人狼議事


88 めざせリア充村3

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視点:


[仮想世界が壊れる間際。
罅割れた空間に紛れ込んだノイズ+62は、
雑音の中でも聞き取れた。



電子音と共に、のしかかっていた負荷が消える。
力なく項垂れていた首をもちあげて。
うっすらと光を取り戻した翠を、
擬体を撫でているミナカタへと向けた。]


 ……おわ、った…の。

[まだ調整の効かない、少し雑音の混じる音で。
すべての感覚を戻していない状態では、
全員が無事に目覚めたのかはわからず。

彼らの様子を尋ねると同時に、
ミナカタの表情を窺う。]


[掌の下。小さな頭が動く。
視線を落とせば、翠が光る。]

――起きたか。

[名前を呼ぶことはやはりなく。
雑音の混じる音に腰を落として。]

ほら――口開けろ。

[桃色の包みの飴を取りだした。
開けて彼女の唇に砂糖菓子をあててやる。]


……お疲れ。
辛かった、な。

[砂糖菓子をポプラは食べただろうか。
ゆっくりと彼女の頭を撫ぜながら。]

……ただいま。

[「あの時」言えなかった言葉を。
なんだか口に出したくなった。]


[壁に広がるモニタの電源は全て落ちていた。
誰が落としたかは、一人しかいないだろう。

口元に当てられる飴を、
すこしぎこちなく口を開いて受け入れる。
広がる甘味に、「現実」に戻ってきた実感を得た。]


 ……つらいの、は……あのこたち。

[撫でる手に、首をゆるく振って。
実験を止めることもせず、
「悪夢」の世界を作り上げたのが自分と知ったら、
もう以前のように接してくれなくなるのだろうかと。
そんな身勝手な恐怖を抱く。

決して、口にはしないけれど。]


[「ただいま」と言われて、
それは逆じゃないのか、と。

しばらくの間、ミナカタを見つめて。]



……おかえりなさい…みぃちゃん。
それから……ただいま。

[「わたし」が目覚めた時と、同じ言葉を返した。]


――お前も辛かっただろうが。

[己も、とそれは口に出さず。
白銀の髪を撫でて、撫でて。

視線はどうしてもカプセルへと向く。
あの髪に最後に触れたのはいつだろう。]


[返された言葉はあの時の言葉。
やはりこれは、ポプラなのだと。
彼女――カリュクスではないのだと痛感して。

理不尽にも、彼女に溜息をつきそうになり。
それは押しとどめて――ただ、頷いた。]


落ち着いたら上に行くぞ。
チアキと――ソフィアも、眼が覚めてるだろう。

[ポプラがためらうようだったら
手を伸ばして彼女を抱き上げようと。]


[辛いのは、強制される側。
またはそれを見ているしかできない側。

少し外れる視線に、細く呟く。]



 …… 、いなかったら。

[こんな悪夢が実現されることはなかったのかもしれない。
口にするのはまだ、躊躇いがあるけれど。]


………。

[上へあがるのは少し躊躇われて。
それでもミナカタに抱えられれば、地上へと。]


【人】 保険調査 ライジ

― 実験室 ―

[最後の二人の有様を写したモニタを、
そこに何も浮かべなくなってからも
じっと見つめていた。

鳴り響いた電子音を聞いても、
少しの間はその場から動けなかった。


それでも、
濡れた目元や頬を手で拭い、
横たわるカプセルの傍へと近付き。




眠ったままのソフィアの顔を覗き込む。]

(5) onecat69 2013/07/06(Sat) 03時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 …ソフィア。


[小さな声をかける。

そうしようと決めていた通り、
ちゃんと、微笑って。]

(6) onecat69 2013/07/06(Sat) 03時半頃

……忘れるな。

[余計な事を考えていそうなポプラが
それを本当に口にしたら
きっと自分は壊れてしまうだろう。]

お前が死んでいれば
俺はここにはいない。

[この研究所もきっとないまま。
子供達にはもっと酷な日々があっただろう。]


[地上に出る前。
わずかな時間だけポプラを見下ろす。

ここでこの擬体を壊したら
精神だけが元の身体に戻って
彼女が目を覚まさないかと――


そんなばかげた妄想を。いつものように。]


【人】 保険調査 ライジ

 ……おかえり。おはよう。

[まだ悪夢と現の境界を彷徨っているのか、
ぼんやりとした様子のソフィアに
浅く肯いて見せる。]


