266 冷たい校舎村7
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[せわしなく動く目が綺麗だった。
器用な指先で衣装を紡いでいる姿が可愛らしくて
いつも華やかでクラスを彩っていた、
灰谷彩華。
あなたもまた、文化祭に欠かせないひとだった。]
お母さんと仲良く、できるといいよな。
[センスのいいお母さん。
本当にお母さん? その事実は、きっと俺は知らない。
だけれども、曇天に広げてみせた傘の色に
決して愛がないとは思わない。
だから、ちゃんと覚えてるよ。全部。]
[大きな背中が印象的だった。
大黒柱、って言ったら、喜ぶのか、嫌がるのか
俺はわからないけれど、
けれど確かに、あなたはクラスの支えだった。
宇井野 堅治。
たまに見せるギャップが可愛らしかった。]
いい奴。あんまり気に病むなよ。色々。
[揺らぐことのないあなたの、心の内側を
それこそ花のような繊細さを持つ心を
俺は知りえないわけですが
ひとつ言うなら、最後に見かけたあなたの背が心配です。
内装チームの仲間より、包帯を巻いた猫に愛を込めて。]
[二人の終幕に切れないシャッターを切って、
また二つ、この世界は満たされる]
あはは。
[*早くみんなとまってしまえばいいのに*]
帰りたくはないなあ。
さっさと皆を止めて、
終わらせよう、って思っているところです。
だからね、はやく、脱出方法を見つけてくれよ。悟。
……出せなくはない気がするけど、
確か、じゃないし ね
[万が一があったら、困るもの*]
あ、気づきました?
そうなの。
やっぱりヨーコねーさんは、賢いね。
[偏在する意識の欠片。]
[なあ。
俺はいつの瞬間だって笑って――――、いた、だろ?
ちゃんと笑っていただろう。
あなたたちが喜ぶように子供らしく。
母親が母親である前に「一人の女」だって気づいても
父親が父親である前に「一人の男」だって気づいても
俺はあなたたちの「 」だったから。
俺はあなたたちの子供だったから。
「 」が笑うためにピエロになって、
それでも駄目だからいぬになって、それでも、
わからないんだ。
あなたたちが笑わなくなって、
崩れていった理由がわからなかった。
何が足りなかったんだろうなあ。]
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