237 それは午前2時の噺。
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[ 名前も知らないコードを握りしめて、名前も知らない機械が呼吸を止めるのを眺めて居た。
眩しいばかりであったその建物も今は暗く冷たく、静まり返っている。安全な方向を教えるべき緑の人も目を背けて知らんぷり。
ひかりを生むものをころしてしまっていた。]
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[静かな部屋に、ごおおおと、沸き立つ音だけが響く。ケトル、怒りの湯沸かし。側には目の覚めるような黄色が特徴的な紅茶缶がある。 壁の向こう側から聞こえていた賑やかな声は、とっくの昔に奥へと引っ込んでしまった。今頃は川の字になって、夢の中にでもいるのだろう。私はというと、喫茶店で飲んだカフェオレのせいか、冷蔵庫にあったチーズタルトを食べたせいか、未だ眠れないでいた。傍に置かれたスマホに視線を落とし、ホームボタンを押してみる。ロック画面は1:59を表示するだけ。数字の後ろで微笑む彼女は、無言のままこちらを見つめている。]
あーん……くみた……
[普段は薬缶を使うので、どれくらい沸かせばいいのか分からず、そろそろスイッチを切ろうと手を伸ばしかけた、その時だった。]
きゃあっ!
[急に目の前が真っ暗になった。]
(35) 2018/03/26(Mon) 23時頃
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[ 踏切が働く音はどこにも聞こえないはずなのに、いつも赤いランプがあるあたりがカンカンと鳴っているように聞こえた。学校へ行く車の中、窓から通り過ぎる時はいつも鳴っていない。あの音を聞くのは帰り道だけ。
カンカン、カンカン。ごおごお、がたんがたん。
ぎゅうぎゅう詰めの電車がとおってどこかへ行く。
どこへ行くんだろう。どこまでいけるんだろう。この町を飛び出した先、どこまで向かうんだろう。発電所から急いで飛び出して、電車よりもっと遅い速さで坂道を下る。]
[ むねが、まだ、ドキドキしている。
わるい、こと、してしまったんだ。
街灯も消えて沈んだ町を駆ける。靴の音がやけに響いていた。目指して居るのは、「まんなか」公園。噴水と遊具と、花時計がある小さな遊び場。]
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