 夢…、全部…悪い夢だったんだ。


悪夢めいた虚構の世界から戻っておいで、と、
ソフィアの身体を抱き起こそうと。
説明は後回しで。

今はただもう一度だけ
ソフィアを抱き締めたい。]

(8) onecat69 2013/07/06(Sat) 03時半頃

 ……でも ……

[死んでいたら、
こんな思いもしなくてすんだだろうに。


言葉は途中で打ち切る。
もし表情があったなら、
醜く歪んだ笑みを浮かべていただろう。


もしもあの時に生にしがみついたりしないで、
そのまま死んでいたのなら。
ミナカタも、こんな飼われるような生活ではなくて、
もっと別の場所で、楽に。

死んでいただろうか。]


【人】 保険調査 ライジ

戦場でしたように
彼女の頭を胸元に抱き込む。

生きている事を、
確かな鼓動を彼女に伝えようと。

ほんの短い間そうしただけで
すぐに腕は離して。]


 ありがとう、ソフィー……
 俺は、君に救われた。

[―なのに、ただ苦しめるだけだった。
ごめん。]

(12) onecat69 2013/07/06(Sat) 04時頃

 ……いつでも…いいよ。

[こちらへと向けられた、
少し濁るミナカタの目に音を投げかけたのは。

実験の後で、箍が緩んでいたから。
疲れていた。こんな歪んだ生き方に。]


[なおも食い下がり続けるポプラの様子に
すぅっとその双眸は細められる。]

死にたかったか?
あそこで、死にたかったか?

……悪かったな。死なせてやらなくて。
お前をずっと縛り付けて。

お前が、


[ポプラを抱く腕をゆらりと揺らす。
大丈夫だ、まだ耐えられる。
まだ――]


お前が、悪いんだ……

[立て続けに見せられた子供達の実験。
それは自身の心をも酷く苛んでいて。


零された、ポプラの言葉には
耐えられなくて、その身体を――



     床にたたきつけるように 落とす。]


――っ……!

[自身のしたことには
ポプラが落ちた音と同時に気がつき。
慌てて駆け寄って、小さな身体を抱き上げた。]

すまんっ……! 大丈夫か、どこか壊れて――


[誰を心配しているのだろう。
何を心配しているのだろう。

これはただのぬけがらなのに。]


[叩きつけるような声。
こんな声を向けられるのは、
「ポプラ」として目覚めてからは初めてだろうか。



体を支えていた手が消えて、
重力に流されるまま、床へと落ちる。

研究所の技術で作られた擬体は、
この程度の高さから叩きつけられたところで
傷ひとつつかないが。

再度抱えるミナカタの頬に、手を伸ばす。]


 ……わたし…が……願った……から。

[おかえりを言いたかった。それだけ。
その願いは確かに叶って、
そしてその願いが「今」の「研究所」を生み出した。]


 ………みぃちゃんは…わるくない。

[落としたことか、実験のことか。
“あの時”あの場にいなかったことか。

ぺたりと頬に手をつけて。
笑ったように、見えただろうか。]


[小さな手が頬に触れる。
これは紛い物の手。
偽物の手。
それでも、それは伸ばされる。]

……俺も、共犯だろう……?

[掠れた声で答えながら。
感情の浮かばないポプラの顔を覗き込む。]


[そうやって守られて。
あの時だって彼女はそう言った。

自分がいれば止めれただろうに、と
そう後悔する己に。彼女はそう言って。
それから、何度も言い聞かせるように。

まるでそれが事実であるかのように。
本当は、彼女の方こそ何も悪くないのに。]


……ぃ


[ギリと奥場を噛む。
細いポプラの手を掴む。]


[いっそ折ってやろうか。
もう、心を揺らされないように。

彼女と同じ色の髪も
補色になっている瞳も

ぜんぶ。目の前から消してしまったら。


――きっと、何も考えずに狂えそう。]




[腕にかかる圧力を検知する。
人の力でどうこうできる強度ではないが、
内部で鳴る警告音は無視をして。]



 ……みぃちゃん。


[ただ、紡ぐ。
今も昔も、同じように。]


……なあ、教えてくれ。
お前はどっちなんだ?

――カリュクスなのか。違うのか。
元に戻るのか。
俺はいつまで待てばいい?
俺が死ぬ前にお前は、目を覚ますのか……?

