Wed) 05時頃
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[嵐で航路が変わり、ブルー・フォレストには それなりに早く到着したはずです。 シルクのお爺さんは、シルクがあれほど嬉しそうに話した 他所の星にも自慢したいほどのお祭「ラシーヌ・ポール」の いっとう輝くお星様のような人だと話していました。 病院に直行できていればいいのですが……
エフは、その事で、つい、昔の仲間の一生を連想します。 あまりにも昔のことすぎて、仲間の死亡記録は 幾人か「死んだ」とだけ発見出来た、それのみでした。
「一体どういう一生を辿ったのだろう。」
それはできれば、考えたくないことの一つでした。 けれど、大切な人達だったので、つい考えてしまいます。 そうして同時に、 自分はそれを放り出して此処にあるのだと考えてしまうたび、 心臓がぎゅうぎゅうと押し潰されそうな心地がしていました。]
(24) gekonra 2015/01/14(Wed) 05時半頃
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[シルクとの『また』『いつか』は、 あれば、エフにとっては何度目にもなる失敗です。 なければ、それは人の百年に満たない寿命では 決して足りるものではありません。
端末から、ラシーヌ・ポールを調べて、 映像を眺めます。
彼女がブルー・フォレストで降りる前、 客室へ挨拶にきてくれた様子を思います。 その時には、お別れの言葉を返しています。 『また』ではなく、
『へばな』と。へたくそなシルクの星の言葉で。]
(25) gekonra 2015/01/14(Wed) 05時半頃
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[さあ、もうじき、ブルー・ダイヤモンドです。 小窓から宇宙をみると、流れ星がみえました。>>0:13]
(26) gekonra 2015/01/14(Wed) 05時半頃
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[ブルー・ダイヤモンドに到着すると、 ポーラとの挨拶もそこそこに 荷物を押さえて、次の船へと急ぎました。
宇宙港では、流行曲が流れています。 それを作曲したのが、ワクラバであるという事を エフは、他のだれしもと同様に知りません。>>2:22]
(27) gekonra 2015/01/14(Wed) 05時半頃
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[エフが、アースまでの乗り換えに選んだ船は ある貨物船でした。 通常人を乗せるための船ではありませんでしたが、 アースの大晦日までに到着できそうな船には 限りがありましたから、試しに無理をいってみたのです。
荷物と一緒に乗り込むための金額と、 乗っている間は働き手として振る舞うことを条件に、 同乗を認めて貰いました。]
(28) gekonra 2015/01/14(Wed) 05時半頃
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― アース ― [そこは、なまぬるい水の星でした。 到着しても、安心などは、出来ません。 今度は目的の地下鉄駅まで行く必要がありました。
時間を気にして早歩きで次の乗り物へ急ぐエフの視界にも この星出身の赤髪のレーサーが 大きなモニタに映しだされているのが見えてはいましたが、 今それを気にする余裕はありません。>>0:4]
(29) gekonra 2015/01/14(Wed) 05時半頃
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[思えば、奇妙な旅でした。
偶然、相部屋になってしまった事もそう。
おおきな磁場嵐。
それで船を下りそこね
あるひとの、ふるさとの星のおわりを知りました。
神様のための鈴の音……
あんな音をきいたのも はじめてのことでした。]
(30) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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[エフが到着したその日。
アースは、今年最後の一日を迎えていました。]
(31) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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(――間に合え、間に合え)
[エフは、目的の駅に急ぐまでの間 殆ど祈るような気持ちでいました。
その祈りは――]
(32) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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― 大晦日 23時54分 ―
[――きっと、届いたのでしょう。]
(33) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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[暗いホームです。 もう、この路線は使われていないのかもしれません。 そこには、誰もいませんでした。
階段を駆け降りる足音が聞こえます。 最後の数段飛び越えて、コンクリに着地する靴の音。 荒い息。
エフは、白い息を吐き 走って痛む肺を押さえ、むせながら、 たまらず膝に手をつき、背を丸めました。]
(34) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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[息が整うのを、まちます。
からからに乾いた口のなか、 無理やりつばを飲み込んだため、 喉がなりました。
そんな、ちいさな音が聞こえるほど 地下鉄のホームは静まり返っていたのです。
エフは丸めていた背を正して ホームの中程まで、進みました。
錆びたレールは黙りこくって ぴとん、ぴとん、と、どこからか 水の音がしています。]
(35) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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[がらんと広がった沈黙を耳で聞きながら 思い浮かべるのは、今年乗った奇妙な船旅のこと。 ……それから、昔のことです。
――狭いアパートの一室。 蒸し暑い部屋。 閉めきったカーテン。 扇風機の音。 狭い部屋で頭を寄せ合った仲間たち。
そして、かつての地下鉄の駅。]
(36) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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―――……
[息が整うと、眼鏡の位置を正して、 コートの内側から、シガレットケースを取り出しました。 エフはタバコを咥えると、 硝子の管にシアン色の灯りを灯しました。
ホームの両側には くらい、くらいトンネルが、 深い闇をたたえて、じっとしています。]
(37) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時頃
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[エフはその場で、待ちました。
到着は、ぎりぎりだったはずなのに こうしてホームに立ってみると、 そこに流れる時間は、 一秒一秒が息がつまるほど、長いのです。
今年もだめか。
そう、胸のうちで呟いてから、エフは、 腕時計を見下ろしました。]
……――
(38) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時半頃
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[エフは、違和感の後、目を、おおきくしました。
―― 秒針が、止まっていることに、気づいたのです。
