171 獣[せんせい]と少女
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― 外の世界へ ―
[お祭りをめいっぱい楽しんだあと。 先生とこれから先のお話に>>3:284 わたしは蒼い目を丸くして輝かせた。]
わたし、色んなところに行ってみたい!
[先生のお話に出てきた場所へ。まだ知らない場所へ。 がっこうの物見小屋で聞いてたお話だけじゃ、 お祭りの合間に聞いたお話だけじゃ、足りなくて。
先生の記憶にある場所を見たがったわたしが、 最初に訪れたのは、小さな村。
それは、これから寒い冬が訪れるってことも 考えてくれてたんだって今ならわかる。]
(240) SUZU 2015/10/20(Tue) 02時頃
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[それでも、がっこうを出てからはじめての冬。 わたしははしゃぎすぎて熱を出して寝込んでしまった。
喉が頭が痛くて苦しくて、苦しくて、 先生の仏頂面がずっと続いているのに笑顔になれなくて。 だから、おねがいしたんだ。]
……せんせい、わたしを治してほしいんだ。
(241) SUZU 2015/10/20(Tue) 02時頃
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わたしは、あの子のようにならないから。 [──いつかの山雀のようになったりしないから。]
ぜんぶを、すぐに治してしまわくてもいいから。 [──せんせいの傍にいる間、笑ってられるくらい。]
せんせいもできるよ……ね? [──だって、せんせいも優しいから。]
(242) SUZU 2015/10/20(Tue) 02時頃
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[ベッドに寝たまま傍らの先生に小さな手を伸ばす。 骨ばった大きな掌に重ねるようにぎゅうと握って、 "おねがい"を。
お祭りの日に、橋の真ん中で>>24 優しい紺色の目で教えてくれたこと。
そしてわたしは元気になったら先生に笑顔で言うんだ。]
せんせい、ありがとう!
[先生に治してもらえて嬉しいって。 先生が治してくれたから笑顔でいられるんだって。 ────先生を恨むようなことは、ないんだって。
わたしが、望んだことなんだって。 何度だって、伝えよう。]*
(243) SUZU 2015/10/20(Tue) 02時頃
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― 春告げ鳥の鳴く頃に ―
[冬が終われば、春がやってくる。 雪が解ける頃には元気なわたしは、 今度は森の泉のほとりに居た。
頭上を、餌を探す親鳥が忙しなく飛び回る。 ここに連れてきてくれるまで獣の姿だったけど、 傍らの先生は今はどっちの姿だっただろう。]
──…エフ! 見て、小さいとりさんが巣にいるよ!
(358) SUZU 2015/10/21(Wed) 01時半頃
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あっねえ、あっちに咲いてる花きれい! なんていうのかなぁ。
あ、この花知ってる。 レンゲって、蜂蜜とれるんだよね。
[わたしの中で先生と従者の区切りはよくわからないまま。 だけど、この呼び方をするようになったのは わたしが先生って呼ぶたびに、 旅先で会った人に不思議な顔をされちゃうせいだ。
"ゆうかいはん"みたいなんだって。 仏頂面のまま困った顔してる先生を見てるのも面白いけど わたしが変えることにしたんだ。]
(359) SUZU 2015/10/21(Wed) 01時半頃
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[ほんとは、ちょっとだけ。 ずっと名前で呼びたかったっていうのもあるから。 変えるきっかけが、嬉しかったり。 まだちょっと慣れないのと。 呼ぶたびにくすぐったい気持ちになるんだけど。]
せ……エフ。どうしたの? わたしの顔、何かついてる?
[表情が変わった先生に、首を傾げた。>>3:285 わたしが失敗して焦がした不味い料理を食べた時みたいな そんな顔をしてる。
目を丸くして、瞬きを数回。 わたしは、気になって泉の水を覗きこんだ。]
(360) SUZU 2015/10/21(Wed) 01時半頃
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[澄んだ水の奥で、小魚が泳いでるのが見える。 水面に照り返して、きらきら、きらきら。 そこに映ったわたしの顔と目があった。
そして、わたしは気づいてしまった。
見つめ返してくる蒼の色が、 先生が好きだって言ってくれた瞳の色が、 がっこうを出た時より、くすんでいることに。]
(361) SUZU 2015/10/21(Wed) 01時半頃
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[水面を見つめたまま、顔を上げられない。
わたしの命は、もう半分を越している。 昼を過ぎた空は、夜に向かって沈んでいくばかり。
だんだん、だんだん。 終わりの夜になるまで、あと─── どれくらい?]