[聞いてはいけないことが。
ぽろぽろと口から零れる。
危うすぎる均衡。
よくもこんな長い年月もったものだ。]


――「みいちゃん」と呼んでいいのはカリュクスだけだ。

[指先を、ポプラの細い喉に。
これを壊したところで彼女は
死ぬことなんて絶対にないだろうけど。

この長い年月で己の心に根を生やした
この存在を心から消し去ることは出来るだろう。]

――答えるな。
だから代わりに、そう呼ぶな。

[ポプラにはそう告げる。
まだこれを壊すわけにはいかなかったから。]


……俺は

[腕をつかむ力を緩めて
喉に当てた指も離して。

いつものようにポプラを抱き上げて。
ただし声の温度は低く。]

俺は、籠の鳥でよかった。
カリュクスを失うぐらいなら――

[ただもう一度あの紅を見つめたいだけなのに。

その望みはこんなにも――遠い。]


[答えようと開いた喉に指先が添えられる。
力はほとんど込められていない。


悲鳴のように突きつけられた通牒に、
機械の顔の内側で嘲った。





あの時の願いは、叶えてはいけなかったもの。
この擬体は、望んではいけなかったもの。

一番望んでほしかった人に、
誰よりも何よりも、疎まれている。]


[抱えられ、ミナカタの望むとおりに無言のまま。
腕の中で低い呟きを聞く。

彼の望みはまだ、叶えられなくて。
これからも、叶えられるかは知れなくて。
自分の望みは悪循環ばかりを招いて。

それでも、自分はまだ動いている。



階段をのぼれば、
地下への入口ともども、揺れる感情に蓋をする。]


[片手で抱きかかえれる身体。
本物の彼女よりずっと、ずっと軽い。

それでも迎えてくれてうれしかった。
同じ言葉で「おかえり」をくれて


本当は、よくできた紛い物などと思っていない。
カプセルの中ずっと目覚めない彼女のほうが
今では人形のように思えてしまう。


嗚呼――そんなことを言ってしまったら
ポプラの中に居るカリュクスをどれだけ傷つけるだろうか。

擬体の中にまで入って待っててくれた男は
もう己を待ってもいないし、必要ともしておらず
作り物の中にいる存在を]


[愛してしまっているのだと。]


[だから名前を呼ばない。
呼べば本当にカリュクスが過去になってしまう。

それを何より恐れて
その後に彼女が目覚めることを何より恐れて

愛しく――憎い擬体を抱えて
階段を上って地上へと。]


――な、ぁ


[掠れた声での囁きは。
絶対にポプラの耳でも拾えないだろう。]


【人】 保険調査 ライジ

[抱いた頭をゆるく撫ぜて。

あの悪夢の中でずっとこうしたかった事、
それはきっと叶わないだろうと諦めていた事、
最期に会えた刹那の喜びと、
遅すぎたんだという絶望が蘇る。

最期に向き合った彼女の顔を思い出し。
朝焼けの中の彼女の姿を思い出し。
もう二度と、あんな顔はさせたくないと、
あんな未来を歩ませたくはないと切実に願う。

離れる間際の震える手に触れ、
かわりに彼女の目元を指先で拭う。]

 あの夢は…戦場は、ひとつの可能性なんだと…―

[それからようやく
ナユタとミナカタ先生から聞いた説明を、
ソフィアへも。]

(16) onecat69 2013/07/06(Sat) 14時頃

【人】 保険調査 ライジ

 今は、…な。

[明日はどうなるか解らない。
大切な物は唐突に失くなってしまうのだと
虚構の戦場へと続く道すがら知った。

だから今この瞬間だけは。
ソフィアの目元を撫でる指先に
持てる限りの優しさを込めて。]

 みんな、一緒に居るよ。
 ………会いにいっておいで。

[笑ってくれる彼女へは、
努めて穏やかに笑うまま肯いて。


チアキのカプセルの電子音が鳴ったのは
きっとその直後。**]

(19) onecat69 2013/07/06(Sat) 15時頃

【人】 保険調査 ライジ

― 実験室 ―

[ソフィアの眠っていたカプセルに腰掛け、
周囲の様子を眺める。静かに。

チアキのカプセルが開いてからの様子には
眉を寄せて吐息を落とすものの、
あの惨状の中で“演じた”俺と彼の“役割”を思うと
声をかける事は躊躇われた。


立ち上がり、
ミナカタ先生の傍へと。

傍にはポプラも居るだろうか。
二人へ向ける目は、
悪夢の中で戦場を見つめていた目よりもずっと、
冷たく、暗い。]