片手を、ポケットに、入れました。 ポケットのなかには
古びた 切符。]
(39) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時半頃
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[ ぷ あ ん 。
トンネルのむこうから 聞こえた音に、エフは顔を向けました。
向こう側から近づいてきた光
それは、
あの 白橙色 の ―― …… ]
― おしまい ―
(40) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時半頃
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― エピローグ ―
[ウマヒツジ15号の船長はイワノフと言いました。 彼は、操舵室で、タバコにシアン色の灯りをともし ふうと煙をはきました。
りっぱなヒゲをさすりながら 今回の航海の最後の星を、眺めます。
彼は感慨深げに煙を吐くと ぼろぼろに歪み、色あせ古びたシガレットケースを 内ポケットから取り出しました。]
(41) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時半頃
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[その昔。
「地下鉄道」という秘密結社がありました。 今現在では「地下軌道」と名を変えています。
このシガレットケースは 大昔の「車掌」のひとりが残したもので 古い時代から、今現在まで 『地球で、降りられず困っている客がいても きっと降ろしてくれるな』 そんな、よくわからない言葉とともに、 お守り代わりとして、車掌から車掌へ 脈々と受け継がれてきたものです。]
(42) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時半頃
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[イワノフは、シガレットケースを開きます。 ひどく経年しているのですが、 不思議なことに、作りそのものは、 イワノフが普段使っているたばこと変わりない品でした。
その奇妙な品をケースから試しに取り出すと、 トリンクルという星に到着するまで、 彼はしげしげと古びた硝子管を眺めていました。**]
(43) gekonra 2015/01/14(Wed) 07時半頃
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―エピローグ― {Lll...ll..tilil...}
[光り輝く女は、同じように光り輝く人々の大勢歩く港に降りました。 人々はたくさんいるのに賑わってはおらず、 まるで閑散としているような静けさを感じます。 こんなにも港は明るいのに、暗さが人の中に充満しているのです。
港の外に出れば、空は真っ暗でした。時刻はまだ昼間です。 尖ったように細く高い山が見渡す限りそびえていたはずで、 この港を含めてそれらの頂上にある建物が闇を照らしているばかりでした。 過去にいつも鳴り響いていた強い風も、音を立てず頬を撫でるくらいです。
かつてはこうではありませんでした。 女が生まれるずっと前、人が人になるよりも前。 この星は自分の力で、地中から地表を照らしていました。 女が生まれたころにはその光はとっくに力なく薄れていて、 それから急激に、地表に届くものは完全に無くなっていったのです。]
(44) hull 2015/01/14(Wed) 19時頃
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[人々は光を求めました。人々は終わりを受け入れました。 そうして女はコンサートに向かいます。 『終わり際の光』を集めた楽器を持って。
今回の旅もその『終わり』を集める旅でしたし、 彼女は自分たちの演奏が哀しさを湛えたものであることが決して好きではありませんでした。 ですが、コンサートの舞台袖で今回の、帰りの船のことを考えていると……。]
(45) hull 2015/01/14(Wed) 19時頃
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(トリンクルの音は たとえ哀しくとも 外に広がっていける)
(それが終わりの光だとしても そこからまた始まっていける)
[そう思えました。 乗客たちとそんなに多く話したわけではありません。 親しく彼らのことを知ったわけでもありません。 それでも、
作曲家の拍手。 小さな男の子の笑顔。 星先案内人からのお礼。 黒髪の男の、問いかけ。
それらは、アイライトにきっと、 これから生きる力を与えてくれたのでしょう。]
(46) hull 2015/01/14(Wed) 19時頃
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(『ナユタ』に話したいわ……こんな気持ちになれたこと)
[同じ舞台袖にいる、皆同じような厳めしい表情をしたトリンクルの男達を眺めてそう思います。 彼らと楽しくおしゃべりなんてできませんから。]
(彼はわたしの事情なんて 知らないままで行ってしまったけれど)
[慌ただしく下船する青年の姿を思い返します。 ほんの少し、目を合わせて彼は言いました。 「またどこかで」。 そんな頼りない言葉なのに、アイライトの顔には微笑みが浮かんでいました。]
(そうね……いつになってもいいわ。 どうせ夢見る女の子でもないんですもの。)
(いつかまたどこかで会えたら…… それだけできっと楽しいおしゃべりができるわ)
(ふふ……)
(47) hull 2015/01/14(Wed) 19時頃
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[今から舞台に出て輝く彼女は、 その演奏を終え、星の輝きを終わらせても、
『またどこかで』 光を奏でていくのでした。]
{Tit..titl..twinkle...trinkl...}
(48) hull 2015/01/14(Wed) 19時頃
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[彼の星には、海がなかった]
これが、本来の「海」か。
[ぬるい水が覆う星、アースを眺める]
(49) marimo 2015/01/15(Thu) 00時頃
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|
[テラフォーミングされたその星には水は貴重であり、海を作る余裕などなかった]
最初に疑問を抱いたのはいつだったかな。
[星の海、と。じいさんが言っていたのが最初だった気がする]
(50) marimo 2015/01/15(Thu) 00時頃
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[星の海こそが、自分の知る海だった。ヨットと言えば宇宙ヨットだ]
皮肉な事だ。この海を守るために、宇宙船は大昔の機体以外、この星に降下する事もできない。
[条約や法律でがんじがらめになりすぎて、宇宙で発達したテクノロジーを降ろせないままとも聞く]
(51) marimo 2015/01/15(Thu) 00時半頃
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[けれど、それでよかったのだろう]
出発しようか。
[水の大海原を、真っ赤なヨットが進み始めました]
(52) marimo 2015/01/15(Thu) 00時半頃
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|
これが……こんなにもゆっくりと進むものだったのか。
[宇宙ヨットの千分の一以下の速度で]
ああ、それでも――。光と水と風がある。 わずか数十センチの緩やかな揺れが、こんなにも邪魔になるものとは。
[ははは]
(53) marimo 2015/01/15(Thu) 00時半頃
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|
これが、航海か――。
[楽しもう、この星の一巡りを]
*Bon voyagE* !