(362) SUZU 2015/10/21(Wed) 01時半頃
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[ ───ぱしゃん。
水面で小魚が跳ねて、波紋が広がる。 一瞬映った瞳の色も、ゆらゆら揺れる水面に消えた。]*
(363) SUZU 2015/10/21(Wed) 01時半頃
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― わたしのおまじない ―
[いくつかの季節が廻ったころ。
わたしは先生の力をだんだん制御できるようになってきて 今ではわたしも わたしの"おまじない"を使えるようになったんだ。]
(413) SUZU 2015/10/21(Wed) 21時頃
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[そして今日もわたしは元気に、 ばーんっと勢いよく扉を開けて声をあげる。]
ただいま、エフ! あのね今日ねおばさんに果物もらったの! いっぱいあるからジャムにしてもおいしいかなぁ。
[立ち寄った村の小さな家が、今の住処。 両腕に抱えた布に包まれているのは、色とりどりの果物。 よいしょとテーブルに乗せれば 苺をひとつぶつまんで、口に放り込んだ。けど。]
………すっぱい。
[熟していない味に、たまらず目をぎゅうと瞑った。]
(414) SUZU 2015/10/21(Wed) 21時頃
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[こういうときに決まって使うのは、 わたしの"おまじない"。
先生がいつもやってくれた仕草を真似て まだ熟すのに足りない果物をさするように撫でながら、 「おいしくなあれ」って魔法の呪文を唱えるんだ。
先生の力には、成長させる力もあるんだって知ってから すっぱかったり苦かったりする果物を見てて おいしくできないかなって始めたこと。
最初は力の制御がうまくできなくて、 ぽんっと種から芽がでてきちゃったりもしたけど。]
(415) SUZU 2015/10/21(Wed) 21時頃
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イチゴさんイチゴさん、おいしくなあれー!
はい、これエフの分ね。 おいしい?
[魔法の呪文を唱えて撫ぜた苺を、先生の口に押し込んだ。 うまくできたかな。 おいしいって言ってくれるかな。
先生が笑ってくれたなら、 わたしもつられて笑顔になれる。 わたしのそんな、"おまじない"。]*
(416) SUZU 2015/10/21(Wed) 21時頃
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― さいごのおねがい ―
[最後に立ち寄った村を出てから、 もうどれくらい森で過ごしてるだろう。
わたしが森に行きたいって言い出したせいだ。 だって、家にいると鏡をのぞきこんでしまう。 鏡の中のわたしを見るたびに、 もう先生が好きだった色がないことを知ってしまうから。
森だったら鏡はない。 泉や川で顔を洗う時は、目をつぶればいい。 でもそんなことをしたって、 わたしを見つめる先生には隠すことなんてできないこと 残された時間が長くなんてならないってこと 少女のわたしは、知っている。
そういうものだって思ってたし、わかってるけど。 先生が好きだって言ってくれた色が 無くなってしまうのを、わたしは見たくなかったんだ。]
(467) SUZU 2015/10/21(Wed) 23時頃
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[もうすぐ、がっこうから旅立ってから。 5度目の誕生日が、やってくる。]
───わたし、お祭りに行きたい。
[森の木々の葉をざわめかせる風に、 背中まで伸びた小麦色がふわりと揺れた。
傍らの真っ白な毛並みを細い指で撫ぜて頬ずりする。 揺れるたてがみが鼻先をくすぐってくすくす笑いながら わたしは先生に我儘を言った。
たぶん、これで最後になる我儘を。]
(468) SUZU 2015/10/21(Wed) 23時頃
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[今では甘えたい時だけになった、 がっこうに居た頃の呼び方で。]
そしてね……ゆびきりの約束、叶えに行こうよ。
[白馬の首筋に腕を回して、ぎゅうと抱きつく。
今日の我儘はとくべつだから。 頷いてくれるまで、わたしは"おねがい"する。]
(469) SUZU 2015/10/21(Wed) 23時頃
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[いつかの、ゆびきりの約束。>>22 お酒が苦くなくなるくらい大人って、どれくらいだろう。
あれからわたしはまた背も伸びたけど、 きっと大人って言えるには、ちょっとだけ足りない。 背丈も、時間も、何もかも。
でも、わたしの"おしまい"はもうすぐだって。 少女のわたしは知っているから。
ほんの少しだけ成長を早めて、 わたしを、先生の隣で並んで歩けるわたしに。 大人の味を一緒に飲める、わたしに。
おしまいを迎える前の少しの間だけでもなってみたくて わたしは我儘を言ったんだ。]
(470) SUZU 2015/10/21(Wed) 23時頃
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…… 美味しかったですよ、ミィ。
[ 残された囁きは、交わした約束のとおり
寸分違わず叶えられる。
それが摂理、それが約束。
それが……
( 噫、なんて 真綿のような甘い呪い。 )
此の存在を”呪い”と言った幼子は
あの小さな手を喪ったとき、何と喩えるのだろう。]
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────………。
[力を使う時。 先生の掌は、あったかくなってとっても心地いい。 見上げた額が、ぼんやりと淡く光ってきれい。 折れた角があった場所だって、今ならわかる。
背丈がさらに伸びたけど、まだ先生の肩に足りないかな。 小麦色の髪が腰のあたりまで長く伸びて。 男でも女でもない体は、 街を歩いてる大人達とはやっぱりちょっと違ってる。 けど。]
(486) SUZU 2015/10/21(Wed) 23時頃
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────お嬢ちゃんらは兄妹かい。 おなじ色の目をしてるんでな。
[手を繋いでハニージンジャーを買いに行ったら 尋ねてきた屋台の人にきょとりと目を丸くして。 隣にいた先生と顔を見合わせた。]
(487) SUZU 2015/10/21(Wed) 23時頃
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[ああそうか。 わたし今、せんせいとおそろいの色をしてるんだ。]
ふふ、おなじ色だって! おそろいだね。
[先生が好きな蒼く澄んだ色じゃなくなったけど。 今はわたしが好きな、優しい真夜中のネイビーブルー。
くしゃりと顔が緩む。 くすんでしまった瞳を輝かせて笑ったわたしは これまでで一番、しあわせな笑顔をしてたはずだ。]*
(488) SUZU 2015/10/21(Wed) 23時半頃
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