(40) onecat69 2013/07/07(Sun) 01時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[改めて向き合う懐かしい顔。
雪の中、最後に見た顔と変わらない。

ミナカタ先生が生きている事に安堵し、
すまなかったと詫びるつもりは無い。
それでも、良かった、と
そう思ってしまうのは仕方なくて。

奥歯を噛み締めて
険しい表情を保つべく努める。]


 恨むよ。……先生。


[間近に立ち、向けた言葉は語尾が震える。]

(42) onecat69 2013/07/07(Sun) 01時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[実際のところ、
ミナカタ先生を恨むのもお門違いだと
頭のどこかでは理解している。

それでも。
先生の胸倉を右腕で掴み、引き寄せる。]

 たまたまでこんな気分にって…最低だ。

 嘘でいいからだ、
 「お前じゃないとダメだった」とか
 言われる方が、まだマシ。

[そのまま、
ミナカタ先生の額に頭突きを一発。
ゴツ、と鈍い音。勿論、俺も痛い。]

 これで許してやる。

(47) onecat69 2013/07/07(Sun) 02時頃

【人】 保険調査 ライジ

[やっぱり俺も痛かった。

額を擦りながら
ミナカタ先生を見る涙目からは、
「許す」と言い放った言葉の通り
既に険しい色は失せていた。]

 大人なんだからさ、
 嘘のひとつも吐きなって。

[先生の心の内は解らないから、
彼の言葉をそのまま受け取って
少し不服そうに拗ねたように、笑った。]

(52) onecat69 2013/07/07(Sun) 02時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[触れられる額はやっぱり痛い。

温もりは額から滑り降りて
頬を包んでくれる。
懐かしい温かさを感じてしまえば
思わずヒクリと肩は揺れるが。

一度の瞬きで込み上げる感情をやり過ごす。]

 でも。大人は子供の嘘を見抜くのは下手だ。

[頬の手に手を重ね、
遠く感じる“あの日”の夜にしたように
ミナカタ先生の掌に唇を寄せ。]

 先生も……おつかれ。

[手を離して一歩身を退いて。
以前と同じ距離感よりほんの少しだけ離れた位置から、
もう一度、笑いかけた。*]

(58) onecat69 2013/07/07(Sun) 11時頃

【人】 保険調査 ライジ

 さて。

[額の痛みもおさまったところで。
ミナカタ先生には頭突き一撃としたが、
この子にはどうしようか…と
ポプラへも眼差しを向けた。

しばらく押し黙ったままポプラを見つめ。]

 ポプラも、
 ずっと見てたのか…?
 ずっと…あれを、見せてたのか…?

[あの悪夢を。惨状を。
そして今尚胸に残る悲しみと苦痛を。]

(77) onecat69 2013/07/07(Sun) 16時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 ……おもしろかった?

[ちょっと意地悪な質問を落とすのは
少し、掠れた声で。

ポプラは、
何を思って見ていたのだろう。
何を思って見せていたのだろう。

確かにそれは知りたい事ではあった。

返答は何であったにしろ、
ポプラの眉間を指先で軽く弾いて。
仕返しは、それで終わりとしておく。]

(79) onecat69 2013/07/07(Sun) 17時頃

【人】 保険調査 ライジ

[項垂れるポプラの頭に掌を乗せ、
柔らかい髪をもふもふと撫で回す。

ポプラの作る沈黙には
微かな苦笑いを浮かべただけで
それ以上は何も訊かなかった。


誰を恨んでもきっとおさまらない。
誰に詫びても謝罪されても終わらない。

今抱えるものは、
これから未来を塗り替える事でしか
乗り越えられないものなんだろう。

そう理解して、
今はただ深く肯くだけで。*]

(81) onecat69 2013/07/07(Sun) 17時半頃

【人】 保険調査 ライジ

― 厨房 ―

[チアキには声をかけられないまま、
実験室を後にして、
気まぐれに足を向けた食堂を通り過ぎて
今は無人の厨房へと。

何も変わっていない風景が、
妙に儚いもののように感じるのは
先の実験の名残なのだろう。

あの夢がどの程度の精度で描かれた未来なのか、
それはこの壁の中で生きる
無知な今の俺には解らない。]