(54) marimo 2015/01/15(Thu) 00時半頃
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[ラウンジで交わされた言葉を、ポーラは傍らで聞いていました。 エフの声は、どこか切ない祈りのようにポーラの耳に響きます。 かつて諦めたもの。 諦めきれなかったもの。 心の奥に残り続けた欠片たちが、彼の声に響きます。
窓の外の星を眺めながら、その祈りが叶うといいと思いました。 何だかその気持ちは、アイライトの音楽を聴いたときの気持ちに不思議と良く似ていました。 彼女の音楽もまた、祈りのように耳に響いたのかも知れませんでした]
(55) dia 2015/01/15(Thu) 03時半頃
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[ポーラの故郷、ブルー・ダイアモンドはガスに閉ざされている星です。 嵐が止んで船がつけるのは1年に10日ばかりのことですから、その短い間にはそれはもう多くの船がやって来て賑わうのです。エフが見つけた乗り継ぎも、きっとそんな船のうちのひとつかと思われました。
ポーラは、そんな閉ざされた環境が嫌でした。 ガスの向こうのガラスドームの居住区で一生過ごすなんてごめんだとばかり、故郷を飛び出したのはもう何年も前のこと。 以来、故郷に帰ったことはありません。
仕事を求めた先は小さな星間旅行会社でしたから、年末年始は忙しかったということもあります。ブルー・ダイヤモンドの気候はそりゃあ帰るとなれば厄介な条件です。 けれど何より、家出同然に故郷を飛び出したポーラは、どんな顔をして帰ったらいいのかが分からなかったのです。ついおとついまで、そうでした。 故郷行きの船に乗ってはみたものの、ふんぎりのつかないような気持ちのままでいました]
(56) dia 2015/01/15(Thu) 03時半頃
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|
[けれど。この船に乗って、ワクラバと言葉を交わしてアイライトの演奏を聴き、ポーラの心は少し変化したようでした。 ちょうどそこのエフが同じように少し、変わったように。
故郷へと帰りましょう。 そして、そこから再び道を歩き始めましょう。 やれるはずです。 あの日の、アイライトの手から零れた星が今も心の中に輝いていて、淡くポーラの星先を照らしてくれているのですから]
(57) dia 2015/01/15(Thu) 03時半頃
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ええ、構いませんわ。
[星の案内が聞きたい、と。 エフの願い>>5:27に、ポーラは快く応じました。 指先に、まあるい星図がくるりと光ってまわります]
あちらに見えるのは、ナーウチ星系第二惑星の…
[かろやかに、ポーラの声がラウンジに響きました。 過ぎ行く星を語り、眺めて。 星を語る声は、そうして暫くの間止まることがありませんでした。 いつしかポーラの目はきらきらと輝いていました。 ポーラは、この仕事がほんとうに大好きなのです。 何故だかそんなことも少しの間忘れていたようでした。 忘れていたことも、思い出したこともすぐに気付くことはありませんでしたけれども]
(58) dia 2015/01/15(Thu) 03時半頃
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間もなくブルー・ダイヤモンド到着です、
[船の案内もありましたが、ポーラは軽やかに告げます。 にこりと微笑を、エフとアイライトへと向けました]
お聞き頂きまして、ありがとうございました。
(59) dia 2015/01/15(Thu) 03時半頃
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──── どうぞ皆さま、これからも良い旅を!
[頭を下げたポーラの頬に、青みがかった光がぱっと差しました。 船の外には、青いガスが光を放って燃えています。 ポーラの故郷へと船が滑り込んだ合図*でした*]
(60) dia 2015/01/15(Thu) 03時半頃
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