 ……考えても、仕方ないか。

[きっと今の俺がまずするべき事は、と考えて、
珈琲を淹れる。
ミルクと砂糖をたくさん入れた甘い珈琲を。]

(89) onecat69 2013/07/07(Sun) 20時半頃

【人】 保険調査 ライジ

― 厨房→食堂 ―

[考え事をしながら、
時間をかけて珈琲を入れた。

ミルクを注いで掻き回しつつ思い出すのは
遠い記憶になりつつある
とにかく薄く不思議な風味の炭珈琲。
炭火焙煎なら美味かっただろうに。

薄く思い出し笑いを零したところで
食堂の方から物音が聞こえて。]

 ……ああ。ソフィー。
 今、会いに行こうと思ってた。

[出来上がったばかりの甘い珈琲を手に、
彼女へと歩み寄り。
湯気の立つカップを手渡す。]

(138) onecat69 2013/07/07(Sun) 23時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 ん、どうぞ。
 …夢での三年の記憶の中には無くてさ、

[“あの日”約束したはずなのに、
ソフィアのため珈琲を淹れた記憶は無かった。
それがずっと心残りだった。気になっていた。

座る彼女の隣の席を選び腰掛けて、
やっと約束を果たせた事に安堵した。

カップに口を付けてくれる彼女を
横から真っ直ぐに見つめて。]

(143) onecat69 2013/07/07(Sun) 23時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 あのさ、

[しばらくは静かに見つめていたが、
おもむろに口を開き、]

(145) onecat69 2013/07/08(Mon) 00時頃

【人】 保険調査 ライジ

― 数日後・自室 ―

[昼食を済ませ、
自由な午後の時間を過ごしている。
ベッドに腰掛けて適当な本のページを捲って。

あれから。
戦場を彷徨う悪夢に魘される夜は続いているし、
チアキとはまだちゃんと会えていない。
実験の余韻が残る日々を送っていた。

本を閉じ、溜息をひとつ落としたところで、
扉を叩く音と声を聞いた(>>136)。]

 どうぞ。

[もちろん施錠はされていない。
シンプルな返答で、ヤニクを部屋へ招き入れた。]

(158) onecat69 2013/07/08(Mon) 22時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[閉じた本をシーツの上に適当に置き、
座ったままでヤニクを眺めた。
扉の前から動かない様子も、
どこか緊張した面持ちも、らしくない。

どうした、と笑って声をかけようとしたが、]

 …………、

[ヤニクの言葉を聞いて、
彼を真っ直ぐに見つめるまま、黙り込んだ。

視線を重ねて、沈黙の時間を過ごす事30秒程。]

(160) onecat69 2013/07/08(Mon) 22時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 うん、あぁ……すげぇ可愛い。俺も大好き。
 いい子だろ。リッキィ。
 

[沈黙を打ち切って。
朗らかに笑って、肯いた。

無邪気にシレッと兄の顔をして笑う俺の前で、
さて、ヤニクはどんな反応を見せてくれるのか。]

(161) onecat69 2013/07/08(Mon) 22時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 やっぱ、はぐらかされては…くれないか。
 残念。

[確信犯は笑顔を消して、
かといって険しい顔をするでもなく、
常と同じ顔つきで改めてヤニクへと視線を。

「まぁ座れよ」とベッドを叩いて示し、
俺は適当に椅子に掛けなおす。]

 俺は、何もしてやれなかったよ。
 あの夢の中でも……現実でも。 

 そもそも、
 こんなところへあの子を招いた原因も俺だ。

[はは、と零した乾いた笑い声が、響く。]

(163) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時頃

【人】 保険調査 ライジ

 …………、

 なんだこれ。すげぇ恥ずかしいな。

[更に挟んだ沈黙の後、
頭を掻きながら、複雑な面持ちを浮かべ。
深く呼吸した後に、]




 妹を宜しく頼みます。
 ……大切にしてやってください。


[深々、頭を下げて。
真剣な声で、はっきりとそう伝えた。]

(164) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時頃

【人】 保険調査 ライジ

 ヤニクなら、いいよ。
 お前になら俺の大切な“家族”を任せてもいい。


[頭を下げたまま床を見つめ、
深く息を吐いた後の言葉は強く。はっきりと。

言い切ってしまえば、
頭を上げて再びヤニクと視線を合わせる。

目にかかった前髪を描き上げつつの笑顔は、
先のような無理矢理な満面の笑みではなく
自嘲するような乾いた笑みでもなく。
自然に、穏やかに。]

(167) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 安心しろよ。
 “家族”ってのは、奪うとか奪われるとか、
 そんな単純なもんじゃねぇの。

 俺は死ぬまでリッキィの兄貴で、
 リッキィは死ぬまで俺の可愛い妹。
 
 で……兄ちゃんてのは、
 妹が好きな男の傍で幸せそうにしててくれるのが、
 結構…嬉しかったりするんだよ。

[そこまで言って立ち上がると、
ヤニクの傍へと歩み寄り。]

 ……寂しいけどな っ、

[おもむろに、背中を思い切り叩いてやる。]

(168) onecat69 2013/07/08(Mon) 23時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[咳き込む様子には軽く笑ったものの。

下げて見せられたヤニクの頭に掌を置き、
そのままくしゃりと髪を撫でてやる。
これまでと変わらない容赦無い手付き。

もちろん、
これでヤニクと俺の関係が変わるわけもない。]


 よろしく。
 ………信じてるよ。ヤニク。


[多くは返さず。
様々な感情全部をその言葉に込めて。
深く肯き。

彼らの未来が明るくあるようにと心から願った。*] 

(173) onecat69 2013/07/09(Tue) 00時頃

【人】 保険調査 ライジ

― 数日後・自室 ―

[ヤニクから交際報告を聞いた更に数日後。

その日もやはり昼食後の暇な時間を、
自室にて本のページを捲って過ごしている。
古びた絵本は、昔、妹によく読んで聞かせた物語。
診察室で同じものを見つけて
懐かしくなって借りてきた。

何度も読んだ気に入っている場面を眺め、
描かれた主人公の少女の姿を
コツコツと指先で叩く。]

 ……開いてるよ。

[その音に重なるようにして聞こえた扉を叩く音。
もちろん鍵は開いていて、
訪ねてくる者を追い返す必要も無い。
気軽に声を返した。]

(184) onecat69 2013/07/09(Tue) 00時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[返ってきたのは小さな声。
その後に開いた扉へと眼差しを向け、
そこに居るチアキの姿に、一瞬、身構えた。

彼の様子は逐一誰かから聞いていた。
記憶が欠落しているという話も、
まるで本物の子供のようになっている旨も。

それでも…否、だからこそ、会わなかった。

俺が、封鎖された記憶の蓋を
開けてしまうんじゃないかと。怖かったから。]

 ………何処へ行きたいんだ?

[開いていた本を閉じて傍らへ置く。
表紙には『Alice in Wonderland』と。

頭を下げるチアキに、
少し緊張を孕んで強張る声を返した。]

(199) onecat69 2013/07/09(Tue) 01時頃

【人】 保険調査 ライジ

[困惑してか視線を泳がせるチアキ。
その様子を見つめる俺の瞳も揺らいだ。

診察室へ行きたいならば、と、
少し迷った後に立ち上がって彼の隣へ。
道案内くらいなら…大丈夫だろうか。
これからミナカタ先生の所へ行くなら、
異変があってもなんとかしてくれるだろう。

近付いてみると、チアキはチアキのままで、
どこも変わっていない。
モニタ越しに見た彼の最期が脳裏を過ぎり
胸がギシ…と痛んだ。

それなりに、あの悪夢とは折り合いをつけて、
元のように暮らせるようになってきた。
でも、チアキとの時間は止まったままだった。
悪夢の中から、進めないまま。]

(211) onecat69 2013/07/09(Tue) 09時半頃

【人】 保険調査 ライジ


 ……知ってるよ、チアキ。

[知っているから、努めて平静なまま答える。
彼を見る目元だけが、ほんの少しだけ、険しい。
緊張ゆえにだ。]

 ライジ。……俺の名前は、ライジ。

[名を教える声の調子もまた、同じく。
静けさの中で微かに張り詰める緊張感。]

(212) onecat69 2013/07/09(Tue) 09時半頃

【人】 保険調査 ライジ


 アリス。 ……読んでやろうか?

[チアキの目線が本の表紙へ落ちる。
気紛れに訊いてみたのは、
彼の顔があまりに幼く見えたから。

返答はどうだったにしろ、
きっと俺は黙って肯いただろう。]

(219) onecat69 2013/07/09(Tue) 14時頃

【人】 保険調査 ライジ

[二人分の足音だけを響かせ歩く廊下で、
唐突に質問を投げかけられて、瞬きを数度。

あまり積極的に答えたい内容じゃない。
実験にまつわる記憶の言語化は、
カウンセリングの時間だけに止めておきたい。

ふと見下ろすと、
チアキと視線が重なった。]


 ……死にたい気分、かな。


[最後の質問にのみ答えを返す。
言ってしまえば、二年半分の架空の記憶が溢れる。
溢れた記憶と感情に呑まれるように、

表情が失せた。]

(220) onecat69 2013/07/09(Tue) 14時頃

【人】 保険調査 ライジ

[チアキの唇の動きは声無く問いかけてくる。

―― なんで?

変化の無い硬直した表情の中で、
じわりと瞳に暗い闇が浮かぶ。

―― なんで?こんなことに?

見えない何かに触発された傷口が開く。
そこから溢れるのは、
深く黒い虚構の記憶と絶望。

―― なんで?こんなことに?ここは何処だ?

ぐらりと視界が揺れた。]

(225) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[深みに嵌りそうになる意識を、
緩く頭を振る仕草で引き戻して。

落ち込んだ風なりチアキを改めて見る。
幼い視線と言葉に肯いて、
少し、話してやる。軽い笑みを作って。


深い妄想の世界に堕ちたアリスの物語を。]

(226) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 ああ……、あれは、


[焦って走る時計うさぎは面倒事の中心へ向かい、
チェシャ猫は耳元でまやかしを説き、
アリスは狂った茶会に囚われる。
ハートの女王に追い立てられて、
トランプ兵は槍を血で染め戦場を走った。

仲間殺しの裁判にかけられたアリスは
結局どうなったんだっけ。

妹殺しの罪を背負ったのは誰だったっけ。

……話す途中で物語は大きく歪み、
“Wonderland”は焼け野が原に。


努めて穏やかな顔を浮かべたまま。]

(227) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃

【人】 保険調査 ライジ

[廊下が妙に長く感じる。

このまま歩いても歩いても
何処へも辿りつけないんじゃないか。

目の前で笑うチアキの顔に
かつての日常の中に在った彼が重なり
モニタ越しに見た戦場での彼が重なり、
現実の輪郭が曖昧にぼやけていく。



穏やかな調子のままに語る物語は、
アリスが現実と妄想の狭間に落ちて
真っ暗な中でひとり微笑んだ場面で終わった。]

(231) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃

【人】 保険調査 ライジ

[結局彼女は
何処へも行けず、何処へも帰れなかった。

頭の中に描いたアリスは、
チアキの顔をしていた。



その顔を見つめていると、
像は歪んで、
ひとり嘲笑う俺の姿に成った。]

(232) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃

【人】 保険調査 ライジ

 そう…ただの夢。ただの物語だ。


[―― 本当に?

そうでない事を俺は知っている。

頭で理解した“実験”という真相とは違う
記憶よりもっと深い場所に刻み込まれたものから
けして目を逸らせないのと同じで。

子供の顔をして無邪気に笑うチアキから
俺は目を逸らせなくなる。

目眩がする。
白く点滅する視界に、雪の日を思い出す。]

(233) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃

【人】 保険調査 ライジ

[影の世界で振り翳される鋏には気付かず。

明るく返事をするチアキの髪に指を絡ませ。
甘い手付きで撫でてやるのは、
かつての日常と同じ。

笑う顔も。

違っているのは――何だろう?
思い出せない。]

(245) onecat69 2013/07/09(Tue) 20時頃

【人】 保険調査 ライジ

[食堂の前を通りかかって、
中へと入っていくチアキとはその場で別れた。

誰かに会えるなら、
俺が道案内をする必要も無い。

甘い香りと賑やかな気配に背を向けて
そのまま、誰にも声はかけずに廊下を引き返した。



チアキと離れれば、
狂ったワンダーランドの物語は
頭の中からすっかり無くなっていた。*]

(246) onecat69 2013/07/09(Tue) 20時半頃

【人】 保険調査 ライジ

― 半年後・冬の早朝 ―

[荷物は、小さな鞄ひとつに収まった。

朝から降る雪で白く染まりつつある中庭、
誰も居ない静かな食堂や談話室、
寄り道をしながら

良い思い出も苦い思い出も
この研究所のあちこちの残っている。

半年前の“実験”で見た悪夢で
ミナカタ先生を殺害した日と同じ日付の今日。
俺は、この研究所を出て行く事になった。


誰にも会わずに行きたいと、
昨夜のうちに、皆には挨拶を済ませてある。]

(280) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃

【人】 保険調査 ライジ

[行く先は、
最近勢力を伸ばしつつある小国の軍。

“魔法使い”を兵器として活用するため
各所から使えそうな実験体を
買い集めているらしい。


―― もう、間違わない。俺は。


国へと向かう車に揺られながら、
車窓を流れる景色を眺め、薄く笑った。*]

(281) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃

【人】 保険調査 ライジ

[研究所に報せが届くのはその翌日。

買い取った“兵器”を乗せた車は
落雷事故により横転し谷底へと落下。
運搬兵二名及び“兵器”共に死亡。
新たな商材があれば買い取りたい。

…そんな報せだ。*]

(282) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃

【人】 保険調査 ライジ

― さらに半年後《トラルーニュ自治区》 ―

[着々と戦争の支度を整えつつある小国の外れ、
遊牧民族を中心とした独立自治区。
バラックが建ち並ぶ小さな土地を中心に、
俺は結局、“戦争”をしていた。

各国にじわりと広まりつつある不穏な気配、
“魔法使い”を使った争いの話も聞く。]

 ……殺すな、死ぬな。生きろ。

[自分の生きる道を拓くためにと
逃げ出してたどり着いたこの土地で出来た
新しい“仲間”にかけるのは、
あの“悪夢”の中に居た俺とそう違わない言葉。

それでも、何かが違っていた。]

(308) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃

【人】 保険調査 ライジ

 じゃあ、行ってくる。
 またな。

[暑い夏の日。
半年を過ごしたこの土地を離れる。
戻ってくるかもしれないし、
もう戻らないかもしれない。

放浪の民の気質が根付くこの地では
そんな別れは日常茶飯事で。

荷物は殆ど持たずに、軽やかに駈け出した。*]

(309) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃

【人】 保険調査 ライジ

― 研究所から伸びる道 ―

[得た情報を信じて。
街道の真ん中に立って馬車を待つ。

遠くから聞こえる馬の蹄の音。
車輪がガラガラと回る音。

―― やっと、


馬車の行く手に、
目一杯の力で雷を落としてやった。
辺りに満ちる青白い光と、雷鳴。

土が抉れて道は断たれ、
怯えて慌てた馬は足を止めるか。

―― やっと、会える。ソフィー。]

(310) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃

【人】 保険調査 ライジ

― 一年後の再会 ―

[光が失せた道中、揺らぐ馬車へと駆け寄る。

早く逢いたい。

急いた気持ちのまま、真っ直ぐに。


そこで見つけた。
焦がれた愛しい君の姿。]

(331) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時半頃

【人】 保険調査 ライジ

 ソフィア! ……迎えに来た。

[そして、彼女へと手を差し伸ばす。

手を取ってくれるなら。
共に来てくれるなら。
一緒に生きてくれるなら。

俺は、もう二度とソフィアの手を離さない。
何があろうとも。
どんな“悪夢”が訪れても。
どんな“未来”に呑まれそうになっても。

もう、間違える事はない。
ソフィアが一緒に居てくれる限り…――**]

(332) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時半頃

……カリュクスはもう目覚めない。

だから……もう自由になっていい…の。


――お前も、死ぬのか?

[だから淡々とした温度のない声で尋ねるのは違うこと。

元になったカリュクスが目覚めない、ということは。
そのまま――ポプラの「自我」にも関わってくる。]


―ー 『今までありがとう。長い夢を見させてくれて。』


……ポプラ。


[呼ばなかった名前を、そっと呼ぶ。

瞬きはまだあるだろうか。
彼女が彼女ではなくなる前に、言葉を紡ぐ。]


お前が好きだよ、ポプラ。


[子供達に惜しみなく愛していると愛を注ぐ男が
誰にも一度も告げたことがない気持ちを。]


お前が好きだ。
今まで側に居てくれてありがとう――


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